天国へ行くための136の方法

どこにでもいる天鳳七段(天鳳プレーヤ名:橋本千光年)が麻雀やマンガについて考えます
ラーメン修行のため、あまり更新しません

麻雀の市場規模データを更新しました⑧ 〜この熱狂を外へ、福は内編〜

この熱狂を外へ

「やる気がない」と言えば、ここ数年の『レジャー白書』です。2016年の「少子化時代のキッズレジャー」を最後に特別レポートは姿を消し、ページ数も2017年以降は2/3に激減したにもかかわらず、お値段は据え置き7,700円。そのやる気のなさが伝染したせいで(責任転嫁)、ずいぶん遅くなりましたが、公刊から半年後の今さら『レジャー白書』のデータを元に、あーだこーだ言っていきたいと思います。

2019年8月公刊の『レジャー白書 2019』から、麻雀の市場規模データを更新しました。
雀荘数については、警察庁のホームページにある統計から、「平成30年における風俗営業等の現状と風俗関係事犯の取締り状況等について」を参照しています。


1.麻雀の市場規模データを更新しました

2.社会に許容される存在として

3.熱狂は外へ向かっているのか?

4.Bリーグ・Tリーグとの比較



1.麻雀の市場規模データを更新しました

『レジャー白書 2019』によれば、2018年のデータは以下でした(調査時期は2019年1〜2月)。

前年に比べると、参加人口は近年になく20%近い伸びをみせていますが、雀荘の市場規模は490億円に微減しています。Mリーグ創設で参加人口は増えたものの、ゼロギャンブル宣言により、まだまだオンレートが多いリアル雀荘の収益には結びつかなかった、というのが一般的な見方だと思います。

データピーク時前年
(2017年)
現在
(2018年)
麻雀ゲーム料3,590億円(1985年)500億円490億円
雀荘数36,173軒(1978年)※8,736軒8,276軒
参加人口※2,140万人(1982年)500万人580万人
年間平均費用35,700円(1986年)8,200円8,100円

※2015年の麻雀フェスタさんの記事によると、この数値には、実際には廃業して
 いるが、廃業届を出していないので営業扱いにされている店舗も含まれている
 ため、実際の店舗数は5000~6000軒ではないかということでした。
 麻雀フェスタさんの記事が書かれた当時から、警察庁発表の雀荘数は2,000軒以上
 減っているので、実際の店舗も相当数減少していると考えられます。
 なお、2020年2月3日現在、麻雀王国のカウンターでは掲載雀荘数は3,854軒
 でした。

※麻雀の参加人口が正式に記載されるようになったのは『レジャー白書 1983』から
 なので(それ以前に「1979年の麻雀の参加人口は1620万人」という記載あり)、
 1981年以前に参加人口のピークがあった可能性があります。


以下は、各データの推移を示すグラフです。

  • 麻雀ゲーム料の市場規模の推移(単位:億円)
麻雀ゲーム料市場データ

  • 全国の雀荘数の推移(単位:軒)
雀荘数

  • 麻雀の参加人口の推移(単位:万人)
麻雀参加人口

  • 麻雀の年間平均費用の推移(単位:円)
麻雀年間平均費用

※2009年から、調査手法が訪問留置法からインターネット調査に変わっています。
 これにより、従来見逃されてきたネット麻雀しかしない層(ほとんど費用を
 使わない層)等がフォローできるようになったと考えられます。
 2009年に年間平均費用が急減したわけではありません。



2.社会に許容される存在として

カレーめん
(『ゆるキャン△』第1話)

  • 各種ゲーム・ギャンブルの参加人口/市場規模
レジャー2012201320142015201620172018
麻雀760650870600500500580(万人)
580560510520490500490(億円)
囲碁400280310250200190210(万人)
将棋850670850530530700680(万人)
ゲーム
センター
1,8601,5401,9201,4801,4501,3401,530(万人)
4,6004,4304,2404,0504,2104,4204,550(億円)
家庭用
ゲーム
3,0802,5302,6802,1701,9802,0002,130(万人)
4,8704,4303,9903,4803,2304,0303,920(億円)
オンライン
ゲーム
1,1601,1401,6401,5001,2701,2701,300(万人)
7,0608,4209,31011,04012,10012,45012,530(億円)
パチンコ1,1109701,1501,070940900950(万人)
256,720250,050245,040232,290227,000214,000207,000(億円)
中央競馬960840890790750760850(万人)
23,94024,05024,94025,83026,71027,69028,160(億円)
データ2012201320142015201620172018
総実労働時間
(正社員)
201119971998200920062026(時間)
総実労働時間
(労働者全体)
1808179217881784178317211,708(時間)
余暇時間
ゆとり感指数
-2.2-3.6-2.0-2.1-2.8-3.3-0.4
消費支出314,229318,707318,650315,428310,389312,926315,314(円)
教養娯楽費30,57430,86430,51430,41930,26930,56029,838(円)
余暇支出
ゆとり感指数
-5.1-2.6-3.0-2.2-0.1-1.00.3


■余暇時間と余暇支出

2019年4月からのいわゆる「働き方改革」以前から、労働時間は、2013年以降、6年連続で減少しています。なお、集計方法の変更により、2018年から総実労働時間(正社員)の統計結果はなくなりました。
「時間的なゆとり感指数」「支出面でのゆとり感指数」はいずれも上昇しており、参加人口・市場規模が増加しているゲームが多いことを裏づけています。

■個々のレジャー

『レジャー白書 2019』には、『ゆるキャン△』の影響でキャンプ用品が売れたという話はあっても、Mリーグ・Tリーグへの言及は一切ありませんでした。盛り上がっているのはごく一部だけで、レジャー市場へのインパクトはほとんどなかったということなのか、レジャー白書にやる気がないのか……。

カジノ導入が現実的となった(最近になって遠のきましたが)影響として、公営ギャンブルの記載の中で、具体的なギャンブル依存症対策についてふれられていたのが印象的でした。また、パチンコ・パチスロの項にあった以下の記載は、

新規顧客の開拓では、業界団体が取り組んでいる「連れパチ」の促進策として、楽しさ追求・楽しさ重視のイベントが開催されたが、現状では散発的な取り組みにとどまっている。しかし、地域との関係では各種の社会貢献活動が積極的におこなわれている。ギャンブル色を弱め、社会に許容される存在として業界の認知度を高めていくことが、さらに重要になってきた。

今さら何言ってンだ、と思わなくもないですが、地方でのMリーグのパブリックビューイング開催等を積極的に推し進めている麻雀にも通じる部分が大きいと感じました。


3.熱狂は外へ向かっているのか?

setsubun_akaoni_mame

麻雀については、これまではレジャー白書以外の統計データがありませんでした。しかし、一昨年のMリーグ発足会見に引き続き、2019年9月にも、全国1万人アンケート調査結果がMリーグから発表されました。レジャー白書のサンプル数は約3,000人(2019年は3,226人)なので、それをしのぐ規模になります。

アンケ結果4

Q4. 「Mリーグ」を見たことがありますか?

