hasunoha 川口英俊

「Hasunoha」お坊さんがこたえるQ&Aサービス http://hasunoha.jp/ 川口英俊回答のまとめ集

介護について

問い「自分の寂しさ」

問い「自分の寂しさ」

【ご質問内容】

母の妄想、誤認が認知症のためだと頭ではわかっているのに優しくできない、とご相談しました。

今さらながら気付きました。私は寂しいんだということに。

自分では両親のためを思って頑張っているつもりなのに、その事どころか話をしても正面から顔を見ても私を娘だとわかってくれていない、 
「ありがとうね」とか私に言われたことに謝って「すみません」と言うのも娘ではない誰か他の人に向けての言い方。

すべて認知症という病気のせいだとわかっているけどやっぱりあきらめられなくてきつめに 
「さっきから何度も私だって言ってるでしょう!」とか、これ以上一緒に居たくないと思って食事も自分の部屋で別に食べたりとかしています。

そばにいるよ、頑張ってるよってわかってもらいたいのにどうにもならない寂しさなんですよね、きっと。

でも今後、状態は良くはなっていきません。 
慣れるしか、あきらめるしかないのでしょうね。 
だったら早くあきらめて楽に、穏やかな気持ちになりたいです。 
何かご助言いただければ、と思います。

よろしくお願いいたします。

【拙回答】

粗い意識と微細な意識

川口英俊でございます。問いへの拙生のお答えでございます。

認知症となられてしまわれましたお母様とのこと、誠におつらいことでございます・・

肉体と心の関わりは密接であり、認知症など脳資質や機能の後退、ダメージが心へと与える影響も大きなものがあるため、本来の意識通りのことが難しくなってしまわれていることも、ある程度やむを得ないところがございます。

もちろん、生きている間も、死後においても、そのような肉体に左右されない微細なる意識が連続して続いていっている次第となりますが、凡夫においては、その微細な意識を知ることはできず、コントロールもできず、業・カルマ(行いの集積)に従って、様々に赴いてゆくこととなります。

しかし、その微細なる意識へと善き変容を働きかけることは可能であるかと存じます。今の肉体に左右されてしまう粗い意識ではなくて、死後も引き続き連続して続いていく微細なる意識への働きかけでございます。

肉体に支配されてしまっている粗いレベルの意識は、もはや肉体の崩壊とともに、どうしょうもないのですが、死後にも続く微細なる意識へと向けて、静かに慈悲の思いを向け、優しい言葉をかけ、心配りや、配慮ができれば、大変に有り難いことになるのではないかと存じております。

上記のことを理解するのは、非常に難しいのですが、要は、粗い意識と微細な意識が二つあり、微細な意識こそが、死後も続いていく本来のお母様であるとして、その微細な意識へと向けて、善き変容をもたらしめられていけるように、少しなりにも、できることで慈悲の思いにて働き掛けを賜れましたらと存じます。

きっと、その慈悲の思い、優しい思いは、お母様の微細なる意識の中において、善き変容をもたらせしめていけることができるとして、諦めたり、慣れたりというわけではなくて、そのように少しなりにも思われて、接されて頂けましたら有り難くに存じます。

