保存版:heart・Healing Oasis(H2O)旧タイトルwindwalker の記録。         

現代に潜む、問題を解決しようと、未来からやってきた、イオは・・・。    <2005年10月17日から順に読んでください。>

原野イオ

原野イオ
原野イオ: サーカディアン・ウォッチ社の研究員。

天空都市の要である、サーカディアンメガサーバーを

預かる会社の社員でありながら、好奇心旺盛な彼は

新しいシステムへの開発途上、試作品を試しては、サーバーを混乱に陥らせる

ようなうトラブルを多発させてしまtっている。(本人は全く、気にしていないが・・。)

 一方プライベートではイオボードというパーソナル・フライヤー

を発明、天空都市の大空を縦横無尽に駆け巡り、若者たちの間では憧れの的と

なっている。しかし、そんな破天荒な彼を社会は毛嫌いし、異端児扱いをしてい

たのだが・・・・。

黒野梅雄博士

黒野梅雄博士
サーカディアン・ウォッチ社の創始者。

こよなく自然を愛し、そこから得られた研究結果を反映させて、いかに人間が自然と共生してゆけるかを模索し続けた。

その結果、人間自身の体内にも宿る自然、サーカディアンリズムに着目し、サーカディアンウォッチを開発。従来の時計に合わせた社会秩序を変えてしまう、画期的な発明を行った。

この発明により、未来社会は個人のサーカディアン・ウオッチとサーカディアン・メガサーバーをリンクさせ、誰がいつどのように働くのが最適か、いつ休息をとるのが最適かを判断し、それぞれが、自分に無理なく社会生活を送れるようになって行った。

一方で博士は時間の研究をするうちに、移動と言う既成概念に、疑問をいだくようになり、‘多次元時空共鳴装置‘を開発した。このマシンでタイムトラベルが可能となったのである。ただ、この発明はあまりにも社会に及ぼす影響が大きいと懸念された。そして、博士はなぞに包まれたまま社会から消えてしまうこととなる。

パナフィブリン

80d95672.jpgパナフィブリン: 天空都市を実現させるための、建築素材として開発された線維、20世紀に問題になった、アスベストに着目、線維を細分化し、蜘蛛の糸を真似た繊維を微生物に反応させて合成することに成功、さらに鉱物などを配合して開発された。

パナフィブリンは剛性と弾力性に富むほか、風や温度差などで熱を発するなど、様々な機能を持ち合わせることが分かり、天空都市の移動手段である、パナスライダーの翼の素材として活用されている。

しかし、開発初期のパナフィブリンには時間と共に、自壊しやすいという欠点が見つかり、この結果生まれた、極少微粒子が深刻な健康被害を及ぼし、人類の地球上の生活が一変、してしまうこととなる。

自由の世界へ!

イオは何事もなかったかのように、トラベル研究所にもどった。そして、役目を終えたタイムトラベルは再び封印された。イオが持ち帰った、グラナは遺伝子分析がなされ、人工的に生育することが可能になった。そしてそのネオグラナは市場に出回り、健康を回復するということで、爆発的に売れた。しかし、それが、過去から持ち帰ったグラナがもとになったこと、タイムトラベルが行われたという事実も世間に知らされることは、決してなかった。

 やがて、原野イオは、また、社会を混乱に陥れる企てをしたということで、罪に問われた。もちろん、彼は無実である。黒野博士の時と同じように、政府はイオを社会から消し去ろうとしたのだ。

 イオは博士と同じように、不慮の事故を装い姿を消した。

 

  えっ、何処へって?

 

 さあ、あなたなら、どうしますか。

 

       完。

そして、博士は天空都市で、タイムトラベルが再び始まることを聞きつけ、イオが過去の美映村に行くことを知り、永楽寺の和尚になりすまして、実は彼を待っていたのだ。

「いいですか、イオ君。」

博士はもう一度、イオ見据えると話し始めた。

「大切なのは、本質です。過去の時代も、この天空都市の未来でさえも、社会は本質に気付きながらも、見て見ぬふりをしてきました。

本質を見据え、それが、動き始め、実を結ぶまで、社会は待てないのです。あまりにも、速度が速く、結果を求められます。そのために、本質は置き去りにさされるのです。残念ながらそれは、私が見てきたいつの時代も同じです。」

 博士は一呼吸置くと、また、湖を見つめた。

 

「いいですか、イオ君、この、水の一滴に、命が宿り、そのおかげで、私達が今ここに居るということを、忘れてはならないのです。絶対に。」というと、博士はギロッとイオを睨みつけた。

 

博士は仲間達とここに、その命を育み、それを糧として、生かされ、そして、ともに活かされる理想郷を築いたというのだ。

そこには過去や未来を見てきた博士の知識が注ぎ込まれていた。見ためには何もわからない、しかし、自然と共生するための全てが注ぎ込まれていたのだ。

 

