誰が為の警鐘【Blog】

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知の渇き

オブリビオン (トム・クルーズ主演SF映画)

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映画『オブリビオン』公式サイト 大ヒット上映中!
やっとシネマイレージカードを作成したのでこれから映画モードに入っていこう。早速観た映画は公開したばかりのトム・クルーズ主演SF映画「オブリビオン」。ゲームを知っている人ならばまっ先にそちらを思い浮かべてしまうが、全くアレとは関係のない作品である。

自分は映画館ではSF映画を優先的に見る。映画館で求めるのは矢張り迫力だからだ。映像と音の迫力を追い求めればとりあえずSF映画で失敗する可能性は低い。本映画も映像に関しては文句のない出来だった。物語については特に語ることなし。特別な真新しさもなかったし、凡そ予想通りの展開だった。

トム・クルーズよりもドローンに萌える。そんな作品。

伊賀忍法帖 (山田風太郎)

伊賀忍法帖 角川文庫 / 山田風太郎 ヤマダフウタロウ 【文庫】
伊賀忍法帖 角川文庫 / 山田風太郎 ヤマダフウタロウ 【文庫】


忍法帳シリーズ。甲賀忍法帖の次ということで伊賀忍法帖を選択。
さらっとあらすじを説明。松永弾正久秀がとある女人を虜にするために果心居士に秘薬の作成を依頼し、その作成のため7人の法師が幾人もの女の愛液を集めまくってかの有名な平蜘蛛釜で煮詰めるというなんともぶっ飛んだ話。ひょんなことから伊賀忍者・笛吹城太郎が事件に巻き込まれ、7人の法師と凄惨な死闘を繰り広げていく。

とにかく展開とテンポが素晴らしく、どんどん読み進んでいってしまう作品。よくもまあこんな突飛な展開を考えつくものだと脱帽せずにはいられない。主人公が承太郎だけにJOJOの作品の能力をもっと面妖にして、ストーリーを悲惨にして、エログロを加えたような作品であるといえば分かりやすいだろう。

それにしても松永弾正久秀への自分の知識が、本作とへうげものと織田信奈で得られたもので固まってきているのはいったいどうしたものか。。

木枯し紋次郎 <15> さらば峠の紋次郎 (笹沢左保)

【中古】 木枯し紋次郎(15) さらば峠の紋次郎 光文社時代小説文庫/笹沢左保(著者) 【中古】afb

旅人の最後は旅で終わるが最上である。
どこかに安住の地を見つけ、腰を落ち着ける最後なんてらしくない。旅のラゴスも温かい帰る場所があるにもかかわらず、最後はデーデを求め消えって行ってしまった。旅人は死ぬまで旅人なのである。

木枯し紋次郎もとうとう最終巻となった。これほどまでに江戸という文化が江戸時代という歴史が好きになった作品を自分は他に知らない。紋次郎の生き様がいろいろなものを自分に教えてくれた。一人で生きていくということの過酷さ、寂しさ、侘しさ。往く季節、来る季節の厳しさと暖かさ。そして、その中で彩られる人間模様。作中では江戸はおろか栄えている町には全く近づかなかった紋次郎だが、それでも江戸時代の人間たちの息遣いがよく伝わってくるのは興味深いものだった。

股旅物という作品はいつでも終わることの出来る作品だと思う。ある意味、いつまでもやめられない作品かもしれない。木枯し紋次郎という作品は宿敵として小文太を登場させ、彼との決着をひとつの終着駅とした。しかしながら、もちろんのこと旅は終わらない。峠から現れた紋次郎は、今日も峠へ去っていく。その背中を誰も追うことはできない。今回ばかりは読者さえも…
小文太の呟きとともに、我々もその言葉を口にする。

さらば、木枯し紋次郎・・・・・・

ビアンカ・オーバースタディ (筒井康隆ラノベ)

ビアンカ・オーバースタディ [ 筒井康隆 ]
ビアンカ・オーバースタディ [ 筒井康隆 ]

太田が悪い。
日本全国の狂気を支える筒井康隆ファンが首を長くして待っていた70歳作家によるラノベである。一体何人のファンが待ちきれずに腎虚で死んだだろうか。一概に太田が悪い。

作品の内容については深く語るまでもないだろう。ラノベなのだから。巨匠がラノベを書くとこうなるのか、ということがある意味予想通りに体現された作品であった。彼の描く「萌え」については少々議論の余地があるが、脈絡のないセクハラなど相変わらずぶっ飛んでいるところが堪らない。

あとがきによると、氏はこの作品について「正直自分の他の本作へ新しいファンを引き入れるための呼び水」というような表現をしていた。自分もそうなってくれると良いなと思っている。若い世代が、ある意味騙されて(?)この作品を手に取り、「うわ、何この変態作家!?他の作品も読んでみよう」となったら万々歳なわけだ。そういう意味ではエロ、グロ、スプラッタ、SF、狂気、狂喜とひと通り筒井康隆という作家のエッセンスが詰まっている作品であるため適っていると思う。さぞ優秀なツツイストを生産してくれることだろう。

ロッサ「やめれー」

ローマ人の物語〈19〉悪名高き皇帝たち(三)

ローマ人の物語(19) [ 塩野七生 ]
ローマ人の物語(19) [ 塩野七生 ]

ローマ帝国第四代皇帝 クラウディウス。
草食系皇帝・・・彼のことを人はそう呼ぶ・・・とか呼ばないとか。

健全な精神は健全な肉体に宿る時代、体の丈夫ではないクラウディウスは表舞台には上がらずひっそりと歴史の研究をしながら人生を過ごしていた。ひっそりと人生を終えるつもりだったろう。しかしカリグラの暗殺により、次期皇帝として白羽の矢が立ったのは血筋的にも年齢的にも適当なクラウディウスであった。寝耳に水であったろう。こうしてローマ帝国に歴史家皇帝が誕生した。