「Mリーグ」の視聴者層は、20-40代男性の約3割が「Mリーグ」のリーグ戦や関連コンテンツを認知しており、20代男性の10.9%が「Mリーグ」のリーグ戦や関連コンテンツの視聴経験があると回答いたしました。20代男性の視聴経験率が全世代の中で最も高い結果となり、若い世代を中心に幅広い年代に楽しまれるコンテンツとなっていることが伺えます。

『レジャー白書』の数字でも、若年層の参加人口が増加しています。

  • 麻雀の年代別参加人口(単位:万人)
全年代10代20代30代40代50代60代70代
20127603611913112188116150
201365038103928810013692
201487038116125104102196189
20156003670708751102184
2016500225857905599122
20175004152516471104121
20185804472807153112148
前年比+80+3+20+29+7-18+8+27

  • 男性の年代別参加人口(単位:万人)
男性全体10代20代30代40代50代60代70代
20125963393110976590108
2013491297781647910655
201468825981149087141132
2015482295662764275143
201639717555475497475
201737532313955559174
201842727576459349195
前年比+52-5+26+25+4-21±0+21

  • 女性の年代別参加人口(単位:万人)
女性全体10代20代30代40代50代60代70代
20121643272124232542
20131598261124213038
201418213171114155557
201511871481192741
20161036331562547
2017126921129161347
201815317151612192153
前年比+27+8-6+4+3+3+8+6

  • 麻雀の参加者に占める50代以上の比率
1997200720142015201620172018
29.6%43.8%55.9%56.2%54.9%58.6%53.9%

その結果、2017年には麻雀参加者のシニア化がかつてなく進んでいましたが、2018年には一気に若返りました。


アンケ結果1

Q1. 麻雀・「Mリーグ」市場規模に関して

「Mリーグ」2018シーズンにおける、「Mリーグ」視聴経験者は全人口のうち4%の約500万人、その内2.5%の約300万人は、麻雀を一度もプレイした事が無い方という結果になりました。「Mリーグ」2018シーズンを通して、これまでリアルやゲームでの麻雀には興味がなかった層にも、「Mリーグ」を視聴するという新しい習慣を確立することが出来ており、結果として「麻雀」全体の市場規模が広がりました。

自らはプレイせず観戦オンリーの、レジャー白書の統計では見えてこないこの2.5%(約300万人)こそが純粋な「観る雀」であり、Mリーグが作り出したファン層といえます(これまで、モンド杯とかわれポンとかを見ていた人もいるでしょうが)。


また、上記の福地先生の記事では、「観る雀」以外にも、麻雀をプレイしたいライト層がMリーグによって増加したことが述べられています。

2019年のMリーグのスローガンは、「この熱狂を外へ」でした。で、Mリーグの熱狂は外に向かって広がっているかなんですが、本日開催された「Mリーグ プレミアムナイト」含めパブリックビューイングは裾野を広げていますが、ビジネスモデルが確立したと言えるほどの収益化ができているのかは不明です。多くのファンが、AbemaTVでMリーグを喜んで観戦していたとしても、あと数年でなくなってもまったく不思議ではありません。今後のファン層の増加度合いと、そうしたファンからいかにして収益化をはかるのかが見ものだと思います。


4.Bリーグ・Tリーグとの比較

BT2
(『魔少年ビーティー』)

昨年に引き続き、Mリーグ最高顧問である川淵三郎氏が主導し2016年9月に開幕したBリーグ、Mリーグと同時期である2018年10月に開幕したTリーグと、Mリーグを簡単に比較してみます。

■ネット上の人気度

手軽に何かを分析した気になれることで名高いGoogleトレンドで、Mリーグ創設が発表された2018年7月17日から本日までの各リーグの人気度の動向を調べてみると、こうなりました。

Googleトレンド

以下にGoogleトレンド表示用のスクリプトを貼っていますが、ブラウザによっては表示されないようです。



少なくともネット上ではTリーグよりMリーグの方が注目を浴びていますね。

■競技人口

『レジャー白書』の参加人口を「実施人口」とし、これに笹川スポーツ財団の中央競技団体現況調査(隔年)の「競技人口」を加えた表が以下になります。簡単にいうと、エンジョイ勢も含めたのが「実施人口」で、ガチ勢が「競技人口」、ガチ勢のうち各競技団体に登録されているのが「登録人口」になります。

登録人口、競技人口、実施人口の関係

  • 麻雀・バスケ・卓球の実施人口/登録人口(単位:万人)
レジャー2012201320142015201620172018
イベントBリーグ
開始
Mリーグ
Tリーグ
開始
バスケット
ボール
実施人口390310350400410370330
登録人口61.562.063.762.1
麻雀実施人口760650870600500500580
麻雀ゲーム料580560510520490500490
卓球実施人口830660700720780830830
登録人口30.531.732.734.8
卓球・バド用品310310320340350360380

Bリーグは人気・収入とも堅調ですが、実施人口も登録人口も減少しました。とはいえ、バスケの登録人口は、全スポーツの中で野球・サッカーに次ぐ第3位なので、十分なのかもしれません。また、レジャー白書の統計には反映されない「観るバス」の増加も推測されます(全体としてのスポーツ観戦料は、前年(2017年)の1620億円から1640億円に増加しました)。

同時期開幕のMリーグとTリーグについては、昨年、卓球専門サイト「Rallys」で両リーグの比較が行われていました。その中で、Tリーグの方が有利な点として、「麻雀卓や牌の市場に比べて、卓球用具・ウェア販売ビジネスのマーケットははるかに大きい」という指摘がなされています。確かに、リーグの盛り上がりと従来からのビジネスモデルは、麻雀の場合はあまり結びつかないのに対して、卓球の場合は卓球用品の売上や貸卓の回転率等の形で直接反映していることがうかがわれます。もっとも、レジャー白書の記載では、卓球用品はバドミントン用品と同じ項目になっており、また、Tリーグ開幕前から年々売上は増加していたので、影響を見積もりにくいところではあります。また、バスケットボール用品単独の項目は、レジャー白書にはありませんでした。

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麻雀の市場規模データを更新しました⑦ 〜Mリーグ開幕編〜

Mリーグ2018

ダラダラやっていたら、Mリーグ開幕どころか今年度の閉幕も近くなってしまいましたが、あいかわらず『レジャー白書』の必ずしも当てにならないデータを元に、あーだこーだ言っていきたいと思います。

2018年の『レジャー白書』から、麻雀の市場規模データを更新しました。
雀荘数については、警察庁のホームページにある統計から、「平成29年における風俗環境の現状と風俗関係事犯の取締り状況等について」を参照しています。


1.麻雀の市場規模データを更新しました

2.この宣誓を法と心得よ!

