2018年08月

お疲れ様です。

本日は、倉科遼さんの「女帝」を読みました。本書は、経沢香保子さんの読書の本「経沢香保子の夢を叶える読書術」でおすすめされていたからです。「女帝」は、一回の社会人として、キャリアについて学べた一冊でした。本書のストーリーは、とにかく人を惹きつける主人公が、家庭を捨て現在 政界の権力者への道を邁進している父に復習するため、クラブのホステス、クラブ経営者のママとして、女帝の道を駆け上がるサクセスストーリーです。ホステスとして、腕一本でのし上がる前半と、経営者としてクラブの経営に四苦八苦する後半とで、主人公がぐんぐん成長していく姿からは、20代の若い内にこそ学べることが多くて良かったです。女帝は、もうドラマ化もされているので、ストーリー要約とかはいいかなと思います。本書では、自分が勉強になったことについて書かせて頂きます。女帝には関係ないのですが、僕は毎日、漫画一冊とアニメ1話、AmazonPrimeのドラマ1話を見るようにしています。これは、雑談ネタ補充のためなのですが、女帝はその中の一冊でした。この習慣めっちゃいいです。


#武器の使い処
本書では、一巻に一回ぐらいエロシーンがあるのですが、たまにセックス中にめちゃくちゃ真剣な会話があったりします。僕が本書に引き込まれたのは、主人公彩香が処女を捨てるシーンでした。エロシーンとしてではなく、その道程が面白かったです。夜の街のNo.1 女帝を目指す際の第一歩はミナミのクラブでした。そしてホステスとしてまず何よりも大事なのがお客を掴むことでした。主人公 彩香は、女帝に成り上がるため、まず太い客から先に見つけようという作戦にでます。大阪ミナミには、ミナミの妖怪とわれる実業家のおじいさん(美濃村社長)が居ました。ミナミでは、美濃村社長を捕まえると店の売り上げは0が一つ上がると言われている大物でした。主人公 彩香がこの美濃村社長を捕まえる話がめちゃくちゃ良かったです。新米ホステスなのに、いきなり美濃村社長の席に着き、「三回チャンスを下さい。三回で美濃村社長を捕まえます。」と本人に宣言するのです。そして、プロファイリングをして得ていた、美濃村社長の過去の情報から貧しい生まれであることと、自身の境遇をうまくマッチさせ、同伴にお呼ばれします。クラブで不幸話をするなどご法度ですが、これが刺さらねばそれまでと、覚悟を決めて挑むシーンがかっこよかったです。そして、2回目の同伴の日、彩香は自身のバージンを美濃村社長に捧げます。このシーンまで、いくつかエロシーンになりかけたり、犯されかけたりするシーンがあるのですが、彩香は何があってもバージンを守っていました。しかしそれは純真の意味ではなく、人生の切り札として使うためのものだったのです。彩香は、女帝の道への第一歩、"太客を捕まえる”ために、女の子にとっては大事なバージンをツールとして使いました。そして見事、その意気を認められ、美濃村社長を捕まえるのです。この話には痺れました。幻冬舎 見城さんの本で初めて学んだ人生の切り札(キラーカード)ですが、見城さんもキラーカードは使うタイミングが全てだと語っていました。彩香はキラーカードを、時価総額が高くなるまで温存した。そして、ここぞという時に出した。その覚悟と見切りの良さがめちゃくちゃカッコよかったです。そして、このバージンを卒業するタイミングで彩香が考えていたこともよかったです。「最初に醜い男とやっておけばあとが楽だ。」、先に苦労をしておくこの思考回路も成功者のそれです。感服致しました。


#中長期的利益を得る思考
美濃村社長は、大体全編通して話に関わってくるキーマンなのですが、バージンを捧げたその日の会話もまたよかったです。美濃村社長は、彩香が自分の金目当てだということは知っていました。しかし、金のためにここまで人生をかけられる若者はそうそういません。そこが気に入り、パトロンを申し出ます。しかし、彩香は、月数百万数千万の支援をしてやると言う美濃村社長の話を断ります。パトロンにはなってくださいと、しかし個人的な支援は要りません。店に来て売り上げを私に下さい。というのです。金がいらないホステスとは、面白い。これまた美濃村社長が彩香を気にいる話でした。この支援を断った彩香の考えもまた勉強になりました。自分個人の利益は後でいくらでも回収できると踏んで、自分を取り巻く環境を育てる思想。中々できるものではありません。目標と結果への意識の強さが、どれだけ大切か学びました。


#太客は諸刃の剣
美濃村社長関係の話はまだまだあります。というか、僕は女帝は序盤がめっちゃ好きなのです…。太客 美濃村社長を手に入れたはいいものの、彩香はヤクザの彼氏から一つ指摘を受けます。それは、太客は諸刃の剣であること、もし美濃村社長に切られたらお終いな上に、太客に依存すると、新たなお客が着かなくなることでした。太客が居ると、どうしても他の客よりも優先してしまうものです。そして、嫉妬も食らいます。女帝は女性社会の漫画だっただけに、嫉妬の怖さもリアルに書かれていました。活躍して頑張るだけでなく、周囲に嫌われないことも大事なのですね。太客だけでなく、周囲の方々に、特別感を出しつつ仕事を進める術について、彩香が四苦八苦しつつ成長していく姿が良かったです。


#思い込みの怖さ
本書は水商売の漫画だけあって、人を見る目も技術だと、そしてその技術がいかに大事か書かれていました。本書は本当に、第一印象や思い込みで人を判断するなという教訓みたいなのが多かった印象です。ある日、クラブにITベンチャー企業の若手社員がやって来る話があって、この話が勉強になりました。このお客さんには、その店でのライバルと対応するのですが、短期的な視点しかないライバルは、このお客に対してさっさと帰れという態度をとります。しかし、彩香は丁寧に対応しました。彩香は、根っからいい人で礼儀正しいため、素で丁寧に接していた部分もありましたが、きっちり水商売の人として、人を見抜いていました。お店に来ていた若手社員は、クラブで値切りをしてきたり、安い酒しか頼まなかったりと言動こそ貧乏で背伸びした若者という印象を頂かせましたが、スーツはいいブランドだったり、靴やカバンが綺麗に手入れされていたりと、社会人としてのマナーがなっていたのです。彩香は、この若手社員に対し「今は金がないといっているけど、大物になるかもしれない」、「もしかしたら今も金持ちなのでは?」と推測し、わざと丁寧な対応をしていたのです。すると、その予想は的中、ITベンチャーの社長が現れ、贔屓の店にすると宣言しました。金のない若手社員を演じていた人達も、本当は役職付きだったのです。その実は、バブル後でもぐんぐん伸びているベンチャー企業で、社員教育ができるクラブを探していたのでした。この話からは、現時点の能力は度外視で、どこまでポテンシャルに期待できるかが大事と学びました。思い込みの怖さ、これは、僕自身が社会人になって部下を一人育てて感じました。さらには、僕自身も落ちこぼれ社員でしたので余計にです。若い内なんてどうなるか本当にわかりません。現に僕が育てた後輩は、入社当初はできない子レッテルを貼られていましたが、僕の下について、宿題形式で課題を出していった結果、たった一人で一部上場企業の仕事を、バイネームで引っ張ってくる子に成長しました。僕の下について半年も経っていません。人がここまで急速に成長するとは、と、僕自身も怖くなってしまう出来事でした。