常識的な人間であり、それなりの政治的センスもあり、歴史的知識を持ったクラウディウスの治世は非常に健全に進んでいく。歴史家だけあり、アウグストゥスやティベリウスのやり方を良く理解しており、それを踏襲していることが何よりもローマに安定をもたらした。カリグラのお陰で傷ついた帝国が少しづつ息を吹き返していったのである。
健全な皇帝である。体は健全でないかもしれないが、精神は健全な皇帝であった。しかしながら、そんな人物であっても賢君になれるとは限らない・・・。

まず、彼の奴隷であり政治の中枢を担っていた者たちが好き勝手を始める。皇帝が潔癖な心の持ち主であっても、それに使える者たちがそうであるとは限らない。次に妻である皇妃アグリッピーナが暴れ始める。皇帝が純潔な思想の持ち主であっても、その妻がそうであるとは限らない。最後に、国民が飽き始める。皇帝が良い人物であっても、国民は地味な皇帝はつまらないと言う。

皇帝という地位はこれほどにも厳しいものなのか。本人がどんなに善人であったとしても国を治めるには至らない。国を治めるにはそれなりの悪も矢張り必要なのだということだろうか。結局、クラウディウスは帝国を回復させたにもかかわらず、さほど評価されないまま最後は毒キノコというアグリッピーナの毒によって生涯の幕を閉じる。

そして、皇帝ネロの舞台が幕を開ける。

木枯し紋次郎 <14> 女の向こうは一本道 (笹沢左保)

【中古】afb 木枯し紋次郎(14) 女の向こうは一本道 光文社文庫光文社時代小説文庫/笹沢左保(著者)

紋次郎の宿敵、峠花の子文太。
武士崩れの渡世人であり、直心影流の達人。野花を愛し、口にはいつも花をくわえている。同じ渡世人でありながら、喧嘩剣術をふるい爪楊枝をくわえている紋次郎とは対称的な人物である。

子文太は紋次郎を恨んでいる。自分の妹が紋次郎に拐かされ、売られたと思い込んでいるのである。人に恨まれることには慣れている紋次郎だが、見に覚えのねぇ怨みで剣術の達人から追われるとあってはたまったものではない。14巻以降の作品では、この子文太がちょくちょく話に登場してくる。

ある意味では典型的なライバルキャラである。決して悪人ではなく、紋次郎を倒すのは俺だ!他のやつには殺させねぇ!タイプである。紋次郎以外で固定キャラが出てくるのは、このシリーズでは非常に珍しい。というか基本的にない。こういう例外が現れてくるというのは、作品として終りが近いことを示唆しているとも言える。最後は、この子文太と決着をつけて、紋次郎の旅は終わるのだろう。そんな予感を感じさせられてしまう。果たして紋次郎は子文太に勝てるのであろうか。いよいよ紋次郎作品は次巻で最後となる。

ローマ人の物語〈18〉悪名高き皇帝たち(ニ)

ローマ人の物語(18) [ 塩野七生 ]
ローマ人の物語(18) [ 塩野七生 ]

ローマ帝国第三代皇帝 カリグラ。
彼は狂っていたのだろうか。自分はそうは思わない。

ティベリウスが天命を全うし、次代皇帝は既定路線通りゲルマニクスの息子カリグラが即位した。幼き頃、ゲルマクスに伴って軍団と生活していた際、小さな軍靴(カリガ)を履いていた事からカリグラと呼ばれ兵士たちに愛されていた。それが彼の名前の由来となっている。

ティベリウスの最後は悲惨であった。国民は皆彼を憎んでいた。ティベリウスの死体は刻んで晒してテヴェレ川へ!と叫ばれたほどであるとか。娯楽を無くし税を上げる。国のために善政を行えば行うほど国民に恨まれていく。畢竟帝政とは何なのか。訳が分からない。

そんなティベリウスの最後を見ていたカリグラは、国民に愛されようとあらん限りの全てを尽くす。人間としてごく自然な行動だと自分は思う。そして望み通り彼は愛された。愛された人間は、次に「愛され続けたい」と願う。これもいち人間として極自然な感情ではないか。結果的に国庫は尽き、財政は傾いてしまった。早くもカリグラに飽きた国民は、次第に彼への興味を失っていく・・・・・・。

カリグラは狂人だったと言われている。果たしてそうだろうか。節々の会話を見る限り、頭は良いし知性を感じる。肉体的にも健全である。彼の晩年の行動は狂っていないと思う。愛されたいと尽くした相手に、興味を失われていく絶望と憎悪。それに耐え切れる人間なんていないだろう。自分はカリグラを責めることができない。

暗殺により彼の治世は4年で幕を閉じる。
全世界最高の権力を手に入れながら、なぜこれほどまでに苦しまなければいけなかったのだろうか。これだけの力を持ちながら、まともな精神で統治できる人間のほうが自分は正気ではないと思う。

木枯し紋次郎 <13> 人斬りに紋日は暮れた (笹沢左保)

【中古】afb 木枯し紋次郎(13) 人斬りに紋日は暮れた 光文社文庫光文社時代小説文庫/笹沢左保(著者)

あとがきに興味深い話があったので拾っておこう。
紋次郎生誕の話である。

紋次郎といえば上州新田郡三日月村にて間引きぞこないとして生まれてきたことは周知であろう。そういう話ではなく、キャラクターとしての紋次郎生誕の話である。著者は新しいヒーローを誕生させるにあたって、名前を考える際、歴史的資料を漁り当時よく使われていた名前として50個ほど候補を挙げたらしい。そして編集者とお互い別々にその中から名前を選んだところ、二人共同じ名前を選んでいたのだそうだ。紋次郎を。