 イオは何事もなかったかのように、トラベル研究所にもどった

博士

そう言われると、和尚は、何も言わずに湖を見ながら、しばらく笑っていたが、イオのほうを向き直ると問いただした。

「君はサーカディアン・ウォッチ社の社員じゃな・・。わしの顔に見覚えがないかね。」

そう、言われてしげしげと、和尚の顔を見つめていたイオは、はっと、何かに気付き、大声をあげた。

「あ〜っ、あ、あなたはひょっとして、く、くろの・・。」

 そう、彼はサーカディアンウォッチ社の創設者である、黒野梅雄博士だったのだ。彼は

なぞの、事故死によりその生涯を終えたと言い伝えられてきたが、それは誤りだったようだ。

 博士の話によると、彼はサーカディアンウォッチを中心としたシステムを開発したが、彼の発明はそれだけではなかった。彼は時間生物学を研究するうち、時間に対する理解を深めた。そして、移動という既成概念に疑問を抱くようになり、やがてその結果、現在の時空共鳴システムを開発するにいたったのだという。

 しかし、そのシステムの発明は当時の政府により極秘事項とされ、博士はある、汚職事件をでっちあげられ、逮捕されることとなった。が、其の直前になぞの事故死をしたということになっている。

実際は逮捕直前に博士は爆発事故を装い、極秘裏に作ったタイムマシンで脱出、タイムトラベラーとなった。そのうちに、美映村を知り、その素晴らしさに心を打たれた博士は

難病の恐れが無くなった、天空都市時代の地上にやってきた。そして、密やかに地上生活を続けてきた人たちを集め、(天空都市の時代にも、わずかだが、地上生活を続けてきた人たちが居たのだ。)博士の抱く理想郷をこの美映村に築いたのだ。

和尚

 「お、和尚さん!。」そうそれはまぎれもなく、あの和尚だった。

 「無事で何よりだった。」和尚はそう言うと彼の手を両手で力強く握った。

 そして、彼は手招きをすると、歩いて美映村を案内し始めた。それはあの過去の美映村

と全く変わらない姿で、村の人々もとても元気そうだ。

和尚の話しでは、かつて地上に蔓延した、なぞの難病は、今は存在しない。天空都市が出来始めた初期の頃に、その建造物の主要物質として用いられた、パナフィブリンが変性を起し、パラミクロフィブリンとなって、人体に害をもたらしたのだが、その後、改良が加えられ、難病の原因は無くなって現在、地上は全く安全であるということらしい。

「しかし、世界各国の首脳達は、申し合わせて、その事実を隠したのじゃ。」

 天空都市が完成し、成熟した今、人々が地上生活に目を向け始めると、現在の社会構造が崩壊してしまう可能性があり、それを恐れたため。地上では難病にかからないという事実を、ひたすら隠し続けてきたのだ。

 和尚の話しを一通り聞き終わった、イオは改めて、美映村を見回した。

あの時と同じ、豊かな自然が育まれている。いや、むしろ、自然の深みがさらに、増しているようで実に活き活きとしている。

(こんな所が、今の世にもあったのだ。)

感嘆にふけっているイオだったが、大事なことを思い出した。

「ところで、和尚さんはどうして、今ここに居るのですか・・?」そう、とても不思議な事実である。

謎の、パラグライダー

フーゥーーッンッ!突然、無限の色が空に変わり、イオボードが落下を始めた。見ると下のほうにタイムトラベル研究所の屋根が小さく見える。(うぉ〜っ、戻ってきた。)

 あわてて、体勢を建て直し、飛行を始める。ここからはイオのお手の物、かなり、高度が高いがなんなく、研究所のすぐ、近くまで降下した。

 

     なぞのパラグライダー

 研究所のドームが開き、着地しようとすると、タイムスリップする前に見た、あのパラグライダーが突然目の前に現れた。パラグライダーの主はクラッシクなゴーグルをはめ、どこか懐かしい感じのする、髭をはやしている。見ると、ついてくるように手招きしている。何があるのか、なぜかその気になったので、研究所を尻目についてゆく事にした。

 パラグライダーは旋回しながら、どんどん高度を下げてゆく。天空都市よりも下になり、どうやら地上を目指しているらしい。すると、その先のほうに、なにやら見慣れた風景が見えてきた。(あれは・・・。)

 そう、美映村だ。キラキラと光る山頂湖が見えている。イオは天空都市の色々なところを飛び回ってきたが、彼の時代では、地上へ降りた事がなかった。それは、地上へ降りると、あの原因不明の難病に罹ってしまうと噂されていたからだ。しかし、過去の美映村を知る今は、なぜか、その恐怖が無くなっていた。それに、あの髭面のパイロット・・。

