銀河英雄伝説(10(落日篇))
銀河英雄伝説(10(落日篇))

長かった銀河英雄伝説もとうとう最終巻を残すのみとなった。偉大な歴史の中で多くの偉大な人物が消えていった。キルヒアイスが逝き、ヤンが逝き、ロイエンタールがヴァルハラへ旅だった。そしてまたひとつ巨星が落ちようとしている・・・。

思えばこの作品は気の遠くなるような銀河の歴史の中のたかだか数年の物語でしかない。その中でかも壮大な潮流が引き起こされていたかと思うと感慨深いものがある。畢竟、人が輝く瞬間も惑星が輝く瞬間も、一瞬でしかないのかもしれない。人は言う、ラインハルトは全てを燃やし尽くし崩御したのだと。

無粋ではあるが、もしキルヒアイスが生きていたら・・・歴史におけるIFの個人的見解を述べたいと思う。戦争、政治に関して完璧だったラインハルトに対し、それを唯一諌めることが可能で同等の指揮能力と至らないまでも端正な容姿のキルヒアイス。なんといっても唯一無二の友人という間柄である。二人が健在なら銀河の歴史はもっと血塗られてはいない平和な統一を達成したであろう。無論ヤンも死なずに済んだのではないかと思われる。
一方で、過激なラインハルトに辟易し国民の支持がキルヒアイスに偏り出すということは十二分に考えられる。人智を超えてしまった皇帝よりも親近感を持てる人物に指示したくなるのもあながち否定はできないだろう。ラインハルトを皇帝に置きつつも、権力はキルヒアイスのほうが膨らむと想像できる。そして何よりもアンネローゼの存在が大きい。キルヒアイスが健在ならばアンネローゼと結ばれることは既定路線。こうなるとラインハルトとキルヒアイスの摩擦は更に加速するだろう。これにロイエンタールが加わってくると、もはや火の目を見らずにはいられない。キルヒアイスが健在だと秘書も必要なくなるので、もちろんヒルダと結ばれることもない。
まとめると、キルヒアイスが死ななければもっと歴史は平和に進んだが、一方でラインハルトはより不幸な人生を歩むことになったであろう。と、これが自分の見解である。

結論:オーベルシュタインは偉大だった・・・

数十年経っても全く色あせることのない名作。このような作品に出会えたことにプロージット(乾杯)

宇宙暦マイナス790年10月22日
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