そして次に主人公が持つべき小道具を選んだ。手に持っていては武器が使えない、必然的に口にくわえているものとなり、口に加えているものといえば楊枝。しかし只の楊枝ではみすぼらしい。そこでまた歴史的資料を漁ったところ、当時としては15cmある楊枝も普通だったということを発見する。こうして楊枝をくわえた渡世人紋次郎が出来上がった。あとは一芸として爪楊枝から木枯しのような音を鳴らすというスキルを付け加える。

木枯し紋次郎の生誕である。

ローマ人の物語〈17〉悪名高き皇帝たち(一)

ローマ人の物語(17) [ 塩野七生 ]
ローマ人の物語(17) [ 塩野七生 ]

ローマ帝国第二代皇帝 ティベリウス。
ローマ帝国の餅は、カエサルがこね、アウグストゥスが搗き、ティベリウスが食べたのであろうか。
自分は常々思う。会社を興したものと、それを引き継いだもの。どちらが大変であろうか、と。どちらにも同程度の苦労があるのではないか、と。帝政だって同じであろう。いくら基盤を築き上げたとはいえ、ローマ帝国はまだスタートを切ったばかりである。ここで道を間違えればもろく崩れ去る可能性だってある。となれば、私欲に走ることなく淡々とアウグストゥスの意志を引き継いだティベリウスの功績は、前者2人に匹敵するものがあるのではないかと思う。

ティベリウスはアウグストゥスの養子となったためユリウス一門に入っている。今となってはアウグストゥスが血筋にこだわったのも分かる。国民の納得を得る最も簡単にして強力な根拠が血筋なのだと。後に続くカリグラの受け入れ方を見ているとよく分かる。ティベリウスはユリウス一門となりとりあえずは血筋として皇帝になった。しかし、これは後に続く本当の血筋の皇帝たちへの「つなぎ」でしかない。そのことがティベリウスを苦しめたかどうかは分からないが、彼は人間嫌いな皇帝としての生涯をあゆむことになった。結果的に彼は国民を嫌い、国民にも嫌われたが国を愛し国に尽くした。国民に愛されたいと望まなかった。ローマ帝国に心血を注いだにもかかわらず、崩御後はボロ雑巾のように扱われたのだ。不憫でならない。それを見ていたために、後に続くカリグラは国民に愛されたいと願い、それがまた道を踏み外す原因にも繋がっていってしまう・・・・・・。

ゲルマニクスが悪い。彼が生きていればこんなことにはならなかっただろうに。
つまりはゲルマニクスに毒を盛ったピソが悪い!いや、彼がやったという証拠はないけれど。

甲賀忍法帖 (山田風太郎)

甲賀忍法帖 [ 山田風太郎 ]
甲賀忍法帖 [ 山田風太郎 ]

まずはじめに、この作品が50年以上も前の作品であるということを断っておく。
簡単に本作品を説明すると、様々な能力を持った伊賀10人甲賀10人の忍者がチームワークを駆使しながら最後の一人になるまで殺しあうというものである。テーマは単純ながら、その裏に隠れる陰謀、特集能力の絡み合い、芸術的に計算された展開、そして愛・・・・・・などが盛り込まれてあり筆舌に尽くしがたい。言うならば50年以上前にジョジョをやっていたというようなものである。今読んでも全く見劣りしない斬新さがある。

本作品は能力系バトル物の元祖と言われており、現代の漫画・小説・アニメに多大な影響を与えているといわれている。そのことについては読んでいただけでばまず納得していただけるだろう。能力者の元祖といえば封神演義があるが、その能力を使って巧みにチーム戦を繰り広げるといった現代では当たり前のスタンスをこの作品は作り上げたと言えるだろう。

特に注目して欲しいのはヒロインである朧の能力。主人公とヒロインは共に眼の能力を持っているのだが、主人公は敵対するものの殺意を相手に跳ね返す瞳術。一方ヒロインは全ての忍法を無効化する破幻の瞳を持っている。これが実に凄い。所謂能力無効化系能力。今では使い古されたメジャーな能力なのだが、これを能力もの作品の初期に既に登場させていたということが驚愕以外の何物でもない。アニメ化もされておりこちらもおすすめ。是非とも能力バトルが何たるかを味わってもらいたい作品である。

愛する者よ 死に候え

木枯し紋次郎 <12> 奥州路・七日の疾走 (笹沢左保)

【中古】afb 木枯し紋次郎(12) 奥州路・七日の疾走 光文社文庫光文社時代小説文庫/笹沢左保(著者)


積読をあらかた消化してしまったのでレビューをさっさとやってしまおう。
本書は今までの紋次郎とは打って変わって一冊がひと続きの話になっている。要するに長編作品となっている。こういう形式が変わった事に出くわすと「あれ?」っと思うと同時に、「この作品もそろそろ終わりが近づいているのでは?」という思いが浮かぶ。

まあそれはさておき、長編ではあるが毎度のごとく人間が複雑に巧妙に絡み合い物語が進んでいく展開はいつもの通り。いつもの通り面白いのだが、だからこそ長編だと微妙な違和感を感じてしまう。やはり短編だからこその圧縮された濃密な人生観こそが紋次郎なのではないだろうか。そんな感想を抱きながら紋次郎の後ろ姿を追い次巻へ向かうことにする。

