小渕さん、松島さんの流れを受けて、考えなしに「第1次安倍内閣の辞任ドミノの再現か!?」とかアホなことを書いてるメディア記事が見受けられるが、んな訳ないだろ。一応当時、政治ニュースを伝え続けていた人間としてちょっとだけ解説させて欲しい。

2006年・7年。

小泉大人気政権の後を継いだ安倍内閣は信じられないほどの高い支持率とともに、最初、かなり期待を背負った内閣として誕生した。もう今から7年も前の話だ。
閣僚を安倍さんと交流の深い人間で固めたことから「お友達内閣」と揶揄されることもあったが、最初はそこまででもなかった。しかし、松岡さんの辺りから雲行きが怪しくなり始める。

覚えてるかなぁ…。僕はさすがに忘れられないけれど、「ナントカ還元水」って言ったら皆さんも思い出すだろうか…?

そこからの流れはヒサン、の一言だった。

農水相だけじゃなく、とにかく、次々と大臣が辞任に追い込まれていった。60%以上あった支持率は危険水域といわれる30%を割り込み、20%台前半にまで落ち込んだ。

その時の状況を僕たちマスコミは「辞任ドミノ」と騒いでみた。次々と大臣が倒れていく様を表現した訳だが、あの時、何があったのか?そのポイントを丁寧に整理する必要がある。あの時の状況を整理しておくと、ポイントは3点だ。

1、当時の安倍さん側は実は…本当に「お友達を集めて」内閣を作っていた。これはびっくりだが、本当にあの「お友達内閣」という言葉は言い得て妙だったのだ。なので、はっきり言って隙だらけだった。ろくに身体検査をされていないだけではなく、軽はずみな失言をする人物も平気で入閣させてしまっていた。

2、追及する民主党側はトップの小沢さんをはじめ、「野党の追及」という行為に慣れ始めた議員たちだった。要は、どうやって攻撃すればいいのか、こなれはじめていた。何より、小沢さんがいる以上、選挙は安心して任せていられた。若手の民主党議員たちは…言い方は悪いが、自民党の「揚げ足取り」に集中して精を出せばよかったのだった。

3、国民は国民で自民党一党独裁に飽き始めていたし、何より小泉さんの政権で、いい所は沢山あったものの、格差がかなり拡大してしまい、低所得者層の可処分所得(←実際に使えるお金)がどんどん減っていってた。なので、自民党に対するフラストレーションがたまりまくってた。「新しい可能性」にかけてみるのも悪くない、そう感じ始めていた。

などの条件が重なっていたのだ。かいつまんで言うと、安倍さんはあの時、「失点してはまずい状況」だったのだ。

で、だ。

今の状況をしっかり考えて欲しいが、どう転んだら、

「ウチワの追求、マジで見事っすね~!やっぱし民主党っすよ!」

と言って、あの追求を見て今の民主党に投票するバカがいるんだ?あの3年間で何が起きたよ?さすがにまだ忘れてないだろ。まだ。
まず、民主党に今必要なことはあの体たらくだった3年間を真剣に分析して反省して、新しい民主党の方針をちゃんんと打ち出すことだ。何がダメだったんだ?何を治したんだ?そんなもんもろくに提示しないで…やってる事はウチワ追及ですか?週刊新潮さんの乗っかり追求ですか?
今の民主党がやってるのは、2006年7年ごろに単に逆戻りしただけだ。単なるイチャモン野党なら共産党の皆さんの方がよっぽどいい。追及も上手い。民主党はもう「新しい可能性」ではないのだ。そこがまるでわかっていないのが残念すぎるところだ。


…念のために、一応フォローしとくが…


確かに、僕の周りにも「ウチワなんてどーでもいい!」と怒ってらっしゃる人が少なくないが、気持ちは分かる。気持ちは分かるのだが、公選法というのは、けっこう真剣にみんなが守ってる法律で、グレーゾーンの部分も含めて、バカバカしく見えるかもしれないが、永田町で生きる皆さんにとってはあのウチワの話はそこまで「どーでもいい」と言えるほどの話でもなかったりする。
他の議員ならいいのだが、一応、松島さんは法務大臣だし。僕も個人的にはあの追求はされても仕方なかったレベルかな、とも思ってる。もう一言言っとくと、松島さんに関して言えば、答弁が絶望的に下手過ぎる。後々に何か問題を起こす可能性を考えて、このタイミングでの辞任(←こう報じられてますが、あれは更迭です。簡単に言うとクビだと思っててください)は適切だったと感じてる。ただ、一点言えるのは、あのウチワ問題の追及って、国民には超伝わりにくい話だってことだ。僕は世間で言われてるほどは「どうでもいい追求」とは思っていない。


話を戻すが、民主党は、今回の追求によって2人の大臣を辞任に追い込んだ、と喜んでいるのかも知れないが、僕は今回、自民党にも民主党にもダメージになったのではないかと推察している。
マスメディアにとっては久しぶりに数字の取れる政治ニュース。毎日朝から晩までストーカーみたいに政治家に張り付いてる記者のみんなにとってもアドレナリンの出る展開ではあると思うが、僕は

絶対に辞任ドミノにはならない

と断言するし、仮になったとしても、安倍さんは躊躇することなく、一気に解散に持ち込めばいいだけの話だ。「国民の信を問う!」なんつって。それでおしまいだ。また自民党が圧勝しておしまいだ。今の状態で自民党は確実に負けないと見る。
繰り返しになるが、日本には自民党以外の選択肢が、今のところ本当にない。多くの方はそう感じているというのが僕の見方だ。マスコミとしては「辞任ドミノの再来かぁ!!ひゃっほう!」と騒ぎ立てたくなる気持ちは分からんでもないが、

政治は視聴率稼ぎのための道具じゃない。

あんまり変な煽り方をするのは空気を読んでなさすぎなのでやめた方がいいと思う。今の国民のリアルな生活レベルをもっと感じ取った方がいいと思う。ウチワ揉めやってる場合じゃなくなってきてるので。