飯伏幸太さん2007年12月11日(火)20:00 - 23:00に開催された第128回ゲーム大会(ルーレット)にDDTプロレスリング所属のプロレスラー「飯伏幸太さん」が参加してくださいました!

飯伏幸太さんのゲーム大会参加風景はこちらをご覧ください。

ゲーム大会参加後にインタビューをいたしましたので、その内容をご紹介したいと思います。

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・本日はお忙しい中、ハレハレゲームランド「ルーレット大会」にご参加いただきまして、ありがとうございます。大会に参加された感想をお聞かせください

飯伏「そうですね、ルーレット自体そんなにやったことなかったので、どのくらいのペースで賭ければいいのか分かんなくて。やっぱりギャンブルをやってないから、ダメでしたね」

・最初は調子がよかったと思いますが、どの辺から調子が乱れてしまいましたか?

飯伏「なんかこう、気持ちに余裕ができてきて、いけるんじゃないかと思ってでかく賭けすぎましたね」

・気づかないでどんどん賭けてしまった?

飯伏「そうですね。途中気づいたらあれ? 負けていると」

・気づかないうちにですか?

飯伏「なんか、こんな普通に賭けてこつこつやってて勝てるのかなと思って、大きく賭けるようになってそのままずるずると。でも、最後ドカンと賭けたときにはいけると思ったのですが・・・」

・最後の大勝負は残念でした

飯伏「最後は絶対勝っているはずだったのに」

・何が悪かったのでしょうか?

飯伏「あれは絶対いけるパターンなんです、自分の中で。大富豪とかでいつも最後は勝つんです。ありえない額までいくんです」

・だから今回も勝てると

飯伏「絶対勝てるはずだったのが、こればかりは分かんないですね」

・まさかというか

飯伏「いやぁ、ゲームでこんなに落ちたことはないですね。本当に落ち込みました」

・そうなんですか

飯伏「あれがほんとにお金だったらと思うと怖いですね」

・確かに

飯伏「僕はギャンブルに向いてないです」

・でも、次あったら今度はこの経験をいかして勝てるのでは?

飯伏「そうですね。次あったらいけそうな気がしますね」

・次の作戦は?

飯伏「こつこつと。常に初心を忘れず。着実に」

・話は変わりますが、そもそもプロレスをはじめたきっかけは?

飯伏「めちゃくちゃなんですが、いいですか?」

・はい

飯伏「小学校5年生くらいのとき、ビデオを借りにいったんです。僕はアニメを借りるっていったんですけど、兄がプロレスのビデオを見ようと言い出して。なぜか、そっちが優先され、それを見るしかなかったので、見てたわけです」

・はい

飯伏「はじめはなんとも思わなかったんですが、見ているうちにすごいなぁと思って。やっぱり飛び技とかかっこよくて、こりゃすごいと思って、はまってしまいました」

・きっかけはビデオだったのですね

飯伏「ビデオを一杯借りているうちにプロレスラーになりたいと思ったのが、小学校6年生くらいでしたね」

・小学生のときから?

飯伏「とりあえず、小学校卒業したらもうプロレスラーになると思いました」

・12才ですよね?

飯伏「12です」

・まだ義務教育では・・・。そもそも普通は何も考えずに中学校に行くものでは!?

飯伏「学校とか別に好きではなかったので。勉強が好きでなくて」

・ええ

飯伏「なので、中学校行かなくていいやと」

・! 義務教育とか関係なく、自分の意思として中学に行かなくてもいいと?

飯伏「とりあえず、中学校は行かないでプロレスラーになるんだなって自分の中では思って、鹿児島出身なので九州にあるプロレス団体、西日本プロレスを見に行って、試合が全部終わったらとりあえず、テストを受けようと」

・!

飯伏「で、テストを受けさせてくれといったら、普通に笑われまして。『僕はどこから来たの?』って言われて」

・それが普通の反応だと思いますが・・・

飯伏「いや、『僕は真剣にプロレスラーになりたいんです。本気です』と、とりあえず、しつこくねばったんです」

・はい

飯伏「そしたら、とりあえず、見てあげるといわれたんですね。そこで僕はできる限りのことをしようと思いました」

・はい

飯伏「僕は小学校の頃、ずっと校庭とか体育館とかでプロレスを真剣にやってたんです」

・真剣というとどのくらいですか?

