お疲れ様です。
本日は、倉科遼さんの「女帝」を読みました。本書は、経沢香保子さんの読書の本「経沢香保子の夢を叶える読書術」でおすすめされていたからです。「女帝」は、一回の社会人として、キャリアについて学べた一冊でした。本書のストーリーは、とにかく人を惹きつける主人公が、家庭を捨て現在 政界の権力者への道を邁進している父に復習するため、クラブのホステス、クラブ経営者のママとして、女帝の道を駆け上がるサクセスストーリーです。ホステスとして、腕一本でのし上がる前半と、経営者としてクラブの経営に四苦八苦する後半とで、主人公がぐんぐん成長していく姿からは、20代の若い内にこそ学べることが多くて良かったです。女帝は、もうドラマ化もされているので、ストーリー要約とかはいいかなと思います。本書では、自分が勉強になったことについて書かせて頂きます。女帝には関係ないのですが、僕は毎日、漫画一冊とアニメ1話、AmazonPrimeのドラマ1話を見るようにしています。これは、雑談ネタ補充のためなのですが、女帝はその中の一冊でした。この習慣めっちゃいいです。
#武器の使い処
本書では、一巻に一回ぐらいエロシーンがあるのですが、たまにセックス中にめちゃくちゃ真剣な会話があったりします。僕が本書に引き込まれたのは、主人公彩香が処女を捨てるシーンでした。エロシーンとしてではなく、その道程が面白かったです。夜の街のNo.1 女帝を目指す際の第一歩はミナミのクラブでした。そしてホステスとしてまず何よりも大事なのがお客を掴むことでした。主人公 彩香は、女帝に成り上がるため、まず太い客から先に見つけようという作戦にでます。大阪ミナミには、ミナミの妖怪とわれる実業家のおじいさん(美濃村社長)が居ました。ミナミでは、美濃村社長を捕まえると店の売り上げは0が一つ上がると言われている大物でした。主人公 彩香がこの美濃村社長を捕まえる話がめちゃくちゃ良かったです。新米ホステスなのに、いきなり美濃村社長の席に着き、「三回チャンスを下さい。三回で美濃村社長を捕まえます。」と本人に宣言するのです。そして、プロファイリングをして得ていた、美濃村社長の過去の情報から貧しい生まれであることと、自身の境遇をうまくマッチさせ、同伴にお呼ばれします。クラブで不幸話をするなどご法度ですが、これが刺さらねばそれまでと、覚悟を決めて挑むシーンがかっこよかったです。そして、2回目の同伴の日、彩香は自身のバージンを美濃村社長に捧げます。このシーンまで、いくつかエロシーンになりかけたり、犯されかけたりするシーンがあるのですが、彩香は何があってもバージンを守っていました。しかしそれは純真の意味ではなく、人生の切り札として使うためのものだったのです。彩香は、女帝の道への第一歩、"太客を捕まえる”ために、女の子にとっては大事なバージンをツールとして使いました。そして見事、その意気を認められ、美濃村社長を捕まえるのです。この話には痺れました。幻冬舎 見城さんの本で初めて学んだ人生の切り札(キラーカード)ですが、見城さんもキラーカードは使うタイミングが全てだと語っていました。彩香はキラーカードを、時価総額が高くなるまで温存した。そして、ここぞという時に出した。その覚悟と見切りの良さがめちゃくちゃカッコよかったです。そして、このバージンを卒業するタイミングで彩香が考えていたこともよかったです。「最初に醜い男とやっておけばあとが楽だ。」、先に苦労をしておくこの思考回路も成功者のそれです。感服致しました。
#中長期的利益を得る思考