3.若者やお年寄りの方が麻雀に興味を持っている、のか?

4.Mリーグ開幕ッ!

5.Bリーグ・Tリーグとの比較



1.麻雀の市場規模データを更新しました

『レジャー白書』によれば、2017年のデータは以下でした。

2016年には490億円に落ち込んだ雀荘の市場規模は500億円に復帰し、右肩下がりが続いていた参加人口も500万人を維持しています。また、年間平均費用も近年は増加傾向なので、コアなファンが増えているのかもしれません。

持ち直している……だと……!

データピーク時前年
(2016年)
現在
(2017年)
麻雀ゲーム料3,590億円(1985年)490億円500億円
雀荘数36,173軒(1978年)※9,176軒8,736軒
参加人口※2,140万人(1982年)500万人500万人
年間平均費用35,700円(1986年)6,300円8,200円

※2015年の麻雀フェスタさんの記事によると、この数値には、実際には廃業して
 いるが、廃業届を出していないので営業扱いにされている店舗も含まれている
 ため、実際の店舗数は5000~6000軒ではないかということでした。
 麻雀フェスタさんの記事が書かれた当時から、警察庁発表の雀荘数は2,000軒以上
 減っているので、実際の店舗も相当数減少していると考えられます。
 なお、2019年1月10日現在、麻雀王国のカウンターでは掲載雀荘数は5,122軒
 でした。

※麻雀の参加人口が正式に記載されるようになったのは『レジャー白書 1983』から
 なので(それ以前に「1979年の麻雀の参加人口は1620万人」という記載あり)、
 1981年以前に参加人口のピークがあった可能性があります。


以下は、各データの推移を示すグラフです。

  • 麻雀ゲーム料の市場規模の推移(単位:億円)
麻雀ゲーム料市場データ

  • 全国の雀荘数の推移(単位:軒)
雀荘数

  • 麻雀の参加人口の推移(単位:万人)
麻雀参加人口

  • 麻雀の年間平均費用の推移(単位:円)
麻雀年間平均費用

※2009年から、調査手法が訪問留置法からインターネット調査に変わっています。
 これにより、従来見逃されてきたネット麻雀しかしない層(ほとんど費用を
 使わない層)等がフォローできるようになったと考えられます。
 2009年に年間平均費用が急減したわけではありません。



2.この宣誓を法と心得よ!

Baahubali
(映画『バーフバリ 伝説誕生』)

  • 各種ゲーム・ギャンブルの参加人口/市場規模
レジャー201220132014201520162017
麻雀760650870600500500(万人)
580560510520490500(億円)
囲碁400280310250200190(万人)
将棋850670850530530700(万人)
ゲーム
センター
1,8601,5401,9201,4801,4501,340(万人)
4,6004,4304,2404,0504,2104,420(億円)
家庭用
ゲーム
3,0802,5302,6802,1701,9802,000(万人)
4,8704,4303,9903,4803,2503,900(億円)
オンライン
ゲーム
1,1601,1401,6401,5001,2701,270(万人)
7,0608,4209,31011,04012,10012,450(億円)
パチンコ1,1109701,1501,070940900(万人)
256,720250,050245,040232,290216,260195,400(億円)
中央競馬960840890790750760(万人)
23,94024,05024,94025,83026,71027,480(億円)
データ201220132014201520162017
総実労働時間
(正社員)
201119971998200920062026(時間)
総実労働時間
(労働者全体)
180817921788178417831721(時間)
余暇時間
ゆとり感指数
-2.2-3.6-2.0-2.1-2.8-3.3
消費支出314,229318,707318,650315,428310,389312,926(円)
教養娯楽費30,57430,86430,51430,41930,26930,560(円)
余暇支出
ゆとり感指数
-5.1-2.6-3.0-2.2-0.1-1.0


■余暇時間と余暇支出

2017年は労働者全体の総実労働時間は1,721時間となり、5年連続の減少になりました。しかし、労働者の7割を占める正社員の労働時間は増加しており、「労働者全体」という言葉のもつイメージとは裏腹に、労働時間の増えた人間の方が多くなっています。「時間的なゆとり感指数」は前年より低下しており、余暇時間が減ったと感じる人が多くなっています。

2014年以降、消費支出と教養娯楽費は、物価指数を考慮しても減少し続けていましたが、2017年には微増しました。しかし、「支出面でのゆとり感指数」は前年より低下しており、余暇支出が減ったと感じる人が多くなっています。

ゆとり感がないわりには、参加人口・市場規模のいずれも増加しているゲームがけっこう見受けられます。

■個々のレジャー

近年は将棋の躍進がめざましく、参加人口も30%増の700万人に達しています。

将棋界では最高齢プロ棋士である加藤一二三九段が引退、引退前の加藤九段と対戦した藤井聡太四段がデビュー後29連勝、羽生善治が史上初の「永世七冠」達成と、話題が続いた。

昨年の記事にも書いたとおり、法改正の影響という点で対照的なのが、ゲームセンターとパチンコです。2016年6月の風適法改正で、16歳未満が、保護者同伴なら22時までゲームセンターに入店できるようになったため(それまでは18時まで)、参加人口は減少したものの、ゲームセンターの売上げは引き続き増加しています。一方、パチンコは、「風営法施行規則の改正や射幸性の高い遊技機の自主撤去などで、営業上の主力機を外さざるを得ない状況」にあり、受動喫煙対策や、将来的な消費税率アップもあって、経営を断念するホール企業が増えています。

2016年の記事で、自民党「競馬推進議員連盟」が、競馬法の改正に大きく寄与したことを書きました。麻雀でも、昨年12月に自民党「頭脳スポーツとしての健全で安全な麻雀を推進する議員連盟」(仮称)が設立されています。福地先生の「以前はどうしてもこうはいかなかった。」という感想に実感がこもっていますね。将棋みたいに、2019年は麻雀が表舞台に出るようになるのでしょうか。


3.若者やお年寄りの方が麻雀に興味を持っている、のか?

