HaruharaPのブログ

アイマスMADを作りたい人。メインツールはParaDrawとParaFlaです。

スプラトゥーン2が楽しすぎる毎日
(2018/5/25)

【映画】ワールド・オブ・ライズ(2008年 監督リドリー・スコット)

 ワールドカップが終わってしまったので、最近、夜が暇なのである。
 クロアチアはたいへん残念だったが、いかんせん、コンディションが悪すぎた。もし万全の体調だったら、勝敗は逆転していたかもしれない。
 今回のワールドカップで顕著だったのは、いわゆるポゼッションサッカーが低調だったことと、南米諸国が不調だったことだ。原因は単純である。両方とも研究され尽くされたからだ。処方箋は「守ってカウンター」、これ。これができているチームとできていないチームとで、明暗が分かれてしまった。ポゼッションだけではダメ、無論守っているだけでもダメ。攻守のシステムを一瞬で切り替え、電光石火でゴールに迫る。これが回答であり、なんだつまり、アギーレやハリルホジッチが目指したサッカーなのだ。
 だから、やっぱりハリル解任は悪手だったのだと思う。本番前に監督解任なんて、変な前例を作ってはならなかったのだ。解任するなら、去年の東アジア杯がラストチャンスだった。
 とはいえ、ハリルにも問題はある。3年少々という時間では足りなかったのかもしれないが、問題は「自分達のサッカー」を捨てさせることができなかったことであり、そしてサッカージャーナリズムを味方にできなかったことだ。彼の話は長い割りにさほど中身は無く、しかも結果が伴っていなかった。理想はわかるが、現実的ではなかった。だから彼は失敗したのだ。

 で、枕が長くなったが、ここで映画「ワールド・オブ・ライズ」に話は移る。
 うむ、ワールドカップは全く関係が無い。「ワールド」しか合ってないし、しかもそれは邦題だけであって、原題はそもそも「Body of Lies」だ。「World」どこから来たんだよ。そしてこの場合のbodyは死体って意味だろうね多分(映画見りゃわかる)。ともかく、強引にワールドカップに繋げようと思ったけど、ここまで書いて諦めたのだ。

 本作はいわゆるスパイ物であり、中東で暗躍するCIAエージェントの理想と現実を描いた作品だ。理想と現実を描いたお陰で、スパイ物としての爽快感は全く無い。だから、その点をキッチリ描きつつ同時にキッチリエンタテインメントできていた稀有な傑作「スパイ・ゲーム」(リドリー・スコットの弟、トニー・スコットが遺した映画の中では、唯一の傑作)のような作品を期待していた俺は、少しがっかりした。
 「俺は世界と戦っている」と安全な場所で嘯くCIA幹部の上司(しかし日常は家族サービスに汲々としている)と、現場の有能の取引先(だが文化が違い過ぎて理解に困難を伴う)のディスコミュニケーションに巻き込まれるスパイは、時に傷つけ、あるいは傷つけられ、最後には世を儚んで、あるべき場所へ帰ってゆく。
「エネミー・オブ・アメリカ」や「スパイゲーム」の時代より一層進んだテクノロジーがあるにも関わらず、事態はいっこうに改善しないもどかしさ。シギントだけではダメだが、ヒューミントだけに頼るのも信用ならない。見えないテロネットワークに、人々もテロリスト自身も困惑する世界に、当事者たちですら立ち向かう術はもはや無いのだ。
 語られるストーリーの背景は、冷戦終結後の不安定な世界そのままで、降りかかる災難に人々は立ち尽くすしかないという薄ら寒い乾いた現実。
「次はベスト8だ!」と安穏と言っていられるのは、そうした現実から目をそむけた結果なのだ。

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ワールド・オブ・ライズ (小学館文庫)
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 白人だと、案外中東世界に紛れ込めるもんなのだね。

2018春アニメの感想

 連日眠いっすね、ワールドカップ。
 で、ハリル解任が有りか無しかと問われれば有り寄りの無し派で、解任するなら昨年末の東アジアカップ敗戦時だったと思うのだ。そこで解任できなきゃ最後までトコトン行くべきであった。そう思うのである。
 ベスト8には届かなかったものの決勝トーナメントで初得点という成果が得られた一方、結局とうとう11人の相手には勝てずじまいだったという冷静に分析すれば微妙過ぎる結果に、喜んでいいやら悲しんでいいやら。
 問題の根幹は日本のあらゆる組織に巣食っているヒヒジジィクソババァたちの存在であって、理屈でもって物事を決断ができない人間たちが組織を左右する立場にあるという点にこそある。国会議員ですら投票で審判を受けるというのに、企業経営幹部や団体理事といった面々の厚顔さには腹が立つのを通り越して、見ているこちらの気持ちが萎えてしまう。そういった面々が入試不正を行ったり、スポーツで暴行を働くよう強要したり、なんだかよくわからない理由で代表監督を解任したり。立場を利用すれば、なんでもアリなのだ。
 自浄作用が無いと言えば日本のアニメ界も同様で、いったい本当に観るべき価値のある作品はどれほどのものなのだろう。流れ込んだマネーはいったいどのように配分され、利用されているのだろう。
 ヒトモノカネ、適材を適所に配置するという難しさよ。アニメくらい安心して見させてくれよ。

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視聴完遂
  • 銀河英雄伝説
 有りか無しかと言われれば無し寄りの有りで、続きが劇場でなければ(すなわち落日編までキッチリテレビで放送するというのであれば)有り寄りの有り、つまり、完全合格点でありましょう。てっきり分割10期くらいの長期計画でいくのかと思っていたら、この体たらく。自分的にはキャラも、CG艦船も声優もOKでしたので、これっきりというのは非情に残念なのでありました。それでも、ヤングジャンプ版でなくて良かったよ。