美濃村社長は、大体全編通して話に関わってくるキーマンなのですが、バージンを捧げたその日の会話もまたよかったです。美濃村社長は、彩香が自分の金目当てだということは知っていました。しかし、金のためにここまで人生をかけられる若者はそうそういません。そこが気に入り、パトロンを申し出ます。しかし、彩香は、月数百万数千万の支援をしてやると言う美濃村社長の話を断ります。パトロンにはなってくださいと、しかし個人的な支援は要りません。店に来て売り上げを私に下さい。というのです。金がいらないホステスとは、面白い。これまた美濃村社長が彩香を気にいる話でした。この支援を断った彩香の考えもまた勉強になりました。自分個人の利益は後でいくらでも回収できると踏んで、自分を取り巻く環境を育てる思想。中々できるものではありません。目標と結果への意識の強さが、どれだけ大切か学びました。
#太客は諸刃の剣
美濃村社長関係の話はまだまだあります。というか、僕は女帝は序盤がめっちゃ好きなのです…。太客 美濃村社長を手に入れたはいいものの、彩香はヤクザの彼氏から一つ指摘を受けます。それは、太客は諸刃の剣であること、もし美濃村社長に切られたらお終いな上に、太客に依存すると、新たなお客が着かなくなることでした。太客が居ると、どうしても他の客よりも優先してしまうものです。そして、嫉妬も食らいます。女帝は女性社会の漫画だっただけに、嫉妬の怖さもリアルに書かれていました。活躍して頑張るだけでなく、周囲に嫌われないことも大事なのですね。太客だけでなく、周囲の方々に、特別感を出しつつ仕事を進める術について、彩香が四苦八苦しつつ成長していく姿が良かったです。
#思い込みの怖さ
本書は水商売の漫画だけあって、人を見る目も技術だと、そしてその技術がいかに大事か書かれていました。本書は本当に、第一印象や思い込みで人を判断するなという教訓みたいなのが多かった印象です。ある日、クラブにITベンチャー企業の若手社員がやって来る話があって、この話が勉強になりました。このお客さんには、その店でのライバルと対応するのですが、短期的な視点しかないライバルは、このお客に対してさっさと帰れという態度をとります。しかし、彩香は丁寧に対応しました。彩香は、根っからいい人で礼儀正しいため、素で丁寧に接していた部分もありましたが、きっちり水商売の人として、人を見抜いていました。お店に来ていた若手社員は、クラブで値切りをしてきたり、安い酒しか頼まなかったりと言動こそ貧乏で背伸びした若者という印象を頂かせましたが、スーツはいいブランドだったり、靴やカバンが綺麗に手入れされていたりと、社会人としてのマナーがなっていたのです。彩香は、この若手社員に対し「今は金がないといっているけど、大物になるかもしれない」、「もしかしたら今も金持ちなのでは?」と推測し、わざと丁寧な対応をしていたのです。すると、その予想は的中、ITベンチャーの社長が現れ、贔屓の店にすると宣言しました。金のない若手社員を演じていた人達も、本当は役職付きだったのです。その実は、バブル後でもぐんぐん伸びているベンチャー企業で、社員教育ができるクラブを探していたのでした。この話からは、現時点の能力は度外視で、どこまでポテンシャルに期待できるかが大事と学びました。思い込みの怖さ、これは、僕自身が社会人になって部下を一人育てて感じました。さらには、僕自身も落ちこぼれ社員でしたので余計にです。若い内なんてどうなるか本当にわかりません。現に僕が育てた後輩は、入社当初はできない子レッテルを貼られていましたが、僕の下について、宿題形式で課題を出していった結果、たった一人で一部上場企業の仕事を、バイネームで引っ張ってくる子に成長しました。僕の下について半年も経っていません。人がここまで急速に成長するとは、と、僕自身も怖くなってしまう出来事でした。
#ライバルが居てこその成長
