この季節になるといつも思うことがある。
杉って…いや、正確に言えば「スギ花粉を原因とする花粉症」って…これはもう「公害」と表現すべき事案なんじゃないか?

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日本は国土の7割~8割が山林である。
今の時期は猛烈に我々を苦しめる杉の木だが、昔は本当に日本人を支え続けてくれていたそうだ。

戦時中、あまりに多くの家屋が焼けた。
紙も必要だった。
自然林に多く見られるようなブナやコナラ、シイ、カシ、サクラなどといった広葉樹は加工に向かなかったそうだ。しかし、比較的真っすぐ育ち、しかも樹質が柔らかい杉の木は本当に便利だったそうだ。

戦後、日本は空前の大復興を遂げる。超の付く建設ラッシュの到来。
出版ブーム。漫画雑誌は飛ぶように売れ、杉の木は戦後日本を支え続けてくれた陰の主役だった。

が、転機が訪れる。

関税が撤廃されたために、海外から激安の木材がどんどん輸入され、日本の杉は役に立たなくなってしまった。後に残ったのは何の手入れもされていない、胞子を飛ばし放題の杉。

杉はもともと枝を落としたり、多く生えすぎないように切る間伐(かんばつ)などの手入れをしなければ行けない樹木だそうだ。が、金だけかかるし、林業をやってる人もそんなことやっても何の意味もない。結果、当然、放置。

現在、バカみたいに植えられるだけ植えられた杉の木は何の手入れもされずにただ山々を覆っている。

時代はペーパーレス時代。
そもそも建物は鉄筋コンクリートで火事も起きない造りに。

戦後の日本の復興を根っこから支えてくれた杉の木には感謝すべきだ。が、時代が変わってきている。

現状、我が家は次男がひどい花粉症だ。目がはれ、集中力が低下。
最近は良く効く薬が出ていることは事実だが、根本的な解決に全然なっていない。
次男は、当然アメリカ駐在中は一切の花粉症から解放されていた。当たり前だ。こんなに杉ばかり植えてる国はそうはない。
花粉症対策に使われる多くの薬への出費は、総額にすると一体いくらくらいになるのだろう。そこまで少なくない金額ではないかと想像する。

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私は花粉症ではないが、日本の花粉症対策のため、そろそろ水源かん養(良質な水を育む)、山地災害の防止(洪水の緩和)などの一定の条件を配慮しながらでいいので、杉の木の伐採を始めていった方がいいのではないだろうか。
向こう10年ほどのスパンで現在の10分の1くらいまで減らすことが出来れば、日本人の花粉症はかなり緩和されるのではないか?

花粉症はそもそも杉だけが原因ではないが、我が家の次男のように、明確に「スギのみのアレルギー」と血液検査で判明している人間も少なくはない。そういう人間にとって杉を伐採していくことはかなり大切な対策の一つなのではないかと思う。

まだ細かい精査は必要ではあるが、私の次の政策目標の一つに入れていければと思う。