#ライバルが居てこその成長
彩香は人に恵まれるのですが、特に経営者であるママに恵まれます。常に社員を第一に考え、教育育成の観点を持っているママの元に着けるのです。どの店でもママは彩香の人生に革新的なアドバイスや問いを投げてくれるのですが、ママがわざとライバル同士で争わせる環境を作っているその意図が良かったです。ことスポーツの世界では、安定感はスランプより怖いとよく言われていますね。同じ1週間でも、気を抜いて過ごすのか、全力を出すかで全然違ってきます。ライバルと争わせるこの話での教訓は多くて書ききれないぐらいですが、正々堂々真っ向勝負でいくことの大事さを学びました。彩香のライバルは、卑怯で歪んでいるタイプでした。しかも一度、店を裏切って客を連れて出て行ったことすらある子でした。どうみてもまだ改心していない、そんな子でも再度雇うママ。それは、彼女のエネルギーと、経営者として、店を刺激するための施策でした。ママはライバルとの競争でもういくつも教訓を残してくれました。エピソードを書いてしまうと終わりがないので、ここはいいなと思ったことを箇条書きで…。
 >「人を蹴落とす人は、そこが限界点。」
 >「掛け値無しのサービスが、長期利益になる。」
 >「嫌いな客から、いくら金を取れるか。」
 >「敵とどこまで協力できるか、本人の器が現れるのはその場面」


#信頼できる懐の深さ
本書では、ボーイさんからも学ぶことが多かったです。彩香の旦那さんになる人 進藤さんや、彼氏で暴力団 組長のナオトさんから学ぶことは多かったです。二人は、義理人情恩返しに生きる野心家でした。進藤さんは、会社が倒産しやけになっていた時、とあるママに拾って頂き、以来ママを女帝にしたいと黒服の道を歩みます。金にものを言わせ、ホステスや黒服の強引な引き抜きが横行する中でも、進藤さんだけは一人だけ反対。その後、ママの後任となる彩香を女帝にするため助けてくれる存在となります。ナオトさんは、ヤクザ社会で帝王になるため、鉄砲玉を志願、ぐんぐん成長する中、自分がヤクザだけに他の組の人をお客に持つ彩香とは、公な接触は控える潔さもみせます。しかも、いざという時にいつも助けてくれるのが、ナオトさんでした。本当にかっこいい兄貴二人の存在がよかったです。本ブログでは、進藤さんについて書きます。進藤さんは黒服として、表舞台にはそんなに出てこないのですが、仕事への考え方が良かったです。進藤さんいわく、ホステスが活躍できるのは、ボーイの裁量で決まるのだそうです。いかにホステスが活躍しやすい雰囲気を作っていくかを大事にし、そしてホステスが来るまで客を飽きさせないよう努力する描写が良かったです。黒服が客を繋いでいる、黒服あってのホステス。この考えは、本当に大事だと思いました。凄いマネージャの人は、本当に上手く人を動かすからなぁ...。


#若手を卒業した後でも
本書は、キャリア観についても存分に学べる漫画でした。彩香は、持ち前の人を引き寄せる性格で一気に駆け上がっていくのですが、物語中盤からは、駆け出しの技が通用しなくなり。その人気も今だけだ、勢いだけと揶揄されたり場面も少なくありません。スランプに入ってしまった彩香に、先輩ホステスは、「若いうちは今の勢いでいけばいいけど、そこからどうするの?」と尋ねます。そこでの疑問から、彩香は自分の将来ビジョンとなすべきことなさなくていいことをどんどん考えられるようになるのですが、自分がどうなりたいのか、キャリアビジョンを若い内に考えておくことの大切さを痛感させられました。僕自身、今は若手で勢いで仕事を進めることばかりです。若くて勢いがあるから気に入ってくださるお客さんや、気にかけてくれる先輩上司がいる訳ですが、友人からも「5年たったあと、30歳超えたらどうするの?」とかよく聞かれて詰まってしまうこともしばしばです。本書を読んで、今のステータスに依存しないずっと使える自分の武器をいくつか手に入れておかなければと思うようになりました。今は目の前の仕事で結果を出すしかないのですが、将来やりたいスポーツ、イベント産業での仕事に向けて、どんどん身になるスキルもつけていきたいと思います。今はまず、自分で会社にこれまでなかった思想で部隊を作ることを任されています。結果を出せるよう頑張ろうと思います。


以上です、よろしくお願いします。


水商売を漫画にした67歳原作者の剛勇な人生 「女帝」「嬢王」の倉科遼が持つ強烈な原体験 

プロフェッショナル 仕事の流儀 銀座、夜の女たちスペシャル - NHK 銀座で高級クラブを営むママ・白坂亜紀に密着!男たちを魅了する女の「艶」はもちろん、客の心をつかんで離さぬもてなしの「技」。伝説の文壇バーのママ・園田静香も登場! 

見城徹×藤田晋「仕事と人生に効く」熱狂対談 圧倒的努力を積み重ねろ、おごり高ぶるな! | リーダーシップ・教養・資格・スキル - 東洋経済オンライン 

■愛され、押し上げられ、そこにたどりつく。 - キッズライン社長 経沢香保子 blog 

お疲れ様です。

本日は、新法人営業マニュアルを読みました。本書の著者の北澤治郎さんは、元々 日本IBMで営業マーケティングの仕事をしていて部長を務めた人物で、2013年に、株式会社JCNBを起業。営業支援のコンサルティング等々やってるめっちゃ凄い人です。IBM時代に、独自に編み出したコンサルティング営業の手法で、300を超える企業で成果を出してきたとありました。本書は、必ず売れる営業フレーズ○選!!みたいなのは書かれていませんでしたが、これからの時代の営業とは、とかの話が学べました。


#営業はデザインだ
本書で印象的だったのは、題名にもマニュアルとあるのに、営業のテクニックを語る本ではなかったことです。なんか北澤さんはとにかく営業が好きなようで、営業の仕事がどう面白いのかを宣伝している感じの本でした。本書いわく、営業は奥が深いもので、口がたつだけでは務まらないとありました。営業とは、相手にどういったメリットがあるかを理解してもらわなければならないため、誰に何をどう伝えて、どういう変化を結果として得たいかをデザインすることが必須になってくるとありました。営業はデザイン職、そう考えれば最近の、営業 = キツイ仕事 のイメージも払拭できそうですね。