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  • ヒナまつり
 実は視聴前、タイトルから地雷臭を嗅ぎ取って早期脱落を計画しておったのですが、冒頭1分の作画に頭をガツンとやられてしまい「これは作画アニメだ!」と誤認した挙句、結果そうではないと判明したにもかかわらず、モダンなギャグや渋い間のとり方にこれは一筋縄では行かないアニメだと考えを改め、なんだかんだ腹抱えて笑いながら最後まで見てしまったのでした。ギャグアニメの新しい形なんじゃないかなぁ。スカした空気感とか、生活に織り込まれる破天荒さとか。見過ごしてはいけない作品です。「あいたー」の使い方もいいよな。
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  • 宇宙戦艦ティラミス
事前情報なく見始めたところこれまたギャグアニメだと気づいた頃には、未来SFなのに心地よい「あるある」に首が痛くなるくらいヘッドバンキングしている自分を発見してしまいました。「ヒナまつり」と同じく、ギャグアニメに新たな地平を切り開いた作品だと思うのですが、作画が今ひとつだっとのが残念だったかなぁ。ゆーても10分アニメだし、さほど多くを求めまい。
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  • ひそねとまそたん
 この絵柄だからこそのこのストーリー、ということで、一点突破の(つまり出落ち)アニメなのかと思いきや、総合点は非常に高い作品だと思います。古代から連綿と続く神々の因習を自衛隊その他行政庁が次代へ繋ぐという物語はとり・みき「石神伝説」のごときなのですが、「明確な敵」が居ないことは、緊迫感を物語の外ではなく、キャラクターの内側に描く事ができ、これが上手く行ったと思うのですよね。もう少し、自称コミュ障の心象風景を掘り下げればもっと良かったかもしれません。
 それにしても、物語中に合いの手のように挟まれる「間」の外し方は、得難いギミックだと思うのだ。「ヒナまつり」もこうした空気感の出し方がもの凄く上手でした。
 さて、問題はラスト1分だ。声はすれども姿はまそたん。つまり甘粕さんはまそたんと小此木さんとの両天秤に苦悩した挙句、一方の大好きなまそたんと一体化することで、もう一方の小此木さんと添い遂げるという、まるでコアに取り込まれた碇ユイのようにになってしまったのです! 一体化してしまったひそねとまそたん、いや、新生物「ひそまそ」爆誕という斜め上のオチなのですよこれは! うはー、ここへきてかなりヘビーなSFキタコレ! わかるか? わかんねーだろーなー! レロレロレロレロレロレロ
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  • ゴールデンカムイ
 シリアスとギャグとグルメと、原作同様盛り込み過ぎで収集つかなくなってしまい、加えて作画も微妙とあっては、漫画読んでりゃ十分かな、ってところが正直な感想。多分、2期は見ないと思います。
 あ、でも、アイヌ語はすげぇな、と思いました。


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  • メガロボクス
 出崎統チックなキャラの主線に燃えざるをえない。それ以上でもそれ以下でもないってところ。そもそもギアという設定が物語の必要十分条件だったのか謎なのです。普通のボクシングじゃあかんかったんか。とはいえ、ユーリがボロボロになる原因が減量ではないというは新しかったか。それに、丹下段平(違う)とジョーとの人間関係にエモーショナルな感覚を覚えたのは事実なので、明日のジョー50周年(!)記念作品としては、及第点だと思います。女声ラップは自分的にNGな場合が多いのですが、本作のEDは非情に良いと思います。食わず嫌いは改めねばなりませんね。
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  • ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン
 見てたのすっかり忘れてたので慌てて追記。
 忘れてたくらいなのでさして感想は無い。わりとマジでFPSやってたわたくしといたしましては、無し寄りの無しな設定&バトルでありまして、爽快感よりも憤慨感のが大きい。盛りすぎな主人公補正、頭悪すぎのモブ、イマイチな作画、ガバガバな設定。何かどんでん返しというか、メタ的オチを期待して最後まで見たのですが、登場人物たちが勝手に納得して終わりという、俺をおいてけぼりな結末。いやいや笑えないし。FPSに命賭けろや、人生棒に振るくらい。逃げ道作っといて何言ってんだって話ですよ。




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視聴継続断念

【映画】リズと青い鳥(監督山田尚子 2018)

 ガラガラの劇場でなぜか隣席に人が居るという不思議状況。せっかく東宝が誇るTCXで観劇なのに集中できんなぁ、と見る前から嘆き節だったが、終演後、その隣席の男子高校生がガン泣きするのを見て、この映画の構造に気づいた次第である。

 さて、テレビシリーズ「響け!ユーフォニアム」の劇場版という以外の情報を全く持たずに映画館に足を運んだので、いまさらながらWikipediaで補完するなどして、概ね了解したところ。なるほどストーリーはほぼほぼ原作小説通りのようである。だとすると(小説にこの場面があるのかは知らないが)冒頭、足元の青い羽根を拾って渡す場面は、強烈なミスディレクションであり、ある意味、初見殺しの映画なのだった。
 一方で、唐突に表示されるdisjointという文字から「ははーん、そういう話なのね」と勝手に了解して見続けると、やっぱりその通りの結末だったので俺の読解力(というかほとんど邪推と言えるだろう)も満更ではないな、などと独り得心するのであった。

 ともかく、この映画、というかこの物語のキモは「どっちがリズでどっちが青い鳥よ?」という点に尽きる・・・はずなのだが、青い鳥がデラちゃんに似ていたり、相も変らぬ制服JKフェティシズムが満載だったり、テレビシリーズの登場人物のアップデートや、「あぁ、あったね、大量退部事件」などと記憶を探ったり、観ている方はかなりの作業を強いられ、なかなか忙しい。強いられ、っていっても、それが楽しいのだけれども。
 そう、俺はこの映画をたいへん楽しんだ。山田監督の映像表現を楽しむことは、まるで将棋の棋譜を解読するような楽しさがある。
 音楽やSEとのシンクロ表現も面白い試みだし、まるで実験音楽のようなサウンドトラックも映画の空気感醸成に貢献していた。
 前監督作「聲の形」で実験的と思われた映像表現(被写界深度や画面周囲の色収差、デジタル撮影なのに手ブレ等)は本作では縦横に使い尽くされ、ややくどいくらいなのだが、だからといって「じゃあ実写にすりゃいいじゃん」という理屈が通じないのは、このブログの「たまこラブストーリー」で書いた。ともかく、これが山田尚子の最新映像バージョンなのである。

