hasunoha 川口英俊

「Hasunoha」お坊さんがこたえるQ&Aサービス http://hasunoha.jp/ 川口英俊回答のまとめ集

写経について

問い「写経について(文字を間違えてしまいました)、そして煩悩」

問い「写経について(文字を間違えてしまいました)、そして煩悩」

【ご質問内容】

こんにちは。初めまして。よろしくお願いします。

私は人から「いつも笑顔が絶えない、穏やかでおおらかな人」と思われることが多いのですが、本当は凄く寂しがり屋で、孤独感でいっぱいになるときがあります。けれど、本当の自分を人に見せることができないので、寂しいとき、孤独感でいっぱいになったときはよく写経に行きます。一文字、一文字書きながら、仏様とお話しさせていだいている気持ちになります。

今年もバレンタインデーを一人で過ごすことになってしまい、寂しくて仕方なかく、チョコレート代わりに仏様に恋文を渡す気持ちでお写経に行きました。結果、とても有意義な時間を過ごすことができたのですが、最後の最後で日付(年)を書き間違えてしまいました。係りの人に「日付を間違えたのですがどうすればよいですか」と聞いたら、「斜めの線を引いて正しい文字を横に書いてください」と言われたので、そのとおりにして納経させていただきました。

帰宅後、気になったので調べてみたら、写経の間違いの訂正は斜線ではないようで、誤った方法で提出したことが気になってしまって仕方ありません。

多分、今日はいつも以上に「良縁祈願」の気持ちが強かったからだと思います。確認せずに書いてしまったことに対する後悔、願い事が叶わないかもしれないという不安、こんなことばかりを気にしてしまう自分への怒りが大きく、お写経で得た幸福感がなくなってしまうのが悲しいです。

写経の間違えを斜線で訂正しても大丈夫なのでしょうか。小さなことを気にする自分も嫌でたまりません。

【拙回答】

写経の本来の功徳とは・・

川口英俊でございます。問いへの拙生のお答えでございます。

写経は、本来、大切な仏法を広めるという役割を担うということにおける功徳という意味合いがあったのではないだろうかと存じます。

現代では、印刷技術も発達し、紙資源も豊富であり、教典を誰もが手にすることができる時代、ましてやインターネットでも、ほとんどのお経が閲覧できるようになってきており、本来の意味における写経の功徳は、少し意義も薄まってきてしまっているのではないだろうかと存じます。

それに、写経もただ写経するだけならば、写メを撮っているようなことと変わらず、それだけではやはり功徳は望めないのではないかと存じます。

写経し、その教典の書いてある内容をしっかりと実践することによる功徳、これが最も大切なことになるのではないだろうかと存じます。

もし写経が般若心経であるならば、尚更となります。

ましてや、写経して、執着や煩悩を生じさせてしまっていては本末転倒でございます。

写経し、般若心経の説く「空」の教えを理解し、そして、執着や煩悩を対治することによっての行いの功徳こそが、まさに大切となります。

その功徳によって、善き因縁(原因と条件)が調ってこそ、願い事や幸せ事についても、善き結果をもたらしめさせることができていくということになるというものであります。

もちろん、写経を機縁として、善き心の変容、優しさや安心感、幸福感を得られることまでは否定致しませんし、そのような効能も当然にあるかとは存じます。

でも、本当にして頂きたいのは、仏教の実践ということになります。

少し上記のことにつきましてもお考えを賜れましたら、有り難くに存じます。

来年は本命チョコを渡せるお相手がおりますと良いですね。

良縁、お幸せを祈念申し上げます。

川口英俊 合掌

問い「般若心経を写経すると・・・」

問い「般若心経を写経すると・・・」
http://hasunoha.jp/questions/1385

【ご質問内容】

以前、友人とお参りしたお寺で「般若心経を写経すると病気が治る」等のお話を聞かせてもらいました。
大学時代から仏教が好きで個人的に学んでいたのですが、「般若心経を写経するとご利益がある」等の考えにどうも違和感を覚えます。

般若心経を写経すると願いが叶うのでしょうか?

【拙回答】

「写経」について

川口英俊でございます。問いへの拙生のお答えでございます。

「写経」に関することでは、以前に下記の問いにお答えさせて頂いております。

問い「写経は高僧のもの」
http://blog.livedoor.jp/hasunoha_kawaguchi/archives/1002966096.html

『・・写経による功徳に関しての典拠としては、法華経・法師品第十の中に、「・・妙法華経の、乃至一偈を受持、読、誦、解、説、書写し・・」とありますところにおいて、書写することでの功徳が説かれているところから、やがて更に利益(りやく)や供養、または祈願の意も含まれるようにもなっていったのではないかと存じております。ただ、しかし、機械的に、作業的に「写経」をするだけではなくて、それを本当の功徳や利益、供養と致すには、やはりその内容もしっかりと理解して、その教えを実践することが最も大切になるのではないかと存じております。・・』

