チャーミーボーイ

ライトなラノベコンテスト出品用に製作中です。 初心者なので誤字脱字、感想などあれば頂ければ幸いです。 宜しくお願い致します。

事故もあってギリギリで教室に駆け込むと、何かザワついた空気になっていた。

「トモ、お早いお着きだなー。」

こいつは三笠 拓真(みかさ たくま)中学からの俺の悪友だ。
交通事故で引っ越してきた俺にいきなり話しかけてきて、各種イタズラに付き合わせるという、
別名「アクマ」と呼ばれ町内会から恐れられている極悪人である。

「トモ、ボケたか?何ブツブツ言ってんだ?」
「読者様にだな・・・」

と言ってる間にチャイムが鳴った。

「はーい、席に着けー」

担任が入ってきてからもクラスは落ち着かない空気だ。何かあるのか?

「2年C組の担任になった熊田だ、よろしく。知ってる者も多いと思うが今年度からの転入生を紹介する。」

これか、男子がザワついていると言う事は恐らく女子。しかも美少女だろう。

「入って来なさい。」

熊田がそう言うと、ドアが開き男子一同は息を飲んだ。


って・・・。さっきの美少女じゃないか!何?王道ラブコメ展開?席はまさか俺の隣とか!
という態度は表には出さず。無関心そうなフリをして俺は審判の時を待った。

「はじめまして。東京から来ました芹沢 桜(せりざわ さくら)です。宜しくお願いします。」

やべぇ。めっちゃカワイイ。
そんな声が教室の至る所から漏れ出していた。

「あ!」

芹沢さんはびっくりしたような声を上げた。
俺の時代が来たか・・・。熊田が「おお知り合いか芹沢、なら遠藤の隣の席に・・・」そして始まる二人の恋物語。
とバカな妄想に浸っていると。

「拓真ちゃん?え?この学校に居たんだ!久しぶりだね!」

え?俺の計画は・・・。よりにもよって拓真って・・・。

「そうだったな、なら芹沢、三笠の隣の席を使いなさい。」

熊田の非情な審判は下った。

俺はそのまま無関心の表情をホームルームの間続けるのだった。

「痛いよ!、やめてよ、く、苦しい。。。」

「もう、しないから。。。」

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「どりゃぁぁぁぁぁぁぁ!起きんかぁぁぁぁい!」

怒号と共に俺のみぞおちに《かいしんのいちげき》が。

「もー、いつまで寝てるの?朝ごはん食べちゃったよ!」

腹が痛い、悪夢はコイツのせいか。
激痛と嘔吐の感覚を感じながら俺は目を覚ました。
相変わらず最悪の寝起きだ。

俺の名前は遠藤 智文(えんどう ともふみ)ごく平凡な高校2年生。
趣味は昼寝、特技は話を聞きながらの寝落ちの自称イケボだ。
もちろん学校ではモテ・・・るわけは無い。

で、朝から俺のみぞおちに踵落しを決めてきた女は幼馴染の北山 遥(きたやま はるか)
同じく高校2年で陸上部のエースにして学園のアイドルらしい。
(アイドルは踵落しはしないので、俺は認めん!)
5年前、交通事故で両親を失った俺を親父の親友である遥の父親が引き取り。
今は遥の家でご厄介になっているという、いかにもありがちなラブコメ仕様。
ちなみに遥の家は父子家庭で、父親は仕事が忙しく滅多に家には帰ってこないというオプション付だ。
おかげで俺のバラ色になるはずだった中学、高校時代は「遥の許婚」のレッテルを張られ、
告白しても「遥ちゃんが居るんでしょ?」とフラれ、男子生徒からは因縁をつけられる毎日である。

そう、毎日が大殺界!

「さっきからブツブツ何言ってるの?」
「読者の方々に設定のご説明だ。」
「なにそれ?どーでもいいけど朝練あるから先行くね!戸締りとガスの元栓よろしく。」

言いたいことだけ言うと遥は慌しく俺の部屋から出て行った。

「お前は俺のおふくろか。」

ドア越しに小声で突っ込むと

「お皿も洗っといてね!あと、私はトモちゃんのい・い・な・づ・けでしょ?はは」

再びドアが閉まる。

「笑い事じゃねーよ!」

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かくして毎日の習慣?を終え、学校へと重い足を引きずりながら向かうと、

「キャーーーーーーーー!」

と、突然叫び声。
すると目の前には長い黒髪の儚げな美少女・・・とトレーラー!

とっさに俺はその美少女を突き飛ばし、紙一重の所でトレーラーを避けた。

マジで死ぬかと思った。
なんだか酷く頭が痛い。一瞬何か見えたのだが、多分走馬灯なのだろう。

「おーい、大丈夫かぁ?」

遠くで作業服の男が叫んでいる。
サイドブレーキの引き忘れのようだ。マジあぶねぇぞ!大丈夫じゃねぇよ!
と内心思いながらも美少女に駆け寄る。

「大丈夫・・・ですか?」
「あ、はい・・・」

美少女は消えそうな声で俺に答えると、泣きながら俺に抱きついてきた。

不謹慎なのだが「フラグきたー!」と心で叫んでいた。

「あ、ごめんなさい。ちょっと混乱していて。」

美少女は正気に戻ると、俺の顔をまじまじ覗き込み、満面の笑顔で

「ありがとうございます!」

と、俺に向かって言うと、つれっぽい女性の所まで掛けて行った。

なぜ《っぽい》って言うと、普通のつれなら心配そうな表情を浮かべたり、安否を確認するだろう。
だがその女はまさに鉄仮面のような無表情であった。
その上、その女はそら恐ろしい感じのする美人だった。
寒気が走るほどに。

いつもの俺なら喜んで眺めているのだろうが、何故かこの女と目を合わせる事が酷く怖かった。

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