#切り分けが大事
本書で勉強になったのは、コンサルティング手法についてです。問題解決をする際には、切り分けが大事だとよく言われていますが、切り分けって結局どういうこと?と思う人も多いはずです。僕も今だによくわからない。切り分けが効いてくるのは、問題を見つけることとあわせて、放置していいことを先に他所に避けておけることなのだそうです。そして、切り分けを行う際は、必ず大項目と詳細項目で分ける意識を持とうとのことでした。本書では、例えに出てきた松下幸之助の切り分け手法が面白かったので、それを書いておきます。松下電工で、テレビの原価を下げるMTGがあった際、役員陣が延々と議論を進める中、松下幸之助はテレビを持ってきて分解し、パーツひとつひとつの原価と売価を聞いて回ったそうです。そこで、原価の高いものを見つけて、値下げに成功したのだとか。この話では、モノがなにで構成されているのか事前に知っていることの大切さでした。最近僕もエンジニアの仕事で全然切り分けがうまくいかないことばかりでした。そこで指摘されたのは、目の前のmessageにだけ囚われていて全体が把握できていないということでした。現状把握や絵に起こすことを疎かにして作業に挑んでいたため空回りしてしまっていたのです。基礎力と合わせて考え方も大事なんだと反省させられました。


#ターゲット選定と提案営業
営業で大事なターゲット選定について、本書で書かれていたコツは、行ける顧客でなく、行くべき顧客に行くこととのことでした。よく言われているPush型営業でなくPull型営業が大事だ!!という話に似ているのですが、本書では、営業をデザインと捉えて書かれていたため、営業をかける際はどういうお客さんに何を提供しどんな価値を生み出すのかそれを考えれてないとダメなのだそうです。そのため、取れるお客というのは、他の営業マンが行ってもいいし、他社でもいいのです。提案営業は、自分の提案が、このお客、ひいては社会に必要なんだと確信するまで詰めてからいってこそという話でした。そして本書を読んでいて意外だと感じたのが、提案は刺さらなくてもいいということでした。提案を考えて煮詰めるのは大事なのですが、そうそう刺さらないものと考えて、提案を練るまでに集めた資料等でお客さんの課題や、協業ポイントを考えることが大事なのだそうです。


提案型の営業をする際には、知識の引き出しが一つでも多く必要と書かれていて、日々勉強を〜と思いました。ちょっと本日は忙しくてスマホからメモ書きぺたりになりましたが、本書では営業診断ツールとかも付録についていたり、資料作り、勉強のコツも詳しく書かれていました。凄い本です。

以上です、よろしくお願いします。


日本最大級の顧問契約マッチングサイト「KENJINS」
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北澤治郎

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神奈川県 経営コンサルタント 北澤 治郎 様

お疲れ様です。

本日は、「お金2.0」を読みました。本書は、今年の初めにも読んでいたのですが、内容が難しくて、「凄いな〜。」しか感想が言えないままになっていました。本書をもう一度読むことになったのは、学生時代の後輩から、FinTechの会社に就職したいという相談を受けたからです。就活の話に合わせて、本書をプレゼントしました。プレゼントついでに、自分も読みました。本書では、経済とは、価値とはといったテーマから始まり、これからの社会と経済についてが書かれていました。国家の枠組みがなくなるとか、現実がなくなるとか、SFチックな話もあってワクワク感が凄かったです。本書はかなりキュレーションされて、佐藤さんご自身もメディアに露出するタイプです。そのため内容要約は、やんなくていいかなと思います。にわかの僕が読んで面白かった点について、書いていこうと思います。ちなみに面白過ぎて、長くなってしまっています。もう数スレッドに分けようかとも思ったのですが、めんどかったので一枚で書いちゃいます。ちなみに、後半から面白いネタになってます。一応項目分けしたのですが、まとめきれなかった…。内容は、下記の項目に分けました。では書きます。

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#佐藤さんの原体験
#事業運営を通して学んだ経済学
#流行るサービスと経済発展の要素
#SNSと社会
#脳と経済
#経済を持続させるには
#企業理念が大事なのは何故
#未来の方向性を決める3つのベクトル
#ICOとポスト資本主義
#ニューエコノミー
#労働と対価
#ミレニアル世代の価値観
#ミレニアル世代の購買行動
#役職の名前より人の価値
#ブルーオーシャン戦略でキャリア形成
#ビットコインの思想
#時間が通貨になる
#崩壊するのは国家の枠組み
#現実も選ぶ世界の一つ
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#佐藤さんの原体験
佐藤さんがお金や経済について、研究しようと思ったのは、佐藤さんの幼い頃の原体験から来ているそうです。佐藤さんは、貧しい家庭に生まれ、苦労人でした。幼い頃から、自分の家には「お金」というものがないらしい。お金がないとこには、人は居つかないんだ。と考えるようになったと書かれていました。生まれた瞬間から家の資産で差がある。人生は平等じゃない。と思った佐藤さんは、金で苦労する人を減らしたいという考えから、お金に縛られない社会の仕組みとは何かと考え、事業を通し仮説検証に出ていたそうです。そして今、ICOでお金のあり方が代わり、経済に対する考えもまとまったことから、本書の執筆に至ったとありました。


#事業運営を通して学んだ経済学
佐藤さん曰く、事業会社を経営することは金融工学等を検証する上で、最適な研究所を持っているのと同じだと語られていました。メタップスの事業を通し、うまくいってるサービスを見分け、仮説検証できるようになったそうです。特に、経済学を学べたのは、マーケティングの事業だという話でした。経済は欲望のネットワークと言われていますが、欲望とは本能欲求、金銭欲求、承認欲求の3つになるそうです。そして経済は、80:20の法則で有名なパレートの法則が発生するとのことでした。この、欲求がどうのみたいな章は難しかったのですが、SNSはこの経済の法則や、人の欲望を満たすことができているという話があって、それが面白かったです。欲望の3原則みたいなものは、僕自身も学生起業をしていた際、利用しました。僕は、インターネットでPVが集まる3原則!!という超軽いネタを読んでサービスを作りました。ネットで流行る3原則は「モテる、金が楽に儲かる、悩みを解決する」というものでした。このうち1つを満たすとバズるということから、ナンパ術の塾と、新卒就活でブランド企業に内定を取る方法を教えるサイトを運営していました。両方とも原価は安いセミナールームや、サーバ代のみしか出費がなく、粗利がほぼ95%ぐらいになってました。一月100万〜200万円ぐらい軽く売り上げてしまうサービスになりましたが、いつ人気がなくなるかわからないため、かなり投機的な収益でした。当時もう少しサービスの形を整える術があれば、中長期的な儲かり方をしたり、法人登記もあったのかもしれませんが、元が酷かっただけに学生時代で済ませていてよかったと思います。ただ、3大欲求をストレートに刺すとかなり人と金が集められる。価値が生まれる。社会のツボみたいなものだけは本当に存在するんだと確信する出来事でした。