 美映村の山頂湖の辺に着陸すると、パラセイルをたたんだ、髭面の彼が近づいてきた。

 「やあ、イオ君。」どういうわけか、彼はイオの名前を知っている。それに聞き覚えのある声。彼が、ゴーグルをはずすと、イオは仰天した。

生還5

      帰還

「ふ〜、助かった。」予測以上の噴射力で、イオボードは一気に、上空に達し、山のような津波をかわすことができた。トラベル研究所の技術が注ぎ込まれたイオボードは想像以上のパワーを持っていた。

それにしても、今まで、色んな冒険をしてきたイオも、こんな経験は始めてだ。さすがの彼も肝を潰していた。

しばらく、上空を飛びながら、この大災害を見ていたイオは、ふと我に帰った。

 ブームに取り付けられたメータを見ると、2400年を示している。どういうわけか、あの大洪水の時代にタイムスリップしてしまったらしい。

(戻らなくては。)イオは彼の時代へ、設定しなおし、イオボードでの初のタイムトリップに挑む。シールドウェアをボードのボックスから取り出して、着用すると、マルチウェイヴサプレッサーを作動させる。呼吸を整え、心拍数を落として行く。タイムカプセルとは違い、タイムトラベラーの生体反応がタイムトラベルに影響しやすくなるため、心拍数を40回/分以下にしなければならないのだ。

脈拍数が39に成った時、自動的に時空共鳴装置が作動を始めた。「いいですか、自分の心と響くものを大切にすることです。そうすれば、あなたがどこに居ようとも、その場所が、あなたの居るべき場所になるのです。」どういうわけか、また、あの和尚の声が響いている。呼吸を整え、静かに目を閉じ、和尚の言葉を頭の中で繰り返した。

 すると、辺りはとても静かになり、とても穏やかな気持ちに包まれ始めた。心拍数がどんどん落ちてゆく。そっと、目をあけるとそこには空にも似た、無限にも思える空間が広がっており、その中へすーっと、吸い込まれてゆく。それはとても、幸福な時間で、恐怖も、不安もない。次第に、体中から力が抜けて行き、何とも言えず、心地よい温かな感覚が、足元から登り始めた。お腹を温め、心臓を温め、胸を満たしてゆく。

 (ああ、俺はこのために生きているんだ・・。)その時ふと、そんな考えが浮かんだ。

 

 フーゥーーッンッ!突然、無限の色が空に変わり、イオボードが落下を始めた。見ると下のほうにタイムトラベル研究所の屋根が小さく見える。(うぉ〜っ、戻ってきた。)

絶対絶命1

イオとイオボードは海中を吹き飛ばされ、巨大な波の中へさらに飲み込まれてゆく、もみくちゃになる中で、脱出カプセルにひびが入り、浸水が始まった。っと、瞬間、イオの目に光が映った。(今しかない。)海面が近いと判断した彼は、カプセルのハッチを開き、脱出をはかった。

一気に海水がカプセル内に流れ込み、イオボードは中々脱出できない。一か八か、イオは狭いカプセル内で、パナセイルを可能な限り開き、カプセルに備え付けられた、エアインフューザーを無理やり押し込んだ。

 すると、注入された空気でセイルはどんどん膨らみ、カプセルを引きずりながら海面へ浮上しはじめた。

途中、カプセルが外れると、一気にイオと、イオボードは海面へ浮上した。

「ヴゥッーワッ、ウオッ、オヘッ、」

途中、海水を飲み込んでしまった彼は、

しばらく、青くなりながら、もがき苦しんだ。しかし、そんな中でも容赦なく、また一つ巨大な波が、迫ってくる。

 あわてて、彼はイオボードを立て直し、セイルをセットすると、どんどんと盛り上がる海面の坂をすべりおりた。

 振り返ると、背後に迫った波は、山のように巨大になっていた。背筋が寒くなり、足がすくんで、ブームを握る手がわなわなと震えている。(とにかく、テイクオフするしかない。)イオボードが飛行するには、まだ充分な加速が得られていないのだが、待っているわけには行かない。

 思い切って、ジャンプし、セイルを目いっぱい開き、浮力を稼ぐ、ブームでパンピングしながら、マナトランスファイバーに必死で空気を送り込んだ。それでも、イオボードはどんどん、降下してゆく。海面が近づき、上からは巨大な隕石が落ちてくるかのように、崩れ始めた波の山が迫ってくる。

 「クッソー!!」

イオは、最後の渾身の力を込めてセイルを破れんばかりに、思いっきり引き込んだ。

もうだめだ・・・・・。

と、思った瞬間、マナトランスファイバーが真っ赤に熱を持ち始め、セイルエッジから強力なジェットが噴出した。

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