 物語の方はと言えば、ほぼ完全に学校内で進展し、プライベートな描写は皆無であることに特徴づけられよう。もはや学校空間そのものが主人公とも言え、登場人物たちの立ち位置や思惑は、学校空間ならでは、というか、学校生活でなければそもそもありえない前提で物語が成立している。その特異空間を、現実の映画カメラで撮影する手法に、ノスタルジックな時代感を観客に共用しているのである、とするのは強弁が過ぎるとは思うが、俺の率直な感想ではある。
 そう、俺はこの映画とストーリーで、完全に「あぁ懐かしい」という感覚を呼び覚まされ、だがしかし、冒頭紹介した隣の席の号泣する男子高校生のように、感情移入するには至らず、残念ながら泣けなかった。いや、話の展開は確かに心に刺さる。現実の学校に通学している子供時分なら、実に実に、リアルに迫ってくるだろう。進学や友人関係に悩んでいたら尚更だ。俺が中学生高校生ならきっと画面に同調し、登場人物たちのすれ違いや、ディスコミュニケーションに苦悩するさまに簡単に同期してしまうはずだ。
 だがそれは学校空間しか知らない者たちの特権であるとも言える。

 俺は、かつてその空間に確かに居て、今はそこに居られなくなった大人である。特権は剥奪され、同調することは許されないのだ。唯一、「ノスタルジー」という感傷でもって、この映画を括るしか許されていないわけである。だって、酸いも甘いも知ってしまっているのだもの。年に一度、年賀状で近況を知る関係になるだけかもしれないが、友情はそれなりに続くものだ。例えそれきりになったとしても、それなりの思い出として回顧できる。年齢を重ね、人間関係の綾を難なく乗り越えるだけのスキルを否応がなく身に付けさせられ、社会の荒波に沈むことなく、黙々と生きていけてしまっている。そんな大人が、この映画に泣けるはずが無いのである。劇中、みぞれがフグを観察する場面がある。俺の「いまここ」視点からだと、彼女達の人間関係が、まるで水槽の中の出来事のように見えてしまうのだ。たしかに俺にもそういう時代があった。あの時代・あの空間には、内向的なヤツ、親分肌のヤツ、お調子者、リーダー、スポーツ大将、世話焼き、天才秀才バカ、様々な人間たちがいた。親しくなりたい、なりたくないといった感情、親分子分といった目に見えないヒエラルキー、確かに俺も経験した。あの水槽の中で泳いでいた一匹の魚だった。しかし今となっては、水槽の中の魚達の気分に、もはや残念ながら同調できないのだ。だから、声を出し鼻をすすり泣いていた彼を、心底羨ましく・・・・・・、いや、率直に言おう、その若さを妬ましくすら思ってしまうのである。
 映画や小説を楽しむべき年齢と、時代というのがある。またしても再確認させられたのであった。

 あと、いくつか気付いた点を適当に。

  • 今回は東宝が誇るTCXという巨大スクリーンで観劇できたわけだが、冒頭のタイトル表示「リズと青い鳥」のフォントがシャギってしまっていた。そういう演出なのか、スクリーンが巨大すぎてアラが目だってしまったのかはわからない。ガルパン劇場版でも思ったのだが、今後は、ますます進む画面の大型化を考慮した撮影サイズの追求がより一層求められるだろう。
  • 鳥飛びすぎ。首長すぎ。目うるうるし過ぎ。
  • 黄前ちゃんたちは完全に脇役というかほぼモブ。そのあたりを期待しているオタを殺す映画ではある。俺は全然期待しておりませんでしたけれども。
  • 最後のカットでまーた山田監督が謎をぶっこんできやがりましたよ。ラストカット、希美が突然みぞれの方に振り向く。みぞれは画面奥に居るので、観客の目には希美のゆれるポニーテールしか見えない。だが、みぞれは劇中これまで見せたことのないような表情を見せる。そしてなんのセリフもなく、唐突に映画は終わる。おいおいおいおい・・・。前作でも謎のアイリス演出でケムに撒かれたが、またやられちまいました・・・。意図がわからんのですよ・・・。小説読めば答えがわかるんですかね・・・。
  • 山田監督には、原作無しの完全オリジナルアニメを作っていただきたい。そしてそれがホンモノであれば、日本の劇場アニメはあと十年は戦えるに違いないのです。
  • 上でちょっと触れたフェティシズムだが、これはもう完全に監督の趣味といって良いのだろう。足の造形、筋肉や脂肪のつき方とか、歩き方、靴や靴下、あるいは内股等に代表される足の表現。そういや一人称視点で自分の足を見るカットもあったな。つま先で地面をツンツンしたり、くるっとターンしたり。女性ならではの視点というか、男とはまた違った目線でありますなぁ。エロイとかセクシーとか全く抜きで、感心しきりであります。
  • 実は劇場に入る前に危惧していた百合的表現はほぼ皆無であった。あったとしても百合というよりも、友情として完全に消化できるものであり、その辺りを期待している不届き者たちはガッカリするかもしれませんね。
  • 音楽表現の良し悪しというのが、いま一つ理解できなかったのは俺の音感鈍磨がなせるワザなのかもしれない。「リズの気持ちを楽器で表現」されたとしても、その良し悪しなんて、フツーわかりませんぜ。しかしそれでもオーボエ覚醒がきっちり分かるのは、アニメという表現形式ならではだろう。
  • 今日の戦利品。
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  • あと、なんか思い出したらテキトーに追記します。
響け!ユーフォニアム 1 [Blu-ray]
黒沢ともよ
ポニーキャニオン
2015-06-17


