審査の終盤、特許出願が査定になりそうになったときに、分割出願をして原出願でカバーしきれなかった実施形態の権利化を目指すという手法は日本では一般的です。しかしながら欧州特許庁では審査の終盤になって初めて分割出願の要否を検討するのではなく、審査開始の時点から分割出願の要否を検討し、早めに分割出願をすることをお勧めします。

理由はEPC規則51条(3)により分割出願の出願維持年金は、分割出願の出願日ではなく原出願の出願日を基準に起算されるからです。

早めに分割出願した場合と遅めに分割出願した場合とで納付すべき維持年金に具体的にどれぐらいの差がでるかを分かりやすくするため、以下の2つのモデルケースを紹介します。以下の2つのモデルケースでは原出願および分割出願共に出願から査定まで5年6月かかると仮定しました。

また各年度の出願維持年金の具体額は欧州特許庁の料金表をご参照下さい。

1.早めの分割出願のモデルケース:原出願から1年後に分割したケース
early divisional
2.遅めの分割出願のモデルケース:原出願の特許査定時に分割したケース
late divisional
結論:
上記モデルケースからも明らかなように分割出願の時期を早めるだけで総額維持年金を7000ユーロ以上削減することができます。このため欧州特許庁では審査開始の時点、例えば調査報告で単一性を指摘された時点等からすぐに分割出願の要否を検討し、必要であればなるべく早期に分割出願をすることをお勧めします。

参照条文:EPC規則51条(3)
Renewal fees already due in respect of an earlier application at the date on which a divisional application is filed shall also be paid for the divisional application and shall be due on its filing. These fees and any renewal fee due within four months of filing the divisional application may be paid within that period without an additional fee.