今日は岐阜県で仕事でした。
岐阜県商工会議所の青年部が主催する「若者たちのビジネスプランの発表会」。そのプレゼンテーションの審査委員長を頼まれて引き受けてきたのですが、とても楽しく、刺激的な仕事でした。
もともと朝の情報番組で「ニュースプレゼンテーション」を13年間にわたってしてきましたので、その当時のファンの方や大学の後輩が声をかけてくださったのです。

我々審査員の前でビジネスプランを発表してくれるのは、何と地元岐阜の高校生たち。正直言って、最初は侮っていましたが、実際始まってみると、あまりのハイレベルぶりに驚愕しました。

「信長が歌にも歌った『まぐわうり』を使って、戦国ブームに乗って香料を作れないか、試作してみました!」

「2017年には若返りの伝説が伝えられる「養老伝説」から1300年です!そこで養老の滝に行って成分を調べたところ、極めて珍しい酵母菌を発見できました!養老の滝伝説には孝行伝説もあるので、この酵母菌を使って『息子から母に送る」入浴剤やハンドクリームを作りたいのです!」

ええと…?高校生ですよね…(汗)?って言うか、かの有名な「養老乃瀧」って、岐阜県だったんですね。なんでも、死にそうなおじいさんに養老の滝のお水を汲んで飲ませたら、そのおじいさんの白髪が黒髪に変わったといわれる「養老の若返り伝説」の故郷なんだとか。

聞くと、3年に一度ほど開催されるこのビジネスプラン発表会は、以前からきわめてレベルが高いらしく、今回は1000件近くの応募の中から選りすぐられた10作品の厳選されたプレゼンなんだとか…。なるほど…。ちょっと、それにしてもレベルが高すぎるような…(汗)。

地元の名産品のみを4種類使ったコロッケ棒。
去年ユネスコの世界遺産登録された美濃和紙を使ったハンカチーフなど、地元の特産を世界に売り出していこう、という意気込みを感じるプレゼンが次々と発表されていきます。
かなり悩み苦しみましたが、その中でも僕が審査委員長賞をあげたのが

「円空里芋(えんくうさといも)のモチモチシフォンケーキ」でした。

岐阜県では、円空さんという人が広めた「円空里芋」という里芋があるらしいです。全然知らなかったけれど、ほかの地域の里芋と比べると甘味成分がとても強く、この粘り気と甘味をスイーツに活かせないか、と発案したらしいのです。

「円空里芋の甘味成分を使い、砂糖は通常のシフォンケーキの3分の1に抑えることに成功しました!」

高校生のプレゼンが歯切れよく続きます。

「今日はバレンタインですね!審査員の方々にも召し上がっていただこうと、作ってきました」

基本通りです。食にまつわる新商品のプレゼンテーションは試食が常識。しかし、高校生がその知識をどこで仕入れたのか…。で、一口食べて驚きました。

美味しい!

なんと言うなめらかな食感!シフォンケーキとは思えないモチモチ感!
岐阜県の名産である円空里芋を使わなければできない逸品であることは間違いなさそうです。僕の中のNO,1は即時、決定しました。



先週の僕の番組の中でもお伝えしたんですが、実はあまり知られていない中、日本の農作物は、現在絶好調なのです。毎年のように輸出量が増加していっており、現在、過去最高益を3年連続で更新中。2020年の東京五輪のあたりでは、ついに1兆円規模の輸出が見えてきていると言います。
日本の産業、特に地方の生産品にはまだまだ山のように宝が埋もれています。もともとハイレベルの大会とはいえ、岐阜県の高校生でこれです。はっきり言って…

10プレゼンのうち、少しくらいの手直しをすれば、5作品はすでに商品化可能なレベルと見ました。しかも、十分な利益を上げられるクラスの。

現在、日本では「地方創生」が叫ばれています。今日、確信しました。日本の地方創生はやり方次第でいくらでも出来るでしょう。電通さんや博報堂さんなどの販売戦略、宣伝のプロがバックにつけば、いくらでもネット上で低予算で拡散もできそうです。金に困る地方自治体にもそれなら出来そうです。

日本は戦後、あまりにも東京一極集中が進みすぎました。しかし、だからこそ、まだまだ地方には眠れる宝が山のようにありそうです。それを発掘していくだけで、日本国内だけではなく、世界にも十分挑戦できるレベルのものがありそうです。個人的には、去年ユネスコの世界遺産に登録された美濃和紙のハンカチーフなどは、絶対に世界的にもヒットをしそうだと思いました。

日本の経済は厳しい状況が続き、地方は疲弊しているだけだと思っていた僕でしたが、まさか高校生にここまで教えられるとは…。素晴らしいプレゼンに惜しみない拍手を送った1日でした。