6502とApple IIシステムROMの秘密を読んでSBC6800をちょっと改造すれば6502で遊べるのでは、と思いついた。クロックジェネレータ役のPICの1MHz出力を6502のφ2inに接続し、φ2outを6800のE信号代わりにすればできそうと思ったがW65C02のデータシートに気になる記述が。
PHI1O and PHI2O clock delay from PHI2 is no longer specified or tested and WDC recommends using an oscillator for system time base and PHI2 processor input clock.
φ2inとそれから生成するφ1out、φ2outのタイミングは規定せず外部からのφ2を基準にしろと書いてある。ということで手持ちの6502と65C02でφ2inとφ2outの観測を行った。

 CH1はPICの出力する1MHzで6502の37ピン、φ2in(φ0)に接続。CH2は39ピンのφ2outで受け端のLS00で観測。データシートでは下がりきった所のディレイだが、画像は立ち下がり始めの所の比較。
20206502-1

・W65C02 φ2inとφ2out間の規定なし 約50ns/25ns
20206502-2-W65C02


・R65C02 φ2in↓からφ2out↓までmax 50ns 実測値約50ns/25ns

R65C02-Tdly50ns


20206502-R65C02


・SY6502 φ2in↓からφ2out↓までmax 65ns 実測値約50ns/50ns
SY6502CLK-65ns

20206502-SY6502


・MOS6502 φ2inとφ2out間の規定なし、バスタイミングはφ2outベースで記述 約50ns/50ns
20206502-MOS6502

 1MHz動作でφ2in-φ2out間のディレイはNMOS品で約50ns/50ns、CMOS品で約50ns/25ns。NMOS品は立ち上がりがCMOS品よりもなだらか。
 この程度のディレイだと1MHz動作(有効時500ns)ではI/Oやメモリアクセスで300nsかかったとしても充分余裕がある。

 では実際のパソコンなどではどうか?回路図を探して確認してみる。

APPLE 1:φ2outを使用していない
APPLE II:φ2outを使用していない
PET2001(初代);φ2outはPIA/VIAのみ。バッファ経由で外部引き出し
PET2001N(DRAM版);φ2outはPIA/VIA/VRAMアクセスのみ

 ということで積極的には使っていない模様。MOS6502でφ2inとφ2outの規定がないにも関わらずφ2inベースで設計されているのはなぜなのか。考えられるのは:
・φ2out出力が弱く全体を駆動するのにバッファが必要だがそれをするくらいなら原発振から作ったほうがマシ
・システムクロックがMPUを経由してしまうのでビデオ出力のタイミングなどMPUを外す/故障してしまうと動かなくなる
あたりだろうか。

 さてSBC6800を改造して6502を搭載する方法だが実験で使ったPICの1MHz出力をφ2inへ、E信号の代わりをφ2outでも動きそうだが改造が非常に面倒だったのでφ2outを使わない方向で再検討する。


6502データシート一覧:




6502とApple II システムROMの秘密
柴田文彦
ラトルズ
2020-02-25