『性善説と性悪説』、ミルグラム実験における『権威への服従』の心理を考察

性善説性悪説は一種のイデオロギーだと思います。

日本では、以下の様に解釈されているケースが多いと思います。

性善説 =(人の本性はであり)人を信じるべきであるという考え方
性悪説 =(人の本性はであり)人は疑ってかかるべきであるという考え方


<引用: OSX辞書>
性善説 =
人間にはもともと善の端緒がそなわっており、それを発展させれば徳性にまで達することができるとする説。孟子(もうし)が唱えた。
性悪説 =
人間の本性は悪であり、たゆみない努力•修養によって善の状態に達することができるとする説。荀子(じゅんし)が唱えた。


私は、性善説であれ性悪説であれ、いずれにしても人は「悪行」を行うと解釈しております。

同時に本質的に悪いが居ることも事実だと感じております。(子供同士のケンカで、相手の目に指を突っ込むようなタイプも本質は悪であると考えております。)
 

地下鉄サリン事件の実行犯を操ったオウム真理教麻原彰晃氏は、もちろん本質的にと感じます。

地下鉄サリン事件の明確な目的やその後の実行計画などは、未だに全て明らかにされているわけでは無いと思います。恐らくは一般に公開できる情報と、とても公にできない情報の両方があるのではないかと思います。

地下鉄サリン事件を撒いた実行犯は行動は間違い無くであったのですが、実行犯の本質はどうであったかを考えてみたいと思います。

それを考える上で、ここでミルグラム実験を紹介したいと思います。(書きかけていただけに武田邦彦氏が先にブログに書かれていた事がショックでした。)

ミルグラム実験とは、第二次世界大戦でユダヤ人を強制収容所で大量虐殺したとされているアドルフ・アイヒマンを裁判にかけた結果、アイヒマンの人間像は決して人格異常者などではなく、真摯に「職務」に励む一介の平凡で小心な公務員であることが発覚し、スタンリー・ミルグラムというアメリカのイェール大学の心理学者がどうしてアイヒマンのような平凡な人物が大量虐殺を実行したのかを突き止める為に行った実験でした。


簡単に実験の方法を引用します。

<実験方法>
20111210-1
・被験者は壁の向こう側に電気を流される人が居ると説明を受ける。(見えない)
・被験者は予め45Vの電気ショックを実験前に受け、どれぐらいの衝撃の電気が流れるかを体験させる。
・機械を操作すると壁の向こう側に居る人に電気が流れると説明を受ける。(実際に電気は流れない。)
・被験者は先生と生徒の2人がペアとなり、クイズを出して間違えたら、被験者は手元の機械を操作して電流を流す装置のスイッチを押す


・被験者が体験した45Vから始め15Vずつ上げていき最大値は450V(絶命レベルまで実施。
200Vの位置に非常に強いというラベル、375Vの位置に危険というラベルが貼られている。

実験機器のイメージと壁の向こう側からの反応)
20111210-2
※ 被験者に対して武器を使って脅すような物理的なプレッシャーは無い

・壁の向こう側からの反応に対して、被験者が実験の続行を拒否しようとする意思を示した場合、白衣を着た権威のある博士らしき男感情を全く乱さない超然とした態度で次のように通告。

    続行してください。
    この実験は、あなたに続行していただかなくては。
    あなたに続行していただく事が絶対に必要なのです。
    迷うことはありません、あなたは続けるべきです。

四度目の通告がなされた後も被験者が実験中止を希望した場合に実験は中止
・最大電圧の450V絶命レベル3度続けて流されるまで実験は続けられた。

<実験結果>
・被験者40人中25人統計上62.5%が用意されていた絶命レベルで最大V数である450ボルトまでスイッチを入れた。
・これは330V以降は相手は無反応になっているにも関わらず、その後10回もスイッチを押していたことになる。
壁の向こう側から中止を叫ばれる300Vに達する前に実験中止を求めた者は一人もいなかった

(実験前のアンケートによる予想実験結果の比較)
20111210-3
 
苦しむ姿を見せた場合の実験も行われたが、それでも40人中16人(統計上40%)絶命レベル450Vまでスイッチを入れた。

<考察>
ミルグラム実験の一つの結論は、例え悪い事をしているという認識があり、良心があったとしても権威」からの命令に服従してしまう人が非常に多いという事実です。

役者が壁を叩いて「止めてくれ」と叫ぶ300Vまでは誰1人として実験の中止を求めなかった事、苦しむ姿が見えていた場合でも4割もの被験者が最大値の450Vまでスイッチを入れていた事は驚愕の結果です。

そして最も驚くべきは、被験者のうちの数人は笑いながら機械を操作して楽しんでいたという事実です。本質がである人間が極少数ですが明らかに居る事の証明の一つだと思います。

※ WikiPediaには緊張に耐えられずに笑っていたと表現されておりますが、私が知る限りでは楽しんで実行する恐るべき人が居た事実があったと認識しております。


性善説/性悪説ミルグラム実験を併せると以下のようにまとめることができます。

性善説/性悪説ミルグラム実験のまとめ)
20111210-4

ミルグラム実験はアメリカで行われた実験ですが、現在の日本で行ったらどうなるでしょうか。

私見ではありますが、日本人は比較的優しい人が多い反面、アメリカよりも権威に弱い人も多いと感じますので、もしかしたらもう少し悪い結果が出てしまう気がします。

やってはいけない分かっていてもやってしまう権威への服従」地下鉄サリン事件でもあったのかもしれません。


私は情報の解釈についても、権威への服従」によって情報操作される危険性があると考えており、これまでも警鐘を鳴らしてまいりました。


原発事故が起きる前は、原発安全神話情報操作によってなされていたことも明らかになっております。


そして原発事故が起きた今は、新たに放射能安全神話がなされようとしております。


最近では、発行部数No.1の読売新聞放射能安全神話に加担し、とんでも無い社説を掲載しております。



スタンレー・ミルグラムの書籍服従の心理の結びには、

   『権威の命令を考えなしに受け入れる人は、 
    いまだ文明人と名乗ることはできない。』 

と非常に厳しいコメントを残されております。

正しい情報を自らの力で見極める能力が一つの自立であり、文明人」の条件の一つなのかもしれません。

近いうちに、今回紹介したミルグラム実験性善説、日本人の空気に流される特性、これまで数回に分けて書いてきた事を俯瞰的に分析し、どのような行動が望ましいかのかをまとめてみたいと考えております。




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