まごころせいじつ堂

浜町庄金 研究開発  マイコンで遊んでばっかりで

2020年06月

FM77AV用Z80Hカード韋駄天の回路図訂正と補足と蛇足

 I/O 1987年10月号、1987年11月号および6809活用研究(工学社)に掲載された韋駄天CP/M Z80Hカード。回路図に誤りがあってその後訂正も掲載されず、紙の資料も紛失してしまったので実物から正しい回路図を起こした。

 部品面
IMGP3592

 はんだ面
IMGP3593

 レイアウト
IDATEN-Z80H-LAYOUT

 回路図
IDATEN-Z80H-SCH

 回路図は実物からトレースしてそのまま起こした。
・SRAM(U2,U3)に対する*WEの論理が訂正箇所です。
・U12のLS02は実質不要で、U10のLS04の空きで代替可能。

 FM77AVの拡張RAMスロット図(FM-7シリーズ テクニカルノウハウ 第15章ハードウェア回路図)
IMGP3594

補足:
・6809とZ80Hのやり取りはFM77AV側の$FD64番地と$20000-$2FFFFの拡張RAM領域で行う。
・FM77AVのリセット後、Z80HはU4A(LS74)によりZ80RESET信号が有効になりリセットがかかったままの状態になる。この解除と再リセットは6809側で制御する。Z80にリセットがかかっている間はZ80のバスがハイインピーダンス状態のままであることを利用している。
・Z80Hから6809への要求はZ80側のI/O空間ライト動作でSETATTN信号がU4B(LS74)をセットする。6809は$FD64番地のbit0をポーリングしてZ80Hの要求を確認する。Z80Hがバス開放状態(Z80RESETまたはBUSACK)になればZ80BUSY信号が有効になりU4B(LS74)をクリアし要求を取り下げる。
・6809からZ80Hへのバス開放要求は$FD64のbit7書き込みで制御する。
・6809から$FD64のbit6,bit5に"1"書き込みでZ80HへNMI/INTを発生させる。
・バス開放要求/割り込み要求はU5(LS175)に保持される。Z80HからのI/O空間アクセス、またはZ80RESETで解除される。
・6809からZ80Hのバス開放状態を確認するには$FD64のbit7を読みZ80BUSYの信号をみる。
・MEMSEL信号は6809から$20000-$2FFFFのRAMをアクセスするときに有効になる。U14(LS138)でデコードして生成。Z80BUSY信号もデコードに入っているのでZ80H動作中は6809から読み書きできない。
・U2,U3(HM62256)に対するRAMOEはMEMSELまたは!Z80BUSYによるZ80動作中に有効。
・RAMWEは6809側の書き込み(MEMSEL&RWB)またはZ80Hのメモリライト(WR&MREQ)で有効。
・Y1(X'tal) 10MHzは実力で動作した。本来は8MHz。

蛇足:
・MEMSELを生成しているU14(LS138)にRWBも突っ込んでRAMWE用の信号を作ってもよかったかな?いや無理か。
・SRAM、OEがenableのままでWEがenableになってもいいんだ…(OE Low Fixed) HM62256 Datasheet
・当時Z80Hと32KバイトのSRAMは若松通商で買った最先端テクノロジーだ。今なら20MHz動作を狙えるか。
・master/slaveで言えばリセットが掛けられるZ80は6809に生殺与奪権を握られているけどCP/M動作中はZ80の要求を6809側ですべてこなしてるのよね。
・記事は3回連載の予定だったが強化版CP/Mが完成せず6809活用研究へと繰り越した。
・移植元となったX1用ランゲージマスター(CP/M)。ベスト電器に注文して届いたら店員さんが「私もX1使ってるんですよ」と嬉しそうに話しかけてくれたが「すみませんFMユーザーです…」申し訳なかった。
・初期の動作テストには@minemaz氏に協力してもらった。私Z80書けなかったので。
・Oh!FM誌に似たようなシステムが掲載されたのでたいへん焦った。同じ時期に同じようなアイデアはあるんだね。
・記事の反響というか感想すらまったくなかったのでちょっとさみしかった。

追記:
・128Kx8のSRAMに交換することを考える。TC551001AS6C1008もライト時*WEがアサートされる時は*OEはどちらの状態でもよい。



ザイログZ80伝説
鈴木哲哉
ラトルズ
2020-11-25



PASOPIA(PA7002)のマスクROM TMM2364Pのタイミング

 PASOPIA(PA7012)の分解写真と予防保守の続き。内蔵のOA-BASICは$0000-$7FFFに位置し、8KバイトのROM 4個で構成されている。これを追っていくと写真左上のLS139でデコードされ、右下-右上-左下-左上の順に$0000~、$2000~、$4000~、$6000~に対応する。
PASOPIA-INTERNAL-ROM-MARK