プロメテウス (リドリー・スコット監督映画)

imagesddd映画『プロメテウス』オフィシャルサイト 2012年8月24日(金)公開

本映画は製作が噂されていた頃から注目していた。エイリアン5を待ち焦がれていた時節、あのリドリー・スコット監督からエイリアンシリーズに関連する映画が作成されると聞いて胸を躍らせたものである。それが「プロメテウス」である。初代エイリアンの前日譚に位置づけされる作品と言われている。しかしながら具体的に繋がりがあるかどうかは今のところ不明。これについては映画を見た後も正確なところは分からなかった。

さて、本映画の感想に入ろう。エイリアン要素は所々に出てくるものの初代エイリアンのようなSFホラー作品ではなく、どちらかというと謎解きSFの要素が濃く感じられた。それでもまあ、相変わらず出てくる生物は卑猥で気持ち悪いことこの上なし。ストーリーに関しては、さっぱり謎。エイリアンシリーズを網羅している人ならば、一応は初代エイリアンへの繋がりが見えてくる。一方でエイリアンを良く知っている人ならばこそ疑問が次々とわいてくる。結局エイリアンは何なのか、人類の起源はどこなのか・・・・・・さっぱりなまま終盤は超展開。

最後の船員の行動はちょっとどうなのかと思うが、全体的な出来としては数十年待たされたいちファンとしても満足できるものだったと思う。特に映像の素晴らしさについては言うこと無し。是非とも劇場に足を運んで堪能してもらいたい。難解なストーリーについても、考察する楽しみを与えてくれているし、続編の計画もあるようなのでこれでよしと言える。NOエイリアンNOライフ!

最後に取り上げておくべき注目点がひとつある。それは主人公女性を演じたノオミ・ラパスについてである。エイリアンシリーズはご存知の通り地上最強生命体シガニー・ウィーバーが演じてきた。エイリアンといえば彼女、彼女といえばエイリアンといっても過言で無いくらい確固としたイメージが出来上がっている。そんな中、エイリアンシリーズの新作の主人公を引き受けることになったということは困難で苦労したであろうと予想される。しかし彼女はこの重い役を見事に演じきった。本映画では彼女の力強い演技が非常に印象に残った。身長以外はシガニー・ウィーバーに引けをとらないかもしれない。今後注目していきたい女優である。

何はさておき、近年ではなかなかお目にかかることができなかった濃厚なSF映画である。小難しいことは考えず存分に楽しんでもらいたい。

セカキュー4くりあ

世界樹の迷宮4伝承の巨神世界樹の導きブック [ Vジャンプ編集部 ]
世界樹の迷宮4伝承の巨神世界樹の導きブック [ Vジャンプ編集部 ]

世界樹の迷宮IV。このゲームの為に3DSを購入したといっても過言ではない。
その判断は間違っていなかったようだ。一通りクリアしたので感想を書いていこうと思う。

シリーズ毎の安定したストーリー、映像に音楽と文句無し。3D機能はどうでも良かったが、モンスターの3Dモデリングは思った以上に良かった。またその動きも良い。嵩張らないデザインでありながら、インパクトがあり、それでいてもっさりとしていない。テンポを損なわないけれど目に留まる優れたモーション。この時勢、こういう技術を持っている人は重宝せねばなるまい。

では今作で特に良かったのは何か?工具屋の娘か、巫女か、病んでるウーファンさんか?それとも肉体派でありながら癒しの知識も豊富なキバガミさんか??



今作で最も素晴らしかったのは、いや、シリーズの歴史を塗り替えたとさえ言えるのは
「move」!
move!move!move!

そう、前後移動である。ただそれだけである。しかしこのmove、過去作ではターンを消費していたのだが、今作からターン消費無しで実行できるようになったのだ。ただそれだけのことと侮る無かれ、極々単純な変更なのだがこれがこのゲームを格段に面白いものにしてしまった。実に盲点だった。「moveをターン消費無しで」これがこんなにも素晴らしいものだとは・・・・・・

この変更の恩恵を受け易い職業はダンサー、ナイトシーカーである。どちらも中衛ポジションと言えるだろう。そもそも中衛職とは何か?前衛も後衛もできるということか?自分は前衛でも後衛でも使いたい職業であると考える。どちらでも使いたい!それを今作のmoveは実現してくれた。

例えばナイトシーカーはやわい。やわらか。ふにゃふにゃ。ボスはおろかFOEの攻撃を食らおうものなら必死。しかし敵が状態異常時の彼のダメージソースは非常に魅力的である。死にやすいので後衛においておきたいが、前でも殴らせたい。そうだ!敵が状態異常になるまで後衛にいて、状態異常にかかったら前に出て殴ればいい!
また、ダンサーの踊り効果はライン効果である。前で踊っていたが急に後衛に効果を与えたいと思った時、そんな時はmoveでバックステッポ!
ちょっと高度な使い方としては、前衛でトリックサンバを踊った後に火力の低いフォートレスなんかを後衛に下げて火力の高い前衛だけに追撃を集中させるといったテクニックもある。兎にも角にもmoveで戦略は大きく広がり、それに付随してスキルの性能やバランスが絶妙なものに仕上がっている。

まだまだ語りたいことは多いが、それは又の機会としよう。

ダークナイト ライジング (映画)

バットマン ダークナイト ライジング BATMAN THE DARK KNIGHT RISES ポスター ¥3800以上お買い上げで 送料無料(120713)
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2年ぶりに映画館へ。最近全く映画館へ足を運んでいなかった。特に見たい映画もなかったからなわけだが、最近ボチボチと興味のある映画が上映されてきているので、まずは話題のバットマン映画を観に行ってみた。

バットマンを選んだ理由は過去二作に衝撃を受けたから。基本的にアメリカンヒーロー物は観ない。スーパーマンは大好きだがスパイダーマンやXメンは全く食指が動かない。しかしながらビギンズからのバットマンは素晴らしかった。映画の出来はもちろんのこと、バットマンがかっこ良すぎる。アメリカンヒーローでここまでかっこ良いと感じたのは初めてだった。