#流行るサービスと経済発展の要素
よくできた企業やサービスは、個人に依存せず仕組みで動くものだそうです。FaceBookもザッカーバーグが毎日めちゃくちゃ頑張って営業しているから流行っているのではなく、人が人を呼ぶ仕組みを作ってるから、あれほどのものになったのだそうです。FaceBookをはじめ、SNSは人の3つの欲求と、経済が発展する5要素を全体的に満たせているという話をしましたが、具体的に3つの欲求とは、儲けたい、モテたい、認められたいをいいます。さらに、経済が発展するには、5つの要素(1).明確なインセンティブ (2).リアルタイム性 (3).不確実性 (4).ヒエラルキー (5).コミュニケーション が必要になるのですが、SNSはそのどれもを満たしている点でも発展性があるのだそうです。たとえば、(1).明確なインセンティブは、いいね!!がそれに当たります。3大欲求の承認欲求でもありますね。さらにたまにバズる仕組みが(2).リアルタイム性 (3).不確実性 (5).コミュニケーション を満たしていますし、(4).ヒエラルキー に関しても、いいね!!やお気に入り、RT数を基軸に構築されていますね。佐藤さん、やたらとザッカーバーグが好きみたいで、本書には何度も出て来ました。。。


#SNSと社会
本書では、SNSと経済発展の話を絡めて、歴史や社会についても勉強できたのが良かったです。ヒエラルキーがあるというのは、参加者に立ち位置を与えることに繋がり、わかりやすいコミュニティとなり人が増え始めて行くのだそうです。ヒエラルキーがないと人は増えないのですが、反面、上位者が居座り続けるとそれはそれで濁ってダメになるなど、バランス取りが難しい問題ですね。さらに、経済発展に必要なコミュニティの形成ですが、この話で、ギリシャ時代のアゴラが例えとして出て来て面白かったです。ギリシャのアゴラは、共同体の形成に凄くマッチしていたのだそうです。ヒエラルキーがあり、コミュニケーションがあり…。SNSは現代のアゴラ的な書かれ方で、経済の仕組みが同じだとテクノロジーで場が変わるだけなのかと実感しました。経済システムに必要な5つの要素を満たしているSNSですが、これからは製品やアイデアの勝負から、ユーザーや顧客を巻き込んだ経済システムの構築が勝負になるそうです。


#脳と経済
本書では、経済と脳は同じだと書かれていました。経済の発展性には、不確実性が必要と書きましたが、何故不確実性が必要なのかというと、想像力が働くからです。想像力がもたらす経済の原理と脳科学の関係が面白かったです。脳の神経の中に、報酬系神経というものがあります。これは達成感を感じられる部分の神経のことを言います。人間は、報酬系神経の奴隷で報酬系神経の活発化により出るドーパミンの快楽のために人生頑張っているのです。さらに脳は飽きやすく、不確実性が無いと想像力を働かせて取り組むことがなくなってしまいます。これは経済も同じですね。そのために、変化と不確実性が必要なのです。さらに脳の厄介なところが、リスクのある不確実な環境で得た報酬に、通常より多くの快楽を感じる点です。だからリスクを取って大逆転!!みたいな方が、華やかに映るのですね。報酬系神経は、中毒症状にも陥りやすく、アル中も恋愛中毒も、セックス中毒もワーカーホリックも脳の動きはほぼ同じなのだそうです。報酬系神経のために頑張りすぎると死ぬ危険性もあるので注意とのことでした。


#経済を持続させるには
経済を考える上で、まず念頭に置いておかなければならないのは、経済には寿命があるということだそうです。経済は年月が経てば死んでしまうというよりは、飽きられたら消えると書かれていましたでした。FaceBookは、かなり浸透した後もM&Aを重ねて、サービスの発展に勤めて来ました。例えば、SNSでは写真が大事になるとわかればInstaを買収してサービスに組み込みユーザーから、FaceBookが飽きられても大丈夫なようにしました。そして、寿命と合わせて、経済を発展させる条件は参加者に、共同幻想があることなのだそうです。Apple社やスタバには、社内外にファンがいて、購買行動や労働にも、お金にプラスされた価値意識を抱くようになっていますね。この一体感が経済発展に合わせて、経営でも大事なんだと語られていました。


#企業理念が大事なのは何故
本書では、企業も給与という分かり易い報酬が用意された典型的な経済システムだと語られていました。企業理念という言葉は、昭和か!!というぐらい古く感じるフレーズですが、逆に現代こそ理念とか思想の部分が大事になってくるとのことでした。本書のテーマにもなっているのですが、現代は、お金以外の欲。いいね!!みたいなお金で買えない欲が高まっています。これからの企業体は、収益をあげるための機械の様なものになるか、宗教団体のような思想の共同体になっていくとのことです。精神的な報酬を与えられるかが、これからの経営には大事になっていくのですね。また企業理念には、自分たちの存在を情報として定義する効果があり、組織としての一体感をもつためにも理念が大事になってくるのです。ベンチャー起業家もよく、理念が大事と語りますが、テクノロジー目線からも、理念は大事だったんだと学びました。


#未来の方向性を決める3つのベクトル
未来の方向性を決めるのは、お金・感情・テクノロジーの3つのベクトルだそうです。これまでは、お金起因で人が動き、感情で扇動され、テクノロジーがそれを支えるというバランスだったのですが、今はもうお金は2.0世代に突入し、未来のベクトルについてもバランスが変わって来ているそうです。お金で買えないものに価値がで始めた結果、感情とテクノロジーがより重要なベクトルとなると書かれていました。


