2016年11月01日
沖縄でPA展に参加してきました。
沖縄県でPhoto is heart. Art is heart.展(以下、PA展)に参加してきました。
2016年10月25日(火)〜10月30日(日)
沖縄県那覇市の沖縄県立博物館・美術館県民ギャラリーでPA展が開催されました。
今回で9回目を迎えたPA展。
過去のPA展と決定的に違う点がありました。
それはPA展のリーダーである新里龍太氏の不在。
実は2016年6月、龍太氏は天国へと旅立ちました。
過去にこのブログでも記事にしたことがあるかと記憶していますが、彼は先天性の筋ジストロフィー症を抱えていました。
筋ジストロフィー症とは筋肉が徐々に萎縮し身体を動かせなくなってしまう障害です。
進行性の障害でいままでに筋ジストロフィー症が治る治療というのは発見されていないそうです。
PA展は障害者と健常者がアートを通じて垣根や偏見なく繋がろうというコンセプトの元に開催されている展示会です。
今回は龍太氏の追悼の意味もあり龍太氏の作品を中心とした展示内容となりました。

沖縄の空を飛ぶのは何度目か、たまたまですがニライカライの方角から飛行機で天降りをしてまいりました。
今回の沖縄滞在中はずっと天気がよく、到着時は30度を超える暑い日でした。

過去のPA展の大半をこの沖縄県立博物館・美術館で行っています。
いつもの見慣れた風景に沖縄に来たのだな・・・と感じます。

県民ギャラリーのPA展会場前に受付を設置してお客さんを迎えます。
この風船もいつもどおり、数字の数だけが増えています。

今回のPA展会場は3つに分かれています。
1つ目の部屋は亡くなった新里龍太氏の作品を展示。

2つ目の部屋から他の出展者の作品が並びます。

3つ目の部屋にも出展者の作品と映写機が。
今回は生前の龍太氏の姿を映した映像も流れていて、多くの人が目頭を熱くしました。

1つ目の部屋に戻ります。
新里龍太氏の作品と生前利用していた車椅子が展示されました。
龍太氏はイルカ好きだったとのことで絵が多かったです。
大きな海を自由に泳ぐ姿が描かれた作品、深い青と空の光に照らされたイルカがとても印象的な作品たちです。

他にも龍太氏の出身地である久米島の美しい自然が描かれた作品がたくさん展示されていました。
写真はタチジャミという大きな岩の作品。

それにミーフガーというこれも大きな岩です。
久米島に人が住むよりもはるかに昔から存在するこれらの自然は神として崇められてきました。
美しい自然を描いていた龍太氏の久米島に寄せる思いを感じます。


龍太氏の作品を真剣な表情で鑑賞する来展者さんたち。
作品を見るとともに龍太氏の生前の姿を思い出しているのでしょうね。

筋ジストロフィー症を患っていたとは思えないような立体的で力強い作品。
これも久米島の自然の石畳を描いたものです。
1つ目の部屋は全部龍太氏の作品で、作品の数も相当なものでした。
これでも彼の描いてきた作品の一部だというのだから本当にたくさんの作品を描いてきたのですね。
ここから他の出展者の作品です。
(作品の一部をアップにして写しています)

今回いつもよりかなり多めの作品数で出展された玉城達矢氏の作品。
沖縄の自然や生き物をたくさん展示されていました。

oh!day!氏の作品。
龍太氏のふるさとである久米島に渡ってたくさんの作品を出展されました。
写真は龍太氏の作品にもあったタチジャミです。
いつも猫の写真が多いのですが、今回は猫少なめ。

私、関根啓介の作品。
沖縄とはまた違う、日本全国の自然風景を出展しています。
今回は10作品を展示させていただきました。

こちらは、にじすけ氏の作品。
動物の姿を鮮やかなタッチで表現されています。
日本人はもちろんですが、海外のお客さんからとても人気がありました。

次の部屋に移って、あらがき氏の作品。
過去に星空やアイスホッケーなどの作品を展示されていましたが、今回は女の子たちの写真。
思春期の女の子と大人の女性の間を見事に写し出しています。
個人的にこの写真の子に魅入ってしまいましたw

玉城尚人氏のカッティングアート。
尚人氏も龍太氏と同じ筋ジストロフィー症を抱えていますが、彼のハサミを使って作り出す世界は見事なものです。
細かなハサミの動きは真似しようと思っても出来ません。

絵画で参加の柳美紗貴さんの作品。
沖縄の海の中の動物を描いた作品、イルカやウミガメなどが優しい表情で描かれています。
写真の作品は過去にPA展に出展された出展者さんとの「cafe by the ocean」というユニットでのコラボレーション。
点描で加筆された作品は作品自体の絵の厚みというか深みというか・・・とても見事でした。