さて最新作にして最終作になるライジングなわけだが、過去二作は残念ながら越えれなかったかなという印象。展開は典型的で大味になりすぎていたし、なによりも敵役がいまいちだった。全作のジョーカーがやはり偉大すぎたかな。映画にかぎらず漫画、ゲーム、アニメが傑作となるためには敵キャラが重要ということを改めて考えさせられた。

映像の迫力に関しては文句無し。相変わらずバイクはかっこよくておかしな動きをしている。あとこの映画で注目スべきはジョゼフ・ゴードン=レヴィットの活躍。ある意味主人公より主人公していた。予想通りぼちぼちとこの人の注目度が上がってきているな。今後が楽しみだ。

(ブログ内参照)
誰が為の警鐘【Blog】 : ジョゼフ・ゴードン=レヴィット 注目の俳優

木枯し紋次郎 <11> お百度に心で詫びた紋次郎 (笹沢左保)

木枯し紋次郎 11/笹沢左保
木枯し紋次郎 11/笹沢左保

紋次郎の物語は無駄が無い。紋次郎の肉体のように無駄がそぎ落とされている。ふとそれは、詰め将棋に似ているなと感じた。短い物語の中で、一登場人物や一シーンが必ず絡み合い結末へ繋がっていく。それはもはや一手一手に無駄が無く終局へと向かっていく詰め将棋のようであると、そう感じたわけである。
しかしながら、いつも「詰む」のは「幸せな結末」なのだが・・・・・・

木枯し紋次郎 <10> 虚空に賭けた賽一つ (笹沢左保)

木枯し紋次郎 (10) 虚空に賭けた賽一つ
クチコミを見る

久しぶりの紋次郎。
よく購入する通販サイトが品切れになり、放っておいたら絶版になっていた。このままではマズイと思い、早急に別のサイトで残り全巻購入。それほどまでに紋次郎は自分にとって重要なのだ。

本巻で注目すべき作品は「旅立ちは三日後に」。この作品が実に秀逸で研ぎ澄まされていて、それでいて切なくて、物悲しくて、胸に突き刺さった。いつも追われるように旅を続けていた紋次郎だが、この作品では珍しく(もはや事件的なレベルだが)特定の場所に留まり渡世人を辞めようかと考える。「え!」と思える事態だが、それにはちゃんと伏線を張っており、また紋次郎を受け入れようとしてくれる家庭の温かさが脱渡世人の説得力としては十分なものなっている。

しかし、我々は知っている。紋次郎はまた旅立つことを。タイトルがそれを冷たく無慈悲に語っているではないか。それでなくても物語が続くためには、そうならざるをえないことを理解している。「木枯し紋次郎」がそういう物語であることを痛いくらいに知り尽くしてしまっている。だから・・・だからこの平穏が続かないこと、暖かな未来を夢見えないことを我々は分かってしまっている。そして紋次郎自信も・・・。

やがて旅立ちの時は訪れる。その展開がまた上手く伏線を回収しており痛快。痛快でいて痛切。去っていく紋次郎の後ろ姿が、涙で滲む。

「さあ、紋次郎さんの気持ちを、聞かせておくれな」
「へい。許されることなら、あっしに異存はござんせん」

ローマ人の物語〈16〉パクス・ロマーナ(下) (塩野七生)

ローマ人の物語(16)
ローマ人の物語(16)

偉大なる帝政ローマの父、アウグストゥス。その昔オクタヴィアヌスと呼ばれていた彼の偉業も、ほぼ完成を迎えていた。ただひたすらにローマの将来に執着した彼の意思が最後に求めたものは・・・血筋への執着であった。自分の後継者になんとしても血を残すこと、カエサルの血統を残すことに執着した。カエサルも、かの銀河皇帝も、血への執着は薄かったというのに、なぜアウグストゥスはここまで頑なになったのだろうか。これまで恐ろしいほどのストイックさを見せていただけに、違和感を覚えずにはいられない。老齢がたたったというだけだろうか。

七転八倒しつつも後継者は決まり、パクス・ロマーナも成った。アウグストゥスは丁重に遺書と業績録を残しこの世を去る。ローマの平和の礎を築いた偉大なる人物。西暦14年、穏やかな死であったという。
カエサル、アウグストゥスと繋いできた平和へのタスキ。果たしてこれからの走者はどこへ向かって走ってゆくのだろうか。

ローマ人の物語〈15〉パクス・ロマーナ(中) (塩野七生)

ローマ人の物語(15)
ローマ人の物語(15)

平和な時代というものは人間を腐らせるものだという先入観がある。ローマにはかつてない平和が訪れ、強力な敵国に怯えるようなこともなくなった。平和を謳歌し、貪っても良い時代が訪れたのではないだろうか。しかしながら、大きくなりすぎた国は、それはそれで内政問題を孕み出す。アウグストゥスは(この時代にして!?)少子化対策などに取り組みながら様々な政策を進め、じわじわと帝政への道を歩んでゆく。

やがて共に苦楽を共にした右腕アグリッパが亡くなる。その後もひとりまたひとりとアウグストゥスのまわりから親しき人、かけがえのない人が他界してゆく。孤独に進んでゆく帝政への道。平和が訪れただけでも人は腐敗し、何百年も先のためなど考えず今の自分の幸福だけを考えそうなものだが、アウグストゥスは異常なほどストイックに事を進めていく。まわりの人が死に孤独に苛まされただけでも人は狂って行きそなものなのだが、アウグストゥスは恐ろしいほど頑なな信念で邁進していく。