#ICOとポスト資本主義
ICOの出現、〜ポスト資本主義で世界が変わる〜。本書はこの辺りからめちゃくちゃ面白くなりました。(前半も面白かったです) 佐藤さんいわく、パラダイムシフトは、人類の想像力と経済基盤がある時に起こるのだそうです。本書で事例と出されていたのは、ルネサンスでした。例えばルネサンスは、貿易で儲けたメディチ家が、ファンドとして芸術家の活動に投資をし、一時代と芸術観を進化させました。現在は、クラウドファンディングやICOのおかげで、儲からないと思われていた突飛なアイデアやテクノロジーに投資が集まり始めています。これは世界が大きく変わるサインだと書かれていました。実際、ホリエモンのISTなんかはクラウドファンディングで伸びていますし、ジェフベソスのブルーインパルスに至っては自家発電的なお金の構造ですもんね。ただ、本書でICOがポスト資本主義をもたらすと書かれていたのは、お金の集まりやすさと合わせて、リスクマネーの再構築についてでした。これまでは、何かチャレンジしようとしても、銀行やキャピタルファンドがリスクマネーを出していました。そのため、すぐに収益化できないモデルや実績のない若者にはお金が集まりづらかったのです。しかし、仮想通貨のICOが生まれてからは、アイデアマンが自分でリスクマネーを出せるようになりました。起業の一円みたいに、こうしてチャレンジし易い環境が整えば一気にイノベーターが活躍できる社会となるのでしょうか。


#ニューエコノミー
佐藤さんいわく、テクノロジーによって経済は、作る対象になるそうです。テクノロジーの変化は点でなく線。どんな課題を解決するのかその仕組みを考えようと始まり、経済は今後どう進化するのか、書かれていました。これまで経済は、中央集権で守られていて、何をするにしても代理店や代理人を利用することが常でした。しかし今は、ダイレクトに繋がれる社会となりましたね。そのため、仲介をする人や組織が必要なくなるのでは、そしてこれから来るのが、シェアリングエコノミーとトークンエコノミー、インフルエンサーの評価経済だと書かれていました。シェアリングエコノミーは、ネットワーク社会と代理人社会を混ぜたモデルで、AirbnbやUber、クラウドワークスなどもう馴染みの深いものだからイメージし易いですね。インフルエンサーの評価経済も、いいね!!や、アクティブなフォロワーの数が価値に変わってきたのはもうほとんどの人が気づいている事実だと思います。本書で事例としてあげられていたZhang Dayi(張大奕)氏というインフルエンサーは、元々はファッションモデルとショップを展開する、一介の女性モデルだったのですが、メディアをうまく使いこなし、タオバオでの2時間のライブ配信には50万人近くを集めたり、その集客力を生かし食品等のPRにも引っ張りだことありました。今の技術でも、もう十分個人で事業体を築けるレベルにまで来ているのですね。さて、僕が本書で面白いと思ったのが、トークンエコノミーの話でした。オンラインサロンや楽天ポイント、TSUTAYAポイントはもう馴染みの深いものですが、本書では、トークンは国家の縮小版だという切り口から、トークンエコノミーには増えれば増えるほど経済圏そのものの価値が高まるネットワークの効果があると書かれていました。独自経済圏を築けるトークンですが、拡大させ続けられれば、国を築くことも可能とのことで、ワクワクが止まらない内容でした。起業家ではなく、起国家の時代なのかなぁ〜。


#労働と対価
お金と労働についてその進化の歴史が面白かったです。僕は最近、マルクスの「賃労働と資本」を読んだのですが、そこでも同じ様なことが書かれていました。結論からいうと、お金の本来のツールとしての使われ方から、価値が一人歩きしているのが現代の資本主義という話でした。お金とはそもそも、物々交換の不便さを補う仕組みでした。昔は綺麗な貝殻に貨幣価値があったみたいなあれです。本書を読んで面白かったのは、昔は宗教や身分が先行し、金はあまり機能しなかったという話でした。金よりも地位や信仰にこそ価値があったのです。しかし自由主義的革命が起こり、さらにはテクノロジーの進化で農業から工業に産業がシフトしました。そこで、労働と対価という概念が生まれたのだといいます。マルクスの本でも、人類はそもそも農耕だけすればよかったのに、工業化し資本家が生まれて金のために働く人ばかりになってしまったと書かれていました。人類は自分からお金に縛られに行くような成長を遂げたのですね。これは感慨深い話だったなぁ。


#ミレニアル世代の価値観
本書で何度か書かれている価値の変化ですが、これが著しく変わったのは1990年代以降の世代、ミレニアル世代からだそうです。ミレニアル世代以前は、まだ高度経済成長期で貧しいところからのスタートでした。欠けているものを満たすことが、価値だったのです。そのため、車が買いたい。女を抱きたい。家が欲しい。などと、欲望もシンプルで、何よりほぼほぼ金で解決できる物欲を満たすことがメインの価値観でした。しかしミレニアル世代は、物欲がかなり満たされているため、人生の意義を見つけることが大事な世代になりました。ミレニアル世代以降は、経済的利益よりも自己満足の方が大事になってきていますね。特に若い世代には、お金は欲しいし物欲もあるけれど、金ではどうしようもできない価値がどんどん生まれてきています。これからは、価値観を作れる人が上にいくそうです。究極的に言えばオタクが世界を作っていくのだそうです。ファンマーケティング的な話でしたが、一人でこんもり楽しむのではなく、他人に思わず伝えたくなるぐらいの熱量が価値になっていて、経済もそういう人の方がうまく回るようになったと書かれていました。


#ミレニアル世代の購買行動
本書とは少しずれてしまうのですが、ミレニアル世代の購買行動について、僕の体験談を書きます。僕は最近、友人と旅行に行きました。僕も友達もメガネユーザーなのですが、たまたま二人ともJiNSのメガネでした。今週、僕がJiNSでメガネを買ったのですが、そのことについて、友達との会話でハっとさせられることがありました。僕も友人も、学生時代からJiNSで買っていたのですが、二人とも「なんとなくJiNSの店員さんの雰囲気が好き」という共通点がありました。他のメガネチェーンをdisるわけではないのですが、JiNSの店員さんは、「とにかくメガネが好き!」という感じが出ていて、ただただメガネの良さを広めたいという感じがするのです。JiNSは、ショップ店員さんではあるものの、仲のいい先輩にメガネを選んで貰っている感覚になります。二人とも、メガネを買うというより、JiNSでどれを買うかみたいな考え方になるよねという話をしました。JiNSはどの店舗でも押し売りをされたり、店員さんが服屋みたいに話しかけてこないから、商品選びの際に気分がリラックスできるだけなんだと思うのですが、友人はJiNSのショップ店員さんについて「あぁいう人からついつい買っちゃうんだよね〜。」と言っていました。ミレニアル世代の購買活動は、商品の品質とかよりセールスマンの面白さとか、そういうエンタメ要素がトリガーになるのかなぁと思いました。


#役職の名前より人の価値
本書では、お給料の話から派生して、これからの仕事や働き方についても書かれていました。内容としては、これからの仕事や評価は、枠組み内での争いから、枠組みを作れるかどうかに変わるとのことでした。仕事でもブルーオーシャン戦略になるのですね。本書では、これからの企業体では役職に意味がなくなり、個人の実力が大事になると書かれていました。今の社会、特に伝統ある日本企業だと、職位に重きが置かれがちです。部長という職は確かに凄いのですが、その部長が転職したら次の部長が凄いと言われます。そして、部長だった人は、職を辞めてしまうと肩書き以外の価値がなくなるのです。