西口賢治氏の書。
今回初参加の西口氏、龍太氏にちなんで龍の字を展示して下さいました。
龍太氏も過去に何度か書の作品を展示されていましたね。

須藤保氏の篆刻の作品。
難しい字で彫られた作品を良く見ると人が踊るような姿があるようで面白いです。
顔や目のようにも見えてきます。

中村洋装の作品。
いままでに無かった服の展示。
龍太氏の彼女のためにオーダーしたというドレスが展示されました。
実は彼女には内緒のプレゼントだったようです。

最後は沁風の映像作品。
龍太氏の故郷の久米島をドローンで空撮したものを編集した作品です。
龍太氏が車椅子に乗って久米島の道を歩いていく映像がとても印象的だった。
つい目頭が熱くなりました。
沁風さんの映像には龍太氏が作詞し、大島圭太氏が作曲したという「球美の島」という曲がついていました。
何度も聞くうちについ口ずさんでしまうとてもいい曲でした。

PA展では恒例になっている写真のプレゼント。
いつもの新里龍太氏、玉城達矢氏、oh!day!氏の作品に加えて、今回は柳美紗貴さんの作品もここに並びました。
御来展いただいた皆さんが思い思いの作品の写真を手にして帰られます。

PA展受付辺りの雰囲気です。
沖縄の皆さんは人と人のつながりが深く、とてもアットホーム。
そんな中にいつも参加させてもらえて本当に感謝です。
今回はリーダーの新里龍太氏の不在のPA展でしたが、まるで彼がそこにいるかのような感じがしました。
天国から見ているというより、この場所に遊びに来ているという感じですね。
1000人を超えるたくさんの方々にPA展へお越しいただいて、短い1週間の会期を終えました。
出展者、来展者、その思いは様々でしょうけれど、何だかこの場所でひとつに繋がっている感じがとても素敵です。
リーダーの龍太氏はいなくなってしまいましたが、PA展は来年も続けるという話になっています。
また来年もこの場所で皆さんにお会いできるように作品作りに励まなければ!
簡単でしたが第9回PA展のレポートとさせていただきましたw
facebookの方に番外編の写真を掲載しようと思っています。
よろしければ写真家:関根啓介のページのフォローもよろしくお願いします。
https://www.facebook.com/photo.sekine
2016年10月25日(火)〜10月30日(日)
沖縄県那覇市の沖縄県立博物館・美術館県民ギャラリーでPA展が開催されました。
今回で9回目を迎えたPA展。
過去のPA展と決定的に違う点がありました。
それはPA展のリーダーである新里龍太氏の不在。
実は2016年6月、龍太氏は天国へと旅立ちました。
過去にこのブログでも記事にしたことがあるかと記憶していますが、彼は先天性の筋ジストロフィー症を抱えていました。
筋ジストロフィー症とは筋肉が徐々に萎縮し身体を動かせなくなってしまう障害です。
進行性の障害でいままでに筋ジストロフィー症が治る治療というのは発見されていないそうです。
PA展は障害者と健常者がアートを通じて垣根や偏見なく繋がろうというコンセプトの元に開催されている展示会です。
今回は龍太氏の追悼の意味もあり龍太氏の作品を中心とした展示内容となりました。

沖縄の空を飛ぶのは何度目か、たまたまですがニライカライの方角から飛行機で天降りをしてまいりました。
今回の沖縄滞在中はずっと天気がよく、到着時は30度を超える暑い日でした。

過去のPA展の大半をこの沖縄県立博物館・美術館で行っています。
いつもの見慣れた風景に沖縄に来たのだな・・・と感じます。

県民ギャラリーのPA展会場前に受付を設置してお客さんを迎えます。
この風船もいつもどおり、数字の数だけが増えています。

今回のPA展会場は3つに分かれています。
1つ目の部屋は亡くなった新里龍太氏の作品を展示。

2つ目の部屋から他の出展者の作品が並びます。

3つ目の部屋にも出展者の作品と映写機が。
今回は生前の龍太氏の姿を映した映像も流れていて、多くの人が目頭を熱くしました。

1つ目の部屋に戻ります。
新里龍太氏の作品と生前利用していた車椅子が展示されました。
龍太氏はイルカ好きだったとのことで絵が多かったです。
大きな海を自由に泳ぐ姿が描かれた作品、深い青と空の光に照らされたイルカがとても印象的な作品たちです。