飯伏「ほんとに、当時からジャーマンとかパワーボムとかのプロレス技をやってたんですけど、受けれる人がいなかったんで、やわらかいところでやってたんですけど、逆に僕が受けるときは『僕はプロレスラーになるから、校庭でやってくれ』と頼んだんです」

・えっ!

飯伏「僕が受けるときだけ、場所を移動して普通の地面でジャーマンやパワーボムを受けていました」

・練習も小学生のときから本格的なものをやられていたのですか?

飯伏「僕の中ではやってましたね」

・どのようなものを?

飯伏「プロレスは『受け』だと思っていたので、当時も。当時おもしろいなぁと思って見ていたのは、全日本プロレスの四天王で、技的にエグイというか、垂直落下式がブームだったんです」

・はい

飯伏「なんで僕が垂直落下式に落ちる練習をしてました」

・ど、どんな風に練習できるんですかっ!?

飯伏「バク転の失敗バージョンのようなみたいです」

・えっ、わざと落ちるんですか?

飯伏「はい、そうです。そうすると後頭部あたりから落ちるんです」

・どのように?

飯伏「ええとですね、はじめのころは、しゃがんだ状態から後ろにジャンプして垂直に落ちるんです」

・はい

飯伏「落差はそんなにありません。そっからこれは大丈夫だなと思ったら、徐々に立った状態にしていって、最終的には本当に垂直に落ちてもそんなに痛くないというレベルまで達しました」

・鍛えられたから痛くない?

飯伏「慣れとかですかね」

・慣れ!

飯伏「この辺の髪が薄くなってますが、ここに落ちていたんでしょうね。そして、コブにコブが重なるようにできていて、この辺やばくなってましたけど、それのお陰で今があるというのもありますね」

・筋トレとかじゃなくて、受けの練習だったのですね

飯伏「受けの練習です」

・筋トレも普通にやっていたのでしょうが

飯伏「やってましたけど、それよりもまず『受け』でしたね」

・あくまでも受けが大切?

飯伏「受けれないといい試合ができないと思っていたので」

・結局、そのときのテストはダメだったんですか?

飯伏「そのときは、ムーンサルトとかいろいろやって、『すごい!』と言われたんですけど、でも、やっぱり義務教育を受けてからということになり」

・そ、そうですよね

飯伏「中学を卒業してきなさいと言われたんですけど、僕が中学校を卒業する頃には、西日本プロレス自体が活動しなくなり、まぁ、僕自身の興味もそこにはなく、そのころ僕の中で一番すごいなと思っていたのは、新日本プロレスで、新日本プロレスに行こうと思って、中学のときにめちゃめちゃ練習しました」

・どのくらいですか? 例えば1日の練習内容を教えてください

飯伏「朝6:30に起きて、身長を伸ばさないとダメだと思って、ヨガ身長法というのがあってそれを30分くらいやって、それから学校行ってそれは作業としてこなして、昼休みに柔道場に行って、プロレス仲間と完全にプロレスをがっちりと」

・そのときの仲間は相手にならないのでは?

飯伏「いや、みんなすごいんですよ。その中でも3〜4人は僕のように垂直受けができましたね」

・同じようなことをする人がいたのですね!?

飯伏「今まで僕は受ける側だったんですが、いろんなわざを試せるようになりました」

・内容の濃い1時間を過ごせたのですね

飯伏「昼休みが終わって、あと適当に過ごして、4時くらいに家に帰って、そこからリングのある砂場に向かいます」

・リング!?

飯伏「自分たちで作ったリングでプロレスをやっていましたが、365日中360日は通ってましたね」

・そ、そんなに

飯伏「正月も行きましたが、怪我とか風邪で5回程度は休みましたが、3年間はこのペースで通いましたね」

・ちなみに、何時間練習するのですか?

飯伏「5時くらいにつくのですが、9時くらいまでですね」

・夕飯は?

飯伏「食べないです。練習が終わってから家で食べましたね」

・食事はどのような?

飯伏「とりあえず、肉を食べれば体は大きくなると思ってたんで、ほんとにがんばって食べましたね。1日に1リットルの牛乳を飲み干していました。そうしたら、中1のとき45キロだった体重が、卒業のときには70キロになってました」

・体脂肪率は?

飯伏「当時から変わってなく、5%ですね」

・5%! ほとんど筋肉ですね

飯伏「25キロくらい増えたんですが、体脂肪率は変わんなかったですね」

・身長は?

