haruku666のblog

晴薫という名前でやっていた、雨の日の日曜日は・・・というブログの後継です。 教養書の備忘録、小説、エッセイ、ノンフィクションの読後記録。 映画、スポーツ観戦の感想が主でしたが、最近は安室奈美恵を神と崇拝し、萌え系アニメも愛好しています。 718ケイマンGT4でサーキットも走ります。

悪霊別巻「スタヴローギンの告白」異稿 ドストエフスキー@本当に理解するにはキリスト教の浸透した生活が必須?



ドストエフスキーの3大長編の一つ「悪霊」には、小説の山場である「チーホンのもとで」という章が三種類存在します。

なんでそんな事になったかというと、この章のみ、共産党中央委員会に発表を禁止されたから。
初校版を書いた処、反革命的であり共産党政府に批判的という事で、発禁処分。
慌てたドストエフスキーは一部書き直した「ドストエフスキー版」を出すのですが、これも「革命に向けられた汚らしい誹謗文書」とされてダメ。
その後、速記者の妻が提出した「アンナ版」も共産党の許しを得られず、悪霊は発表から22年の間、小説の山場ともいえるこの章を欠いたまま出版されていました。

その間、「悪霊」出版の責任を問われた出版社の長カーメネフは、モスクワ裁判で死刑となり、「革命に向けられた汚らしい誹謗文書」とした評論家も処刑されるという顛末で、この時代のソ連は大変だったですね。

この本はそんな三つの異なった「チーホンのもとで」を読ませようとする一冊です。
正直、非道な悪霊スタヴローギンの話を3度も読まされるのか、とウンザリ気味・・・エンドレス8みたいな夏休みの話だったらイイんだけどさ。
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ポルシェ718ケイマンGT4、すでに峠の限界は超えている件



スポーツカー
はるかな昔、未だクルマが贅沢品だった頃、スポーツカーに乗っていると女性にモテたそうです(例、花形満)
それから時はたち、スポーツカーという乗り物が如何に狭く、五月蠅く、乗り心地も硬く悪い。およそクルマと呼ばれるカテゴリーの中で、乗せてもらうには最低だ、という現実が知れ渡るにつれ女性人気は離散。
孤独な男の乗り物になりました(あ、女性ドライバーもいますが、現実には少数です)

そんなスポーツカーにも残された数少ない楽しみ。
それが峠。
しかしずっとスポーツカーを乗り継いでいる私はあんまり峠に行ってない。
S2000に乗っている時は、盛んに行っていたんですけどね・・・981型ボクスターGTSに乗って、ある決意をすることになったのです。

それはある日走ってみた処、とんでもないスピードで走れてしまった事。
ちょっと書けないような制限速度オーバーで、いくらなんでもこれはもうダメだろうというね。
終点に着いた後、しばし茫然。
帰りは自重しようと反省し、復路を走り出したのですがダメ。
私は目の前に曲がりくねった道があるとひたすら限界を極めようとアクセルを踏み抜く。
頭の中にあふれ出る快楽物質に逆らえない。
山をおり一般道を走りながら、もう金輪際、峠はよそうと決意したのでした。
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春期限定いちごタルト事件 米澤穂信@小佐内さんって魅力的サイコなんじゃ・・・



このシリーズ、なんとなくマカロンが美味しそうだったので読み始めて、次にトロピカルパフェもイイなと思い、正直栗きんとんはイマイチ好みでなかったので、後に伸ばした後、読了。

これで米澤穂信の小市民シリーズは全部終わりか、と残念な気持ちの中、沸き上がったのは、何か忘れてない?
でした。
このいちごタルト事件、読むの忘れていましたね。
小市民シリーズはここから始まるのでした。
高校入試の発表場面から始まりますが、結果を小声でしか話さない小佐内さんの登場ぶりから見事。
そして事件発生となるものの、お二人、少し警戒心なさすぎ・・・
私だったら当然持ち込みますね。
ぜったい置きっぱなしにしないよ。
でもそれだと話が始まらないので仕方ないか。
その後に起こる絵とココアとテスト中の話はあまりにどうでも良くてなんだかな、の状態。
小佐内さんもあんまり動かないし・・・健吾との関係も、もっと素直になれば良いのにいつまでも距離感がありちょっとね。
そして最後の短編「孤狼の心」で最初の事件の伏線回収が開始されます。
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シン地政学 猫組長@暴力団組長が語る正義なき世界のリアル

