McDonaldハウスとYawkey Family Inn
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*マクドナルドハウス(左)とYawkey Family Inn(右)

自宅から大学院に向かう途中に、大きな家が2つある。
マクドナルドハウスとYawkey Family Innである。
とくにYawkey Family Innは豪邸で、どんな人が住んでいるのかと調べたら、
実は寄付でできた施設のようだ。

どちらも、ボストン小児病院に入院した子供の親たちが、低額で宿泊できる施設である。
子供と両親の金銭的あるいは精神的なストレスの軽減が目的である。
これらの施設はいずれも寄付金で成り立っている。


日本とアメリカの寄付金額はあまりにも違う


一般的に、日本人はあまり寄付をしない。
総務省の調査では、一世帯あたりの年間 2625円程度である。

一方、米国人は寄付がとても好きだ。
非営利団体の調査では、一世帯あたり年間 19万円程度である。
米国人は年収の3%、日本人の50倍もの金額を寄付しているのだ。


日本とアメリカで寄付金額の違いが生まれる理由

1: 税制の違い

よく「日本の税制は寄付に対して厳しいから日本人は寄付をしない」
というが、日米
の税制を比べると、むしろ日本の方が税制上の優遇は大きい

まず日本について。
2011年よりNPO法人等への寄付には
  (
寄付金額 - 2000円) × 40%
の所得税の控除が受けられる。

例えば、10万円寄付した場合、3万9200円の税額が控除される。

特定公益増進法人への寄付にはは、
  (寄付金額 - 2000円)
の所得控除が受けられる。



米国では、
寄付は所得控除(itemized deduction)
として算入されるが、
一般人にとっては所得控除を積み上げる
ことが簡単ではない。

例えば、夫婦合算で申告する場合、
標準控除額の11600ドルか、積み上げた控除額で、大きい方を申告できる。

積み上げ金額が11600ドルを超すのが容易ではない。
積み上げは、寄付金、地方税や固定資産税、支払利息、年収の7.5%を超える医療費等だが、
11600ドル(=140万円)を超えなければならないからである。

メリットは日本に比べて小さい。

2: 貧富の格差

米国は貧富の格差が大きいから金持ちがたくさん寄付をする、とよく言われる。
しかし、裕福でない米国民が寄付をしていないわけではない
年収25,000ドル(=300万円)以下の人が年収の4.2%を寄付しているのに対し、
年収75,000ドル(=900万円)以上の人は年収の2.7%の寄付しかしていない
また、アメリカの全世帯の89%が何らかの寄付を行っている結果もある。

米国では主に、お金持ちのみが寄付しているというのは正しくない。


3: 米国では寄付が名誉になる

確かに、米国では大学の施設や小学校の名称など
あらゆるところに寄付した人の名前が冠されている。
ハーバード大学の公衆衛生大学院でも、T.H.Chanという寄付した人の名前が冠してある。

日本でも、高額の寄付をした人は施設に名前を冠することができるが、
米国の方がうまくやっていると言えるだろう。


日米の文化や習慣の違い
結局のところ、米国民に比べ日本国民が寄付をあまりしないのは、
文化や習慣の違いによるところが大きく、
税や収入など合理的な理由で説明することには無理がある


日本人が寄付をしないのは、
「社会に不条理な不平等があまり存在しない」
と感じているせいなのかも知れないし、
「不平等は政府が社会保障政策として行うべき」
と思っているからなのかも知れない。

資本主義的・格差社会の最高峰である米国で、
社会の歪みを人々の良心からくる寄付で直そうとする人々が多いのは必然
だろう。