ご家族皆様のお幸せを祈念申し上げます。

川口英俊 合掌

問い「夫と別居せざるおえない状況で両親の介護をしています」

問い「夫と別居せざるおえない状況で両親の介護をしています」
http://hasunoha.jp/questions/125

【ご質問内容】

お世話になります。現在、実家にて父(末期癌)と母(軽度認知症・不安神経症・視覚障害・聴覚障害)の介護の為、夫に一人暮らしをしてもらいながら介護をしています。私は三人兄弟の長女で子供もおらず、三人の中では比較的動くことが出来たのでこの生活を夫の許可を得てさせてもらっています。自宅には兄弟がこれる時を使って一ヶ月に一度ほど帰ることができているだけの状況です。
両親共に病気になる前から私に対しての甘えが強くあり、借金の返済を手伝って来たり、何か問題があれば私が出ていって力を貸すような関係でした。病気になってからその甘えはさらに強くなっているように感じ、日々口では「お前たち夫婦には悪いと思っている」というものの、特に何の努力もなく要求ばかりが増えていっています。夫も最初は「お父さんを優先してあげて。一番大変なのはお前だから俺で出来ることがあれば協力するから…」と言ってくれていたのですが、最近は「なぜ俺だけが我慢して耐えなくちゃならないんだ!誰のせいでこうなったんだ!お前が俺じゃなく両親を選んだからじゃないか!俺のことを最優先に考えて両親は施設なり病院なりにいれろ!それが出来なきゃ離婚だ。お前は俺を捨てたんだ…」とせめたてられています。
私も両親には複雑な思いがあるので、いろいろ考えるのですが、病院嫌いの父の最期を自宅で迎えさせてあげたいと家族で相談して在宅介護にした次第です。なぜ自分でも嫌だと思う両親を見捨てられないのか。夫を最優先に出来ないのかわかりません。心のどこかで夫のことを親身に思っていないのだろうか…協力してくれるとの言葉に甘え過ぎていたのだろうか…と自問自答しています。この先どうすごせば良いのか何を最優先にするれば良いのか悩んでいます。ご返答いただけますとありがたいです。よろしくお願い致します。

【拙回答】

「父母恩重経」(仏説父母恩重難報経)

川口英俊でございます。問いへの拙生のお答えとなります。

waka様のおつらいご心情、誠にお察し申し上げます。

「父母恩重経」というお経がございます。

http://ja.wikipedia.org/wiki/仏説父母恩重難報経

偽経説が有力なものの、親からの恩を十項目挙げることで、その恩に報いるべくに仏法の実践を促す良い内容となっております。

この中で、「求道者の報恩」の項目に、「父と母に病があれば、その床の辺りを離れず、親しく自ら看護すべきである。親の病の癒えることを願い、常に恩に報ゆる心をもって、少しの間も忘れてはならない。」と説明がございます。waka様はこの実践をなされておられますこと、実に尊いことであり、ご敬服申し上げる次第でございます。

但し、その引用文の続きには、「もし親が頑迷であり、道理にくらく、三宝を奉じようとせず、思いやりの心がなくて人を傷つけ、不義を行って物を盗み、礼儀なくして色欲にすさみ、信用なく人をあざむき、智にくらくして酒にふけっているならば、子はまさに厳しく諌めて、そのような行いから覚め悟らせるべきである。」とありますように、父母に対して、悪い行いをさせずに、悪業を積ませないためにも、仏法に基づいて諫めるべきは諫めることも必要となります。

もちろん、その引用の続きにありますように、諫めるために「断食」と言った極端な方法を取ることは在家者においては必要ありませんし、お父様は末期の癌でいらっしゃることもあり、ほんの少しだけでも分かって頂けるようにご兄弟と共に、やんわりとでも会話の中で、諫めるべきがあれば諫めてあげることも必要かとは存じております。

さて、ご主人との関係についてでございますが、こちらも相互協力により夫婦関係の維持に努めることが大切となります。

夫婦の法律教室
http://www3.ocn.ne.jp/~mhc/couplaw.htm

夫婦関係の維持についても、やはりないがしろにすることではいけないと存じております。

一つ、waka様の今のご負担について、ご兄弟での話し合いにより、ご兄弟の協力を得ることによって、何とか減らすべくに努力致して、夫婦関係の円満にも努められるようになさられるのが最も良いのではないだろうかとは存じております。字数制限上、ここまでにて。

川口英俊 合掌

「Hasunoha」お坊さんがこたえるQ&Aサービス
http://hasunoha.jp/

これまで拙生が回答させて頂きました内容は下記にてまとめて閲覧して頂くことができます。
http://hasunoha.jp/users/16
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