大阪市の吉村市長がNHKの世論調査に疑問を呈していた。

見させていただいたが、確かにこれでは誤解を招く。元報道の現場にいた人間として少々解説しておきたい。

こちらが吉村市長が疑問を呈していたNHKの世論調査だ。
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ニュースでもご覧になったろうが
「大阪都構想、反対が賛成を上回る」
として、多数のメディアに登場した。

が、確かによく見るとこの調査、かなり偏りが激しい。まずは調査対象だ。
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NHKさんも時間がなかったのだろうか?

普通、世論調査は人口の比率とある程度「男女割合」「年代別割合」を適合させて取るものだ。

70代以上が44.3%はいくらなんでも偏りが過ぎる。
前回の都構想の住民投票では、20~60代までの全世代で「賛成多数」だったことはよく知られている。が、70代以上の圧倒的反対多数で否決されたのだ。これにより「シルバー民主主義だ」などという言葉や議論も盛り上がったものだった。

NHKさんの世論調査の方法は記述があり、RDD方式だ。
簡単に言えば、手抜きをしたのだろう、というのが結論。

RDD方式とは、一昔前まではメジャーだった世論調査の方法で、「家の固定電話」に電話をランダムに欠ける方法。要は

・家に固定電話があり
・いきなり「世論調査です」と電話がかかってきて
・それに答えてられるほどヒマな人間

しか答えない、という特徴を持った調査でしかない。
あまり時現実とずれ過ぎているので、メディアは真剣に調査をするときに全然別の調査方法を使ってデータを取るほどだ。

具体的には選挙の前など。

選挙の前には何か月も前からチームが組まれ、特集や制作するVTRの担当が決められていく。
何度かこのコラムにも書いたが、選挙の結果くらい、1か月前は言い過ぎだが、2週間ほど前にはほぼ。1週間前の段階では98%の選挙区の勝敗はメディアの人間は分かってる。

人員を動かすのだ。下手な調査をしていては、無駄なVTRを作ってしまう。
その時にRDDなんて絶対に使わない。全然実態と違う可能性が高いからだ。

じゃあなぜ今回のNHKさんはRDD方式で調査したのか?お答えしよう。

安いからだ。

RDDはコンピューターに出てきた数字にマニュアルに沿って電話をしていく。
なので調査会社があり、それ専門のスタッフがいる。
そう。

安いのだ。
丸投げで、すぐ結果を出してくれるのだ。

そこに正確性なんて求めない。それがテレビの世界の現実でもある。皆さんはちょっとどうかと思うだろうが。まぁ、私もやってたことなのでムゲに否定しづらいが…。

実際の投票行動はこんな割合にはならない。
さすがに70代以上が44%とかはいかない。
で、あるなら都構想はこの数字よりはかなり「賛成派が多い」と考えられる。

であっても、丁度トントンといったところか。
普通のことしか言っていないのだが…。
気になったのがこちらで
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当コラムでは何度も指摘している通りで、「IR」を誘致することによって依存症患者は増えはしないどころか、基本的には圧倒的に改善されることは世界では常識である。

簡単だ。
業者は商売をしている。
依存症患者が増えた、などと報じられたら観光客が減るだけだ。

なので、民間の業者は必死になって「治安を改善」し、「依存症患者対策」をしてくれる。
ちなみに2000年以降にオープンしたIRは、その全てで治安と依存症患者数は改善している。

韓国のカンウォンランドで社会問題化した依存症の話は、日本とあまりに条件が違いすぎる。あのニュースを見て、勝手にイメージを膨らませたのかも知れないが、韓国人が始めていけるギャンブル場と、そもそもギャンブル大国の日本とは何もかも違う。

その程度は世界の常識。
しかしこのアンケートに答えた方々は、なんと4割の方が「ギャンブル依存症が増える」のでIRに反対、なのだそうだ。

きつい表現で申し訳ないが、ハッキリ言って相当に勉強・知識レベルの低い方々のアンケート調査と言わざるを得ない。

こういった勉強不足の方々に、どのように正確な知識を伝えていくのか。
大阪都構想の最大のポイントなのだろうと思う。