そして夜は甦る(ポケットミステリ版) 原

 というわけで、デビュー作から30年がたち、なんとこのたび早川のポケミスのラインナップに加わってしまったので、慌てて購入いたしました。慌てた、といっても、本分の方は何回も読み返しておるので、実のところさして慌ててはいないのが本音です。ポケミスに加わった4作目の日本人作家の小説、とか、いよいよ「沢崎シリーズ」本格再始動か?とか、渋い表紙イラストなどなど話題には事欠かないのですが、やはりポケミス版「そし夜」の白眉は巻末の「作者あとがき」でありましょう。これを読みたいがために2千円は高いか安いか、となると、初読でない限りやはりこれは趣味性の高いプレミア商品ということになりましょうか。
 ここに「作者あとがき」のネタバレを書くつもりはありませんが、編集部送付時、ポケミスの体裁で送付したという伝説のいきさつ、今回なぜ沢崎の名前がなぜ「澤崎」に変更されたのか、タイトルや献辞の真相などの四方山話を、原鐺汎辰領舳Δ罵遒礎紊い進限里覇匹泙気譴襪函頭にガツンと来ますね。たった数ページなのに、実に読み応えがある。「あとがき」でこれだけ読ませるのだから、買わざるをえないわけですよ、どうしたって。買う前からわかるってんだそんなことはw だったら買うしかないだろ?!w いや立ち読みですまそうと思えば済ませるのですが、やっぱ家のソファでくつろぎつつ、本棚の原錺灰譽ション(?)を眺めながらページを繰りたいのですよ。それに、最近の本屋はポケミス置いてないから、立ち読みしたくたってできませんしw
 ともかく、先日発売された「それまでの明日」の劇的結末から1ヶ月、ポケミス版「そし夜」は、個人的には、実に衝撃的な作品になったのでした。






早川はこの調子で「私が殺した少女」以下、全巻をポケミスに入れるんだ!!

2018冬アニメ感想

 って、もう2018年が1/4終わりましたよ!!
 マジかよ。ついこないだまで年末だー新年だーってバタバタしてたのに、今や新年度だーGW進行だーて、あらためてバタバタしてるんですよ。
 なんだ、結局いつもバタバタしてるんじゃん。つまり、1バタバタのうち1/4バタバタが終わっただけなのであります。意味わかんねーし。
 びっくりするのは政治が未だにバタバタしておりまして、もうかれこれ2バタバタくらいしょーもない文書問題でバタバタしていますよ。マスコミがバタバタするから意識高い系プロ市民の皆様も見事に釣られまくって針にぶら下がってバタバタしていて、そのバタバタっぷりはもはや国家反逆罪クラスのハタ迷惑なのですが、日本全体がバタバタなので、誰もそんなことは気にしていないのかもしれません。日本サッカー協会もバタバタだしなぁ。
 どうつもこいつもバタバタしてますよ。
 今期もたくさんアニメが作られましたが、皆途中でバタバタと勝手に斃れてしまった感じがします。

 みんな少し落ち着こう?

 というわけで、バタバタと2018年冬アニメの感想を書いてみました。

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視聴完遂

  • 3月のライオン第2シーズン
 第1シーズンで主人公語りがなされた結果、第2シーズンは彼を取り巻く環境・人間関係の描写に終始せざるをえず、そのことは「三日月町ワールド」にリアリティは付与してはいるのだがどこか物語の焦点がずれてしまった感は原作準拠なのでいたしかたないとしても。
 絵ヅラもいわゆるシャフト節満載で、これに乗れるかどうかがこのアニメを楽しめるかどうかの分水嶺になっていることは、まるで間延びした王道ジャンプ漫画のようで、少し悲しかったりします。話の本スジよりも、演出が気になってしまう。というか、過剰な演出で画面がバタバタしています。
 イジメ問題に入り込み過ぎなのも原作通りだし、引退間近の棋士の話も原作通り。続き過ぎるとダレてしまうというのも、王道なのですなぁ。原作ストックはほぼ使い尽くしし、語られるべき物語はもはや無いのでありますから、アニメとしては残念ながら第3シーズンは無いとみるべきなのでしょう。

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2018-01-24


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  • 魔法使いの嫁
 こちらも原作準拠で、丹念にスジをたどっていく物語は、ひとことで言えば退屈、二言で言えばぐるっと回って興味深かったりします。チセがなぜ世を儚んでいたのかという真相はなかなか衝撃的なクライマックスでありました。
 魔法と精霊という世界観の説明は、原作だとかなり冗長だったりしますが、美しい映像でサラリと語られるとびっくりするくらいストンと納得できたりします。派手な演出は少なく、一部作画が怪しい回はありましたが、物語のいくつかの謎をキッチリ解決してくれる親切設計でそれなりに安心して見ていられます。こちらは3月よりも原作ストックがありませんので、やはりこれでお終いなのでありますが、最大の謎、魔法使いの嫁の旦那、すなわち、エリアスの正体は結局わからず仕舞いなのがなんとも尻の座りが悪いのが残念であります。当面は、原作コミックを追うことにしましょうか。


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  • 宇宙よりも遠い場所
 ひところの江戸川乱歩賞は主人公が特異な職業に就いていることが受賞のための必須テクニックだつたりしましたが、女子高生が何人か集まれば、バンドや同人活動を始めたり、山に登ったりキャンプに行ったり、なにか部活入ったり生徒会役員になったり、まずはそれがなければ物語は始まらないという強迫観念が、作り手にも視聴者にもあるのかもしれません。
 漫才で「ワシ、彼女できてん、でもデートってどうすればええの?」「よっしゃ俺が彼女役やったるから練習しよか」とか、「ワシ、おしゃれな服の買い方わからへんねん」「よっしゃ、ほな俺が高級ブティックの店員やるから、練習してみよか」とか、なんつーかこう、手垢に塗れたやりとりがあるわけです。またそれか。話の入り方、他に無いのかよ。
 女子高生が南極に行く。
 話の枕としてそれを聞いただけで、セイシュンが語られるのがわかってしまう。
 仲間同士仲良くなって時には喧嘩して困難を乗り越えて大団円。テンション高めの女子高生たちによる涙あり笑いありのストーリー。そうした起承転結はこちとら見飽きてしまっているわけです。
 テンプレ過ぎて作り手側もぞんざいというか適当な昨今、それでも本作は見る価値があるとするならば、話を盛り上げる手練手管が完璧というか、演出に実に光るものがある。OPでいきなりカメラが半回転して、白く映し出される物体が南極であることが示される一連のカットは、手垢まみれのアニメにすっかり食傷しているおっさんの目を掴んで離さない。話も1話完結で、ムダに余韻を引っ張らない。LINEやネットなどの小道具の使い方も完璧だ。モブもモブなりにいい味を出している。というわけで、「女子高生が何かにチャレンジする」系のアニメは、今後本作以上の出来にしないと見向きもしてもらえないのです。そういう意味では、今後3年間はスタンダードになるアニメかもしれません。

