手順書『黒塗り』の理由 — 東電が説明する事故原因の『矛盾』と延期されてしまった手順書の公開

少し古い情報になりますが、東電が政府に提出した黒塗りでほとんど読む事ができない手順書についてまとめてみたいと思います。


(抜粋)
東電は提出拒否、黒塗りの理由を知的財産権の保護とテロなどからのセキュリティーと説明しているが、会社の力だけでは原発事故を収束できない現状で、「企業秘密」を持ち出す神経が異常だ。司会の赤江珠緒も珍しく語気荒い。
「この期に及んで知的財産権の保護を言うが、放射性物質の漏えい・蓄積で財産を奪われた人たちに通用するわけがないと思いますがね」
   東電は真っ黒く塗りつぶした紙の提出は、原子力安全・保安院の了解をとったという。保安院は経産省から離され、いずれ環境省の傘下に入ることが決まっているのに、元経産相の海江田万里は人事権を使って引き続きトップに経産省官僚に据えた。この辺りからすでにマニュアルができているのかも。東京電力に強制捜査をかけないと、次々と証拠隠滅されてしまうだろう。いや、もう遅いかもしれない


(黒塗りの画像)


東京電力が黒塗りした理由は、知的財産核物質防護の2点で説明しておりますが、それ以前に、実は経済産業省から東京電力に極めて不思議な文書が提示されていることを発見しました。


上記の両リンク先の文章の最後に以下のような記述があるのです。

「つきましては、貴社に対し、同要求に基づき、当該運転操作手順書を原子力安全・保安院に対して本日中に提出することを要請します。
なお、当該運転操作手順書の提出に当たっては、核物質防護上の観点について十分に考慮されたい。

つまり、経産省は「原子力安全・保安院」に対して手順書の公開を指示しつつも、わざわざ核物質防護上の観点について十分に考慮しろという指示も同時に出しているのです。

すなわち、監督官庁である筈の経済産業省黒塗り」を指示していた、もしくは、経済産業省東京電力に対して助け舟を出した、とも取れます。これはどういうことなのかを考察しなければなりません。

東京電力にとっても、特に経済産業省にとっても手順書を「黒塗り」にしなければならない理由があるという事になります。黒塗りで提出しなければならない理由は何かについて考察したいと思います。それには下記の条件が必須となります。
 
 ①一般に知れ渡ってはならない何かがある。
 ②東京電力にとっても経済産業省にとっても黒塗りした方が良い理由がある。

先に結論を言うと、「福島第一原発の事故は全て津波が原因であった」という事にしたいからこそ、経済産業省黒塗りを指示したと私は結論付けております。

* * * * * * * * * *

衆議院科学技術・イノベーション推進特別委員会の議事録は以下から取得できます。


衆議院科学技術・イノベーション推進特別委員会が、なぜ運転操作手順書を東京電力に求めたのかと言えば、水素爆発した1号機の非常用復水器(IC)を地震発生後に手動で3回止めている形跡があり、東京電力はその説明を手順書通りに行っただけである」と説明したため、その真偽を確認することを目的に手順書の提出を求めていたというのが経緯です。

(9/13)川内博史ビデオメッセージvol.1


大きなポイントとしては、事故原因が地震で壊れていた」のか、これまで説明してきている津波で壊れていたのか」というところです。

私自身はこれまでの報道内容を吟味すると、本当は津波の前に既に「地震」で壊れていた可能性が高いことを述べてきました。


津波が来る前に地震配管が破れ、その配管から漏れた水を被った作業員が慌てて逃げたという情報、そしてモニタリングポストでは、津波が来る前に既に放射能が漏れていたという測定値が観測されております。

これだけも十分に地震で既に放射能が漏れ、原子炉の制御が困難であったことが予測できますが、東京電力は、この情報についてはモニタリングポスト自体が故障していたという言い訳をし、配管の損傷は無かったものとして事故原因をあくまで津波ということにしようと画策しております。