飯伏「181cmで体重81キロになります」

・ほぼ全部筋肉

飯伏「ですね。今とほぼ同じ完全体になってました」

・もう基礎はできていたわけですね

飯伏「中学3のころが自分の中では最強でした」

・歴代の自分の中で?

飯伏「当時はすごかったですね。強さで言えば、今のほうが全然強いですが、あのときの運動能力は、自分も今思うとありえないんじゃないかというくらいです」

・ありえない?

飯伏「今でもバク転とかするんですけど、ちょっときついなとか思いますが、当時は飛びすぎると、回転しすぎるのが怖いというくらい、軽く飛んでましたね」

・10時に家に帰ってあとは寝るだけですか?

飯伏「そっからこうまっすぐしたバネのこういうヤツを動かなくなるまでやってました」

・何回くらい?

飯伏「途中数えられなくなりますが、1時間くらいだと思います。それ以外にもサンドバッグを投げまくっていました」

・だからあの美しいジャーマンができるのですね

飯伏「そうですね。これは今もやってますよ。ちなみに、中学のときにサンドバッグを投げすぎて家の床が抜けてしまいましたが」

・!

飯伏「汗とたたきつけたときの衝撃と受身でですね。なんとなくじゅうたんが沈み始めているなぁとは分かっていましたが、気にしないで続けていたら、ついに床が抜けましたね」

・どうしてそんなにプロレスに打ち込めたのですか?

飯伏「まぁ、きちがいですね」

・何がそうさせるのか

飯伏「なぜですかね。プロレスを見て普通に泣けましたからね」

・といいますと?

飯伏「感動して」

・感動?

飯伏「試合に感動するだけではなく」

・だけではなく?

飯伏「この人はどうしてこんなにすごいんだろうとか、すごい動きだけで僕は感動しましたね」

・動きだけで?

飯伏「ええ。それでもうプロレスしか見なかったですね」

・でも、親に反対された

飯伏「プロレスラーになりたいといったら、泣かれました」

・お父さんにですか?

飯伏「いや、父にはいえなかったですね」

・ということは

飯伏「とりあえず、いいやすい母にいったら、ものすごくビックリしてて。はじめてそういうビックリした顔を見て、気まずいなと思ったのですけど、でも、もう決めたからといったら、泣き始めたんです」

・ええ

飯伏「親が泣くっていうのは、ちょっとほんとにこれはやばいのかなと。高校にとりあえずいってくれと。まぁ、高校にいってもプロレスラーになれなくなるわけでもないので、高校だけがんばろうと思って、2、3時間いろいろ話した結果、高校へ行くことになりました」

・なるほど

飯伏「で、高校のときには部活で柔道か空手をやろうとしたのですが、中学のときに柔道をやってなくて高校から柔道をするのはちょっとなと思って、空手にしようとしたんですが、高校の空手が寸止めの流派で、こんなのやっても意味がないと思って。球技は苦手なので興味がなかったのですが、体もでかかったので友達にラグビーがあっているんじゃないかと言われ、見に行ったんです」

・はい

飯伏「試合中にプロレス技が出たんです」

・そうなんですか

飯伏「それで、これはおもしろいと思って入ったんです。でも、練習がすごくきつくて、今までのプロレスごっこみたいな感じの練習よりもきついもので、これはプロレスのためになると思ってラグビーをやってました。もちろん、ラグビーには3年間全く興味がなかったんですけど」

・試合に出ましたか?

飯伏「全部出ましたね。僕の役割は相手を投げたり、つぶす係だったんで、ポジション的には鍵となるところだったんですが、僕の中では関係ないと」

・あくまでもプロレスのために

飯伏「プロレスラーになるためにやってたんで、投げる、投げるということしか考えてなかったですね。でも、そのお陰でボールを持って突進してくる相手をうまくキャッチして無理やり投げるこつを覚えましたね」

・それはすごい

飯伏「たまに失敗して、ほんとにでかいやつがつっこんできて、つかむ瞬間にちょとずらされて、肩やあごにぶつかって動けなくなったこともありましたが」

・当然ラグビーの練習の後はプロレスの練習も?

飯伏「タックル用のサンドバッグを投げまくってましたね」

・DDTに所属したきっかけは?

飯伏「高校を卒業して、東京に出てきたのですが、とりあえず、東京に出てこないとプロレスはないと思ったので、成田空港に就職しました」

・どうして成田空港に?

飯伏「先生と親が決めて、行くまで何の仕事か分からなかったんです」

・そうなんですか

飯伏「どこでもよかったんですが、行ったら空港で機内の整備なんだとそのとき気づいて。まぁ、今日止めるからいかなと」

・一日で?