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  • ラーメン大好き小泉さん
 某有名漫画キャラと同じ苗字というのはイノセンスな子供時代にはギルティなわけで、おかげで随分からかわれたわけですが、なぜ小泉さんなのか。小出さんでも小林さんでもなく小泉さん。疑問は拭えないのですが、それにしてもなんかどの店もほぼほぼ行ったことあるわwってくらい鉄板の店ばかりで、ゆるい「あるある」を楽しんでしまいました。ワタクシもラーメンは大好きなのでありますが、小泉さんの素敵なところは、ガッと食べてチャッチャと店を出ることです。仲間同士で長居したりしない。ラーメン屋なんて鉄火場なんですよ。食べ終わったらとっとと店を出る。長ッ尻な客は、店主にとっても他の客にとっても邪魔でしょうがない(と俺は思う)。丸の内のOLたちにも彼女の姿勢を見習ってほしいものです。作画も背景もあまりお金がかかっている感じはしませんが、こういうアニメに大金かけられても作り方に困るわけで、だからこれはこれでいいのかもしれませんな。
 最近私は煮干系にはまっています。

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  • ゆるキャンΔ
 ワタクシもつい数年前までは毎週のようにキャンプに行っておりましたが、3回連続土砂降りに見舞われ、それ以来とてもとてもとても面倒に感じおります、キャンプ。家でゴロゴロhuluでも見てた方が体が楽。いや、「楽」を享受したいのではなくて、体がしんどい。テントやタープを設営して、キッチンつくって水を汲んで、薪をもらって火をおこして、適当に調理して酒を飲んだら、泥のような睡魔に襲われ寝るしかない。秋の夜を物思いに耽る余裕なんて無いのです。そういう意味では、キャンプは若者のホビーなので、おっさんオタは間違っても独りキャンプなんてしないように。
 そんな話はどうでもよくて、アニメです。確かに丁寧に作られてそれなりのブームを巻き起こした作品です。これもまた「よりもい」のように「女子高生と何か」の組み合わせのアニメなのですが、「よりもい」よりはずっとファンタジー寄り。キャラもセリフ回しも、ゆるゆるふわふわ。固唾を飲んで結末を案じるような作品ではありませんが、ボケーっと見ているとあっという間に30分が過ぎてしまうので、目を掴んで離さない何かはあるように思います。やっぱ脚本かなぁ。テンポいいもんな。

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  • ポプテピピック
 ありあまる金で作られた自他共に認められたクソアニメ。クソをクソと自覚して作る厚顔さには始終イライラされたものの、なんだかんだ最後まで見てしまったのは、ギャグでもキャラでもなく、声優の演技を聞きたいがためだけでした。だから、調子こいてると痛い目を見ますよ? 何事も引き際が肝心なのです。

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  • 伊藤潤二「コレクション」
伊藤潤二が描く女性はまるで大正レトロの美人画のように思えるのです。が、このアニメ、いかんせん作画がダメだ。こんなパタパタアニメ、地上波で見たのは久しぶりだ。わりと有名どころの声優を使っているのに、画面がダメ過ぎてちょっと人にはお勧めできません。個人的には富江を楽しみたかったのだが、たった1エピソードのみというのも、残念でした。

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  • からかい上手の高木さん
 高木さんの「アハハハハ」という高橋李依の声は、私がイメージする高木さんとはビミョーに違う感じ。
でもまぁ、惚れたハレタ以前の微笑ましい男女交際ってやつを見て、ニヤニヤ感は楽しんだかなぁ。清潔感あっていいじゃないですか。ただ、話がワンパターンなので、もういいかなぁとは思います。正直言うと、後半はかなり飽きてしまいました。



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  • 三ッ星カラーズ
 いきなり何の説明もなく「カラーズ!」と言われてなんのことやらわからなくても、まぁ落ち着いてくれ。要は日常生活アニメで、上野アメ横界隈を舞台にしたよつばと!だと思えば、当たりではないし大ハズレだ。いやいやなんだろう、どこかで見たことありそうなアニメなのに、思い出せないんだよなー。「団地ともお」とも違うしなぁ。SF(すこしふしぎ)も無いし。どこかで見たことありそうで、でも見たことのないアニメ。なんとも不思議なのです。その不思議さに目を眩まされ最後まで見続けてしまいましたが、うーん、見たあと何も残らないw それがかえって清々しいw
 黄色の子(すみません、最後まで名前を覚えられませんでした)の快活な笑い声と、3人がダダッと台東区を走り回る絵ヅラは楽しかったです。赤い子の無常なつっこみも冴えてたし、青い子のポンコツっぷりも笑える。うんそうだ、これも健康的なアニメだ。清潔なのだ。「高木さん」もそうなんだが、どうしてこういう、子供が安心して見られるアニメがもっと早い時間に放送されないのだろうか。しょーもない雛段芸人のバラエティなんて、誰が見てるの? 深夜アニメは、もっと血しぶきドバドバ、内蔵出まくりで、主人公が地球の運命を背負って地獄の底を彷徨するような作品でないと。