アウグストゥスの偉大さは精神力なのではないだろうか。これだけの権威を持ちながら全くブレないところに感心を超えた恐ろしさすら感じてしまう。アグリッパを最後まで重用したことも興味深い。普通この手の第一人者より戦に優れた人物は消されてしまうのが世の常なのだが、アグリッパは死ぬまでアウグストゥスの右腕で在り続けた。単に帝政が完成しておらず道の途中であり必要であったからと考えることもできるが、もし帝政が成っていたとしてもアウグストゥスはアグリッパを信頼し続けていただろうと想像される。

アウグストゥスは57歳になる。かのカエサルが亡くなった年齢近くになった。いよいよ帝政への仕上げにとりかかるのであろうか……

皇国の守護者(1) (佐藤大輔)

皇国の守護者(1)
皇国の守護者(1)

タイトルからファンタジーものかと思っていたら、近世的な戦記ものだった。と思ってたら、やっぱりファンタジーだった。というような作品。

フリントロックガンの兵隊を軸とした戦争の戦略、戦術が描かれており、この手の戦争にあまり興味がなかった自分としては新鮮なものに映った。そもそも銃を用いた戦争が好きではない。AOCでもコンキスタやイェニチェリには興味が湧かないし、オスマンとイスパニアは使う気が起こらない。弓こそ至高。剣と槍と騎兵こそ戦争の華。投石機や破城槌にはロマンを感じずにいられない。銃なんて冒涜にして外道。

そんな自分ではあったが、本書を読んでいると銃には銃の事情や戦術があることを知り楽しむことができた。また特筆すべきは剣虎兵だろう。虎を連れた兵士という特殊な存在がテーマのひとつなっている。ヴァナディールで獣使いを生業としていた自分としてはそそられるものがある。クァールのメウルルを生涯の友としたウィンダスの英雄ルンゴナンゴを彷彿とさせられる。
Lungo-Nango/FF11用語辞典

新城直衛とルンゴナンゴの類似性を指摘している人はいないのかな。

ヴィンランド・サガ 11 (幸村誠)

ヴィンランド・サガ 11
ヴィンランド・サガ 11

待ちに待った最新巻。
ここのところ農業無双が続いていたけれど、一気に物語が熱い方向に動き始めた。この展開の上手さに惚れ惚れしてしまう。

しかし、それよりも見てください。トルフィンの目を!前巻あたりから完全に親父の目です。悟った目です。この展開でトルフィンが果たしてどういう行動に出るのか。次巻が待ち切れない。

それにしてもトールギル。ただの粗雑なキャラかと思っていたら・・・かっこ良すぎる。。

半熟作家と“文学少女”な編集者 (野村美月)

半熟作家と“文学少女”な編集者
半熟作家と“文学少女”な編集者

文学少女シリーズ最終巻。
よくもまあここまで来たものだ。惰性で読んできただのなんだのと言ってきたが、最終巻は思いの外良かった。ここまで読んできたよかったなあと思わせられるものがあった。そしてなにより良い意味でラノベらしくラノベしていた。このシリーズって基本的に重たい話が多いので、外伝の良さはラノベチックなところだとも言える。最終巻はそれがよく出ていたと思う。そして最後はあの締め。そう来るとは上手いものだ。

一応今作のテーマとなる作品は「伊勢物語」「風と共に去りぬ」「ハムレット」といったところだが、完全に物語が締めにかかっているのでこれらの印象は薄い。

とまあ円満に物語は終わったわけだ。
でだ、美羽はどうなったのかというところが問題だ。このシリーズで一番共感でき、一番不幸である彼女がどうなったのか。心葉がああなってしまった以上、彼女は引き続き不幸なのではないだろうか。そのへんを考えていくと、後味が悪いと言うまではないが、非常に心に引っかかる。

ローマ人の物語〈14〉パクス・ロマーナ(上) (塩野七生)

ロ-マ人の物語(14)
ロ-マ人の物語(14)

カエサルが死に、その意思を継いだオクタヴィアヌスがローマを平定した。オクタヴィアヌスはアウグストゥスと名を変え当時の世界に於いて最高の権威を手中に収める。しかしまだ、完全な権力を手に入れたわけではない。アウグストゥスは慎重に、そして綿密に帝政への礎を築いていく。彼にはカエサルが持ち得なかった最強の武器「若さ」があった。時間をかけてじっくりと事を成就させていく余裕があった。ローマは数百年ぶりの平和を手に入れたのである。

本書とはあまり関係ないが、カエサルとアウグストゥスの偉大さを知るエピソードとして月の話を紹介しようと思う。7月と8月を英語ではJulyとAugustと書き、ユリウス・カエサルとアウグストゥスの名前が付いている。二千年以上経った今でもこうして身近なところに名前が残っているというのだからその偉大さに感服する。

ところで、一年には2月を除き30日の月と31日の月があるが自分はいまいちはっきりとどの月が31日だったかを覚えていなかったりする。そんな自分でも覚えることができた次の覚え方を紹介する。

大昔一年は3月から始まっていた。そこで3月を31日とし以後交互に30日と31日を設定する。そして残った日数を最後の2月に設定したらしい。そしてカエサルは自分の名前を7月につけた。その後アウグストゥスが8月に自分の名前をつけたという次第である。ここからが面白い。そうするとアウグストゥスは30日となりカエサルは31日となってしまう。これでは少々アウグストゥスの偉大さが薄れてしまいマズイ。そんなわけで8月も31日にしてしまったというわけだ。あとは整合性を取るために9月を30日にし、以後31日と30日を交互に設定したとか何とか。
事実はどうかしらないが、古代ローマ二人の偉大さを感じつつ月の日数が覚えられる面白いエピソードである。

ヒストリエ 7 (岩明均)

