将棋界の期待を一身に背負う藤井聡太さんのNHK杯が、異例の完全生中継されました。

少し贔屓の行きすぎじゃ、と思いつつ、相手も永世名人の森内さんなんで、これは見ない訳には行きません。

 

始まりから楽しみに観戦したのですが、結果、思った以上の素晴らしい戦いとなりました。

 

相矢倉模様の手堅い序盤は森内ペースと思いきや、藤井さん、角道開けたまま飛車を6筋に展開して急戦模様。

森内さんも3五歩と突いて戦闘開始するやそれを藤井さん4四角と守ってくる。

ちょっと無理筋じゃないのと感じたんですが、なんの。

 

6六を焦点に藤井さん、攻める攻める。

矢倉は完成していても、居玉の森内陣に8八歩打ちで嫌味を付けたり、守った歩を3七に成り込ませて森内銀を動かし、空いた4五に銀を打ったり。

それに対して森内さんも2二の歩打ちで対抗したり、角を成り込ませて玉頭を狙う飛車を脅かしたり。

でも5七に銀を打たれた辺りから森内さんに影が射して来た?

3四歩打ち、同銀、同飛、3三香打ちで飛車が7筋に回った瞬間、藤井勝ちが見えました。

という事は76手目に角が1九に成り込んで香を取った時、ここまで読んだって事でしょうか。

8八へしつこく歩を打っていたのが最後に効いたってのも唸るよね。

投了させた7七桂成らずで、王手とと金への守備両効きは、解説のお二人、佐藤康光九段、中村太地六段も、言及してなかったですよね。

第一感、桂成で銀成か金打ちかって読むよね。

そうでもないですか?
森内さんも読んでいたら、投了もっと早かったんでは・・・

 

正直、痺れました。

藤井聡太の攻めは凄みがある。

なんか現代に蘇った升田幸三って感じの鋭さ。

次回もライブでやって欲しいですね。

贔屓でも良いじゃないですか。

感想戦でも消え入りそうな声で控えめだけど、この人、注目がプレッシャーにならず、力になるタイプなんじゃないでしょうか。