誰が為の警鐘【Blog】

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時代小説

伊賀忍法帖 (山田風太郎)

伊賀忍法帖 角川文庫 / 山田風太郎 ヤマダフウタロウ 【文庫】
伊賀忍法帖 角川文庫 / 山田風太郎 ヤマダフウタロウ 【文庫】


忍法帳シリーズ。甲賀忍法帖の次ということで伊賀忍法帖を選択。
さらっとあらすじを説明。松永弾正久秀がとある女人を虜にするために果心居士に秘薬の作成を依頼し、その作成のため7人の法師が幾人もの女の愛液を集めまくってかの有名な平蜘蛛釜で煮詰めるというなんともぶっ飛んだ話。ひょんなことから伊賀忍者・笛吹城太郎が事件に巻き込まれ、7人の法師と凄惨な死闘を繰り広げていく。

とにかく展開とテンポが素晴らしく、どんどん読み進んでいってしまう作品。よくもまあこんな突飛な展開を考えつくものだと脱帽せずにはいられない。主人公が承太郎だけにJOJOの作品の能力をもっと面妖にして、ストーリーを悲惨にして、エログロを加えたような作品であるといえば分かりやすいだろう。

それにしても松永弾正久秀への自分の知識が、本作とへうげものと織田信奈で得られたもので固まってきているのはいったいどうしたものか。。

木枯し紋次郎 <15> さらば峠の紋次郎 (笹沢左保)

【中古】 木枯し紋次郎(15) さらば峠の紋次郎 光文社時代小説文庫/笹沢左保(著者) 【中古】afb

旅人の最後は旅で終わるが最上である。
どこかに安住の地を見つけ、腰を落ち着ける最後なんてらしくない。旅のラゴスも温かい帰る場所があるにもかかわらず、最後はデーデを求め消えって行ってしまった。旅人は死ぬまで旅人なのである。

木枯し紋次郎もとうとう最終巻となった。これほどまでに江戸という文化が江戸時代という歴史が好きになった作品を自分は他に知らない。紋次郎の生き様がいろいろなものを自分に教えてくれた。一人で生きていくということの過酷さ、寂しさ、侘しさ。往く季節、来る季節の厳しさと暖かさ。そして、その中で彩られる人間模様。作中では江戸はおろか栄えている町には全く近づかなかった紋次郎だが、それでも江戸時代の人間たちの息遣いがよく伝わってくるのは興味深いものだった。

股旅物という作品はいつでも終わることの出来る作品だと思う。ある意味、いつまでもやめられない作品かもしれない。木枯し紋次郎という作品は宿敵として小文太を登場させ、彼との決着をひとつの終着駅とした。しかしながら、もちろんのこと旅は終わらない。峠から現れた紋次郎は、今日も峠へ去っていく。その背中を誰も追うことはできない。今回ばかりは読者さえも…
小文太の呟きとともに、我々もその言葉を口にする。

さらば、木枯し紋次郎・・・・・・

木枯し紋次郎 <14> 女の向こうは一本道 (笹沢左保)

【中古】afb 木枯し紋次郎(14) 女の向こうは一本道 光文社文庫光文社時代小説文庫/笹沢左保(著者)

紋次郎の宿敵、峠花の子文太。
武士崩れの渡世人であり、直心影流の達人。野花を愛し、口にはいつも花をくわえている。同じ渡世人でありながら、喧嘩剣術をふるい爪楊枝をくわえている紋次郎とは対称的な人物である。

子文太は紋次郎を恨んでいる。自分の妹が紋次郎に拐かされ、売られたと思い込んでいるのである。人に恨まれることには慣れている紋次郎だが、見に覚えのねぇ怨みで剣術の達人から追われるとあってはたまったものではない。14巻以降の作品では、この子文太がちょくちょく話に登場してくる。

ある意味では典型的なライバルキャラである。決して悪人ではなく、紋次郎を倒すのは俺だ!他のやつには殺させねぇ!タイプである。紋次郎以外で固定キャラが出てくるのは、このシリーズでは非常に珍しい。というか基本的にない。こういう例外が現れてくるというのは、作品として終りが近いことを示唆しているとも言える。最後は、この子文太と決着をつけて、紋次郎の旅は終わるのだろう。そんな予感を感じさせられてしまう。果たして紋次郎は子文太に勝てるのであろうか。いよいよ紋次郎作品は次巻で最後となる。

木枯し紋次郎 <13> 人斬りに紋日は暮れた (笹沢左保)

