まごころせいじつ堂

浜町庄金 研究開発  マイコンで遊んでばっかりで

PET2001

PET2001とPET2001Nの違いについて

 今日はですね、初代のPET2001と改良型のPET2001Nの違いについて調べてみました。

 初代のPET2001は自社製の同期式ROM/RAMを使用、RAMは後に2114(1Kx4bit)。PET2001Nのコードネームは回路図から見るとDYNAMIC PETでDRAM 4116(16Kx1bit)を使用しています。他にもCGROM周りの素子は異なりますが今回ソフトウェアから見えないハードについては取り上げません。

 PET2001/PET2001NのVRAMは2114(1Kx4bit)が2個で40x25=1000文字を扱っています。VRAMの先頭番地は$8000ですが、$8400~,$8800~,$8C00~と1Kバイトごとにイメージがあります。

 ところでイメージってご存知ですか?アドレスデコードのサボりによりアドレス空間の別の領域に同じメモリが見えてしまう現象のことですね。この場合はアドレスの[15:12]まではきちんとデコードしていますが[11:10]は無視しているということですね。

 さて、次のプログラムをPET2001Nで動かします。これはVRAM領域に直接値を書き込んで全キャラクタを表示させます。

10 V=32768
20 FOR I=0 TO 999
30 POKE V+I,T
40 T=T+1
50 IF T>255 THEN T=0
60 NEXT I

 ここで10行目を

10 V=32768+1024

に書き換えます。これも全く同じ表示をします。では次はどうでしょうか?

10 V=32768+1024+1024

何も表示されませんね。

10 V=32768+1024+1024+1024

も同様に何も表示されません。どうやらPET2001のマニュアル記述と違い$8800~、$8C00~はイメージではないようです。

 では、回路図を見てみましょう。

スクリーンショット 2019-04-08 20.44.58

 PET2001/PET2001NのROMは、$9000-$BFFFの12Kバイトがユーザ用領域、$C000~$FFFFの16KバイトのうちI/O領域である$E800-$EFFFの2Kバイトを除いた14KバイトがシステムROM領域となります。上記回路はI/O領域である$E800~$EFFFの2Kバイトをジャンパ設定により$8800~$8FFFに移し替えるものです。
 おそらく、PET2001Nからは$9000〜$FFFFの連続した28Kバイトの空間を使いたかったのでしょう。ただしBASICからI/Oの操作はシステムROMをそれにあわせて書き換えればいいのですが、ユーザーのプログラムで直接I/O空間を操作するものはそのままでは動かなくなってしまいます。結局、互換性維持のためこの置き換えは有効にならず、PET2001NではVRAMのイメージがPET2001とは異なるという構成になってしまったようです。実際にはVRAMのイメージ空間に対して読み書きするようなことはやらないので互換性については問題にならなかったようです。

 ついでに後継機のCBM8032についても調べてみましたが、アドレスデコード部分を専用のLSIで担当するようになりわかりませんでした。もしCBM8032のお持ちの方がいらっしゃれば試してみてはどうでしょうか。


 いかがでしたか?


 今どきこんなのを調べてもまったく役に立ちませんね。次回からはもうちょっと役に立つ情報をお伝えしたいと思います。それでは、また。


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PET2001N カセットの修理

 前回の続き。

 さて入手したPET2001N、外付けのカセットテープレコーダ(datassette)も一緒だったのだがBASICからSAVEしてもカセットテープ自体は動いているのだが全然記録されない。困った。

2019PET0403A

  だがしかし。そんなこともあろうかとあらかじめVIC-20(VIC-1001)用のカセットレコーダを事前に用意していたのだよ。
2019PET0403B

 無水アルコールで清掃もする。

2019PET0403C

 こちらはたぶん大丈夫なはずなんだけど、やはりSAVEできない。これはPET2001N本体か?ということで回路図を眺めてみるとMOS6522(VIA)にカセット関連は直結。デジタル入出力をアナログ信号に変換する回路はなく、カセットレコーダ側でやっているようだ。

 ということでMOS6522を修理待ちのPET2001から抜いて交換。そうしたら動いた。素子の故障またはソケット接触不良か。なおMOS6522を外した状態でもBASICは起動します(カセットとユーザポートが使えなくなるだけ)。

 PET2001Nの筐体を開けるとカセット#2の端子がある。ここに対して操作するには SAVE "AAA",2 のようにデバイス番号を指定するとOK。また、カセットテープは巻き始めと巻き終わりの部分には磁性体を塗っていないリーダー部分があるが、PET2001でSAVEする時は最初に充分なギャップがあるため特に意識しなくても大丈夫。さあこれで安心して遊べますね。
 元々ついていたカセットレコーダを接続し、VIC-20用のカセットレコーダでSAVEしたテープを入れるとLOADできる。しかしSAVEはできない。ということでMOS6522周りの故障&カセットレコーダの故障。