麻雀に目を向けると、これまではレジャー白書以外の統計データがありませんでした。しかし、8月のMリーグ発足会見では、藤田チェアマンから全国1万人にアンケートを取った結果が発表されました。レジャー白書のサンプル数は約3,000人(2018年は3,214人)なので、それをしのぐ規模になります。ただし、Mリーグの前段階として準備された統計ですから、関係者の期待バイアスがかかっている可能性はあります。

変化の兆し1

変化の兆し2

変化の兆し2_2

アンケート結果の「若者やお年寄りの方が麻雀に興味を持っている」のうち、お年寄りについては『レジャー白書』の数字からも明らかでした。退職後の楽しみとして、麻雀をたしなむお年寄りが多いんですね。しかし、若者についてはどうでしょうか。

  • 麻雀の年代別参加人口(単位:万人)
全年代10代20代30代40代50代60代70代
20127603611913112188116150
201365038103928810013692
201487038116125104102196189
20156003670708751102184
2016500225857905599122
20175004152516471104121
前年比±0+19-6-6-26+16+5-1

  • 男性の年代別参加人口(単位:万人)
男性全体10代20代30代40代50代60代70代
20125963393110976590108
2013491297781647910655
201468825981149087141132
2015482295662764275143
201639717555475497475
201737532313955559174
前年比-22+15-24-15-20+6+17-1

  • 女性の年代別参加人口(単位:万人)
女性全体10代20代30代40代50代60代70代
20121643272124232542
20131598261124213038
201418213171114155557
201511871481192741
20161036331562547
2017126921129161347
前年比+23+3+18+9-6+10-12±0

『レジャー白書』をみると、20代男性の数がかなり減っている一方で、10代男性と20代女性の数は大きく増えていますね。ホントかよ……。

RTDリーグとか、女子高生麻雀大会とか、アカギと穏乃さんとか、いろいろ理由は考えられますが、単年の結果はあまり当てにならないので、今年の動向をうかがいたいところです。

  • 麻雀の参加者に占める50代以上の比率
199720072014201520162017
29.6%43.8%55.9%56.2%54.9%58.6%

70代は例年と変わらず高水準を維持しており、60代女性は数を減らしましたが、その他の中高年層が数をのばした結果、麻雀参加者のシニア化はかつてなく進みました。


4.Mリーグ開幕ッ!

さぁ、麻雀をあたらしい時代へ。

2018年10月に、日本初の本格的なプロリーグといっていいMリーグが開幕しました。

麻雀のパーセプションチェンジ

Mリーグゼロギャンブル宣言

麻雀はオリンピック競技へ

「パーセプションチェンジ」「ゼロギャンブル宣言」「オリンピック競技へ」——

Mリーグが「ゼロギャンブル宣言」を出すに至った事情は重々わかります。しかし、私のように、たいした金を賭けて打ったこともねーくせに、バクチとしての麻雀に魅力を感じている人間にとっては複雑な思いがありますね。また、以前の記事でも書いたように、「オリンピック正式種目化をめざす」というのも今ひとつピンとこなかったりするのですが、麻雀があたらしいステージに進んだことは間違いありません。

ここで、25年前のマンガ画像をペタリ。
廃刊間際の「麻雀ゴラク」に連載されていた安藤満原作・のなかみつる作画の『劫の修羅』で、主人公が連盟のプロテストを受けるシーンです(例によって、四方田さんの解説はこちら)。

1勝99敗の男1

1勝99敗の男2

1勝99敗の男3
(『劫の修羅』麻雀ゴラク 1994年10月号)


天国の安藤さん、見てますか……

3枚目に描かれているのは、左から、安藤満プロ、灘麻太郎プロ、伊藤優孝プロですが、それにつけても優孝のイケメンぶりよ……。


5.Bリーグ・Tリーグとの比較

BT
(『魔少年ビーティー』)

さて、観戦人口増加の影響か、最近はさまざまな競技のプロスポーツ化が盛んです。

  • スポーツ観戦料の市場規模の推移(単位:億円)
スポーツ観戦料

そこで、Mリーグ最高顧問である川淵三郎氏が主導したBリーグ、Mリーグと同時期にはじまったTリーグと、Mリーグを比較してみます。もっとも、バスケに関していえば、Bリーグの前身となったbjリーグは2005年からやっており、Bリーグは大成功しているので、比較対象というよりはむしろモデルケースになります。

2016年9月22日    Bリーグ開幕(バスケットボール)
2018年10月1日Mリーグ開幕(麻雀)
2018年10月24日Tリーグ開幕(卓球)

いずれも「卓」を使うMリーグとTリーグは同時期開幕ということから、卓球専門サイト「Rallys」でも、開幕前に両リーグの比較がなされていました。内容を簡単にまとめると以下になります。

MよりTが有利な点
  • 麻雀卓や牌の市場に比べて、卓球用具・ウェア販売ビジネスのマーケットははるかに大きい。
  • 「麻雀=賭け事」というダーティーなイメージがあるのに対し、卓球は「健康で健全なスポーツ」という認知がされている。
TがMに学ぶこと
  • 業界のしがらみに縛られることなく改革を断行できる、チェアマン・藤田晋氏、最高顧問・川淵三郎氏という強力な「外部人材」
  • Mリーグ発表前からのAbemaTVによる観る雀の普及や、ドラフト会議、萩原聖人参戦等の「メディア戦略」

■競技人口

『レジャー白書』の参加人口を「実施人口」とし、これに笹川スポーツ財団の中央競技団体現況調査(隔年)の「競技人口」を加えた表が以下になります。簡単にいうと、エンジョイ勢も含めたのが「実施人口」で、ガチ勢が「競技人口」、ガチ勢のうち各競技団体に登録されているのが「登録人口」になります。
なお、バスケの競技者登録人口(2016年)は、サッカーに続く2位でした(競技者登録制度のない野球が実質的に1位と考えられるため、バスケは実質3位になります)。卓球は、バレーボールに次ぐ7位(実質8位)となり、競技人口も年々増加していることから、プロリーグ化は順当といえます。

登録人口、競技人口、実施人口の関係

  • 麻雀・バスケ・卓球の実施人口/登録人口(単位:万人)
レジャー201220132014201520162017
麻雀実施人口760650870600500500
バスケット
ボール
実施人口390310350400410370
登録人口61.562.063.7
卓球実施人口830660700720780830
登録人口30.531.732.7