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あとがきに興味深い話があったので拾っておこう。
紋次郎生誕の話である。

紋次郎といえば上州新田郡三日月村にて間引きぞこないとして生まれてきたことは周知であろう。そういう話ではなく、キャラクターとしての紋次郎生誕の話である。著者は新しいヒーローを誕生させるにあたって、名前を考える際、歴史的資料を漁り当時よく使われていた名前として50個ほど候補を挙げたらしい。そして編集者とお互い別々にその中から名前を選んだところ、二人共同じ名前を選んでいたのだそうだ。紋次郎を。

そして次に主人公が持つべき小道具を選んだ。手に持っていては武器が使えない、必然的に口にくわえているものとなり、口に加えているものといえば楊枝。しかし只の楊枝ではみすぼらしい。そこでまた歴史的資料を漁ったところ、当時としては15cmある楊枝も普通だったということを発見する。こうして楊枝をくわえた渡世人紋次郎が出来上がった。あとは一芸として爪楊枝から木枯しのような音を鳴らすというスキルを付け加える。

木枯し紋次郎の生誕である。

木枯し紋次郎 <12> 奥州路・七日の疾走 (笹沢左保)

【中古】afb 木枯し紋次郎(12) 奥州路・七日の疾走 光文社文庫光文社時代小説文庫/笹沢左保(著者)


積読をあらかた消化してしまったのでレビューをさっさとやってしまおう。
本書は今までの紋次郎とは打って変わって一冊がひと続きの話になっている。要するに長編作品となっている。こういう形式が変わった事に出くわすと「あれ?」っと思うと同時に、「この作品もそろそろ終わりが近づいているのでは?」という思いが浮かぶ。

まあそれはさておき、長編ではあるが毎度のごとく人間が複雑に巧妙に絡み合い物語が進んでいく展開はいつもの通り。いつもの通り面白いのだが、だからこそ長編だと微妙な違和感を感じてしまう。やはり短編だからこその圧縮された濃密な人生観こそが紋次郎なのではないだろうか。そんな感想を抱きながら紋次郎の後ろ姿を追い次巻へ向かうことにする。

木枯し紋次郎 <11> お百度に心で詫びた紋次郎 (笹沢左保)

木枯し紋次郎 11/笹沢左保
木枯し紋次郎 11/笹沢左保

紋次郎の物語は無駄が無い。紋次郎の肉体のように無駄がそぎ落とされている。ふとそれは、詰め将棋に似ているなと感じた。短い物語の中で、一登場人物や一シーンが必ず絡み合い結末へ繋がっていく。それはもはや一手一手に無駄が無く終局へと向かっていく詰め将棋のようであると、そう感じたわけである。
しかしながら、いつも「詰む」のは「幸せな結末」なのだが・・・・・・

木枯し紋次郎 <10> 虚空に賭けた賽一つ (笹沢左保)

木枯し紋次郎 (10) 虚空に賭けた賽一つ
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久しぶりの紋次郎。
よく購入する通販サイトが品切れになり、放っておいたら絶版になっていた。このままではマズイと思い、早急に別のサイトで残り全巻購入。それほどまでに紋次郎は自分にとって重要なのだ。

本巻で注目すべき作品は「旅立ちは三日後に」。この作品が実に秀逸で研ぎ澄まされていて、それでいて切なくて、物悲しくて、胸に突き刺さった。いつも追われるように旅を続けていた紋次郎だが、この作品では珍しく(もはや事件的なレベルだが)特定の場所に留まり渡世人を辞めようかと考える。「え!」と思える事態だが、それにはちゃんと伏線を張っており、また紋次郎を受け入れようとしてくれる家庭の温かさが脱渡世人の説得力としては十分なものなっている。

しかし、我々は知っている。紋次郎はまた旅立つことを。タイトルがそれを冷たく無慈悲に語っているではないか。それでなくても物語が続くためには、そうならざるをえないことを理解している。「木枯し紋次郎」がそういう物語であることを痛いくらいに知り尽くしてしまっている。だから・・・だからこの平穏が続かないこと、暖かな未来を夢見えないことを我々は分かってしまっている。そして紋次郎自信も・・・。

やがて旅立ちの時は訪れる。その展開がまた上手く伏線を回収しており痛快。痛快でいて痛切。去っていく紋次郎の後ろ姿が、涙で滲む。

「さあ、紋次郎さんの気持ちを、聞かせておくれな」
「へい。許されることなら、あっしに異存はござんせん」
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