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先日の講習会に参加してくれたH君は、ここ一月ほど肩を痛めていて、腕がよくあがらない状態になっているようであった。みせてもらうと頚椎のズレから症状の出方まで、ほぼ私と同じであり、ちょっと驚いた。彼も自分でマッサージ等をおこなっているようであったが、ターゲットの筋肉はまったくほぐれていなかった。そこで私が登る前に10分ほどマッサージをしてみたところ、かなり楽になったようでその後のクライミングも快調のようであった。同じ原因で肩痛をおこしている人は多いと思われるし、正しく行えばクライミング前の10分で痛みをかなり軽減でき、筋硬直からくるさらなる傷害発生を食い止めることができると思うので少し詳しく説明してみたい。

まずマッサージ場所は優先順位が上と思われるものから、順番に

1.頚椎6.7胸椎1の周辺
2.棘下筋
3.棘上筋
4.烏口突起に付着する筋肉群
5.菱形筋
である。

1.頚椎6.7胸椎1(図1)
首を前にたおすと後ろがわ肩のラインに一番とびだしている頚椎がある。これが頚椎の7番、この両脇付近に強い圧痛のあるところがあるはず。この周辺をよくほぐす。ちなみにH君と私はじめ多くの肩痛もちの人は6番が左右どちらかにズレているひとが多いのではないだろうか。この場所にトラブルがあればほぐせばそれだけで肩痛は3分の2くらいにへるはず。ちなみに先日書いたが、その下の頚椎7番or胸椎1番の後ろへのとびだしが私の菱形筋(肩胛骨内側)のハリをうんでるもよう(10/30の日記も参考にされたし)。自分でほぐす場合はマッサージ棒(曲がり棒)でできる。

2.棘下筋(図2)
肩胛骨と上腕筋を体の背面で連結している筋肉。クライミングでも酷使する筋肉。肩痛のあるひとはすごく固くなってるはず。この硬直が上腕骨を後ろ内側にひっぱってしまって故障をよびこんでいるはず。寝転がってボールでほぐすか、(岩場ではそれはできないので)だれかに頼むかストレッチでほぐす。振動式のマッサージ機は関節のズレをうむので不可(岩場に持っていくひとはいないとは思うが)。

3.棘上筋(図2)
いわゆる肩がこったというときの肩関節の上から肩胛骨上部にかけての筋肉。腕を前からあげたり横からあげたりするときの痛みはこの筋肉が硬直して、上腕骨のでっぱりにはさまれることが多いと考えられる。(手をあげて痛みのあるときは肩の上からこの筋肉を押すとかなり圧痛があるはず)何度もはさまれるとこの筋肉や筋付着部の腱板が断裂するので要注意。マッサージは指か曲がり棒使用(容易にできる)。

4.烏口突起に付着する筋肉群。(図3)
烏口突起は肩関節の上にある肩胛骨の前部のでっぱり。この突起が肩痛のひとつのポイントと考えられる。この突起には小胸筋、烏口腕筋、上腕二頭筋(短頭)など硬直すれば肩胛骨の前側を下に押し下げる筋肉が付着している(棘上筋のインピンジに関係大)。手で簡単にマッサージできる。なお、上腕二頭筋には他に長頭があってこれは肩関節の近くの関節唇に付着している。こちらもほぐす必要あり。

5.菱形筋(図2)
肩胛骨背面の内側の筋肉
これが硬直すると肩関節はいよいよ可動域がへって痛みがひどくなるのでお忘れなく。曲がり棒でもほぐせるが、やりにくいので出来ればパートナーにほぐしてほしいところ。(10/30の日記も参照)


私の考察
頚椎からの神経の流れ悪化と、ともなう筋肉硬直によって肩痛をおこしている人は多いと考えられる。これらの筋の硬直で肩痛の原因と考えられているさまざまな症状が発生するようである。推測を含めてここ2回の私の肩痛の発生原因を詳しく考えてみたい、まず2回とも力こぶの上腕二頭筋長頭筋腱炎がおこって肩の前が痛くなった。アイロン体操をすると肩前部で何かがズレるかんじがした。これは上腕二頭筋長頭が上腕骨の溝から脱落している感じだと思われる。ではなぜこの脱落がおきたかというと、痛みがおきた時点で肩関節まわりには筋肉硬直がすでにおきていたはずである、肩関節をつくる、一方の上腕骨は棘下筋の硬直によって後ろ内側に引かれ、一方の肩胛骨は烏口突起が前にひっぱられ、また上腕二頭筋はこれまた硬直して縮んでいた。肩関節には上腕骨前部が外側にはずれるような力が加わっていたと考えられる。だから二頭筋の長頭は多分、内側に脱落しようとしていたはずである。前回はこの肩前部の不安定な状態から高い位置のアンダークリングで力をこめたところ、棘下筋
の部分断裂と亜脱臼につながったのではないか、と思われる。今回は前回にこりて肩関節が外側にはずれるようなムーブは極力さけた。外側にはずれるようなムーブとは高い位置のアンダークリングのほか、ワイドクラックのアームバーのような動き、かぶった壁での斜め上のサイドホールドへのランジ、かぶった壁での脇を開き気味のロックムーブなどである。おかげで筋の断裂や亜脱臼は起きなかったが今度はかわりに腱板に硬直がおきた(50肩or肩関節周囲炎?)。うごかすと肩周りあちこちにつっぱるような痛みがおこった、がこれはあくまで堅くなった腱板のつっぱりによっておこっているだけと考えられるので、あまり神経質にならないようにした。ほぼ同時に棘上筋のインピンジもおこった。これらの痛みは筋硬直の強い日ほど強くでた。硬直がひくにつれて肩も良くなっていった。これらの筋硬直を生んでいる神経はおもに筋皮神経と肩胛上神経と思われる(小胸筋の硬直は放散痛がかなり関係してる印象あり)。先ほども書いたが、これらの筋硬直がおこると肩関節には前部が外側にはずれ
るような力が働くと考えられる。腱板の断裂も棘下、棘上筋の付着部をのぞけば、前部が関節ぞいに縦にさけることが多いのではないだろうか?烏口突起周辺のストレッチのさいはやりかたによっては筋肉はのびるが、肩関節や腱板をいためる力がくわわるので要注意だと思う。あと一旦断裂した腱板は修復されないと考えられているようだが、腱板に血流をよみがえらせれば、可能性は考えられるのでは?その他、書きたいことはあるがまたいずれはっきりしたら..