Bリーグ開幕後もバスケの実施人口はのびていませんが、卓球も含めて、2018年の登録人口の増加度合いは気になるところです。麻雀の実施人口も、将棋ほどとはいかなくても、今後の増加が見込まれます。

また、収入面のモデルケースとして、2016年度2017年度のBリーグ決算概要(B1・B2)から営業収入のみを抜き出すと、収入の1位はスポンサー収入、2位は入場料収入でした。

  • Bリーグ決算概要(単位:千円)
科目2016年度2017年度前年比
営業収入14,967,87619,485,1014,517,225
入場料収入3,353,7294,224,068870,339
スポンサー収入7,807,49910,403,2022,595,703
物販収入631,698969,812338,114
ユース・スクール関連収入544,268639,13894,870
配分金(賞金除く)1,043,1141,155,849112,735
その他1,587,5312,093,030505,499


■スポンサー収入

Bリーグ営業収入の第1位となるスポンサー収入は、2016年度が78億円、2017年度が104億円でした。その好調ぶりは、ユニフォームからもうかがえます。

  • Bリーグ ユニフォーム(2016)
uniform_B

以下は、B1クラブの中で、2016年度のスポンサー収入が1位(7億円)だった大阪エヴェッサのユニフォームです。

大阪エヴェッサ(シャツ)

フロントバック
ヒューマンホールディングス株式会社
※大阪エヴェッサの親会社
ソフトバンク株式会社
「DIVINER」
株式会社エヴァー・グリーン
株式会社フロアテック

大阪エヴェッサ(パンツ)

フロントバック
「KINCHO」
大日本除虫菊株式会社
ブルーコンシャス株式会社
「ecost」
株式会社ホワイトベアー
株式会社
松竹マルチプレックスシアターズ
株式会社泉北商運株式会社ACE
株式会社やすらぎグループ


一方、開幕したばかりのMリーグ、Tリーグのユニフォームは、今のところ、親会社と関連会社のロゴだけのものがほとんどです。

  • Mリーグ ユニフォーム(2018)
uniform_M

たとえば、渋谷ABEMASのユニフォームだとこんな感じ。

渋谷アベマズ

フロント
AbemaTVサイバーエージェント(CA)とテレビ朝日のインターネットTV
MakuakeCA子会社のクラウドファンディング
AWACAとエイベックスの音楽配信サービス
OPENREC. tvCA子会社の動画配信サービス

  • Tリーグ ユニフォーム(2018)
uniform_T


■入場料収入

Bリーグ営業収入の第2位となる入場料収入は、2016年度が33億円、2017年度が42億円でした。各リーグの入場料収入を検討するため、試合数やチケット代を比較した表が以下になります。

リーグ観戦
形態
最大観戦数チケット代平均
入場者数
レギュラーファイナル
B1生観戦
LV
54013+1,000〜23,000円2,897人
MLV70
※2試合
1セット
6
※3試合
1セット
2,000円
※年会費6,500円の
 オフィシャルサポーター

4,000円
Max 350人
※面積342.11 ㎡
(ステージ・
ドリンクコーナー
含む)
T生観戦8421,000〜18,000円1,289人
 ※B1リーグのプレーオフについては省略しました。
 ※B1・Tリーグの平均入場者数は「Rallys」の記事を参照しました。

リーグ試合数
レギュラーファイナル
B1540
(18チーム × 60試合)
13+
(準々決勝・準決勝 各2〜3試合
決勝1試合)
M140
(7チーム × 80試合)
24
(4チーム × 24試合)
T84
(男女各4チーム × 21試合)
※1試合は4マッチ+延長戦
2
(男女各1試合)

そもそも、Mリーグ・Tリーグは7、8チームだけですが、B1クラブは18チームもあるため、試合数が段違いです(Tリーグは、「4マッチ+延長戦」を1試合としているため、試合数が少なくなっていることもあります)。それでも、平均入場者数が約3,000人にも達しているのがおそろしい……。バスケは観戦者にアピールできる見映えのするシーンが多く、「1人観戦より集団観戦型」というデータも出ているため、両リーグが追いつくのは難しそうです。

さらに、ライブビューイング(LV)しかないMリーグは、高額の入場料を設定したり、席によって値段に差をつけることができません。また、数千人から1万人超えの収容人数をもつ体育館やアリーナとは異なり、Mリーグ唯一の観戦会場である「TABLOID」では、せいぜい数百人しか入れないのもネックになります。来年度は会場数の増加が予想されますが、試合後の選手との交流も大きな売りなので、そうそう増やすことはできなさそうです。


■稼ぐがすべて!

Bリーグの常務理事・事務局長である葦原一正さんが書いた『稼ぐがすべて Bリーグこそ最強のビジネスモデルである』を読むと、同じ川淵さんがかかわっているだけあって、MリーグはBリーグから多大な影響を受けていることがわかります。
たとえば、「♪ニャー、ニャニャニャー」ですっかりおなじみのMリーグ公式アンセムも、元々はBリーグからきてるんですよね。アンセムというのはどのプロリーグにもあるわけではなく、Tリーグにはありません。

『稼ぐがすべて』から、Mリーグにも生かせそうな箇所を抜き出すと、「リーグガバナンス」「デジタルマーケティング」「スマホファースト」など。
SNSの活用や、AbemaTVでの観戦、チケット購入もスマホだけでOKと、「スマホファースト」は実現できていますが、オフィシャルサポーターやLV観戦者のデータが、活用できるほどの規模になっているかは不明です。リーグ主導のガバナンスは一見できているようですが、各チームの所属選手はそれぞれのプロ団体にも所属しているわけで、一致団結できなくなる可能性もあります。

他にも、「4Kの大画面や、ドリブル音等の振動再現、2会場の双方向コミュニケーションにより、オールスターゲームのLVを画期的なものにした」という話は、Mリーグも参考にしていると思います。しかし、実際にMリーグのLV会場に足を運んでみたところ、スポーツと卓上ゲームの違いか、1対1ではなく4チームが対戦するゲームの構造上の問題か、個人的にはそこまで臨場感や一体感を感じることはできませんでした。
ただ、チケットは3月のファイナルまで完売していますし、これからどんどんよくなっていくことを期待したいです。

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麻雀の市場規模データを更新しました⑥ 〜観る雀でいいじゃん編〜

マミる
(『魔法少女まどか☆マギカ』第3話)

今年の『レジャー白書』が出版されたので、麻雀の市場規模データを更新しました。
雀荘数については、警察庁のホームページにある統計から、「平成28年における風俗環境の現状と風俗関係事犯の取締り状況等について」を参照しています。


1.麻雀の市場規模データを更新しました

2.麻雀は60歳から?