2019PET0403D

 で、特定のグラフィックキャラクタを表示した時に文字にゴミが入ったように見える(上記写真は問題なし)。通常のASCII文字だとちゃんと表示されるのだが。

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PET2001Nの修理(というほどでもなかった)

 以前修理に挑戦して放置中のPET2001とは別の、フルサイズキーボードでグリーンディスプレイのモデルを入手した。区別するためPET2001Nと呼びます。PETのバージョンについてはこちら→PET index - versions

以前の修理記録:

 外観は問題ない。電源を入れるとランダムなキャラクタが表示され、真ん中あたりで1文字が変化している。電源正常、クロック正常、ビデオ表示まで問題なし。キャラクタ1文字が変化するということはCPUは動いていると思われる。
2019PET1

 先にVRAMから手を付けてみる。1Kx4bitの2114が2個使われていてソケット実装されているので手持ちと交換。電源投入後のランダムパターンが変わっただけであとは変化なし。

 さて、本体の調査だけど強力なツールが存在する。

 部品点数が多いせいで故障も多いPET2001のROM/RAMを部分的に、または全体を置き換えて動作させるボードでCPUソケットに挿して使用する。ROMイメージにはBASIC1/BASIC2/BASIC4/pettesterがあって選択可能。装着してDIPスイッチを設定し、本体ROM全バイパスしてpettesterにする。

2019PET10


2019PET2

 画面全体が"G"表示と全キャラクタ表示を一定間隔で繰り返す。pettesterではOK。ただしpettesterは2KサイズのROMで、RAMは先頭から1Kしか使わないらしいのでメモリ空間をすべてテストしているわけではない。

 設定をBASIC1にしてみる。
2019PET3

 なんかレジスタの値を表示して止まった。キーは受け付けない。ここまででCPUは動いている、データバスも問題なし、どうもアドレスの一部がショートまたは断線しているのではないか。

 おなじ作者によるPET Diagnostics Moduleというのを使えば色々診断してくれて一発でわかるらしいのだが
スクリーンショット 2019-03-31 19.15.35

 4月8日までバケーションですと。じゃあとりあえず切り分けしていこうか。

 PET2001NのROMは4個で、アルミ板による放熱フィンがついている。なんとなく熱暴走対策のような、故障多そうな感じがしますね。素子はMOS 6332で2732とは一部ピンアサインが異なる。これを一個ずつ抜いていく。このROMが原因で上位アドレスのどこかがショートしているかどうかを確認。実際のROMイメージはROM/RAM replacement board上のROMから読み出すことになる。で、やってみたら一番左側に実装してあるROMを外したら正常動作した。

※追記:このROMだけを元に戻して現象の再発確認。このソケットに別のROMを挿したらreplecement board上のイメージから正常起動。つまりソケットなど基板側ではなくROM素子の故障。

2019PET11


2019PET4

 おお……ブラボー

2019PET5

 もともと基板に実装されていたROMはreplacement boardのおかげで不要なので外してしまった。前回に較べてなんともあっさりと動いてしまった。キー入力も問題ない。しかしこんなにごっつい筐体なのに無音なのよ。

 2台目のPETに手を出したのは1台目の修理が難儀で切り分け用に使えんかなあと思ったのも理由のひとつ。メインの基板からCRT基板につながるJ7コネクタはPET2001とPET2001Nでも同じで、どうも映らんらしいPET2001のCRTをつないでみたらやはり映らなかった。PET VIDEO MIXERまたはVIDEO出力とV/H SYNCをVGAに出力できるようなミニ基板を作ってやってみようかという今のところの方針。

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PET2001のレストア(2) 電源調査

 再度電源を投入してボード上の電源電圧を測定したら5Vのはずが4.6V程度とおかしいので、タンタルコンデンサすべてと電源ラインの電解コンデンサを交換する。
PETPOWERLINE

 交換したコンデンサの容量を測定したが特に抜けてはいなかった。電源コネクタの接触不良だったようだ。
 クロック周りを観測。
・MOS6502 pin39(φ2 out) OK → クロックジェネレータからCPUまではOK
・PIA/VIA pin25(φ2 in) OK → 主要なLSIへのクロック供給OK
・VSYNC/HSYNC/VIDEO それっぽい波形は出ている
 これで何も表示されないのはCRT部分が動いていない可能性がある。CRTは高電圧を扱うがうかつにさわりたくはないので調べてみた。

