地震当日に保安院に隠されたメルトダウン予測 — 発表のタイミングにも大きな欺瞞あり

一昨晩、事故から半年が経ってからERSS(緊急時対策支援システム)が実行されながら一部しか官邸に送られておらず、送られた内容についても官邸への説明がなされていなかったという、とんでもない実態が保安院より公表されました。


こういったニュースは比較的早く削除されてしまいますので、下記に保管させて頂きます。

メルトダウン予測資料、震災当日に作成 保安院公表(2011/9/2 22:06)
 経済産業省原子力安全・保安院は2日、東日本大震災の発生直後に作成した東京電力福島第1原子力発電所1~3号機の事故解析・予測資料を公表した。最悪の場合、3月12日未明に炉心溶融(メルトダウン)が起きうるとしていた。官邸の窓口に保安院職員を通じて渡したが説明はしておらず、どう活用されたかは不明という。事故調査・検証委員会の調査で焦点の一つとなりそうだ。
 半年もたって急に公表した理由は明らかにしなかった。保安院によると解析は独立行政法人原子力安全基盤機構に依頼。同機構は原子炉への注水が止まり冷却できなくなった場合、炉内の状態がどう変わるかを「緊急時対策支援システム(ERSS)」で計算した。保安院は資料を3月11日午後10時に作成した。
 同資料によると、11日午後10時50分に燃料棒が冷却水から露出すると予測。同11時50分に燃料の被覆管が破損し始め、12日午前0時50分に溶融が始まるとした。同3時20分に原子炉格納容器が設計上の限界圧力に達してベント(排気)が必要になり、放射性物質が外部に出ると予測した。
 保安院によると資料は3月11日午後10時44分、12日午前0時17分の2回、官邸危機管理センターからアクセスできる電子フォルダーに入れた。官邸にいた保安院職員が印刷して担当者に渡したが、内容の重要性を説明した形跡はないという。
 3号機についても同様の解析・予測を進め、13日午前6時50分に官邸側に渡した。また1号機は放射性物質の外部への影響なども計算したが、官邸には送らなかった。
 保安院は「ちぐはぐな対応で、良かったとは思っていない」としている。東電は「炉心の損傷割合など社内の計算結果を保安院に出した」というが、保安院の予測が東電と共有されたかは不明だ。


(テレビ朝日のニュース映像)



ERSS(緊急時対策支援システム)とはSPEEDI(緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム)の元になる原子炉で起きた事故のシミュレーション・システムで、システムの全体構成は以下の様になっているようです。

ERSS(緊急時対策支援システム)の概略図

これを見るとERSSとは、様々なシステムを統合したもののようです。

今回のこの報道だけ見ると、メルトダウンの可能性のみに触れておりますが、送られていなかったデータがどのようなものであるのか、送られたデータがどのようなものであるのか、あまり具体的になっておりません。

JNES(独立行政法人 原子力安全基盤機構)のホームページによると、事故状態判断支援システム(DPS)の説明も見事に「安全神話」ベースで記載されております。現実に原子力事故で多大な被害が出ている中、未だにこのような内容を掲載したままにしている官僚(正確には天下り官僚)の人間性すら疑いたくなってしまいます。

(抜粋)
原子力発電所では、事故が発生した場合、事故の状態に応じて、原子炉が停止され、炉心への冷却水注入により崩壊熱が除去されるなどの対策によりプラントの安全が確保されます。万一、これらの安全機能が十分に機能しない場合には炉心が冷却されず、燃料棒の損傷などにより放射性物質が放出されるおそれがありますが、その場合にも原子炉圧力容器や格納容器等により放射性物質が外部に放出されないように対策がなされています。


官僚細部に渡って安全神話を徹底していることがこのホームページの文章からも十分推測する事ができます。

(参考)原発安全神話を作った『世論操作マニュアル

そもそも本当に安全であるならば、ERSSSPEEDI何百億円もの税金を投じる必要性など無いでしょう。



震災当初、炉心融解に言及し、更迭された中村審議官は、このERSSの結果を知っていたのではないのでしょうか。ほぼ確定的にメルトダウンしつつある事を知っていたからこそ、あのようにおどおどしていたのではないかと推測できます。

    ※ 貴重な中村審議官の最後の勇姿(?)がご覧頂けます。

日本の行政システムが、緊急を要する災害に対応できないことは、アメリカ大使が2008年に既に指摘していたようです。この事からも、日本は社会全体として反省し、大きく変わらなければならないと言えます。


先日の統合記者会見の場で、文科省の官僚は、「SPEEDIの公開は文科省の役割では無い」と堂々と言っておりましたが、文科省のHPを見ると、SPEEDIの目的は、以下のように定義されております。
 
 ①原子力緊急時において、国や関係道府県が防護対策の検討を進める際に、
  放射性物質による環境への影響予測情報を提供

 ②全国の原子力施設周辺の環境放射線監視と異常時の通報

つまり、SPEEDI自体が、異常時の通報を行うシステムであり、情報の公開が文科省の責任では無いというのは、あまりにも無責任で、サボタージュであるとさえ言えます。

前回「避けたい未来 — 映画『チェルノブイリ・ハートの現実』」を書きましたが、ERSSSPEEDIの情報が、緊急避難に使われていれば、国民の被曝は、かなり小さくすることができた筈です。


続いて、なぜ半年も経ってから保安院はこの情報を公開したのかを考察したいと思います。

下記の5つの公開理由は、全て当てはまると思います。
 ①記者会見原発事故調査会の追求により公開せざるを得なかった
 ②事故から半年が経ち、国民の関心が薄れてきているから
 ③経産省、保安院が一定の責任を取った後であるから
 ④新首相が決まり、他の政治報道で大きく取り扱われないタイミングだから
 ⑤金曜日の夜の公表であれば土曜日の朝刊は平日と比べじっくり読まれないから

決して良心の呵責などという理由では無い事が明白です。また、本日の朝刊は、サッカー日本代表のワールドカップ3次予選の初戦勝利の結果を写真入りで大きく報じている新聞社が多いのではないかと思います。

政治家官僚は、経産省/資源エネルギー庁/保安院幹部更迭によって責任を取ったと勘違いしているかもしれませんが、決して責任は取っていないと私は認識しております。



この官僚社会大手メディアは、何としてでも変えなければ、次に何か大きな災害が発生した時でさえ、何一つ変わらず、国民目線では決して対応してくれないでしょう。

現在は幕末よりも酷い状況と言えるかもしれません。





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