3.「観る雀」とは

4.観る雀は参加人口を増やすか?

5.観る雀は麻雀業界を変えるか?



1.麻雀の市場規模データを更新しました

今年の『レジャー白書』によれば、2016年のデータは以下でした。

2011年以降、雀荘の市場規模は500億円代を維持していましたが、2016年にはとうとう500億円を切りました。参加人口も史上最低の500万人を記録しています。

データピーク時前年
(2015年)
現在
(2016年)
麻雀ゲーム料3,590億円(1985年)520億円490億円
雀荘数36,173軒(1978年)※9,626軒9,176軒
参加人口※2,140万人(1982年)600万人500万人
年間平均費用35,700円(1986年)6,600円6,300円

※2015年の麻雀フェスタさんの記事によると、この数値には、実際には廃業して
 いるが、廃業届を出していないので営業扱いにされている店舗も含まれている
 ため、実際の店舗数は5000~6000軒ではないかということでした。
 麻雀フェスタさんの記事が書かれた当時から、警察庁発表の雀荘数は1,000軒以上
 減っているので、実際の店舗も相当数減少していると考えられます。
 なお、2017年9月18日現在、麻雀王国のカウンターでは掲載雀荘数は5,113軒
 でした。

※麻雀の参加人口が正式に記載されるようになったのは『レジャー白書 1983』から
 なので(それ以前に「1979年の麻雀の参加人口は1620万人」という記載あり)、
 1981年以前に参加人口のピークがあった可能性があります。


以下は、各データの推移を示すグラフです。

  • 麻雀ゲーム料の市場規模の推移(単位:億円)
麻雀ゲーム料市場データ

  • 全国の雀荘数の推移(単位:軒)
雀荘数

  • 麻雀の参加人口の推移(単位:万人)
麻雀参加人口

※2009年から、調査手法が訪問留置法からインターネット調査に変わっています。
 これにより、従来見逃されてきたネット麻雀しかしない層等がフォローできるように
 なったと考えられます。2009年に参加人口が急増したわけではありません。


  • 麻雀の年間平均費用の推移(単位:円)
麻雀年間平均費用

※2009年から、調査手法が訪問留置法からインターネット調査に変わっています。
 これにより、従来見逃されてきたネット麻雀しかしない層(ほとんど費用を
 使わない層)等がフォローできるようになったと考えられます。
 2009年に年間平均費用が急減したわけではありません。


データピーク時前年
(2015年)
現在
(2016年)
麻雀ゲーム料3,590億円(1985年)520億円490億円
雀荘数36,173軒(1978年)※9,626軒9,176軒
参加人口※2,140万人(1982年)600万人500万人
年間平均費用35,700円(1986年)6,600円6,300円


2.麻雀は60歳から?

麻雀参加者のシニア化問題
(『ナルミ』第5巻)

  • 各種ゲーム・ギャンブルの参加人口/市場規模
レジャー201120122013201420152016
麻雀960760650870600500(万人)
560580560510520490(億円)
囲碁380400280310250200(万人)
将棋830850670850530530(万人)
ゲーム
センター
1,9101,8601,5401,9201,4801,450(万人)
4,6604,6004,4304,2404,0504,210(億円)
家庭用
ゲーム
3,3403,0802,5302,6802,1701,980(万人)
5,0204,8704,4303,9903,4803,250(億円)
オンライン
ゲーム
1,1601,1401,6401,5001,270(万人)
4,6707,0608,4209,310※11,04012,100(億円)
パチンコ1,2601,1109701,1501,070940(万人)
254,890256,720250,050245,040232,290216,260(億円)
中央競馬930960840890790750(万人)
22,94023,94024,05024,94025,83026,710(億円)
データ201120122013201420152016
総実労働時間
(正社員)
198420111997199820092006(時間)
総実労働時間
(労働者全体)
178818081792178817841783(時間)
余暇時間
ゆとり感指数
-1.6-2.2-3.6-2.0-2.1-2.8
消費支出308,524314,229318,707318,650315,428310,389(円)
教養娯楽費31,25730,57430,86430,51430,41930,269(円)
余暇支出
ゆとり感指数
-7.3-5.1-2.6-3.0-2.2-0.1

昨年の記事とは、2015年のオンラインゲームの市場規模の数値が異なりますが、
 今年の『レジャー白書』で当該の数値が変更されていたため、こちらも変更して
 います。


■余暇時間と余暇支出

2014年と2015年はパートタイマーの労働時間は減る一方で、労働者のうち約3/4を占める正社員の労働時間は増えていましたが、2016年は、パートタイマーと正社員のいずれも労働時間が減少しています。しかし、「時間的なゆとり感指数」は前年より低下しており、余暇時間が減ったと感じる人が多くなっています。

2014年以降、消費支出と教養娯楽費は、物価指数を考慮しても減少し続けています。しかし、「支出面でのゆとり感指数」は前年より上昇しており、余暇支出が増えたと感じる人が多くなっています。


■個々のレジャー

2016年6月の風適法改正で、16歳未満が、保護者同伴なら22時までゲームセンターに入店できるようになったため(これまでは18時まで)、ゲームセンターの売上げが増加しました。同様に法改正による影響として、中央競馬では、2015年4月の競馬法改正(11月施行)で海外の主要レースの馬券もネット発売されるようになり、第95回凱旋門賞の国内の馬券売上げは、開催国であるフランスの倍以上に及びました。

逆に、規制による減収が見込まれるレジャーにはパチンコがあります。
2016年12月にいわゆる「カジノ法案」(IR推進法)が成立したことで、ギャンブル依存症対策の強化が求められており、警察庁はパチンコでも規制を強化するそうです。4時間当たりの儲けの上限が5万円以下となるような出玉規制の強化等が発表されています。
『レジャー白書』の記述を引用すると(96ページ)、

本来ギャンブルではないものの、パチンコ営業が持つさまざまな賭博的要素への改善圧力が従来以上に強まっている。

ということになります。

オンラインゲームでは、2015年以降、参加人口は減少しているのに市場規模は変わらず増え続ける「ギャンブル化」が進んでいます。減少したパチンコの参加人口がこちらに流れている可能性もあります。