他にも龍太氏の出身地である久米島の美しい自然が描かれた作品がたくさん展示されていました。
写真はタチジャミという大きな岩の作品。

それにミーフガーというこれも大きな岩です。
久米島に人が住むよりもはるかに昔から存在するこれらの自然は神として崇められてきました。
美しい自然を描いていた龍太氏の久米島に寄せる思いを感じます。


龍太氏の作品を真剣な表情で鑑賞する来展者さんたち。
作品を見るとともに龍太氏の生前の姿を思い出しているのでしょうね。

筋ジストロフィー症を患っていたとは思えないような立体的で力強い作品。
これも久米島の自然の石畳を描いたものです。
1つ目の部屋は全部龍太氏の作品で、作品の数も相当なものでした。
これでも彼の描いてきた作品の一部だというのだから本当にたくさんの作品を描いてきたのですね。
ここから他の出展者の作品です。
(作品の一部をアップにして写しています)

今回いつもよりかなり多めの作品数で出展された玉城達矢氏の作品。
沖縄の自然や生き物をたくさん展示されていました。

oh!day!氏の作品。
龍太氏のふるさとである久米島に渡ってたくさんの作品を出展されました。
写真は龍太氏の作品にもあったタチジャミです。
いつも猫の写真が多いのですが、今回は猫少なめ。

私、関根啓介の作品。
沖縄とはまた違う、日本全国の自然風景を出展しています。
今回は10作品を展示させていただきました。

こちらは、にじすけ氏の作品。
動物の姿を鮮やかなタッチで表現されています。
日本人はもちろんですが、海外のお客さんからとても人気がありました。

次の部屋に移って、あらがき氏の作品。
過去に星空やアイスホッケーなどの作品を展示されていましたが、今回は女の子たちの写真。
思春期の女の子と大人の女性の間を見事に写し出しています。
個人的にこの写真の子に魅入ってしまいましたw

玉城尚人氏のカッティングアート。
尚人氏も龍太氏と同じ筋ジストロフィー症を抱えていますが、彼のハサミを使って作り出す世界は見事なものです。
細かなハサミの動きは真似しようと思っても出来ません。

絵画で参加の柳美紗貴さんの作品。
沖縄の海の中の動物を描いた作品、イルカやウミガメなどが優しい表情で描かれています。
写真の作品は過去にPA展に出展された出展者さんとの「cafe by the ocean」というユニットでのコラボレーション。
点描で加筆された作品は作品自体の絵の厚みというか深みというか・・・とても見事でした。

西口賢治氏の書。
今回初参加の西口氏、龍太氏にちなんで龍の字を展示して下さいました。
龍太氏も過去に何度か書の作品を展示されていましたね。

須藤保氏の篆刻の作品。
難しい字で彫られた作品を良く見ると人が踊るような姿があるようで面白いです。
顔や目のようにも見えてきます。

中村洋装の作品。
いままでに無かった服の展示。
龍太氏の彼女のためにオーダーしたというドレスが展示されました。
実は彼女には内緒のプレゼントだったようです。

最後は沁風の映像作品。
龍太氏の故郷の久米島をドローンで空撮したものを編集した作品です。
龍太氏が車椅子に乗って久米島の道を歩いていく映像がとても印象的だった。
つい目頭が熱くなりました。
沁風さんの映像には龍太氏が作詞し、大島圭太氏が作曲したという「球美の島」という曲がついていました。
何度も聞くうちについ口ずさんでしまうとてもいい曲でした。

PA展では恒例になっている写真のプレゼント。
いつもの新里龍太氏、玉城達矢氏、oh!day!氏の作品に加えて、今回は柳美紗貴さんの作品もここに並びました。
御来展いただいた皆さんが思い思いの作品の写真を手にして帰られます。

PA展受付辺りの雰囲気です。
沖縄の皆さんは人と人のつながりが深く、とてもアットホーム。
そんな中にいつも参加させてもらえて本当に感謝です。
今回はリーダーの新里龍太氏の不在のPA展でしたが、まるで彼がそこにいるかのような感じがしました。
天国から見ているというより、この場所に遊びに来ているという感じですね。
1000人を超えるたくさんの方々にPA展へお越しいただいて、短い1週間の会期を終えました。
出展者、来展者、その思いは様々でしょうけれど、何だかこの場所でひとつに繋がっている感じがとても素敵です。
リーダーの龍太氏はいなくなってしまいましたが、PA展は来年も続けるという話になっています。
また来年もこの場所で皆さんにお会いできるように作品作りに励まなければ!
簡単でしたが第9回PA展のレポートとさせていただきましたw
facebookの方に番外編の写真を掲載しようと思っています。
よろしければ写真家:関根啓介のページのフォローもよろしくお願いします。
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