最近、
「食べ物で自分の体を作り直したんです」
と言うと、
「は? ほんとに?」
と、言われます。

「じつは、鬱病と診断されたこともあります」
と、言うと、みなさん、目を白黒される。

両方事実です。

「鬱は治るんですか」
とも、問われたこともありますが、そんなのは自分が生み出す病だと私は思っているので、
とっとと戻ってきてください、なんて、若干荒いことをつい言ってしまうこともあります……。

鬱病当事者は、かなりの確率で、部屋は汚く、風通しが悪く、
朝日を浴びる生活をしてなく、
穀物を良く噛んでなく、口呼吸で、さらに呼吸が浅いでしょうから。

この逆をする人というのが、
なかなかいないんですよね、昨今。


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私が一般食を手放したワケ・1 前段「本当にダメなんですか?」
私が一般食を手放したワケ・2 「ベジタリアンだから、この体は持っています」
私が一般食を手放したワケ・3 「薬はひどい」

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SN3E0026和尚さんのレシピは夏から、秋のレシピになります。
秋口のレシピというのはだんだん熱を入れて煮込むお料理が多くなりました。

マクロビをはじめ正食、食養には
「一物全体」という考え方もあるのですが、
皮の灰汁も葉っぱ野菜に吸わせて美味しくいただくとかという
技がありますね。
灰汁を転じて旨みに変えるというのもオツです。
 
当時のキッチンは割と余裕のある広さだったので、集中して作れました。
作って食べて、確認をする。

「美味しい」
体が喜んでいるのが分かる。

それを、ただただ毎日繰り返していました。

食を整える前の私は、食事を作るという事も
本当に下手をすると「エサ」感覚になっていたのですが、
一つづつを一生懸命にやっていたと思います。

今は時々、甘いものとか食べたり、パンを食べたりもするのですが、
いつも「戻ってくるのはここだ」というのに確信を持てるようにもなってきました。

いずれにしても、
体に美味しい食事を作る、というのは初めての経験だったように思います。
(当時の日記より)

失敗しても、人生が短く元に戻るだけ。 
たいした事ではありません。 
だから、とことんやってみました。初めての取組みなので、カッコ悪いのが基本です。 
それから半年、いろんなものが変りました。 


【 忘れて、新しくなる 】

振り返っていますと、実は意外と忘れている記憶が多くあります。
そして、数年前の話の私の話なんですが、今はこんな考え方をしない、とも思います。

本当に、別人の頭で考えているみたいとも、今の私は思っています。
良く「病は気から」なんて言いますけど、「病気になる思考」もしていたんだろうと。

人の記憶なんて適当だし、都合の悪いことはどんどん忘れていくものですよね……。 

『 あたしの食養・6ヶ月』
2008年11月09日

出現していたのが、「私の中の私」。 
表に出ている部分の実行犯は、仕事であったり、実生活でもあったりするのですが、それのOKを出したり、NGを出したりするのがこの「私」です。 

今までの大体の事件と、 それにともなう感情を数値化し、蓄えています。 

人の細胞が全部入れ替わるのが、 だいたい3ヶ月。 
そのころ「今までの自分(実行犯部分)」を良い意味でロストします。 

食に関して、 
実行犯部分が暴走を始めたので、データを取り仕切っているはずの「中の私」があわててしまう。 
多分今までの、どのデータとも参照できないから。 

それから、少し思想的に変わったことは、 
前は、「神仏」を基本とした宗教はあまり感心がなかったのですが、今はどんな新興宗教でも、「無宗教」よりはましだと思うようになりました。 
(追記:この一文だけ、マイミクの和尚さんの思想。以下、着地点は違います) 

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(当時描いた運慶展でのスケッチ)


ヨーロッパでは「キリスト教」が強く国によって保護されています。 
人間的な哲学の基本をそれで保護することによって、国を強くするための意思の現れです。 
日本にはそれはありません。今までは、別になくても良かったから。 
新渡戸稲造氏の「武士道」ではそれがよく解説してあります。 
(この場合の「武士道」は、「ハラキリ」と「死ぬことと見つけたり」とか単純で下世話なものではなく、一言では言い表せないものです) 

「武士道」を支えてきた食が、今は崩れている。 
だから今は、祈りも人に対する思いやりも、カッコ悪いとかダサいとされて、こんな世の中になっているのでは、と私は思います。 

…それは善しとして…。 

実行犯である表の「私」が消滅しかかっているようなので、「中の私」がなんだかのびのびと活動を始めました。 

とか言いながら、それでも、まだかなり恐る恐るで自信はあまりありません。 
だけど、要求はかなり無茶。 

とりあえず、見た目には変わっているようです。 

どんな見た目に変わってるかって言いますと、、、 
「グィネス・パルトロー(マクロビ実践者)」風ですよ、多分(笑)。 
信じようが信じまいが、ここは私が心地良いなら、とりあえず良いのです。

そして、思想的にもこのあたりから激変してきます。 

どうも脳、特に人間性をつかさどる前頭葉の部分が恐らく変化をしてきたんだろうと思います。

幸せになる成功知能HQ―日本人の脳の進化の秘密
澤口 俊之






北海道大学大学院医学研究科教授で理学博士の澤口氏の本によると
IQは知能指数、EQは「自分の感情を制御する働き」を持つ感情的知性、
このEQを含めた前頭連合野の知性が『HQ(Humanity/Hyper-Quotient)』と呼ばれています。。
脳科学的にいうと、前頭連合野の知能が「人間らしさ」をつくると考えられています。

brain3
(参考:インフィニックマインド、前頭連合野とHQ)

たとえば、この部分を事故などでなくすと、その前にどんなに『良い人』であっても理性を失い
別人のようになってしまいます。

この本でHQがする役割とは下記のとおりであると紹介されています。

・将来へ向けた展望・夢(未来志向性)、計画性。
・高度な思考力、問題設定および問題解決能力、一般知能、(IQg)
・理性(感情の制御)、自己制御、社会性(とくに協調性)、「心の理論」
・主体性、独創性、創造性
・好奇心、探究心、やる気、意志力、集中力
・幸福感、達成感…

これが、本来の「人間らしさ」である。

逆にこの本では、こうも言っている。

ニートや引きこもり(いわゆる最近の傾向の人)は、前頭連合野がサルなみに発達していない。
(注:私でなく、この本が言っている)

この本が推奨する脳の育て方として、
一つが対話、もう一つが食事でした。

結局私は、二つを駆使することになるのですが。
この本は、脳みその本なのに、後半は日本食の話になっていきました。

そういえば、
「熱した穀物を食べて人間の脳は大きくなってきた」と和尚さんがおっしゃていたかしら…。

いずれにしても、「世の中」に繋がっている端末となるハードは自分自身。
 
そして、それを支えている「身体」を作っているのは「食」には違いないんですよね…。


そんなこんなで、いつからか、
うちのアパートに神棚ができることになります。





(つづく)