PET2001の回路図は以下にある。先程のロジックボード上の電源まわりを抜き出した図もここから。

これによるとCRT基板に供給されるAC17VからDC12Vを作り、そこからすべての高電圧(+85V,-30V,+10KV)を生成している。電源トランスはCRT基板とロジックボードそれぞれにAC17Vを供給しているようだ。ただしこのあたりの図面はないので実物をたどって調べてみた。(お断り:正確ではないかもしれません)

2018PET2001power

 TAPとあるのは電源トランス端子に書いてある番号。[8][7]はAC17VでCRT基板に行き、7812でDC12V1Aを生成している。
 [6][5][4]は中点のあるAC17Vで、コネクタJ8(1)(5)を経由してロジックボード上で整流されJ8(4)でいったん外にでる。ここで平滑コンデンサに接続され、J8(2)(3)でふたたびロジックボードに入り7805の4個並列でDC5V4Aが生成される。

 ということは重くてかさばる電源トランスと平滑コンデンサを撤去して現代のスイッチング電源を代わりに入れることができそうだ。そうする安定した電力を供給でき、発熱も抑えられるのではないだろうか。
 まずはCRT基板に直接DC12V1Aを供給してみた。基板上の7812のpin3を上げて12VラインにスイッチングACアダプタの出力をはんだ付けする。
2018PET2001CRT

 この作業にはCRT部分の分解が必要。PET2001のCRTユニットはナット4個で固定されているのでそれを外す。CRT基板は背面のパネルを外し、スペーサで固定されている手前の二箇所のネジを外し、奥の方にある二箇所の固定ピンを上げる(写真左下のもの)。CRTのソケットを慎重に外す。これでも偏向コイルへの配線はつながったままだが、クッションを敷いてCRTを保護しつつ作業した。

2018PET2001CRTheater

 ACアダプタを接続して確認。CRTのヒーターが点灯した。

 今回はここまで。


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PET2001のレストア(1)

 新品のPS4とジャンクのPET2001、どちらかをくれるという話なら迷わずPET2001を選ぶ。
自腹でどちらか買うとしたらちょっと考えてからPET2001を選ぶ。

2018PET1

 固く絞った雑巾で表面を清掃したのち、手前左右に2個づつあるネジを外してオープンのところが筐体が歪んでいてかなり強引にしないと開かなかった。

 内部はこのような状態。40年前の製造ですし。
2018PET2

 基板は一箇所のみネジ止めで他はピンに刺さっているだけ。外してみた。
2018PET3


 基板(クリックで拡大)
IMGP2925

 基板は最初期のものらしい。ROMはMOS6540×7個、RAMはMOS6550×16個。それぞれ同期式のメモリ。

ドラッグストアで買えるイソプロパノールでホコリを流した。一回じゃだめで一瓶分使った。
(クリックで拡大)
IMGP2926

 さて本体だが背面にあるフューズホルダーが破損していた。元々は1.6A品らしいので1.5Aのヒューズと5×20型のヒューズホルダーをホームセンターで購入。これに交換する。
2018PET4

 左奥にある電解コンデンサとトランスを底面のナットを回して外した様子。少し狭いがこのヒューズホルダーを交換。
2018PET5

 筐体は鉄板なので新規に穴を開けるのは難しい。新しいヒューズホルダーが入るようにリーマーで削るのも大変だった。これでAC電源まわりは大丈夫なはず。

 よく見たら基板側には問題がある。7個あるROMのうち中央のものだけが逆に挿してある。同じ種類のROMが並んでいるなかで通常こういうことはない。もしかしたらこの状態で通電していて破損している可能性もあるが、とりあえず正しく挿し直す。
2018PET7

 さてコネクタを元通りに接続して通電してみる。カセットレコーダー部分からモーター音が少しして止まる。基板上の電源ラインを確認すると約3.7Vだった。
 おそらくは平滑コンデンサの容量抜けでまともに電源レギュレータが動作できない状態なので、用意しておいた電解コンデンサ6800μF25Vを並列に接続。実際は元々の電解コンデンサの端子にネジ止め。
2018PET6

 この状態で再度パワーオン。今度は5.07Vが観測できたので電源供給はひとまずOK。

 基板上にあるLEDはVIAのキースキャンをORして点灯するようなので、ROMを読んで正常に動作していれば光ると思われるが消灯したまま。先程のROMの破損があるかもしれない。また、ソケットが多いので接触不良も考えられる。

 たぶんオシロなしでできるのはここまでで、次回はクロック周りから確認していこう。



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