OAの内容が不明確な時などは審査官との電話インタビューで審査官と直接不明確点について議論するのが効果的です。しかしこの電話インタビューは法律上定められた公式な手続きではなく、欧州特許庁のガイドライン上で規定された非公式な手続きに過ぎません。また口頭で余計なことを云ってしまうことを恐れてか電話インタビューを避けたがる審査官も多いのが現状です。

このためインタビューを申請しても審査官に認めて貰えなかったり、審査官に電話をしても審査官ではなくオペレータに転送され、電話インタビューが実現しなかったりすることが多々あります。

そこで今回は審査官との電話インタビューを実現させるために私が活用している3つの小技を紹介したいと思います。


1.いきなり電話をする

書面でインタビューを申請しても電話をかけてきてくれる審査官まずいません。このため電話インタビューを希望する場合は、いきなり審査官に電話をかけた方がインタビューが実現する確率が上がります。しかしながら実際は審査官に電話をかけても運が良くない限り電話には出てもらえません。


2.ボイスメッセージを残す

上述のように、いきなり審査官に電話をかけても通常は電話に出てもらえません。審査官に電話に出てもらえなかった場合自動メッセージにより「特定の出願についてのお問い合わせですか?それとも個人的な電話ですか?」と質問されます。ここで「特定の出願についてのお問い合わせ」と回答すれば電話はオペレータに転送されてしまい、審査官との電話インタビューの実現の可能性が下がります。一方で「個人的な電話」と回答すればボイスメッセージを残すことができます。

そしてボイスメッセージに「X月X日に受領したEPXXXXXのOAの段落XXの意味について電話で伺いしたいことがございます。お時間のある時にでもXXX XXXXまでお電話下さい」というようなメッセージを残すことで審査官から折り返しの電話を貰える可能性が高まります。

ここで「発明について説明したい」とか「今後の方針について相談したい」とかぼんやりしたメッセージを残してしまうと審査官に面倒そうと思われてしまい電話インタビューは実現しません。

このため例えば「OAの段落XXのZZという用語は、Aと解釈すべきなのか、Bと解釈すべきなのか教えて欲しい」と質問したい事項を端的かつ具体的にメッセージに残すことで、面倒な問い合わせでないことをアピールします。


3.ダメ押しのE-Mail

上記1および2の手法を試しても審査官から音沙汰がない場合は、具体的な質問事項および電話インタビューを希望している旨を記載したメールを審査官に送ります。

欧州特許庁のOAには審査官の電話番号および名前が公開されていますが審査官の個人E-Mailアドレスは公開されません。審査官の個人E-Mailアドレスは審査官の名前とある程度関連した法則性があります。このため多くの場合で審査官の名前からE-Mailアドレスも特定することができます。

このように質問事項をメールで送ることで仮に電話インタビューが実現しなかったとしても審査官からの非公式な見解およびアドバイスをメールでもらえることがあります。

ただメールを多用しすぎると審査官にうざがられてしまうのでメールをするのはここぞという場面のみに限定しています。


まとめ

上記3つの小技を使うことで電話インタビューの実現率を7割以上にすることが可能かと思います。

ただ電話インタビューが認められるのはOAに対する質問または軽微な記載不備等を解消するための補正案の相談のようにトピックが軽微な場合です。「発明についての説明」、「特許性に関する議論」などの壮大なトピックの場合は残念ながら電話インタビューが認められることはまずありません。