誰が為の警鐘【Blog】

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カエサル

ローマ人の物語〈14〉パクス・ロマーナ(上) (塩野七生)

ロ-マ人の物語(14)
ロ-マ人の物語(14)

カエサルが死に、その意思を継いだオクタヴィアヌスがローマを平定した。オクタヴィアヌスはアウグストゥスと名を変え当時の世界に於いて最高の権威を手中に収める。しかしまだ、完全な権力を手に入れたわけではない。アウグストゥスは慎重に、そして綿密に帝政への礎を築いていく。彼にはカエサルが持ち得なかった最強の武器「若さ」があった。時間をかけてじっくりと事を成就させていく余裕があった。ローマは数百年ぶりの平和を手に入れたのである。

本書とはあまり関係ないが、カエサルとアウグストゥスの偉大さを知るエピソードとして月の話を紹介しようと思う。7月と8月を英語ではJulyとAugustと書き、ユリウス・カエサルとアウグストゥスの名前が付いている。二千年以上経った今でもこうして身近なところに名前が残っているというのだからその偉大さに感服する。

ところで、一年には2月を除き30日の月と31日の月があるが自分はいまいちはっきりとどの月が31日だったかを覚えていなかったりする。そんな自分でも覚えることができた次の覚え方を紹介する。

大昔一年は3月から始まっていた。そこで3月を31日とし以後交互に30日と31日を設定する。そして残った日数を最後の2月に設定したらしい。そしてカエサルは自分の名前を7月につけた。その後アウグストゥスが8月に自分の名前をつけたという次第である。ここからが面白い。そうするとアウグストゥスは30日となりカエサルは31日となってしまう。これでは少々アウグストゥスの偉大さが薄れてしまいマズイ。そんなわけで8月も31日にしてしまったというわけだ。あとは整合性を取るために9月を30日にし、以後31日と30日を交互に設定したとか何とか。
事実はどうかしらないが、古代ローマ二人の偉大さを感じつつ月の日数が覚えられる面白いエピソードである。

ローマ人の物語〈12〉ユリウス・カエサル ルビコン以後(中) (塩野七生)

ロ-マ人の物語(12)
ロ-マ人の物語(12)

ポンペイウスに勝利しカエサルはローマを掌握した。終身独裁官となりローマの覇権を確固たるものにすべく動き始める。もはやその存在は皇帝であり。カエサルとはつまり皇帝である。ある種の文明が煮詰まってしまうと、結局こういう人物が現れなければ衰退は防げないのではないかと、ふとそう考えさせられてしまう。

カエサルのもっとも素晴らしいと思える点は、そのバランス感覚である。戦争と政治と、このバランスが実に絶妙であり、どちらも秀でている。ハンニバルもスキピオも素晴らしい戦術家であり、戦争に関しての創造力が見事だったが政治への力が足りなかった。スッラは圧倒的な戦闘技術を持っていたが寛容が足りなかった。ポンペイウスはまさに戦争の天才だったが政治に興味がなさすぎた。クラッススさんはお金しかなかった。キケロさんはペンで剣に勝てなかった。AOCでも分かるように、戦争と内政どちらもおろそかにしてはいけない。カエサルは人心を把握する技量に優れ、それを戦争にも政治にもバランスよく使用していた。

しかし、万人を納得させることは神にだってできない。規模が膨らめば膨らむだけどこかに「ズレ」が生じてくる。それはやがて亀裂を作り、そしてカエサル自身を飲み込んでいくことにもなりかねない。果たしてこのままカエサルの改革は平穏に進んでいくのだろうか。カエサルはどうなってしまうのか。もしかしたら暗殺されちゃうかも?次巻が待ち遠しい。

ローマ人の物語〈11〉ユリウス・カエサル ルビコン以後(上) (塩野七生)

ロ-マ人の物語(11)
ロ-マ人の物語(11)

「元老院最終勧告」を突き付けられたカエサルは、とうとう国賊になることを覚悟でルビコンを超えローマに剣を突き付ける。迎え撃つはローマが生んだ戦いの天才ポンペイウス。ライバルでもあり、良き理解者でもあり、友でもある二人の戦いの火蓋が切って落とされる。

カリスマ高きカエサルだが、ここにきて兵士によるストライキという事件が起こる。兵士のことをよく理解し、兵士からも愛されているカエサルにも関わらずストライキが起こったということに軽い驚きと違和感を覚える。ストライキを起こす心理というものは、やや自分の想像とは違うものだったようだ。あのアレキサンダーもスキピオもストライキを起こされた経験があるらしい。

兵士と親身になること、それは司令官にとって大切な事である。苦楽を共にし親密度を深めていくことで司令官は兵士の信頼を得る。しかしながら「親密度」が度を越すと、それは「甘え」に変わるらしい。軽んじられるということとは又違うかもしれないが、ようは「図に乗る」ということらしい。難しいものだ、愛し愛されすぎてもいけないバランス感覚。上に立つ人間というものの大変さを痛感させられる。