■麻雀

  • 麻雀の年代別参加人口(万人)
全年代10代20代30代40代50代60代70代
20091,35087258193157199458
20101,24087193201182172404
201196087168145109137313
20127603611913112188116150
201365038103928810013692
201487038116125104102196189
20156003670708751102184
2016500225857905599122
前年比-100-14-12-13+3+4-3-62
※年代別参加率と各年10月1日現在人口から年代別参加人口を推計

  • 男性の年代別参加人口(万人)
男性全体10代20代30代40代50代60代70代
20091,00063197161111149320
201095576151170149136273
20117746314211993104251
20125963393110976590108
2013491297781647910655
201468825981149087141132
2015482295662764275143
201639717555475497475
前年比-85-12-1-8-1+7-1-68

  • 女性の年代別参加人口(万人)
女性全体10代20代30代40代50代60代70代
20093502461324650138
20102851142313336131
2011186242626163362
20121643272124232542
20131598261124213038
201418213171114155557
201511871481192741
20161036331562547
前年比-15-1-11-5+4-3-2+6

2016年は、全年代で参加したレジャー数が減少しました。特に、50代以降の男性において、年齢が高くなるほど減少幅が大きくなっています。実際、囲碁も将棋もパチンコもシニア男性の参加人口は減っています。
麻雀では、70代男性が約70万人と大きく参加人口を減らしていますが、理由はよくわかりません。強いていうなら、10〜60代男性では、余暇支出が減ったと感じる人の比率は2015年より少なくなっています。しかし、70代男性では、2015年の17.7%が、2016年には22.7%と5%増えています。

  • 麻雀の参加者に占める50代以上の比率
19972007201420152016
29.6%43.8%55.9%56.2%54.9%

70代男性の麻雀人口が大幅に減ったため、麻雀参加者のシニア化はやや緩和されました。それでも2人に1人(44%)が60代以上のシニア層になっています。
若いうちは麻雀に使う時間がもったいないため、「麻雀は60歳から」というのが麻雀ライター・福地誠先生の持論ですが、「麻雀は60歳以上だけ」という状況になりつつあります。

前述のとおり、2011年以降、雀荘の市場規模は500億円代を維持していましたが、2016年には490億円に落ち込みました。雀荘数も、警察庁の発表だけでも毎年500〜600軒のペースで減少しており、2015年には1万軒を切っています。
福地先生のブログの記事にある、コナミからプロ連盟への「フリー雀荘(オンレート)のゲストは辞めてくれという要請」に代表される麻雀健全化の動きも、雀荘の規模縮小に拍車をかけそうです。

福地誠天鳳名人位blog
【麻雀】健全化は前進か?
【連盟】コナミからの要請

このまま雀荘数の減少と麻雀人口のシニア化が進むと、10年後、20年後には、リアル麻雀が打てるのは都内の雀荘と老人ホームだけになります。そうなると、雀荘に生活基盤を置いている麻雀プロの数も減ることになり、麻雀プロ団体間の吸収合併が進んだりする……のかな。

麻雀ウォッチ
麻雀プロ団体が一つになったら、放映権は〇〇億円?

この麻雀ウォッチの記事にあるように、複数ある麻雀プロ団体の統一や、各団体で異なるルールの統一が議論されることはよくありますが、雀荘の規模縮小というネガティブな理由で、はからずも団体間の統一が進むかもしれません。


3.「観る雀」とは

麻雀を観る楽しさ
(『天牌』第12巻)

自分では将棋を指さずに、プロの対局を観る専門の将棋ファンを「観る将(みるしょう)」と呼びます。第1回将棋電王戦など、2012年から将棋のネット放送が本格的に開始され視聴者が増加したことで、2013年から「観る将がアツい」などといわれるようになりました。

麻雀も、放送対局の増加にともない、観て楽しむファンが増えているようです。たとえば、今年の3月に掲載されたAbemaTVの中の人のインタビュー記事でも、麻雀番組の視聴者の存在感の大きさが語られています。

小池政秀氏(以下、小池) もちろん、若い方向けのコンテンツだけを用意しているわけではなく、麻雀や将棋、釣り専門のチャンネルもあります。これらは、上の世代にも人気ですね。

――麻雀は強いですよね。

小池 麻雀については、「AbemaTV」さえ見ておけばトッププロが集う主要な対局を把握できるようにしています。麻雀はテレビで頻繁に扱われるコンテンンツではないですが、「AbemaTV」にとってはすごく大きなコンテンツですね。また、麻雀チャンネルのユーザーはアクティブ率が高いんです。頻繁に訪れる上、長時間視聴してくれます。


観る麻雀ファン――「観る麻(みるま)」


マミる

……だといいにくいので、「観る雀(みるじゃん)」に落ち着いたようです。ちなみに、「麻将」ならこちらも「観る将」ですね。

観る雀は、福地先生のブログやAbema 麻雀 TIMESでも取り上げられています。

福地誠天鳳名人位blog
【健麻】「観る雀」の誕生
【麻雀】「観る雀」は増えてるか
【麻雀】アベマの影響
Abema麻雀TIMES「観る雀」も注目
 麻雀プロたちの個性的なこだわりファッション
 戦い方も十人十色
「観る雀」だけが気付く麻雀プロの所作いろいろ

「指さずに観るだけの将棋ファン「観る将」が急増中」というNAVERまとめによれば、

タイトル戦のブログで紹介される、棋士が食べた食事やおやつの記事も人気のようです。

ということなので、麻雀も対局中におやつを出せばいいんじゃないかな(適当)。

麻雀部だと毎日菓子が
※上掲の照画像は、『咲 -Saki-』の17巻がなかなか出ないので、泣く泣く
 いのけんさんの記事からお借りしました。



4.観る雀は参加人口を増やすか?

藤井四段ランキング

■麻雀

ニコニコ生放送で麻雀最強戦や天鳳名人戦、物議を醸した十段戦等の麻雀対局が急増したのが2011年、AbemaTVの開始は2016年です。
AbemaTVの視聴者は40代以上の男性が多いそうですが、こうした観る雀の増加は、参加人口に影響しているのでしょうか?

  • 麻雀の年代別参加人口(万人)
全年代10代20代30代40代50代60代70代
20091,35087258193157199458
20101,24087193201182172404
201196087168145109137313
20127603611913112188116150
201365038103928810013692
201487038116125104102196189
20156003670708751102184
2016500225857905599122
前年比-100-14-12-13+3+4-3-62
※年代別参加率と各年10月1日現在人口から年代別参加人口を推計

うーん、40代・50代の微増は観る雀の影響かもしれませんが、全体的には大分減ってますね。


ダメじゃん! (´・ω・`)


ドラマ『アカギ』続編 阿知賀編実写化決定!