飯伏「と思ったんですけど、一応出勤してやってみたら意外とおもしろかったんです」

・ええ

飯伏「で、3日でやめようと」

・変わったわけですね

飯伏「でも、すごくおもしろい先輩がいて、3日じゃもったいないなとおもってそのままずるずると」

・そして、プロレスは?

飯伏「結局先輩がやめるときに、紹介したい人がいると言われ、K-1のレフリーをやっている方を紹介され、キックボクシングをやらないかと誘われたんです」

・プロレスではなくて?

飯伏「僕にとってキックボクシングはプロレスの敵なんです」

・え、そうなんですか?

飯伏「プロレスが最強なんで。だから、キックボクサーは敵でむしろやりたくないと思ってました」

・それがまたどうして?

飯伏「でも、お金払わなくていいから来て欲しいと言われ、とりあえず、敵のやつを学んでいこうと通い始めたんです」

・なるほど

飯伏「それが意外とおもしろくて。結局仕事は1年でやめて、ジムから歩いて5分くらいのところに住んで、3年間通い、K-2トーナメントで優勝したらキックはやめようと思っていました」

・成績は?

飯伏「3〜4回出て、1回戦負け、2回戦負けと」

・負けたんですか?

飯伏「そうですね。やり始めて1ヶ月くらいで試合に出たので、今までやっている人に負けて」

・プロレスが最強のはずなのに

飯伏「生まれてから今まで一度も負けたことがなかったのに、結局何にもできなくて。これはちょっとと思って、1年間打ち込んで、こんだけがんばってこんだけ練習してこれで入賞できなければ俺はもうキックボクシングもダメだし、もちろん、プロレスラーにもなれないと思って、3位入賞しなければやめようと思ってました」

・それはおいくつのときですか?

飯伏「21才の夏で、結構がんばったんです」

・はい

飯伏「本当に死ぬほどがんばって、そうしたら本当に余裕で。『こんなみんな弱いの?』と思うくらい」

・本当に朝から晩までキックボクシングに打ち込んでいたのですね

飯伏「俺は何でこんなに疲れないんだというくらいで、コンディション的にも、今では信じられないくらいよかったです。試合中にも『もっと殴ってきていいよ』という気分でガードもせず、余裕でガンガンうって優勝をかっさらいまして」

・すごい

飯伏「で、プロレスラーになろうと思って、次の日にジムの会長に『じゃぁ、今日で僕やめるんで。プロレスラーになります』っていったら、普通に笑われましたね」

・そ、それは当然のリアクションのような・・・

飯伏「近いうちK-1出すからとも言われたんですけど」

・それも当然な話です。3年もやられて、優勝もして、ジムのホープじゃないですか

飯伏「そうですね」

・これからはK-1に進出だと誰もが思いますよね?

飯伏「優勝してから1年以内にK-1ワールドマックスに出そうといわれました」

・当然の話だと思います

飯伏「ところが、僕が突然、プロレスラーになりたいと言い出したので、笑い出して」

・はい

飯伏「まぁ、そんなバカなことはいわずに、もっと練習しろよと」

・K-1は当時メジャーで、誰が考えても悪い話ではないと思いますが・・・。こいつ頭狂ったのかと思ってしまいますよ

飯伏「ほんとそんな感じです。とりあえず練習しろよと。K-1もあることだしという感じで言ってたんですけど、僕はねばって『いや、僕はプロレスの練習しかしません』」

・今まで一度もそんなことは言ったことがないのに?

飯伏「ええ。とりあえず、その日は帰って、『明日も来いよ』って言われて、次の日も行って、『プロレスラーになる』っていったんですけど、また笑い出して」

・すぐには信じられないと思います

飯伏「でもずっとプロレスラーになるといい続け、1週間くらいたった頃『本当にプロレスラーになりたいの?』と聞かれ、こいつ本当なのか? という感じになったんですけど、ここに来ても意味ないなと思って、電話で『プロレスラーになりますから。じゃぁ、もう来ません』っていったら、1回話し合おうといわれ、話し合ったんですけど、なかなかやっぱり」

・それはそうですよ

飯伏「それが半年くらい続きましたね」

・その期間は何を?

飯伏「もめたりして、1ヶ月空白。で、何にもしなかったり。テンション的には落ちて。結局半年何もやらなかったですね」

・練習は?