正義なき世界を動かす シン地政学
猫組長(菅原潮)
ビジネス社
2022-08-22


著者名が猫組長。
知らない人だと表記ミスかと思われるかもしれませんが、前職は山口組系暴力団の組長だった人です。
考えるとヤクザの組長って大変な仕事ですよね。
企業は警戒して以前のようにはいかないだろうし、犯罪なんかにあっても、警察に駆け込めない。
そんな中、組員を生活させ、一家をまとめていく・・・相当の才がないともたない仕事でしょう。

そんな人が書いた地政学。
ヤクザのノリのイケイケ本かと思ったら、教養の豊かさと情報の豊富さ、考察の深さに驚愕。
オモシロさに一瀉千里で読了しました。

ウクライナでも香港でもみなさん、暴力の力をご覧になりましたよね。
アレを他人事、対岸の火事と思っていて良いのでしょうか?
あんな事態は、日本に永遠に降りかからない?
でもリアリストでないとやってられないヤクザの元組長はそう考えていないようです。

まずこの本で語られるのは、著者が、「暴力時代の救世主」と呼ぶ安倍総理の功績です。
「安倍外交で一変したユーラシアの地政学」が第一章で、それはイギリスの地理学者、マッキンダーの定義から始まります。
その後、歴史的な考察がなされ、ハートランド理論の概略図、イェール大学の地政学者スパイクマンのリムランド理論の概略図が説明されると、ホント腑に落ちる。
・・・こんな事、正直ヤクザの組長から聞かされるとは思わなかったなあ・・・
それが日本に当てはめられ、安部さんが総理在任中いかに巧妙に、脅威を一つ一つ除いていった過程が示されます。
没後以前に総理大臣を止めた時、全世界から沸き上がった惜しむ声には、私も非常に驚かされた訳ですが、それには(日本では報道されない)こんな背景があったのでした。
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ポルシェ718ケイマンGT4PDKの市街地燃費と、なんとなく乗らなくなる理由は



市街地ばかり走るポルシェもないでしょうが、終日、市街地を走り回って用事をこなした結果、718GT4PDKの燃費が判明したので報告。
結果は7.8キロでした。

まあこんなモノだろうという水準です。
空いている処だと8キロ台に乗る瞬間もあったのですが、信号に捕まるとすぐに7キロ台に落ちる。
ちなみにアイドリングストップは使ってません。
何故使わぬかと言えば、乗った理由がバッテリーチャージが目的だったから。
何故バッテリーチャージが目的なのか、といえば、このクルマ、サーキットに行く以外乗る事がないから。
そうそう乗る事もなく、乗らない期間が伸びてバッテリー上がりが心配。
だから今回、諸々用事を済ませるのに半日乗ったという事です。

今時のクルマとしては、燃費は悪いですね。
高速では・・・11キロ位でしょうか・・・はっきりしないのは、高速に乗る=サーキットへの往復なんで、途中の数字など気にしてられない。
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秋期限定栗きんとん事件 米澤穂信@コンビ二人の力の差、夏目漱石みたいな読み心地



お約束だと思っていた小鳩くんと小佐内さんが、なんと今回はコンビ別れ!
その上、別々の相手と付き合い始めるという驚きの展開から小説は始まります。

よってストーリーは二つ走るわけですね。
興味深いのは、小鳩くん側は、小鳩くんの一人称で、小佐内さん側は、お付き合いする男性を初め3人称で描かれ、小佐内さんの描写はあくまで客観的にって事ですね。

二人が別れてそれぞれの立場で動きだすと、はっきりするのは、キャラクターの力の差。
小鳩くんも健闘するのですが、やっぱり小佐内さんの魔性は強いです。
漫才コンビだったら、ピンで売れるのは小佐内さんの方でしょうね。
話全体を引っ張るのは小鳩くんなんだけどね。
その辺、魅力のmagicって計算不能の処があるから仕方ないです。

今回取り上げられる事件は、連続放火で、今までのマカロンが何故増えたのか、なんて事に比べると少し大事。
この犯人は誰か?
どのように解決するのか、ってことですが、読み進むにつれ、まあこんなモノだろうなって感じる通りの落しですね。
でも楽しい。
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メタル・トレーダー 地球を売買する男たち ACカピタス@強欲の悪霊



マーク・リッチ。
トレードの世界では伝説の男です。
商品取引の帝王となり、莫大な富を築きながら、その強引かつ法をまったく無視した行動から、アメリカで下された判決は懲役375年。
世界10大指名手配犯リスト者です。

アメリカの法が及ばないスイスの小都市に逃げ込み、そこから世界中に張り巡らせた自分の会社の部下たちに、指令を出し続け、地球から獲れるあらゆるモノを支配しました。
イラン革命後、ホメイニ政権が誕生するや、世界中のディーラーが逃げ出すも、あらゆる通信手段が奪われる中、マークは、銃弾の下をかいくぐっても帰ってくるな、イスラム政権と渡り合い、石油買付の契約をまとめろ、という指令をなんと新聞広告で送ります。