ところで、昨年の記事には、若年層の麻雀人口について次のような予想を書いていました。

アカギがダメでも、咲さんならっ…! 咲さんならやってくれるはずっ…!

が、ダメっ…!

10代と20代を合わせた麻雀人口(正確には15〜29歳の麻雀人口)は、昨年の106万人から80万人に減っているので、この予想はまったくの的外れに終わりました。しかし、今年の10月からドラマ版『アカギ』の続編が、12月から来年にかけては、『咲 -Saki- 阿知賀編 episode of side-A』の実写化が予定されています。

咲がダメでも、アカギと穏乃さんならっ…

いや、なんでもないです。


■将棋

本家・観る将はどうかというと、今年の前半に、中学生プロ・藤井聡太四段の29連勝が大きな注目を集めたのは記憶に新しいところです。

  • 将棋の参加人口の推移(単位:万人)
        
全年代(15~79歳)     
少年層(15~19歳)

将棋参加人口(全年代)

将棋参加人口(少年層)

※2009年から、調査手法が訪問留置法からインターネット調査に変わっています。
 これにより、従来見逃されてきたネット麻雀しかしない層等がフォローできるように
 なったと考えられます。2009年に参加人口が急増したわけではありません。


2016年の将棋人口は、2015年と同じ530万人でした。プラマイゼロですが、麻雀が100万人、囲碁が50万人をこの1年で減らしたことを考えれば、将棋はかなり健闘したといえます。これは、2012年以来の観る将の影響というよりも、『聖の青春』や『3月のライオン』といった将棋を題材とした映画・アニメの公開や、藤井四段の史上最年少でのプロ入りの影響と考えられます。

羽生善治プロが七冠に挑戦したいわゆる「羽生フィーバー」(1995〜1996年)のその後をみると、藤井フィーバーもどれくらい続くかわかりません。ただ、将棋は、もともとアナログゲームの中では例外的といえるほど分厚いキッズ層(5〜14歳)を抱えています。藤井四段の活躍をきっかけに小学生の将棋大会の参加者が急増しているとのことなので、今後、キッズ層の参加人口が10代(15〜19歳)以降にも引き継がれていく可能性はあります。

  • 2015年のアナログゲームの年代別参加人口(単位:万人)
ゲーム全年代
(キッズ
を含む)
キッズ10代20代30代40代50代60代70代
麻雀60883670708751102184
囲碁284342017852056124
将棋6831535053569251102127
※『レジャー白書』では、15〜79歳を調査対象としています。
 従来、キッズ(5〜14歳)は調査対象外ですが、2015年は特集に付随して
 調査されています。


  • 麻雀・囲碁・将棋の休眠人口
ゲーム参加人口経験人口休眠人口
麻雀(2009)1350万人4120万人2770万人
囲碁(2009)640万人2200万人1560万人
将棋(2009)1270万人4440万人3170万人
将棋(2014)850万人3560万人2710万人


■テニス

ついでに、スター選手つながりで、近年、錦織圭選手がめざましい活躍をみせているテニスについても調べてみました。

錦織選手がメディアで大きく注目されるようになったのは、全米オープン決勝に進出した2014年からになります。テニスのグランドスラムをほぼ独占的に放送しているWOWOWは、2014年9月に153,273件も新規加入を増やし(通常は月6万件程度)、「錦織バブル」と呼ばれました(「観るテニ」?)。
テニスの参加人口はここ数年横這いが続いています。ゴルフやスキーのように、2016年になって大きく参加人口を減らした種目もありますが、全体的にみればスポーツは近年堅調であり多くの種目が似たような推移だったので、錦織選手の与えた影響はよくわかりません。

  • テニスの参加人口の推移(単位:万人)
        
全年代(15~79歳)     
少年層(15~19歳)

テニス参加人口(全年代)

テニス参加人口(少年層)

スポーツ全般に目を向けると、近年は、スポーツ観戦の売上げが増加しています。プロ野球は、観客動員数が4年連続で増加し、12球団中7球団が球団新記録または実数公開後最多記録を更新しています。Jリーグも入場者数が増加しました。2016年9月には、バスケのプロリーグであるBリーグが開幕しています。

  • スポーツ観戦料の市場規模の推移(単位:億円)
スポーツ観戦料

最近のゲーム実況人気なんかもあわせて考えると、各分野で「観る〇〇」化が起こっているような気もします。

自らも将棋を指して楽しむ従来の将棋ファン(「指す将」)とは異なる形のファンとして「観る将」という言葉が出てきたわけですから、観戦人口が増えたからといって参加人口も増えるとはかぎりません。参加人口の増加には、スター選手の登場の方が影響が大きいようにみえますが、参加予備軍に競技や選手の魅力を伝えるという点で、観る将や観るテニによる相乗効果があったかもしれないですね。


5.観る雀は麻雀業界を変えるか?

チアフルーツ
(『アクションヒロイン チアフルーツ』第4話)

将棋やテニスでは、
  • プロが、一般人とはかけ離れた高い技量を有していることが一般的に認知されている
  • 競技に人気があり、対戦番組が映像コンテンツとして確立している
    = プロが対戦によってスポンサーから相当額の収入を得ることができる
という図式が成立しています。

将棋でもっとも権威のあるタイトルである「名人戦」は、マスメディアである新聞社によって主催されていますし、テニスでも他業種のスポンサーがついています。

日東電工、男子テニスATPの大会スポンサーに(2017/5/25)

 日東電工は25日、テニスの男子ツアーを統括する団体ATPと、ATPツアー・ファイナルのタイトルスポンサーになる契約を結んだと発表した。期間は2017年から4年間で、大会名に日東電工の社名「Nitto」が冠される。

つまり、将棋やテニスは、観戦人口が増えれば選手や業界が収入を得られるため、「指す将」や「打つテニ」が減ってもある程度はやっていけるわけです。


しかし、「麻雀界」編集長・髙橋常行さんのこのツイートにあるように、麻雀業界は雀荘業界と重なり合う部分が大きいため、今のところ、「打つ雀(ぶつじゃん)」がいないとやっていけません。

雀荘の市場規模が500億円を切り、麻雀健全化が強くいわれるようになっている現在は、福地先生が書いているとおり、今後も麻雀業界が雀荘業界を中心に回っていくのか、メディア寄りになるのかの転換点だと思います。麻雀プロは今後、スポンサーのロゴマークをつけてテレビ対局に臨んだりするようになるのでしょうか。

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「冬の陽炎」ってフレーズはすげえセンスあるよな。



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