飯伏「その期間はプロレスの練習自体が、本格的な練習自体をどうすればいいか分からなく、キックボクシングの練習を週に1回とか月に2、3回やった程度ですね」

・今まで毎日練習していたのに

飯伏「でも、ここをクリアしなければと思っていたので、バイトバイトで過ごし、半年ぐらいたって、プロレスとキックボクシングを並行にやっていくなら許してあげるという感じでいわれ、何を言ってもダメだから、あ、とりあえず、それでと。で、あとでキックボクシングをやめて、プロレスラーになればいいやとOKして」

・ようやくですね

飯伏「KAIENTAI-DOJOに連絡してもらって、出るはずだったんですけど、なかなか連絡がなくて。で、3ヶ月待ったんですけど、何の返事もなく、それも流れまして」

・はい

飯伏「そのうち、1人昔一緒に練習していた人がいるということで、その人がDDTの木村さんで、連絡をとってもらって、じゃぁ、明日テスト受けにこいよという感じでいわれて、普通に履歴書もって、普通にテストを受けて」

・はい

飯伏「DDTは千葉のららぽーとに来たときに見ていたんで知ってたんです」

・はい

飯伏「DDTならって思って。まぁ、正直DDTってほんとマッスル坂井さんとかには申し訳ないんですが、これなら誰でもできるだろうと。鳥羽さんとかKUDOさんとか当時もっと細かったんですよ。鳥羽さんとかやばいんじゃないのというくらい細かったんです」

・そうなんですか

飯伏「これなら全然俺でもいけるんじゃないかと。この細さなら誰でもできると。で、テスト受かったんですよ」

・はい

飯伏「で、普通に受かりまして、DDTに入ったんです、22になろうとしているときに」

・ようやく小学校からの夢がかないましたね。どう感じました?

飯伏「とりあえず、うれしいんですけど、正直自分の中であの6ヶ月間くらいの間に燃え尽きたものがあって。なんかもう格闘技はいいかなと」

・それはどうしてですか?

飯伏「ものすごく練習が地獄過ぎて、僕の中でキックボクシングは1でプロレスは10,000ぐらいの割合で。こんなにきついことしてK-2優勝レベルか、じゃぁ、プロレス入って練習したら死ぬんじゃないかぐらいに考えていて、もうちょっと無理だなと。あれできついんだから、あれ以上練習するのは無理だなと思って。結局、どうでもいいかなと。全然プロレスとか見なかったですから、あの期間は」

・そうなんですか?

飯伏「プロレスには悪いんですけど、記念でプロレスラーとして一生に一度デビューしてやってみたいなと思って入ったんです」

・今までの思いがしぼんでしまったときに入団したのですか

飯伏「それは入ってからも変わんなかったですね。とりあえず、1回記念にプロのレスラーとしてデビューしたら、友達に自慢できるという、ただそれだけですね。あと小学校6年生から思い続けたのがなくなるのが怖かったんですよね。ずーっと10年くらい思っていたのがなくなったら何をすればいいんだと」

・目標を失いますよね

飯伏「それが怖くて、やるしかないって思って、ただ入ってしまったというのがきっかけです」

・燃え尽きたときに入った

飯伏「燃え尽きたぐらいのときに入った。一番テンション低いときでしたね」

・夢がかなった喜びや熱い思いがなかった?

飯伏「あぁ、プロレスラーになれるのかなぁくらいで。とりあえず、言われたことをやっとこうと。『うわぁ、プロレスラーだ。すごいなぁ』、とか全くなかったですね」

・それがいつ頃変化したのですか?

飯伏「デビュー戦ですね」

・どうでした?

飯伏「はじめて人が一杯いる中で、本物のリングで試合をした訳で、まぁ、キックボクシングでも同じ経験はしているんですけど、プロレスは『魅せる』という部分が一番強いので、僕がどんなにキックボクシングをがんばってても盛り上がらなかったんです、そんなに」

・そうなんですか

飯伏「あれはもう急所の狙いあいなので、気が抜けないんであんまり歓声とか聞こえないんです。おもしろいとかないので」

・強いか弱いか

飯伏「ほんとそれだけなんですよ。プロレスはお客さんと一緒に盛り上がるというか、自分がこれは盛り上がると思ってやったことが、本当にかえってくる。あぁ、これはすごいことだなと試合中思って、自分の中で感動する部分がありましたね」

・それはうれしいですよね

飯伏「これはちょっとまだまだやりたいと思いました」

・見ている側からやる側になった訳ですね

飯伏「見るよりももっとすごいものだということに気づいて、もうやめるとか全く思わなかったですね」

・ガラッと変わったわけですね

飯伏「ガラッと変わりました」

・どう変わったのですか?