ヒストリエ 7 【限定版】 作者考案の「マケドニア将棋」付き (コミックス) / 岩明均/著
ヒストリエ 7 【限定版】 作者考案の「マケドニア将棋」付き (コミックス) / 岩明均/著

「シグルイ」が終わってしまった今、読まずにいられない漫画は「ヴィンランド・サガ」と「ヒストリエ」だけになってしまった。特にこのヒストリエは群を抜いている。今まで読んできた漫画の中でも「スーパードクターK」を抜いて自分の中では最高位の漫画と位置づけている。このままいけば終わり方次第では歴史に残る作品になるだろうと確信している。

今回の見所はなんといってもマケドニア将棋。どこまで史実か分からないがエウメネスが独自の将棋を考案するというお話。王との対局シーンの面白さもさることながら、このマケドニア将棋のルールを作者が独自に考案しているということに注目したい。しかも7巻の限定版にはマケドニア将棋セットとルールブックがついてくるという気合の入りよう。値段は決して安くはないが、ヒストリエのためならば限定版を買う以外の道はなし・・・。マケドニア将棋についてはそのうちコメントします。それにしても相変わらず人物の表情と間のとり方が天才的だな、この漫画は。

「ヴィンランド・サガ」も「ヒストリエ」もペースが遅いと言う所が泣き所。1巻読んでしまったら、次は一年近く待たなければならないと思うと待ち遠しくて、待ち焦がれて、もどかしくて、堪らない。

木枯し紋次郎〈9〉三途の川は独りで渡れ (笹沢左保)

木枯し紋次郎〈9〉三途の川は独りで渡れ (光文社文庫―光文社時代小説文庫)
著者:笹沢 左保
販売元:光文社
(1997-09)
販売元:Amazon.co.jp
クチコミを見る

何だろう。この紋次郎の圧倒的な魅力は。
巻を追うごとに拍車をかけて人助けを避ける紋次郎。相も変わらず救われない登場人物たち。徹底してハッピーエンドは訪れず、カタルシスをどこに求めて良いかも分からない。それでも最後に楊枝が飛んでいった時、また紋次郎の背中を追いたくなってしまう。何度関わりが無いといわれようとも。

あとがきに紋次郎のルールという面白いものが記載されていたので記載していおく。
‖衞召砲六代小説を思わせるような語を入れ、末尾に現代的な動詞または形容詞を用いなければいけない。
∋代背景になるような事柄を、できるだけ専門的に調べなければいけない。
L羲]困郎埜紊飽象的な楊枝の使い方をしなければいけない。
ぞ説は意外性をもって終わらなければいけない。
ゾ説の終わりに、記録の引用を持ってこなければいけない。

思わずうんうんと唸ってしまう。これでこそ紋次郎。
付け加えるならば
κ玄]困療仂譽掘璽鵑砲脇暫羚膠、手甲脚絆、三度笠、長脇差そして楊枝の詳細な描写がなければいけない。
これで完璧!
明日から君も紋次郎作家だ。同人作成へGO!

妙なる技の乙女たち (小川一水)

妙なる技の乙女たち
妙なる技の乙女たち

何度も紹介している今おすすめのSF作家小川一水。本書は近未来が舞台であり、旬のネタである軌道エレベータを中心としてオムニバス形式に物語が綴られていく。どの短編も女性が主人公というのも特徴の一つ。

SF的要素の安定感もさることながら、相変わらずの小川節(?)な展開が非常に爽快で心地よい。あの物語の加速感、人間関係の極大と極小の描き方がこの著者の魅力の一つだと思う。この人が戦記小説書いたら絶対面白いだろうなぁと思う。よく調べてないけれど連載中の長編などはその部類に入るのかな。

因みに本書の中で一番好きな話は「Lift me to the Moon」。

ローマ人の物語〈13〉ユリウス・カエサル ルビコン以後(下) (塩野七生)

ロ-マ人の物語(13)
ロ-マ人の物語(13)

来る紀元前44年3月15日・・・
カエサル死す

23もの剣を受けて偉大なる人物は倒れた。
23の刺し傷のうち、2つ目の刺し傷が致命傷になったと伝えられている。
23も刺されているのにどうやって2つ目が分かったのやら。

歴史上に見ても類まれなる才能とカリスマを持った人物だったが、最後は暗殺という悲劇で幕を閉じることとなった。これを暗殺といっていいのだろうか。暗殺というにはあまりにも直情的過ぎた。そして暗殺というにはあまりにも軽率過ぎた。本当の悲劇はこの後に訪れることとなる。

暗殺側の無計画さと決断力のなさが仇となり、平和が目前まで迫っていたローマは再び戦争の渦中に引きずり込まれる。立ち上がるはカエサルの継承者オクタヴィアヌス。対するは元カエサルの部下アントニウス。裏ではキケロさんがカエサルの死を知り「引き篭って手紙書いてる場合じゃねー」と奔走したりする姿もいとおかし。

それにしても死してなおカエサルの慧眼には恐れ入る。後継者に指名したオクタヴィアヌスはメキメキと頭角を表し、カエサルの意思を遂行していく。しかし、彼はカエサルのように「寛容」を持ち合わせていなかった。時として現状を破壊し新しい帝国を作り上げるには「厳しさ」も必要なのかもしれない。そういう意味ではスッラなんかが支配していてもおかしくなかったと思うのだが、スッラは帝政の礎を築くにとどまった。オクタヴィアヌスにあってスッラになかったもの、それは「カエサルの意思」かもしれない。

オクタヴィアヌスはアウグストゥス(尊厳ある者)となりローマ帝国の初代皇帝となる。
因みにカエサルは神に・・・

ローマ帝国は誕生した。
そしてこれからどのように隆盛を極め
そしてそれからどのように衰退の道をたどるのか。

ローマ人の物語〈12〉ユリウス・カエサル ルビコン以後(中) (塩野七生)