#ブルーオーシャン戦略でキャリア形成
争わない、自分の枠を作るブルーオーシャン戦略には、僕も学生時代と社会人になってからお世話になりました。学生時代は、バンド活動のチケット売りでお世話になりました。僕は学生時代に他大学の友達とバンドを組んでいたのですが、黒字経営がしたくて、集客基盤を築く施策をいくつか試していました。その中でかなり安定したキャッシュの流入を生んでくれたのが、オタ芸とのコラボと、地道な営業活動でした。オタ芸を打てる人にステージに出てもらい、自分たちはV系バンド曲を演奏しつつ観客にはオタ芸を打ってもらうというスタイルが、「楽しい」と口コミで広がり、自分たちも毎回普通のバンドがやらない顧客アンケートを繰り返して演奏を改善、リピート客を増やす努力をしていました。他者と争わない戦略のいいところは、とにかく他者と協力関係が築きやすいところでした。音楽もロックだけでなく、ジャズとコラボしたり、果てはお笑いイベントでも演奏させてもらえるようになりました。社会人になってからのブルーオーシャン戦略については、今も続いています。僕の入社した16年度は、かなりできる人の集まっていた代でした。そして運悪く!?、少人数だからと選んだサーバーサイドの部隊で一緒に仕事をした同期が、とてつもなく頭のきれる人でした。自分も半年間、自分なりに努力を続けていましたが、新卒一年目にして部隊を率いる、同期の圧倒的な活躍を見て、「ここまで頭がいい奴とレギュラー争いは無理」と見切りをつけました。そして、誰も手を出していない枠を作ってそこで頑張ろうと思いました。そこで見つけたのが社内でほぼ誰もやっていない派遣事業、客先常駐の仕事でした。責任のない新卒一年目なら、何をやってもOK。そう考えて僕は、新卒8ヶ月目で自分でテレアポをして一人で客先常駐の案件を始めました。かなりリスキーな手段だと、社内でも騒動になっていましたが、結果としてこの働き方が僕の今の支えになってくれています。サーバサイドの対顧客案件ではダントツNo.1になれて、チャレンジングな仕事こそ真っ先に声がかかるようになりました。争う人がいなければ、そこでダントツNo.1になれます。大事な仕事が一番早く来るようになります。何故なら元から一人だからなのですが、、。。どんな分野であれ、やり方であれ、ダントツNo.1になれば、真っ先に思い浮かぶ存在になれます。だから、無茶なレベルの仕事でも真っ先に声が掛かります。僕は、最近までこの後者の効果には気がついていなかったのですが、難しい仕事に常にチャレンジできる環境が作れたこと。これが大事だったのですね。


#時間が通貨になる
本書では、メタップスのサービス「タイムバンク」についても解説されていました。タイムバンクは、SNSアカウントを分析し、個人の影響力を算出。個人の時間に時価総額をつけて売買できる取引所です。佐藤さんがこの事業を始めたのは、これからは時間が通貨になるという考えからでした。これがまた、にわかファンには面白かったです。ベーシックインカムや仮想通貨の発達でお金がコモディティ化されると、次は時間が通貨になるのではと語られていました。メタップスでは、時間や空間も本来ただのデータでしかないという考えから、保存できず、自然消滅し、尚且つ不確実性で個人の実力に大きく効果を変化させる「時間」に目をつけたそうです。時間もデータという考え方や、SNSから個人の攻撃力を算出する仕組みとかうまくまとめられませんがめちゃくちゃ面白い話でした。とりあえず、タイムバンクのアプリ入れておきました。自分の時間時価総額あげるぞ〜。


#崩壊するのは国家の枠組み
テクノロジーの発達により、10年後には国家という枠組みが終わるそうです。国が行なっていることのほとんどはかなり自動化できると書かれていました。国家がなくなるというより、国家と共依存で、今や国家を支える側になったお金がテクノロジーにより独立できるようになったというのが正しいかもしれません。お金は、国家が発行し、国の信頼を得た商品引換券でした。お金が機能を果たす一番の保証は、国だったのですが、今や様々な企業体が自力でお金を発行するようになったのに合わせて、スマートコントラクトという、ブロックチェーン状の約束事みたいな仕組みの登場で、保証の面でも今の手作業の国家運営よりはるかに品質の高いものとなっています。さらには、国が運営している警備保障に関してもドローンやロボットが担当するようになるとも書かれていました。実際にSkype発祥の地、エストニアは電子国家とも言われており、99%の行政サービスが電子化されているそうです。エストニアでは、国民データがあれば、国家は機能できるという考えから、「国家に領土は必要ない」とまで主張しているそうです。エストニアは侵略されたり、電子ハックを食らったりしがちなその歴史から、領土が占領されたり、大災害に遭った場合も機能できる政府を理想とし、アプリケーションとしての政府の構築に邁進しています。インターネット上に政府を作ることで、国民がいつでも国にアクセスでき、政府も機能を継続することができます。凄い世界になったもんだ。


#現実も選ぶ世界の一つ
100年後には、現実が終わり、現実も選ぶ世界の一つになるとのことでした。僕はこの話が一番面白いと思いました。テクノロジーの発達で、労働とお金から解放された人は、まず暇になります。暇になった人は、いかに精神的に充実するかを大事に生きることになるのですが、そこで発達する産業がエンタメです。エンタメが全人類の主な産業になるのです。さらに、テクノロジー面でも、BMI(ブレインマシンインターフェース)という脳波等の検出や脳への刺激により、脳とコンピュータを繋ぐインタフェースの技術が今後もっと進歩し、AR.VRで超えられなかった感覚への知見も増やせば、もう完全に現実を作れてしまうとの話でした。さらに現代でも、若い子はインスタが現実で、現実をインスタ素材作りのために過ごしている人も居ますよね。instaのために出かけたり。そういう人はもう、脳のアップデートが進み、肉体をデバイス化し始めているのです。こういう話が、僕は大好きなのですが、本当に本書を読めて良かったです。まだ、今は株を自分でお小遣いから始めて楽しんでいる程度で、「お金2.0」を読んでも、現実は終わるらしい!!!とかって騒いでいるだけです。本書は本当に面白かった。もっと金融や経済について、実践を通して勉強していきたいと思いました。


佐藤航陽のブログ
#持続的に発展する経済システムの作り方を考えてみる 
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お疲れ様です。

本日は、羽生名人の「結果を出し続けるために」を読みました。本書を読んだのは、僕自身が将棋好きだったのと、羽生名人のファンだからです。本書では、勝負し羽生名人が結果を出し続けられている、その基礎となるお考えが学べました。