中国、ソビエトを初め、アジア、アフリカ、南米の独裁国に、自ら乗り込み資源買付を進めて行く。
マーク・リッチの活躍した時代は、50年前なんで、今よりずっと怖い。
そこで資源のあるような奥地に乗り込むって事は、その場で銃が暴発(という言い訳でもされたとして)してもね・・・ジャングルに放りだされて終わりですわ。
後はワニなりハイエナなりが処理してくれるような環境です。
そこに行く。
部下にも行かせるし、自分でも乗り込む。
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夏へのトンネル、さよならの出口@良いシーンはあるし、話も興味深いけど・・・ね

ゆるゆり なちゅやちゅみ!(初回限定仕様) [Blu-ray]
竹達彩奈
ポニーキャニオン
2015-02-18


この作品、公開初の週末だというのに、ネットで見ると予約はガラガラ。
200人規模の箱に5~6人しか埋まっていない惨状が気の毒になり行って来ました。
アニメ映画は応援しないとね。

話は、妹の死から家庭が崩壊している高校生と東京から来た、やたら狂暴な女子高生が、時空を超え願いの叶うウラシマトンネルを調査、各々の夢をかなえようと奮闘する話です。

海を目の前にする駅のシーンや、ウラシマトンネル内部の紅葉など、シーンとしての見所は随所にあり、ウラシマの名前通り、時間が異常に速くなる設定もスリリングだし、互いの夢の内容も良かった。
特に男子高校生、塔野カオルの妹、塔野カレンさんのキャラクター。
「お兄ちゃん、大好き」というセリフにはちょっとウルウルします。
鳥が復活したんだから、彼女も、と思ったんですけどね・・・そうなるとペット・セメタリー的な別のカテゴリーの話になってしまうのか・・・
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ウォーク・ドント・ラン 村上龍/村上春樹@若き二人の対談集、すでに行く末を知った後に読むと



偉大な二人の作家の若き日の対談集です。
春樹はピンボールまで。
龍はコインロッカーベイビーズまでしか書いてなくて、本当にまだまだの時代のモノです。

我々はその後の二人の行く末を知っているので、かわされる会話を読むと、後の作品への萌芽や傾向を感じたり、当時の意外な嗜好を感じたりね。
春樹の外国なんかに用はない発言とか、ホンマかいな?
ですよね。

二人とも苦労をしていて、春樹はジャズ喫茶をやってランチタイムとか死ぬほど多忙とか言っているし、エッセイなんかで強気な龍さん、奥さんが15匹も飼っている猫の世話で忙しく、一人コンビニで朝食を買って食べていたりね。
エッセイなんかでみせる強気、破壊的な面影はどこへやら。
結婚した直後なのか、春樹さんの方も奥さんネタを書いていて、執筆中、ちきしょう、なんて言いたくなる時はワンワンといいなさい。
くそっ、て言いたい時は、ニャンニャンといいなさい、なんて言われている。
カッコイイ、新鋭作家って言っても内実は大変なんですね。
二人とも、奥さんが全然作品を読んでくれない、って言っていうのも印象的。
他の偉人もそうだった記憶があるんだけど、妻は何故、夫を軽く見るのか?
これについては自説があるんだけど、あえて公表しません。
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ニュースの中で評価される投信は買うべきなのか@CMでなく報道にまぎれた宣伝

父が娘に伝える自由に生きるための30の投資の教え
ジェイエル・コリンズ
ダイヤモンド社
2020-01-23


昨今、日経の経済情報番組で推奨されている投信があるそうです。

投信の運用担当者自身が、その投信に大きく投資しているとか、他の投信と比べて非常に成績が良いとかですね。
いわゆるTVCM的な、というか、TVや経済紙に乗っている宣伝!
ではなく、番組内で、他の経済情報と同じように取り上げられている・・・らしい・・・私はまったく見てないので分からないのですが、知り合いが、この投信はそんなに良いのですが、と聞いてきたので検証してみました。

日本は投信大国で、なんと本場アメリカより種類が多かったと思います。
でも1本あたりの平均残高は非常に少ない・・・証券会社や銀行が、新しく造っては、
「今、これが旬!買い時、儲かりまっせ!」
という短期売買営業を続けた結果ですね。

この投信もそんな売る為に造られたモノなのかどうか、目論見書を見るのも良いのですが、ある程度の時間がたてば(実績が数字になっていれば)簡単に見分ける方法があります。
それは同じ期間の値動きをエクセルに入れて比較するだけ。

そこでこの投信もやってみました。
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