ロ-マ人の物語(12)
ロ-マ人の物語(12)

ポンペイウスに勝利しカエサルはローマを掌握した。終身独裁官となりローマの覇権を確固たるものにすべく動き始める。もはやその存在は皇帝であり。カエサルとはつまり皇帝である。ある種の文明が煮詰まってしまうと、結局こういう人物が現れなければ衰退は防げないのではないかと、ふとそう考えさせられてしまう。

カエサルのもっとも素晴らしいと思える点は、そのバランス感覚である。戦争と政治と、このバランスが実に絶妙であり、どちらも秀でている。ハンニバルもスキピオも素晴らしい戦術家であり、戦争に関しての創造力が見事だったが政治への力が足りなかった。スッラは圧倒的な戦闘技術を持っていたが寛容が足りなかった。ポンペイウスはまさに戦争の天才だったが政治に興味がなさすぎた。クラッススさんはお金しかなかった。キケロさんはペンで剣に勝てなかった。AOCでも分かるように、戦争と内政どちらもおろそかにしてはいけない。カエサルは人心を把握する技量に優れ、それを戦争にも政治にもバランスよく使用していた。

しかし、万人を納得させることは神にだってできない。規模が膨らめば膨らむだけどこかに「ズレ」が生じてくる。それはやがて亀裂を作り、そしてカエサル自身を飲み込んでいくことにもなりかねない。果たしてこのままカエサルの改革は平穏に進んでいくのだろうか。カエサルはどうなってしまうのか。もしかしたら暗殺されちゃうかも?次巻が待ち遠しい。

銀河英雄伝説10 落日篇 (田中芳樹)

銀河英雄伝説(10(落日篇))
銀河英雄伝説(10(落日篇))

長かった銀河英雄伝説もとうとう最終巻を残すのみとなった。偉大な歴史の中で多くの偉大な人物が消えていった。キルヒアイスが逝き、ヤンが逝き、ロイエンタールがヴァルハラへ旅だった。そしてまたひとつ巨星が落ちようとしている・・・。

思えばこの作品は気の遠くなるような銀河の歴史の中のたかだか数年の物語でしかない。その中でかも壮大な潮流が引き起こされていたかと思うと感慨深いものがある。畢竟、人が輝く瞬間も惑星が輝く瞬間も、一瞬でしかないのかもしれない。人は言う、ラインハルトは全てを燃やし尽くし崩御したのだと。

無粋ではあるが、もしキルヒアイスが生きていたら・・・歴史におけるIFの個人的見解を述べたいと思う。戦争、政治に関して完璧だったラインハルトに対し、それを唯一諌めることが可能で同等の指揮能力と至らないまでも端正な容姿のキルヒアイス。なんといっても唯一無二の友人という間柄である。二人が健在なら銀河の歴史はもっと血塗られてはいない平和な統一を達成したであろう。無論ヤンも死なずに済んだのではないかと思われる。
一方で、過激なラインハルトに辟易し国民の支持がキルヒアイスに偏り出すということは十二分に考えられる。人智を超えてしまった皇帝よりも親近感を持てる人物に指示したくなるのもあながち否定はできないだろう。ラインハルトを皇帝に置きつつも、権力はキルヒアイスのほうが膨らむと想像できる。そして何よりもアンネローゼの存在が大きい。キルヒアイスが健在ならばアンネローゼと結ばれることは既定路線。こうなるとラインハルトとキルヒアイスの摩擦は更に加速するだろう。これにロイエンタールが加わってくると、もはや火の目を見らずにはいられない。キルヒアイスが健在だと秘書も必要なくなるので、もちろんヒルダと結ばれることもない。
まとめると、キルヒアイスが死ななければもっと歴史は平和に進んだが、一方でラインハルトはより不幸な人生を歩むことになったであろう。と、これが自分の見解である。

結論:オーベルシュタインは偉大だった・・・

数十年経っても全く色あせることのない名作。このような作品に出会えたことにプロージット(乾杯)

宇宙暦マイナス790年10月22日

文学少女”と恋する挿話集(4) (野村美月)

“文学少女”と恋する挿話集(4)
“文学少女”と恋する挿話集(4)

読み終わって積んでる本が多くなってきたのでサクサクレビュを。
文学少女外伝もとうとう8冊目。惰性で読み続けていたがいよいよ次で最終巻らしい。もともと良書発掘の切欠として読んでいたが、最近ではこのシリーズから新しい本を発掘することも少なくなってきたかな。本編自体の印象もあまりないというのが感想。

このシリーズで一番評価できるのは矢張り美羽。ヤンデレといえば美羽。彼女が一番共感できるキャラであり、故に彼女の崩壊も痛切に感じる部分がある。作品が進むにつれ、彼女が癒えていく様子は物語としては必要なのだろうけど認めたくないものでもある。こんな美羽は見とうなかった、とそういうこと。女性読者が読むとキャラごとの印象はまた違ったものになるんだろうかな。

世界侵略:ロサンゼルス決戦 (洋画)

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世界侵略:ロサンゼルス決戦 - オフィシャルサイト
久方ぶりの映画。
帰福していたら愚弟に誘われたので観に行った。正直、タイトルからB級臭さがプンプンしていたのだが、見事なほどにB級作品だった。極々よくある地球侵略もの。目新しい展開もなければ、これといった映像もなかった。何を楽しめば良いのか。それはもう定石なB級を楽しむ他なかった。突っ込みどころはいっぱいあるが、いっぱいありすぎて忘れた。

こんなことならカーズ2観ときゃ良かった。。
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