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  • おそ松さん 第2シーズン
 誰がどう見たって、パワーダウンが否めない。アニメ消費の激しい現代で、シーズン分割はやっぱり痛いのではなかろうか。さして期待されなかった1期が生んだビジネスチャンスに、制作サイドも視聴者サイドも感覚が麻痺してしまったのかもしれません。
 ギャグはナマモノですので、時期を過ぎると臭くなってしまいます。足し算の挙句、ダメになった料理のよう。
メタが多すぎたのも良くなかったかなぁ。でも、イヤミが辞める話はわりと面白かったしなー。六つ子のキャラが乖離しすぎて、それぞれが独立しちゃったからかなぁ。
 このスベリ感の原因をしっかり検証しないと、アニメ業界はまたやらかしてしまいそうですなぁ。



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視聴継続断念
  • CITRUS
  • スロウスタート
  • 刻刻
  • りゅうおうのおしごと!
  • ヴァイオレット・エヴァーガーデン
  • ダーリン・イン・ザ・フランキス

それまでの明日 原

 実に14年。
 なんと待たされたことか。前作発売時に生まれていなかった下の子は、春から中学生になってしまいます。「愚か者死すべし」は2004年末発売でした。2004年っちゃあ、アテネオリンピックがあったり、小泉政権が電撃訪朝したりした年。wikipedieaで調べたら、ザッカーバーグがFacebookを始めた年とあります。おいおい、Facebook始まった年だよ! LINEなんて無いですよ!?
 かように時の流れは残酷なのだ。それがゆえに、とうとう沢崎シリーズは時間を止めざるをえないのでした。

 沢崎の骨太な探偵っぷりは良くも悪くも相変らずで、いや、変わらないからこそ良いのであるから、満点なのです。しかもハードボイルド一人称という文体を利用した擬似叙述トリックで読者を騙すという小ネタも仕込まれていて、スレた本格ミステリファンもニヤリとせざるをえない。
 事件は実に複雑な(しかし実に単純な)様相を呈しているのですが、一つ一つ解き明かしてゆく沢崎。探偵業を自重しつつも、矜持を持って一つの謎を解くと、また次の謎が。剥けども剥けども玉ねぎの芯が見えてこないもどかしさに、ページを繰る手もじっとり熱を帯びてきます。
 父性の有り方や時事問題を織り交ぜながら進む沢崎サーガは、俺的に大満足の出来なのです。

 時計の針を止めたことについて。
 しかしこれ以上時間が進むならば、犯罪のIT化は避けられえず、どうしたって旧時代の遺物の「探偵」を話の核に据えるのは、沢崎シリーズに全然合わないのだから、はやり正解なのでしょう。スマートフォンやSNS、スマートスピーカーを操る沢崎は、実に、実に「絵」にならない(・・・でも、トリックとしては十分に利用できそうですが)。
 前作ではある重要な場面で携帯電話をギミックに取り込んでいましたが、残念ながら今作ではIT的な、あるいはITを逆手にとったアイディアはありませんでした。
 であるならば、時の流れを止めるという判断も、有りなのかなぁ、と。

 しかしそこはやはり原鐇萓検
 止まった時代感を巧みに利用し、最後の最後、本当に最後の1ページに、とんでもない仕掛けを持ってきてしまいましたよ・・・。
 果たしてこの「時代感」は次作ではどう盛り込まれるのでしょうか。

今から待ち遠しいのですが、とりあえず、既刊の再読する作業に取り掛かりましょうか。

それまでの明日
原 りょう
早川書房
2018-02-28

ミステリマガジン 2018年3月号 特集・原鐺彬

 読むべきか読まざるべきか。
 その知らせを目にした時の、第一印象だった。
 果たして私は新作を読むにふさわしい男になれたのだろうか。

 ハヤカワ書房から届いた発売お知らせメールで、原鐇萓犬虜膿刑遏屬修譴泙任量斉」の発売を知ったのだった。
 前作の発売から14年。
 長い。
 いや、ファンとしては発売していただけただけでありがたいのだが、それにしても長い。前作を読んだとき、まだ下の子は生まれていなかった。
 こう待たされてしまうと、嘘に思えてしまう。本当に手に取ることができるのだろうか?

 私が原鐇萓犬量召鮹里辰燭里蓮高校の現文便覧(要は資料集だ)の一節、文学賞直木賞受賞作一覧の中に「私が殺した少女」というセンセーショナルな文字を見たときだった。例の事件からさして日が経っていなかったので、そんなタイトルが果たして許されるものなのか、などといぶかしんだので記憶に残ったのだ。
 とはいえ、実際に読んだのは大学に入ってから。文庫版だった。当時はエンタメ・純文・古典・ノンフィクション、洋の東西を問わず読書に耽溺できた青春時代であり、その中の一冊が「そして夜は甦る」なのだった。
 ミステリと言えばどちらかというと本格および新本格を好んで読んでいたので、いわゆるハードボイルド小説としては私が読んだ初めての本になる。もちろんのめりこみ、既刊を直ちにそろえ、チャンドラーを読み、ロス・マクドナルドを読んだのだった。ハードボイルドと呼ばれるジャンルの様々な小説を読んだが、果たして、やはり心に残るのは日本人作家原鐇萓犬涼作だった(次点ロスマク)。
 私の読書観というか、人生観というか、かなり大きな影響を及ぼしているのだ。
 今だから告白すると、2ちゃんねるの原錺好譴縫螢好撻ト小説なんぞを投稿したりもした。

 ところが、「第2期沢崎シリーズ開幕!」という帯も空しく、「愚か者死すべし」以後14年間、続刊は無かった。
 下手すると原先生は、遺作を担保に早川から年金代わりに借金をしているのではないか、などと不埒な考えも抱くようになったこのごろ。
 唐突に、しかも早川の定期メールで原鐇萓犬凌刑遏屬修譴泙任量斉」の発売を知ったのだった。
 それによると、発売にさきげけ、ミステリマガジンで特集を組むという。