#努力の勝負勘
羽生名人の本には、勝負の現場での打ち手について以外にも、日々の習慣についても書かれていました。羽生名人いわく、現場での勝負勘とは別に、日々の習慣努力に関することにも、勘というものが存在するそうです。まぁ何かしら勉強したり、スポーツでトレーニングをしている時もなんとなく「これ今のやり方 or 種目は違うかも。。。」「あ、これはできるようになるな」みたいなのを感じる時ってありますよね。そんな感じのことを、羽生名人は努力の勝負勘と定義していました。そして、羽生名人曰く、努力の勝負勘というのは、努力と達成感を得続けることで、伸ばせるものなのだそうです。努力を続けることで、自分自身が思考するサイクルも格段に高まり、知識を知恵に変える習慣がつくからとのことでした。そして、努力論に関して、羽生名人は、いかに苦手を作らないかが大事と語っていました。苦手からは、決して逃げられないからだそうです。苦手にこそ、向かい打つ精神で努力し続けようと語られていました。


#プレッシャーの正体
本書では、プレッシャーに強い弱いという話についても言及されていました。羽生名人曰く、プレッシャーを感じる時は、ギリギリ勝てる局面なのだそうです。ギリギリで勝てる場合と、負ける場合を想定してしまうから、緊張してしまうとかかれていました。そうなんだ〜。


#常に不利な状況のシミュレーション
羽生名人が強いのは、勝つ一手ではなく常に不利の対策のみシミュレーションしているからだと語られていました。そのため、羽生名人はやたらと負の局面で返しがうまい。攻め込めそうなのに読めないという不気味さがあり、そのイメージのおかげで、本当に不味い場面でもあまりぐいぐい攻め込まれていないとのことです。駆け引きの局面で、羽生名人が使っているのが、「◯◯さんだったらどういう手を打つだろう」と仮定する他力思考と、それに合わせて、相手に先に喋らせる策を打っていると語っておられました。相手に先に喋らせる策は、本当に凄いと思いました。拮抗状態の時、あえて何も意味のない手を打つことにより、相手に先手を取らせてそこから策を予測するというものです。相手に先に喋らせるのは、策を読むことができる分、先手を取られてしまうのですが、対策が練れてカウンターをお見舞いできるとのことでした。緊張の駆け引きの時に、敵に先手を打たせる。これはもう度胸がないとできない施策ですね。チキンレース…。


#攻め込み過ぎない
羽生名人といえば大局観で有名ですね。スポーツでも勉強でも仕事でも言われている、視座を高く要点を見つけるというやつです。羽生名人は、返り討ちに合わないために、どれだけ優位な状況でも攻め込みすぎず、常にトラップを探し続ける習慣を持っていると言います。それが、将棋界ではよく言われている言い伝えのような言葉を、「香車の位置を確認しろ」というものです。プログラミングをしていたり、営業の提案書を作っている時も、ついつい視野が狭くなったり自分本位になったりしがちです。香車の位置を確認する視座の高さを持って、仕事に挑もうと本書を読んで思いました。


#プロとアマの違い
最後に、プロとアマの違いについても書かれていました。これは単純で、やりたいだけ局面だけでやっているのがアマ、つまらなくても結果を出す一手を打つのがプロとのことでした。プロの世界では、正々堂々以外に、相手の手を読んで封じ続ける手も必須になって来ます。こういう地味な手はつまらないもので、アマの人は打たないものなのだそうです。この一手に神経を使えるかどうかが、プロとアマの違いを分けるんだと語られていました。仕事もそうですね、やりたいことだけやる人だと、辛い局面で逃げてしまう。結果を出し続けるための思想が学べました。

以上です、よろしくお願いします。


「羽生善治×井山裕太」ダブルインタビュー 前人未到の世界を語る | NHK クローズアップ現代    

「ニュース シブ5時」羽生善治三冠×松井玲奈さん対談 | NHKアニメワールド 3月のライオン 10月4日放送【ニュースシブ5時】「特集」で放送した対談「3月のライオンの世界」の未公開分トークもあわせて公開! 

羽生善治三冠インタビュー「親の期待がなかったから強くなれた」 | 気になるあの人の才能の磨き方 | ダイヤモンド・オンライン 

「知識と経験を捨てろ」羽生善治が語る30代・40代の“強み”の活かし方 

お疲れ様です。

本日は、侍ハードラー 為末大さんの、「インベストメントハードラー」を読みました。この本を読んだのは、為末さんが、Jリーグの理事に就任したり、NewsPicksでも芸能人のように活動なさっていたりと話題だったから、考えを知りたいと思ったからです。僕自身、中学高校生の頃、陸上部を兼部でやっていた時期がありました。為末さんのトレーニングについても、雑誌で読んだことがあるのですが、今回は、仕事や投資の面での本ということもあり、社会人になったからこそ面白いな、勉強になる本でした。


#学生時代に凄いなと思った話
為末さんは400mハードルで世界3位の成績を持つ選手です。400mハードルはスプリントもさることながら、その距離やハードルもあり、陸上競技の世界では、トラック一番過酷な種目とされています。筋力もスタミナも限界値まで使ってしまうので、もはや身体に良くない競技です。僕は中学高校生の頃、野球と合わせて200mの競技にも出場していたのですが、中学生時代の頃に読んだ為末さんのトレーニングが凄かったです。為末さん曰く、400mハードルはラスト50mとなるともうほぼ酸欠等で意識が無いそうです。だからこそ、意識がなくなってからのラスト50mでどれだけ競り勝てるかが大事で、そのために練習しているんだと語られていました。世界と戦って行く中で、身体のポテンシャルで外人に劣る分技術と第六感まで伸ばして、世界レベルに到達したという話が本当にカッコよかったです。。


#プロとサラリーマン
さて、今回読んだ本書では、為末さんの投資ノウハウについてだけでなく、為末さんが何故プロアスリートとなったのか、なぜ投資活動を始めるようになったのかも書かれていました。為末さんは、一度大阪ガスに就職し、部活動という形でサラリーマン兼スポーツ選手の活動をしていました。しかし、海外の試合に出て、海外のプロのスポーツ選手と関わる中で、この恵まれ過ぎているサラリーマン制度は、緊張感を欠いてしまうのではないか、身一つで稼いでいけないとプロスポーツ選手とは言えないのでは無いかと疑問に思うようになったそうです。実際に、海外のスポーツ選手は、レースのスポンサーフィーだけで生活し、試合の結果が収入源という生活をしているのだそうです。海外の試合に出るには、だいたいどの選手もフリーのエージェントと契約して、賞金の数%と引き換えに試合を取り付けて貰うそうです。実際に海外の選手は、生活がかかっている分、練習にもしびやで、上昇を目指すなんて当たり前、勝たなければ何も始まらないという考えで生きているそうです。この上昇志向は、僕自身、客先常駐の仕事を一人で進める中で出会うフリーランスの人達から学びました。フリーランスのエンジニアの方々は、成果を出してこそ生活ができるため、とにかく知識に貪欲で、プロジェクトもぐいぐい進めていってしまう推進力があるのです。僕も同じく一人で働いてはいますが、所詮はどこそこの会社の新卒3年目らしいということで後輩扱いをして頂いてしまいます。年上の方々から教えていただけることは計り知れないのですが、良くも悪くも守られてしまっている感じはずっとしています。フリーで腕一本で生きている方々は本当に凄い人ばかりです。