 最初のROMは普通のUV-PROMで残りはマスクROM。出荷直前にパッチでも当てる必要があったのだろうか。これらを前回作ったROMリーダで読んでみる。するとマスクROMが読めない。正確には常に同じ値になってしまう。
/CEを変化させてないのがいけないのかなと /CE="H"、アドレス設定、/CE="L"、データ読み出し の順で
やってみたら読み出せた。これはどういうことかな?
TMM2364Pのデータシートを見てみるとVpp(1)="H"、CS1(27)="H"、CS2(26)="H"、/OE(22)="L"にする。それぞれ基板上ではそのように接続されていた。
(CS1/CS2のenableはプログラマブルらしいがここでは"H"と判断できる)
となると/CEの挙動が通常のPROMとは異なることになる。

 データシートをみると/CEの立ち下がりでアドレスをラッチして後はOutput Enableに出力を任せるような動作だった。
スクリーンショット 2020-06-08 16.41.58
 となるとTMM2364PがROMライタTL866CSで読めなかった理由も推測できる。Device IDを厳密に見て弾いたのか、あるいはTL866CSが/CEを変化させないでenableにしたまま、というのが考えられる。

 また、はまってしまった。

ROMリーダのスケッチもアップデートしときました:


Arduino MEGA直結ROMリーダーのトラブル

※追記 27512(64Kバイト)まで対応のソフトができました → readROM27512.ino Intel HEX対応


 ROMライタTL866CSでは読めないマスクROM(TMM2364P)があったので、Arduino MEGA用のアダプタを作った。秋月電子の片面D基板、ピンヘッダははみ出るので少しけずっている。
IMGP3589

 Vcc-GND間に3.3μFの電解コンデンサと0.1μFのセラミックコンデンサ。
IMGP3590


 ROMの端子とArduino MEGAのピン番号の対応は以下のとおり。27512の場合はROM(1)がA15、ROM(27)がA14、ROM(26)がA13。
あとpin52にタクトスイッチを繋いでGNDに落としている。これはPROMダンプ開始用。
readROM


 さて、こんな単純な配線なのにArduinoスケッチを書いて読み込んでみるとデータが化ける。なぜだ。
IMGP3588

データの読み込みが不安定な時点で以前の経験を思い出すべきだった。
ここでやるべきだったのはアドレスと制御線の見直し、ソフトでの初期化だった。


 解決までの顛末は以下のスレッドにある。

 さて、解決までには間違った道をどんどん進んでいっているのだが以下に整理しておく。

・ハードウェアの絞り込み
PROMの2764/マスクROMのTMM2364P/W27C512で読み込み時のデータ化けが発生する。W27C512に特定のパターンを書き込んだものを調査対象とする。

・Arduino MEGA 2560のバリエーションによるものかどうか
互換品を3つ持っていたのでそれぞれで確認。どれも同様に発生するのでArduino MEGA個別についてまわる問題ではない。1枚を選んで調査対象とする。

・類似例の調査
どこかのだれかが同じようなことをしていないか検索。あった。
これによるとほぼ同等のハードウェア構成で成功している。ブレッドボード上にPROMを載せてジャンパ線でArduino MEGAに繋いでいるので電気的にはより条件が悪いはずだが動いている。

・土台の確認
上記、The Oddbloke geek Blogのコードをこちらのボード向けにピンアサインを変更し、ダンプを5回実行して結果を比較。5回とも問題なし。

ここまででソフトウェアの違いに問題点が隠されているとわかった。前後してデータ化けの発生率が変わるようなコードの変更(主に時間的なタイミング)をいじっては観測を繰り返している。挿入するディレイによって化け方の頻度が変わるなど、ハードウェアのピンが浮いているような指摘を受けている。

・知恵を借りる
デバッグの状況は適時tweetしていた。こまめに書くことで気付くこともあるし、識者からのツッコミもある。このあたりで泥沼にハマっていたら@mkogaxさんよりコードの初期化漏れの指摘が。
PROMのA15についてArduino MEGAからの出力設定はされていても値が設定されていなかった。この状態で確認したらA15はオープンだった。修正し、ダンプを10回とって比較したら全部OK。

以下は23行目に初期化の抜けがあるコード。


 ということで思考の過程を整理してみました。動物が沼にはまってもがいている様子がわかると思います。突っ込んでくれた皆さんどうもありがとうございました。

 ちゃんとしたPROM読みのコードは次回。



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