ふくだ近頃の若いやつならぬ総理大臣はすぐ投げ出すんだから。
歴史上のイフで、本能寺の変のとき、毛利側が織田信長が討たれたことを察知し豊臣秀吉の中国大返しを阻止しすれば、明智光秀の天下は3日では終わらなかっただろうと言われるが結局は時代の流れに逆らえず福田首相のようになったのだろう。
小泉氏が総理大臣のときに行った様々な改革はこれまでの常識を覆すもので織田信長に擬された。一方、小泉政権の最初の官房長官ながら小泉の政治手法についていけなくなり、一定の距離を置く福田首相は、父親譲りのアジア重視外交と堅実な政治手法が評価を得て、有力な対抗馬を得られない反小泉勢力から、打倒小泉の旗頭になることを期待されていた。つまり明智光秀による本能寺の変を期待されていたのである。しかし、小泉そして安倍政権時代には同じ派閥ということで動こうとはしなかった。安倍首相の突然の辞任のあと、万を持しての総理就任である。
アジア外交の手直しや弱者救済など小泉改革の不の遺産の解消などが期待されていた福田政権だったが、その期待に応えるものではなかった。
中国との外交関係の修復は、餃子事件やその情報の隠蔽、北朝鮮では米国のテロ支援国家解除など、要するに相手国のいいなりになってるだけではないかと非難があった。弱者救済についても参議院選挙敗北の元凶である厚生労働省を改革できないばかりか、高齢者医療制度でさらに非難を浴びる始末。安倍政権から取り組んだきた公務員改革や教育改革はほったらかしで、本当に何をやりたいのがさっぱりわからんとはよく言われるところだ。

政権運営もゴタゴタした。参議院とのねじれがあるにしても「大連立」を考えたのは一枚岩でない民主党を信用し過ぎである。小沢氏あたりは内諾していたかもしれないが、大連立が暴露されると民主党は世論の非難と党内をまとめきれないことから大連立に乗らないと言いだした。さらに、日銀総裁の承認問題でも民主党の内諾を得たと思った総裁候補があっさり参議院で拒否されるなど二回も騙されては馬鹿である。その大連立でその存在意義を失いかねない公明党は、福田首相に激しい憎悪を持った。これが結局政権を投げ出す主因である公明の政権非協力につながったのである。
起死回生の内閣改造についても、小泉時代に首相中心の政治構造に変革しているにもかかわらず、今頃派閥推薦リストを見て組閣しているようではあまりにも旧態依然である。

前にも言ったが、福田首相は小渕首相に似ている。どちらも地味で党人肌で群馬県出身。政権発足時はどちらも参議院とのねじれ状態だった。まだ、衆議院で再議決に必要な3分の2を与党で取っている福田首相の方が、大銀行が破綻して日本経済がどん底にいた小渕氏より条件は全然いい。小渕氏はこのどん底の状態から、野党の案をまる飲みしたり、国民の人気をあげるためパフォーマンスをしたり著名人にマメに電話をしたり、公明党や小沢氏が代表を務める自由党(当時)の切り崩しを図るなどあらゆることはやった。そのために公明党の提案する地域振興券を飲んだりした。睡眠時間は2〜3時間というなかで死ぬ気で総理をやり、そして総理のまま亡くなったのである。墓の下で小渕氏は福田首相のことをどう見ているだろうか。

やることなすこと全くうまくいかない福田首相。この政権は結局なんだったか。巨人時代の広沢克実ぐらい存在意義が見出せない。
しかし、この辞めるタイミングは、自民党に復活の機会を与えるかもしれない。民主党は無投票で小沢代表が再選される一方で、自民党総裁選は、麻生氏小池氏など華やかな候補が経済財政運営を中心に議論をしていけば、自然とマスコミや国民の目は自民党に向き支持率は回復する。そこで解散すれば公明党を含む与党は勝利するかもしれない。そうすれば参議院の民主党議員を切り崩していけばいい。
福田首相の唯一の功績はいいタイミングで辞任したことか。そう考えるとこの1年は福田首相の3日天下だったのだろう。