飯伏「自分でお客さんを盛り上げる、1人で1人じゃなくて、1人で何千人、何万人を喜ばすことができるということに感動して。感覚的にいうと今までプロレスを見ていたのとはちょっと違うんですけど、お客さんを盛り上げることができるということに自分が感動したというか、見方が変わりましたね」

・どう変わりましたか?

飯伏「今までは完全にプロレスラー最強で強くなりたいと思っていて、プロレスは自分がやれればいい、お客さんはいてもいなくてもいい、自分が好きなんだからという感じだったんですよ」

・はい

飯伏「全然違いますよ。お客さんがいて、僕がいて、僕がやることに対してお客さんが反応して。その反応に対してすごく喜べるという感じですね」

・やみつきになりますね

飯伏「ですね」

・やみつきになってから練習のスタイルは変わりましたか?

飯伏「練習はDDTの道場で週2回くらいあって、それに参加するという感じなんですけど、デビューしてからはほとんどいってないです」

・といいますと?

飯伏「デビューして半年くらいは行ってたんですけど、だんだん慣れてきて。いつも同じ練習な訳ですよ」

・はい

飯伏「これじゃぁ、その、みんなと同じになってしまう。みんなと同じ練習をすると、みんなと同じだけしか上がらないですよね。意識の違いで多少の差は出るのかもしれないですけど、でも、練習内容としては全く同じことをやるわけで、やってたらみんな同じプロレスラーになると」

・なるほど

飯伏「プロレスラーって、やっぱり何か飛びぬけてすごいと思わせるものがなければダメで、住んでいる近くにアマチュアプロレスのOBGというプロレス団体がありまして、その人たちと一緒に道場で練習をするんですけど、その人たちは結局アマチュアなので、本当にプロレスラーの練習を知らないので、みんな違う練習をするんです」

・はい

飯伏「みんなバラバラ、やりたいことだけをやっていて、個人的に楽しむためにやっているんですけど、それを見て
いるとDDTの練習は軍隊じゃないですけど、みんな同じ練習をやっててモチベーションが違うんですよ」

・モチベーション?

飯伏「すーごく楽しくやっているんですよ。DDTは作業としてこなしていて、これを何回やれとか、受身を何回やれとか、別に楽しいわけでもなく、ただ、作業として、中にはうまくなろうとしてやっている人もいますけど、僕にはそうは映らなかったんで。OBGをみていると本当にやりたいことだけやって伸びていくので、じゃぁ、僕もやりたいことだけをやればいいのかなと。もちろん、受身とかも今まで通り重要だと思っているのでやってましたけど」

・なるほど

飯伏「やりたいことをやり始めると自分でもすごく楽しくて、自分で工夫していろいろできるわけですよ」

・どんなことをやられたのですか?

飯伏「試合をやって盛り上がるのは、僕の中で飛び技だったりするのですよ」

・美しいですよね

飯伏「なので、飛び技をやるとお客さんがわくので、ずーっと飛び技の練習ばかりしていました」

・個性を伸ばすわけですね

飯伏「別に作業的にこれがうまくなるからこれをやっておくという感覚ではないですね」

・DVD見ましたけど、ロープに飛び乗ってくるって回る技があるじゃないですか、あれって練習してうまくなるものですか?

飯伏「あれは練習したことがないですね」

・ぶっつけ本番だったのですか

飯伏「練習できなかったんです。アマチュアの団体なので、リングも自分たちで作っていて、ここはたぶんこうだろうなっていう感じで、ロープもしっかりはれていないんです」

・なるほど

飯伏「今までにある技の、もう1個レベル上の技をここの道場で考えるようになったんです」

・発想も年々自由になっているのですね

飯伏「それでいろんな技が生まれました。こっからこうすればもっとすごい技になると」

・飯伏さんにとってプロレスとは?

飯伏「プロレスですか? プロレスが何なのか全然分からないですね」

・そうなんですか

飯伏「危険ではありますけど、現実的な話もすると、これがないと生活できないということもありますし、仕事と思っちゃダメなんでしょうけど、仕事でもありますね」

・昔は「受けが全て」と思われていましたよね?

飯伏「その思いは続いています」

・受けてこそのプロレス

飯伏「そうですね。僕の中ではどんだけ『魅せる受け』ができるかということを意識しています」

・魅せる受け?