経産省の立場としても、もしも地震で既に壊れていたということになってしまうと非常に都合が悪いことが予測されます。前に指摘した通り、福島第一原発の耐震基準は約500ガルであることから、震度6弱の地震に耐えることができないことは明らかです。震度6強以上の地震が起きればどの原子力発電所も壊れることが間違いありません。


全ての原発の耐震基準を上げる事は、コストの面、そして期間の面でも不可能であると、経済産業省は判断したのでしょう。

原発の再稼働が遅れてしまえば遅れてしまう程、原子力発電所が無くても電気は足りていることがバレてしまいますし、コスト面などでもこれまでに付いてきたウソが表に出てきてしまいます。

つまり東京電力よりの経済産業省の方が、何としても事故の原因を津波のせいにしたいのです。

6月11日には、経済産業省は、経済産業省の影響下に事故調査会を設けようとしておりました。


経済産業省は、何が何でも地震では壊れなかった事にしたい、そのためには手段を選ばない、そういった覚悟が見てとれます。

* * * * * * * * * *

CNIC(原子力資料情報室)の動画で、日立原子炉設計者であり、現在は科学ジャーナリストである田中三彦は、津波が来る前に原子炉の圧力と水位が急激に低下しているデータから、地震配管もしくは原子炉格納容器にも何らかの損傷があったと仮定しなければ、説明が付かないと言及しております。

田中三彦の推測では、再循環の配管が地震破断していたと考える事が一番分かり易く説明が付くとしております。

再循環を行う冷却装置として、A〜C系列まである内のB系列が全く使われた形跡が無いことも不思議でならないともしております。


同時に、東京電力が事故原因に上げているシミュレーションについても、あまりにも強引なシミュレーションであり、矛盾があるとも指摘しております。


田中三彦は、IAEAへの報告の中にもある「想定よりも相当速いスピードでメルトダウンが起きた」という説明があまりにも強引であり、配管破断説を無くす事を目的にしたものであると推測しています。

東京電力は、最初から配管破断は無かった圧力抑制室の異常は無かったIC(非常用復水器)は津波の後は一切動いていなかった、という3つを大前提とした上で、急激な圧力の低下と、急激な水位の低下を説明しようとしています。 

田中三彦は、この東京電力のシミュレーションの説明の中で、想定以上に早くメルトダウンが起き、15時間後に格納容器が壊れていたと説明しておりますが、下記の点で大きな矛盾点があると指摘しております。

 ①メルトダウンは更に4時間前(つまり11時間前)にメルトダウンが
  起きていなければ説明が付かない。

 ②実測していたデータとシミュレーションデータが異なる箇所については、
  「実測したデータの方が間違えている」という強引な説明をしている。

さらに怖い事に、田中三彦は、事故調査委員会の中に、東京大学のシステム工学部の教授が含まれており、極めて原子力推進の立場であることから、こういった強引な説明のまま事故原因が歪められてしまう事を懸念しているとのことです。

菅前首相は、経産省が事故調査会を経産省の影響力を及ぼし、都合の良い結論にさせるよう画策した事に気付き、止める為に、事故調査会内閣官房配下に置く事にしていました。

しかしながら、経産省から切り離された筈の事故調査委員会に原発推進派の御用学者が選ばれているとすれば、東京電力の強引な説明をそのまま受入れてしまう可能性が出てきてしまいます。

(9/22)川内博史ビデオメッセージvol.5

こちらの動画によりますと、経産省の官僚が説明に来て、9/22提出期限であった手順書の公開は10月になってしまった」と説明したと川内博史議員は伝えています。

誠に残念ではありますが、手順書の公開を遅らせた理由については全く説明されておりません。なぜそこまでしっかりと指摘しないのか、川内博史議員にはもう少し頑張って頂かなければならないと感じます。

来月の公開ということであれば、手順書書き換える可能性もありますし、IC(非常用復水器=冷却装置)を稼働させなかった事を、全て作業者のミスという事で終わらせてしまう可能性もあるかと思います。

経済産業省東京電力時間稼ぎをし、その間に何をするのか、どの様な書類を提出するのか、しっかりと見極めなければなりません。




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