彩香は人に恵まれるのですが、特に経営者であるママに恵まれます。常に社員を第一に考え、教育育成の観点を持っているママの元に着けるのです。どの店でもママは彩香の人生に革新的なアドバイスや問いを投げてくれるのですが、ママがわざとライバル同士で争わせる環境を作っているその意図が良かったです。ことスポーツの世界では、安定感はスランプより怖いとよく言われていますね。同じ1週間でも、気を抜いて過ごすのか、全力を出すかで全然違ってきます。ライバルと争わせるこの話での教訓は多くて書ききれないぐらいですが、正々堂々真っ向勝負でいくことの大事さを学びました。彩香のライバルは、卑怯で歪んでいるタイプでした。しかも一度、店を裏切って客を連れて出て行ったことすらある子でした。どうみてもまだ改心していない、そんな子でも再度雇うママ。それは、彼女のエネルギーと、経営者として、店を刺激するための施策でした。ママはライバルとの競争でもういくつも教訓を残してくれました。エピソードを書いてしまうと終わりがないので、ここはいいなと思ったことを箇条書きで…。
>「人を蹴落とす人は、そこが限界点。」
>「掛け値無しのサービスが、長期利益になる。」
>「嫌いな客から、いくら金を取れるか。」
>「敵とどこまで協力できるか、本人の器が現れるのはその場面」
#信頼できる懐の深さ
本書では、ボーイさんからも学ぶことが多かったです。彩香の旦那さんになる人 進藤さんや、彼氏で暴力団 組長のナオトさんから学ぶことは多かったです。二人は、義理人情恩返しに生きる野心家でした。進藤さんは、会社が倒産しやけになっていた時、とあるママに拾って頂き、以来ママを女帝にしたいと黒服の道を歩みます。金にものを言わせ、ホステスや黒服の強引な引き抜きが横行する中でも、進藤さんだけは一人だけ反対。その後、ママの後任となる彩香を女帝にするため助けてくれる存在となります。ナオトさんは、ヤクザ社会で帝王になるため、鉄砲玉を志願、ぐんぐん成長する中、自分がヤクザだけに他の組の人をお客に持つ彩香とは、公な接触は控える潔さもみせます。しかも、いざという時にいつも助けてくれるのが、ナオトさんでした。本当にかっこいい兄貴二人の存在がよかったです。本ブログでは、進藤さんについて書きます。進藤さんは黒服として、表舞台にはそんなに出てこないのですが、仕事への考え方が良かったです。進藤さんいわく、ホステスが活躍できるのは、ボーイの裁量で決まるのだそうです。いかにホステスが活躍しやすい雰囲気を作っていくかを大事にし、そしてホステスが来るまで客を飽きさせないよう努力する描写が良かったです。黒服が客を繋いでいる、黒服あってのホステス。この考えは、本当に大事だと思いました。凄いマネージャの人は、本当に上手く人を動かすからなぁ...。
#若手を卒業した後でも
本書は、キャリア観についても存分に学べる漫画でした。彩香は、持ち前の人を引き寄せる性格で一気に駆け上がっていくのですが、物語中盤からは、駆け出しの技が通用しなくなり。その人気も今だけだ、勢いだけと揶揄されたり場面も少なくありません。スランプに入ってしまった彩香に、先輩ホステスは、「若いうちは今の勢いでいけばいいけど、そこからどうするの?」と尋ねます。そこでの疑問から、彩香は自分の将来ビジョンとなすべきことなさなくていいことをどんどん考えられるようになるのですが、自分がどうなりたいのか、キャリアビジョンを若い内に考えておくことの大切さを痛感させられました。僕自身、今は若手で勢いで仕事を進めることばかりです。若くて勢いがあるから気に入ってくださるお客さんや、気にかけてくれる先輩上司がいる訳ですが、友人からも「5年たったあと、30歳超えたらどうするの?」とかよく聞かれて詰まってしまうこともしばしばです。本書を読んで、今のステータスに依存しないずっと使える自分の武器をいくつか手に入れておかなければと思うようになりました。今は目の前の仕事で結果を出すしかないのですが、将来やりたいスポーツ、イベント産業での仕事に向けて、どんどん身になるスキルもつけていきたいと思います。今はまず、自分で会社にこれまでなかった思想で部隊を作ることを任されています。結果を出せるよう頑張ろうと思います。
以上です、よろしくお願いします。
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