 > 武士は犬ともいへ、畜生ともいへ、勝つ事が本にて候


#ものの価値とは
本書では、導入部分で、お金とものの価値の関係について語られていました。ものの価値とは、求める人が多いか少ないか、ほぼそれだけで決まるそうです。そして、今回本書を読んでいて、勉強になったのは、為末さんが語っていた価値のつき方についてです。株なんかは価値が上下する代名詞みたいなイメージですが、為末さん曰く、ものの価値というのは、必ず本来の価値に戻るのが常なのだそうです。これを為末さんが実感したのは、とある電機メーカーの不祥事と当時の株価の動きを生で見た経験からとのことでした。ある電機メーカーが、不祥事を起こした際、株価がガクンと下がったそうです。しかし、以前から評判も良く、強いスポーツクラブも持っていたことから、為末さんはスポーツ選手仲間を誘い、株を買ってわずかながら助力しようとしたそうです。電機メーカーはすぐに株価も元に戻ったのですが、この時に株を買っていた為末さんと仲間の方々は大勝ちをしました。蓋を開けてみれば、電機メーカーは不祥事さえ起こしてしまったものの、売り上げ等はそもそも落ちていなかったのです。この電機メーカーの株の上下を見ていた経緯から、物事は本来の価値そのままの姿になると思うようになったと語られていました。


#知識をつけるときに大事なこと
本書では、見識を広げる際に意識した方がいいことも書かれていました。株関係なく、スポーツでもなんでも一つの方向にだけに傾倒するのはよくないそうです。これは特化することを否定するわけではなく、様々な方面から物事を捉えた上で行動しようという話でした。例えば、為末さんは、アメリカでウェイトトレーニングをきっちりやったのですが、その後、体が重くなり絶不腸になったことがあるそうです。人の体は、パワーのある力を支える筋肉と、瞬発力を出す筋肉の二種類があるのですが、アメリカでトレーニングをした際は、パワーのある筋肉ばかり鍛えてしまったため、初速のスタートダッシュこそ伸びたものの、全体のバランスを崩してしまったそうです。以来、何か物事を学ぶ際は必ずいい面悪い面とか、別の視点を取り入れて本を読んだり調べたりするようになったとのことでした。話はちがうのですが、アメリカでのトレーニングで鍛え過ぎてしまったあと、肉体に合わせて日本人の精神にも精通しようと読んだ、宮本武蔵の「五輪書」がよかったそうです。宮本武蔵の武術の本からは、リズムの大切さを学び、自分の走りのリズムや、初速先行型の自分の走りに合わせた抜かれにくいリズム感の走り方を体得できたそうです。抜かれない走り方、そんなのもあるんだなぁ。。。



#タイの投資について
最近はもうほとんどの人が気づいていることですが、日本円は変動するし、日本銀行券はそもそもそんなに安定したものではありません。本書では、タイへの投資の話が詳しく書かれていて、外国為替や発展途上国への投資について詳しく学べました。もう現代では、タイは日本も抜いちゃいそうというか、日本がもう先進国と言えるレベルか怪しくなってしまっていますが、、、。本書に書かれていたのは、為末さんが、タイに遠征へ行った10年くらい前の際の話です。タイでの遠征の際、APFという日本人が会長を勤めるファンドと出会うのですが、そこでタイの可能性を学んだと書かれていました。タイは、国そのものが急成長している分、預金だけで年5%あり、なにより、まだ日本円の価値が高く、色々と投資活動ができたとのことでした。本書では、為末さんがビルの建設に関わり、資産を数十倍にした話が書かれていました。タイでの投資なんて怪しいと思われがちですが、振り返ってみれば、「誰もやらないからこそチャンスがあった。」のだと語られていました。それに、日本円でまとまった金額はタイでは大金なのです。そのため、日本でそこそこな金額でも、タイへ出資すると、タイの事業は一気に資金が潤い、成長しその結果、全員がハッピーになれるとのことでした。本項目では、日本円にこだわる必要のなさを改めて確信しました。


#投資をするなら
本書の時点ではタイで投資活動をしている為末さん曰く、これからもしお金もふんだんに持っている人が投資活動をしていくなら、発展途上国に投資をすること、そして理想はその国の各業種に一社ずつ投資していくといいとのことでした。国が成長する中で、どの産業にも投資をしていると、どれかが当たることもありますし、何より、国自体が成長傾向にあるならまず損はしないからとのことでした。


#スポーツスタジアムのUI/UX
最後に、本ブログを書くにあたって、為末さんのインタビューが掲載されているWebも色々徘徊してみたのですが、これはと思ったものを書かせて頂きます。今回の投資の話をは違うのですが、為末さんは日本をスポーツ大国にするにはどうしたら良いかという質問に対し、もっとスポーツスタジアムのUI/UXを改善した方がいいと語っていました。海外で活動をし続けていた為末さん曰く、日本の競技場は、世界でも一番使いにくいと語っていました。日本のスタジアムはセキュリティこそ良いものの、入場手続きも面倒で、しかも町から外れた地の果てにあります。日常風景と外れたところにスタジアムがあることが、日本をスポーツから離してしまっている原因なのではと語られていました。例えば、海外のスポーツスタジアムでは、スタジアム内に病院やスーパーがあったり、スタジアムの周りに学校や公共施設が建っているそうです。朝から練習していても、周囲の学校の体育の授業がスタジアムであったり、昼にはお子さんを連れてお母さんがランチを食べに来ていたり、夜はオッサン達がサッカーをしてはビールを飲んだりと、街にスポーツ空間が溶け込んでいるそうです。僕自身、将来はイベントの事業を起こしたいと思っています。そんな時に、是非ハードウェアとして、スタジアムを手に入れたいと思っているのですが、こういった町に合う作り方もいいですね。スタジアムは使い方がまだまだあるはず、近くに銭湯を立てたりとか、電光掲示板のスクリーンで巨大映画館とか。色々ありものだけでもやれることは多いです。

ビットコインとか、始めたいなぁ〜と思いました。
以上です、よろしくお願いします。


オフィシャルサイト

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