明日4/10は東京都にて都知事選挙が行われる。あまり選挙には興味がなかった自分ではあるが、古代ローマの歴史を追っていくと漸次選挙に対しての考え方が変わってきた。古代ローマそれはまさに選挙選挙の歴史なのだ。人身を掌握するためにカエサルを含め多くの人物たちが躍起する。今の時代になってもさほど変わらないものだな。。

ローマ人の物語〈10〉ユリウス・カエサル ルビコン以前(下) (塩野七生)

ローマ人の物語(10)
ローマ人の物語(10)

カエサルに支配を広げられつつあったガリア人だったが、彼らも黙ってばかりではない。ついに団結しカエサルに立ち向かう時が来た。その先頭に立つは「ウェルキンゲトリクス」。読みを変えれば「ヴェルチンジェトリクス」以降ウェルキンで。自分はカエサルよりも、このウェルキンの方を強く意識してしまう。その理由は
誰が為の警鐘【Blog】 : カエサルを撃て (佐藤賢一)
に尽きる。この本はガリア視点になっている。更にはこの本を読むまでカエサルのことを自分は知らなかったのだ(滝汗 野性味溢れ猛々しく美しきウェルキンの方が印象に残るのも致し方無いというものである。

そんなウェルキンでもカエサルには敵わなかった。何が劣っていたのか。兵数、美貌、戦術、戦略、技術…。まあ技術には差があったかもしれないが、それでもこれらが大きく劣っていたとは思えない。何が勝敗を分けたのか…それはカエサルのカリスマだと思う。カエサルの人を惹きつける力は兵士も国民も歴史家も、はたまた読者含め圧倒的だと思う。

ガリアを平定したカエサルだが、ここにきてクラッススの死により三頭政治が瓦解するという事態に陥る。これを気にカエサルを抑えこもうとする元老院。カエサルはルビコン川を前に悩む。この川を越えれば国法を破ることになり引き返せないことになる。悩んだ挙句、カエサルは渡河を決心する。「賽は投げられた」のだと。

ここに読み到るまで、自分はずっと「ルビコンを渡る」とはルビコン川より外へ行くことだと勘違いしていた。逆だったのだ。戦いのため外に出ていたカエサルが、ルビコンを渡りローマへ戦いを挑む、これこそがルビコンを渡るということだったのだ。

カエサルの孤高な戦いが再び幕を開ける…

ローマ人の物語〈9〉ユリウス・カエサル ルビコン以前(中) (塩野七生)

ローマ人の物語(9)
ローマ人の物語(9)

一旦スパルタクスを読んだり社内試験の勉強をしてたりで間があいてしまった。久しぶりに古代ローマの世界に浸かる。

我らがカエサルさんはポンペイウス、クラッススらと手を組み(操り?)三頭政治でローマを牛耳ることに成功する。そして、いよいよ本格的な総指揮官カエサルの戦争が始まる。行先はガリア、ゲルマン。ライン川に橋をかけて渡っちゃったりなんかする。それでもって更にはブリタニアまで旅立っちゃう冒険好き。

それにしても古代ローマの話を見てるとフランスやらドイツやらイギリスは野蛮だなぁという印象が深く刻み込まれていく。毛皮を着て石を投げ、狩り採集の生活。なんという原始人。土民。自分の中でローマ以外のヨーロッパのイメージがいろいろと崩れていく。しかしながら良く考えてみたら当たり前なわけで、時代はまだ紀元前60年程度。キリストすら生まれてないわけだ。その時代に日本はどうしていたかというと…。弥生時代で第10代天皇くらい。まだまだ神話のような時代だな。。

ローマ人の物語〈8〉ユリウス・カエサル ルビコン以前(上) (塩野七生)

ローマ人の物語〈8〉ユリウス・カエサル ルビコン以前(上) (新潮文庫)
ローマ人の物語〈8〉ユリウス・カエサル ルビコン以前(上) (新潮文庫)
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ついに来た。
やっと来た。
来た、見た、勝った。
カエサルの時代にやっと辿り着いた。
ユリウス・カエサル
またはジュリアス・シーザー。
彼の名前はよく耳にすれど、その活躍はよく知らず。
彼の偉大さについては殆ど知らないと言って良い。そもそも彼のことに初めて触れたのは
誰が為の警鐘【Blog】 : カエサルを撃て (佐藤賢一)
であった。しかも、これを読んでもいまいちハゲのおっさんというイメージしか得られなかった。

いったいカエサルはどれだけ凄いのか。これから読み進めていくのが楽しみでならない。注目すべきはその大器晩成ぶりだろう。多くの偉人は若い頃から頭角をあらわすのに対し、カエサルは30前までほとんど目立っていない。いったいいつ賽がふられるのか。これからに期待。

そういえば、ここまでで「スパルタクスの乱」の話が少し出ていた。たしかこちらも佐藤賢一が小説化していたはずなので、読み交えたいところである。
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