飯伏「受身に関してもプロレスっていうのは、みんな一緒の受身なんですよ」

・そうなんですか

飯伏「教えている人が、同じように教えるというか、違っている人をみるともう少し角度をこうしたほうがいいと教えるんですが、僕はそれは違うと思っています」

・といいますと?

飯伏「受身って言うのは、基本の受身は自分が痛くないようにするもので、どんなにきれいに受けられても、自分が痛かったら受身ではないですね」

・それはそうです

飯伏「それは全然役立たないし、怪我の元だと思うんで」

・はい

飯伏「やっぱり、形はどうであっても、痛くないのが自分にとってのいい受身だと思います」

・それぞれ違う受身が合ってもいいと

飯伏「それで大丈夫だと思ったら、自分でどんどん派手にすればいいと思います」

・受けると痛いですよね。それがプロレスの美学なのでしょうか? 受けているときはどんな心境になるのですか?

飯伏「僕はその人とだけじゃなく、その人と戦って俺は耐えられるじゃなくて、お客さんも半分混ざってくれて、これを受ければ盛り上がるのならば、どれでも受けますよという感じですね」

・なるほど

飯伏「別に自分は最後に考えます。自分はどうなってもいいというのは多少ありますね。とりあえずは、一番はお客さんが喜んでくれればいい、次に対戦相手で、最後に自分ですね」

・耐えられずに倒れてしまうのはふがいないと感じてしまう?

飯伏「そうですね。それでお客さんが喜べばそれは別にいいんじゃないかと。それは僕の受けられる範囲はそこまでだったということで」

・受けれるはずなのに、受けないのはダメと

飯伏「そうですね」

・話は変わりますが、飯伏さんにとって戦いとは?

飯伏「お客さんとの戦いですね」

・お客さん?

飯伏「盛り上げるか盛り上がらないかということはありますけど、お客さんが5,000円払って見に来てくれて、その金額以上のものを魅せることができ、8,000円でも10,000円でも見に来るよという人がいれば、僕の中では戦いに勝ったと思いますね。その次に相手ですね」

・相手は二番目?

飯伏「相手に負けました。3カウント取られました。でも、お客さんに受ければ僕の勝ちですね」

・それが戦うということなのですね

飯伏「キックボクシングは試合に勝つのが一番だと思います」

・はい

飯伏「勝てばお客さんも盛り上がります」

・はい

飯伏「勝つか負けるかでいえば、勝つしかない

・はい

飯伏「プロレスは勝ち負けは関係なく、試合内容、そして受けだと思うんですよね」

・なるほど

飯伏「もちろん、勝たないといけない試合もありますけど、僕の中では正直、300試合くらいやってますけど、負けた試合のほうがいい試合が多いですね」

・なぜなのでしょう

飯伏「やっぱり受けなんじゃないかと」

・限界を超えてまで受けるから?

飯伏「だと思うんですよね。そういう部分もあると思いますが、出し切るのは多分自分が負けた試合なんですよね」

・勝ちよりも負けたほうがいい?

飯伏「勝った試合でいい試合ってあまりないんですよね。もちろん、勝ってそう思えたほうがいいですけど」

・飯伏さんにとって強いとは?

飯伏「魅せ方ですね」

・魅せ方?

飯伏「本当に強い人は強いと思いますが、強く『魅せる』というのが一番ですね」

・強く魅せる?

飯伏「プロレスにも強さは必要だと思うんですけど、強さをなんでプロレスの中で見せるのかなというのが自分の中にはあります。それだったら格闘技で見せればいい」

・優先順位は強さが一番ではないと

飯伏「そうですね」

・一番は魅せ方? お客さんに喜んでもらうこと?

飯伏「そうですね」

・では、12月30日DDT後楽園ホール大会のメインマッチ「HARASHIMA」戦もタイトルよりもいかに盛り上げるかが大切なのですね

飯伏「そうですね。僕はこの試合でHARASHIMA選手と戦ってみたいと思ってますし、楽しみにしているんですが、別にまず勝ちたいという思いはないですね」

・どういう心境なんですか?

飯伏「どうやったら盛り上がるんだろうということですね。もちろん、勝ちたいという想いもありますが、一番はどうやって盛り上げて、どうやって勝てばいいんだろうというのがあります。常に一番考えているのはどうやって盛り上げようということですね」

・それはどのように実現するのでしょうか? 練習できるものでしょうか?