 ミステリマガジンこそ買わなくなって久しい。最近は図書館で読むなどしているのは、隔月刊になり、とんと書店でも見かけなくなったからだった。

 それも時代の趨勢なのかもしれないが、少し悲しい。
 その趨勢に流されるように、ハードボイルドというジャンル(一人称小説のテクニカルな話は機会があればまた別のエントリで)も、探偵という表現も、沢崎というキャラクターも、「現代」からは遠く去ってしまったように思える。

 しかし今回、原鐇萓犬離蹈鵐哀ぅ鵐織咼紂爾鯑匹漾△修Δ任鰐気い里澄△閥く確信したのだった。
 特別掲載されている新作の第一章は、まだ読んでいない。
 読んでいないが、大傑作には違いないのだ。そうでなくては困るのだ。
 だから発売まで、このミステリマガジンを食前酒のように軽やかに楽しむことにしようと思うのだ。



くらもち本 くらもちふさこ公式アンソロジーコミック

 天才くらもちふさこの単行本未収録「天然コケッコー」が読めるのであれば、少々コストパフォーマンスが悪くても買わざるをえないのである。文庫版の読み切りと合わせて、これでようやくコンプリートできたというわけだ。

 それにしてもなんかもう平成も終わろうとしている今になって、「天然コケッコー」が読めるという。この幸せは、それはもうじっくりとっくりゆっくり噛み締め、よくよく吟味し堪能したいと思います。
 あぁ、至福・・・。
 アート奔る「モダンくらもちふさこ」直前の、少々荒い線が、これまた魅力。

 大御所や有名漫画化たちのくらもちリスペクトのイラスト(森田よしのりのそよちゃん&大沢くんは必見である!)やショートショートも楽しい。
「チープスリル」「kiss+πr2」「おばけたんご」「A-Girl」、もう一度読み返したくなってきた・・・って、おい! 「海の天辺」は!? なんで誰も「海の天辺」に言及してないん!?

 というわけで、くらもちふさこ先生におかれましては是非いまいちど、小中学生女子向けの漫画を描いていただきたいと思います。まる。


2017秋アニメ感想

 忙しい忙しい忙しい
 昨年秋口からこっち、三月兎のごとく時計に追われる忙しさなのである。
 なんだってこう忙しいのかというと、己自身でコントロール不能な会社や家庭内でのイベントが立て続けに発生しているからであり、加えて、いましばらくこの傾向が続く予定であるからなのである。もう何ヶ月もまともに小説を読んでいない。通勤中、青空文庫で中島敦を再読した程度だ。
 例年通りの年末年始なら、原りょうの既刊を読み返したり、ParaDrawでイラストを描いたり、まったりのんびり過ごすものなのだが、この年越しはほんともう忙しい。無理。そんな余裕、望むべくもなかった。
 そんでもってアニメなんかもろくに見る時間がないので、Huluやら録画やらを細切れ細切れに、やっとのこと見納めた次第なのである。
 それにしても話の枕にするにはふさわしくも無い内容だ。もっと政治批評経済批評を述べ、国際平和を論じ、ゲンロンしてみても良いのだが、なにぶん、忙しいのであるし、そうしたネタは、みもふたも無く言ってしまえば書いてて全く面白くない。というか面白いネタを着想する余裕すら無いという、無い無い尽くしなのである。「忙しい」以外のネタが無いくらい忙しい昨今なのだ。
 このブログもほとんど放ったらしの体なのだが、やはり書かないのも尻の座りが悪い感じがするのも事実。
 んじゃ、2017年秋アニメの感想、行ってみよう!

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視聴完遂
  • Just Because !
 キャラに魅力があって設定がしっかりしていて作画が安定していたとしても、 やはりというかなんというか、 中高生の惚れた腫れたにはまったく心が動くことは無かったのであります。
 この子達は恋に恋しているだけで、己の本能つまりリビドーに恐れ慄いたり、あるいは、人生のあり方に葛藤するなどという場面はとうとう無かった(ように見えた)。草食がここまで極まると、物語として成立しないのではなかろうか。そんな物語に病膏肓に入ったおっさんオタの心が動かされるはずはなかろう。
 さらにぶっちゃけていえば、その辺のアイドル崩れが出演する実写テレビドラマとの違いが、無い。アニメでやる意味はあったのだろうか。まんま実写ドラマで良かったんじゃないの。数字取れないだろうけど。
 しかしそれとは矛盾する話なのですが、せんだっての「月がきれい」もそうですが、こういう企画自体がアニメとして通るというのは、業界としては良い傾向だとは思います。



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  • 十二大戦
 心底どうでもいい屁理屈とショボイ戦いが展開される異能バトルロイヤル。イーガン「宇宙消失」並みの一発ネタで12話1クールを引っ張ってしまうのが、かえってツライ。作画も崩壊、ネタも崩壊で、心から楽しめる場面が無い。十二支それぞれの過去回もウンザリでしたが、犬のプロットだけは面白いと思いました。

十二大戦 ディレクターズカット版 Vol.1 [Blu-ray]
堀江瞬
エイベックス・ピクチャーズ
2017-12-27

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  • 少女終末旅行
 終始虚無感が漂う絵と物語に、はまれる人ははまれるだろうし、ダメな人は全く理解不能で受け付けられないだろう。漫画も、アニメも。
 個人的にはあまりはまれなかった方で、ありふれた終末物のいちバリエーションにしか読めない。もっと救い難い物語をたくさん読んできたし、醜い人間の本性をさらけ出すドラマにもうんざりなのでありますが、空しい世界観を特段の悲壮感なくあっさり受け入れるキャラクター達が特徴といえば特徴で、その点は確かに現代的な表現かもしれない。
 アニメの方は、漫画の空気感をもてあましているような「間」がいささか気になるものの、キャラクターのデフォルメがいかにもなアニメーション作画となっていてそれなりに楽しかったです。漫画の方もつい先日最終回を迎えましたな。うん、この作品はしっかSFなのでありました。ゆるふわラノベエンディグにならなくて、凄く良かったと思います。