特に般若心経は、仏教における智慧の獲得のために最重要となる「空」の真理について扱われております。この「空」を理解することが、利益という結果へと向けて確実に繋げられる理、法則を知るということにもなり、ひいては、その理、法則に則って実践していくことで、やがては、ある意味で「願いが叶う」と言っても実は過言ではありません。

ただ、その願い、幸せ、利益というものは、私たちが普段世間一般において考えているようなものと違うものになるのですが・・まあ、それは後からの楽しみにしておいて下さいませ。

とにかく、これを機会に般若心経の言わんとするところの理解をしっかりと一つ一つ進めて頂ければと存じております。「無」・「不」という否定辞が多用されていますが、決して「何もない」ということではありません。まずは何が否定されているのかということをしっかりと押さえていくのが大切となります。

また、「般若心経」のことにつきましては、これまでにも下記の各問いにて扱わせて頂いておりますので、是非ご参照下さいませ。

http://blog.livedoor.jp/hasunoha_kawaguchi/tag/般若心経

これからも仏教の学びを進めていかれます中で、般若心経の内容の理解にも取り組んで頂けましたら有り難くに存じます。

川口英俊 合掌

「Hasunoha」お坊さんがこたえるQ&Aサービス
http://hasunoha.jp/

これまで拙生が回答させて頂きました内容は下記にてまとめて閲覧して頂くことができます。
http://hasunoha.jp/users/16

問い「写経は高僧のもの」

問い「写経は高僧のもの」
http://hasunoha.jp/questions/288

【ご質問内容】

ここで一度お世話になり、仏門に興味が湧き
元々、下手なりにも書道を趣味としていたのもあって
写経を始めてみようかと思っていました

そうした話を友人、知人に話していたら
タイトル名のようなことを言われました

知人によると、お経と言うものは修行を積み
徳を重ねた人が唱えることに意味があるのであって
素人がむやみやたらと、お坊さんの真似をするのはやめた方がいい
まして写経なんて、なにかおかしなことがあってもおかしく無い程の
やってはいけない行為だと言われました

書店では、初めての写経と書かれた本もたくさん見かけます
宗派によって考え方が違うのでしょうか

私の家は曹洞宗のようですが
自分自身、仏教徒ではあると思います。
と言うより、それしか知りません

キリスト様より、お地蔵さんの方が気軽に挨拶できます

写経って、やはり辞めておいたほうが良いことでしょうか

【拙回答】

実際の「功徳」(善徳行の積み重ね)へと繋げることが大切

川口英俊でございます。問いへの拙生のお答えでございます。

浦上様のおっしゃるように昔は印刷技術がありませんでしたので、筆にて紙にそのお経の文字を写し取ること「写経」で、お経の勉学や読経に活用されて、そして、経典がこの「写経」により広まることで、仏教の教えも各地方へと広がっていくこととなりました。特に遣隋使や遣唐使で仏教を学びに中国大陸へと渡った学僧たちにより、夥しい経典類が写経されたことで、日本へと仏教が渡来することとなりました。

写経による功徳に関しての典拠としては、法華経・法師品第十の中に、「・・妙法華経の、乃至一偈を受持、読、誦、解、説、書写し・・」とありますところにおいて、書写することでの功徳が説かれているところから、やがて更に利益(りやく)や供養、または祈願の意も含まれるようにもなっていったのではないかと存じております。

ただ、しかし、機械的に、作業的に「写経」をするだけではなくて、それを本当の功徳や利益、供養と致すには、やはりその内容もしっかりと理解して、その教えを実践することが最も大切になるのではないかと存じております。

写経では、「般若心経」が一番馴染み深くて有名ですが、では、その内容が何であるのかについて、いったいどれだけの方が実際に理解して、その教えを基とした実践ができていると言えるでしょうか・・僭越ながらにも非常に厳しいところがあるのではないかと存じております。

もちろん、般若心経の説く「空」の思想を完全に理解することは実に難しいことですが、私たちの迷い苦しみの原因である無明(根本的無知)・煩悩を撃ち破っていく上で、非常に大切な内容となってございます。

是非、さくゆう様におかれましても、ただ「写経」をなさられるだけではなくて、では実際にどのような内容であるのかについて、しっかりと学び、吟味して、己のものとして、実際にその教えを役に立てて、功徳(善徳行の積み重ね)へと繋げて頂けましたら幸いに存じております。

川口英俊 合掌

「Hasunoha」お坊さんがこたえるQ&Aサービス
http://hasunoha.jp/

これまで拙生が回答させて頂きました内容は下記にてまとめて閲覧して頂くことができます。
http://hasunoha.jp/users/16
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