飯伏「練習していい試合になるとは限らないんで、相手もいますから。だから、相手と練習してもいい試合になるとも限らないですよ」

・人が見ていないと?

飯伏「ええ。その瞬間瞬間で切り返しとかで盛り上がるんで。練習して盛り上がるというよりも、結局HARASHIMAさんをちょっと研究することはありますが、試合にならないと分からないですね。試合のその場その場で考えたことが試合になるということです」

・技はとっさにでるものなのですか?

飯伏「はい、体が動きますね」

・先に体ですか

飯伏「こんときはこうなるというのを体が分かっています」

・また、話は変わりますが、大の「どインディー」マニアといわれていますが?

飯伏「大好きですね。でも、あれは自分がやりたいわけではないんですよ」

・といいますと?

飯伏「どちらかというと見に行く」

・見る?

飯伏「見るだけですね。やりたいとは思いませんが」

・どうして見に行くのですか?

飯伏「そうですね。上のほうだけ見てても。学生プロレスが下というわけではないのですが、いろんなのを見ているとすごい人はすごいんです」

・どうすごいのですか?

飯伏「単純にすごい技をするとか、そういうのじゃなくて、なんというのかな。単純にそこでそれはないだろうっていう部分をやると僕は結構びっくりするわけですね」

・なるほど

飯伏「これはすごいと思うわけです。盛り上がってない部分もあるんですが、僕はそれはみたことがないとか」

・刺激になるのですね

飯伏「こんなのはないだろうと」

・マッスルへの参加はマッスル坂井さんから打診があったのですか?

飯伏「はじめはそうだったんですけど、本当は1回きりという話だったんです」

・マッスル9でマッスル坂井さんがサブステージでくるくる回っていたのは

飯伏「あれ僕です」

・やはり

飯伏「初めて本番で出たのが8人抜きの試合をしたマッスル11で、本当は1回っきりだったんですが、それ以降も自分でお願いしますと頼んでいます」

・参加しておもしろいですか?

飯伏「いやぁ、おもしろいですね」

・お客さんも毎回「えーっ!」と本気でビックリしてますよね

飯伏「あれは最高におもしろいですね」

・これからもどんどんかかわっていきたい?

飯伏「いきたいですね」

・のじりくんの左手を離さないというのは受けました

飯伏「あれですね、僕がインディープロレスを見る理由は。あれはないですからね」

・ええ

飯伏「普通あれはないです」

・本当に困ってましたよね

飯伏「はい。ああいうのはビックリしますよね。多分、みんなあそこのシーンがいいというと思うんです」

・はい

飯伏「おもしろかったところはあそこだと。ということは僕の中であれは、一番いい技だということになります。僕のムーンサルトよりも印象に残っているはずなんで」

・ムーンサルトより上の技だと

飯伏「技ですね」

・話は変わりますが、生まれ変わっても今のお仕事を選びますか?

飯伏「選ぶんじゃないですか」

・やはり

飯伏「プロレス以外の仕事ができないし、思わないですね」

・将来の夢や目標は?

飯伏「今のスタイルの完全体を目指して。どのスタイルでも1番になりたいですね」

・全てのスタイル?

飯伏「普通のプロレスでも1番になりたいですが、バチバチという総合格闘技に近いどっちが強い、弱いというものでも1番になりたいですし、飛び技をする派手な人たちが集まってもその中で1番になりたいし」

・飛び技といったら飯伏

飯伏「打撃でいったら飯伏、プロレスでいったら飯伏。すべてのスタイルで1番になりたいですね、デスマッチ以外で」

・デスマッチ以外?

飯伏「見るのは好きですが、自分がやるものではないかなと思っています」

・世界には行かないのですか?

飯伏「行きますね」

・いつですか?

飯伏「来年にアメリカですかね、オファーがきています」

・それはすごい

飯伏「向こうでちょっとやってみたいなという気持ちもあるので」

・話は変わりますが、グっと来る女性のしぐさはなんですか?

飯伏「笑顔ですね」

・最後に応援してくれているファンに一言お願いします

飯伏「これからもガンガン蹴って、ガンガン飛んでがんばっていきたいと思います。ベルトも年内1回防衛戦がありますから、それを防衛して、来年は1年間ベルトを持ってがんばっていきたいです」

・ありがとうございました。これからもがんばってください。応援しています!

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インタビュー後には色紙にサインしていただきました。

「飯伏幸太さんのサイン」
飯伏幸太さんのサイン