少女終末旅行 1 [Blu-ray]
水瀬いのり
KADOKAWA メディアファクトリー
2018-01-24



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  • 宝石の国
 告白してしまえば漫画の絵柄がちょっと受け入れがたくアフタヌーンの連載はスルーしていたのですが、なんだ、なかなかイカシタSFではないですか。あわててコミックスを揃えた次第。己の見る目の無さにはがっかりしますなぁ。
 悠久の時間と命の果てにある宝石たちの存在のわりに、言動(CVの黒沢ともよの演技がぴったりだ)のモダンさ加減に感じるギャップに唸らざるをえない。
宝石たちの造形上ポリゴンキャラで行くというのは最適解なのでありましょう、CGのドヤ感もなくわりとすんなり受け入れられたのも個人的には良かったです。
 しかしアニメ最終回のオチらしいオチも70年代SFになっているのはいただけない。アニメオリジナルな落とし所は無かったのだろうか。2期やろうにももう原作に追い付いてしまったし、どうすんだこれ。



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  • アニメガタリズ
 思いっきりメタやっている(特に第11話)のだが、今時の子達はついてこれるのだろうか、と要らぬ心配をするくらいギャグがハイブロウなので、このアニメの面白さを真に理解するにはアニメに関する歴史や演出方法に対する知識がそれなりに、いや、かなり必要なのである。つまり玄人ウケする作りになっていて、そこがおっさんオタには楽しかったのであります。楽しかったというと非常に短絡的な感想なのですが、このアニメ、見方によっては現代アニメへの痛烈な皮肉になっておりまして、なかなか侮れない作品なのであります。


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視聴継続断念
  • 王様ゲーム the animation
  • アイドルマスターsideM
  • Dies irae
  • このはな奇譚
  • URAHARA
  • ブレンド・S
  • つうかあ
  • クジラの子らは砂上に歌う

視聴継続中
  • 3月のライオン 第2シーズン
  • おそ松さん 第2シーズン
  • 魔法使いの嫁
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【映画】劇場版ガールズ&パンツァー 最終章 第1話(監督 水島努・2017)

 師も走るという十二月は、師でなくったって忙しいのである。

 日本経済の尖兵として私も公私に多忙を極め、まとまった休みはおろか、まともな読書時間や余暇を楽しむ時間なぞほとんど取れない。いや、休日はちゃんとあるにはあるのだが、家庭内外の所用がなぜかたいへん立て込んでいる。読まなければいけない本、見なければいけない映画、片付けなければならない仕事が山積みなのです。
 脳のクロックが加齢とともに落ちていることも十分自覚しており、処理能力は落ちる一方という厳然たる事実は、気ぜわしい年末の刹那を認識する暇すら与えない。
 このままだとなんやかんやあっちゅーまに正月になってしまう。ってもう大晦日まで二週間無いんやで!?
 つまり、現在の私の過密スケジュールはともすればうっかりガルパンを見過ごしかねない状況なのであり、今、この時、このタイミングを逃してしまうと、おそらく劇場で見ることあたわず泣くことになる。致し方なし、と得心するのも我慢できず、方々にしわ寄せが行くのを覚悟しながら、無理くり時間をこじ開けて見に行ってきた次第なのであります。

 ふぅ。

 1,200円というお財布に優しい値段設定も全6話では7,200円になるわけで、だったら円盤の発売を待つのが合理的な考え方だろう、というソロバン勘定は承知しているが、「映画館で観劇」という経験は、やはりプライスレスな感動なのであります。
 完成して間もないTOHOシネマズ上野が上野とは名ばかりの御徒町にあるというトラップにひっかかったおかげであやうく上映時間に遅れそうになったものの、なんとか滑り込んで席に着くことができました。

 スクリーン上でいきなり展開されるスペクタクルな絶望感にまず驚くとともに、あぁやっぱり劇場はいいな、ガルパン見るなら映画館だよな、と再確認いたしました。大スクリーンで大音響。作画も手抜きなしで安心です。
 学園艦ダンジョンや新戦車はもちろん楽しいのですが、先の劇場版からのキャラたちの動静が劇中そこここで地味に語られるのが嬉しかった。あのテレビ放送からまだ物語は続いている、あの頃と今ここは地続きて繋がっているのだ、という連続感一体感が醸し出されていて、ほっこりします。
 ほっこりはするものの、時間にしてわずか40分程度なのに内容が濃密すぎて、脳をフル回転させないと本当の楽しさが見えてこないのもまた真実。うーん、冒頭、学園艦CICの場面で「魚雷戦ゲーム」が映っていたような・・・。そうか! 学園艦は魚雷も撃てるんや!
 そんな小ネタが画面のあちこちに仕込まれてるんやで!w なんという初見殺し・・・!w

 新キャラ達は濃過ぎて胃にもたれそうでしたが、それでもガルパンだとなぜか微笑ましく見られるというもの。彼女たちがこの先どう活躍するのか、泣かせてくれるのか、期待せざるをえません。でも、あれで戦車大丈夫なんか?w このままフェードアウトするんか!?w
 ピンチに陥ってさて次回、という引きは、ではそれをどう克服し逆転するのか、という期待感を持たせる構造になっていて、これもガルパンらしくて良い。
 心配な点は、シリーズやスピンオフ作品で語られてしまったように、(一見そうは見えないが)大洗は実は強過ぎる、勝つべくして勝つキャラたちだ、という、主人公チートがある。ガルパン物語の唯一の弱点であって、軍神西住殿はどう頑張ったって(ダージリンさん以外には)負けそうもない。このあたりはどう料理するか。味付けを失敗すると即、話は陳腐化してしまいかねません。「成長しきった主人公たち」がジャンプ的インフレバトルに進むことは我々が望むところでは決して無い。これをどう克服するのか、第2話以降も楽しみ過ぎますね。
 で、第2話はいつなんだよ!? 夏か!? 来年の夏なのか!?


ニコマス界隈の、辺境の住人。革命的国家社会主義真派の刺客、ペロリスト。真士。そして、映画と小説とアニメの愛好家。
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