ハト豆エッセイ

我が家の大きな植木鉢に夜咲く白い幽玄な花が。始まりはご近所のお宅が長年続けてきた家業のお店を閉店したことからです。店主の高齢化だけではなく、息子さんも家業を継がなかったからです。家業の店舗の建物は解体され、さら地となりました。不動産会社が仲介し、敷地にはロープが張られ、「売地」の看板が立てられています。さら地が何か月か経つうちに、カタバミ、ドクダミなどが出現してきました。出現したと言っても、まだ芽生えというか、姿かたちがやっと判別できる程度です。

ところが、突然、大きな葉を持つ植物がさら地の2か所で姿を現し、どんどん成長していきます。あろうことか、大きな花までつけています。葉っぱや花の形状からして、近いものとしてキダチチョウセンアサガオというか、栽培種名で言えばトランペットリリーやエンジェルトランペットのたぐいかと思いましたが、花が下向きではなく、上向きについています。何じゃこりゃです。どうもケチョウセンアサガオ、別名アメリカチョウセンアサガオです。

さら地に現れたカタバミ、ドクダミ、イヌタデ、メヒシバは荒れ地や空き地などの裸地にまず侵入してくる、言わばパイオニア植物、先駆植物の役割を果たしているようです。しかし、このケチョウセンアサガオはそれらしい役割の存在ではなさそうです。どうやら何年も土壌中に眠っていた種子が目覚めて、発芽し、急速に成長しているもよう。店舗の建物が重機で解体される際、地中深くまで攪乱されたことが原因のようです。

このケチョウセンアサガオはハイバネーション機能で地中に休眠していた種子が活動開始に。ハイバネーション機能というと、パソコンなどまずはIT用語としての使い方をイメージします。パソコンをハイバネーション(休止状態)させるように、ケチョウセンアサガオの種子も何年にも渡って土壌中に休眠していましたが、お目覚めになったというわけです。

ケチョウセンアサガオはキダチチョウセンアサガオ(エンジェルトランペット)と同様に全草毒草です。キダチチョウセンアサガオは形状がよく似ている果実や根がオクラ、ゴボウと間違って食されて聴覚性幻覚、行動の異常などが見られるとのこと。ケチョウセンアサガオも奇行、重度の瞳孔拡大などもたらし、これを食したアメリカの高校生が死にかけ、重病になったことも。ご近所のさら地のケチョウセンアサガオは、いずれさら地が売られることから、現在の地主さんと相談し、我が家で引き取りました。我が家の大きな植木鉢の中で、夜の闇の中に上向きのトランペット型の白い花を咲かせるようになりました。このお花さん、これからどうなるのでしょうか。
(みえこ)

6月上旬、川口っ子と蕨っ子が川口市芝地区の竪川でいっしょにじゃぶじゃぶ川体験を行いました。蕨市のある公民館が川体験を含む自然体験をテーマに年間10回シリーズで小学生の探検隊組織で子供たちの講座を開催されています。所属する団体がこの子供講座の講師を長く協力しております。今回の川体験に蕨市の公民館子供講座の小学2年生から6年生の探検隊の子供たち19名が参加し、川口市の芝地区の先生や3年生から5年生の子供たち12名が合流したのです。

蕨市の公民館から職員さんや団体の女性スタッフに引率されて、探検隊の子供たちが竪川の公園に徒歩で到着します。探検隊の子供たちが「川口の竪川って意外に近いじゃん」でした。公園には男性スタッフ、芝地区の先生や子供たちが待っていました。諸注意や紹介などしているうちに、蕨の子と川口の子で同じ幼稚園に通っていた子がいたことが判明して一挙に親密ムードにヒートアップしてきます。

産業道路から下流の竪川で、蕨の子も川口の子も入り乱れてのじゃぶじゃぶ川体験です。たも網を手に水際の草むらをがそごそ探る子、水辺でカニの穴を探してカニを捕まえようとする子、とにかくじゃぶじゃぶがうれしく水の中を動き回る子などさまざまです。胸まである胴長を着用した男性スタッフたちにサポートされながら、たも網の使い方のコツを教えてもらったり、生き物のいそうなところを伝授してもらったりしての川体験となりました。

水から上がると、公園に戻り、手足を洗い、水分補給したら、水質検査です。透視度計を2本同時に使用し、みんなで竪川の水が何センチ見えるか、チャレンジします。初体験の子がほとんどでわいわい言いながら計測すると、平均43センチの透視度でした。さらに、竪川クリーン作戦に取り組んでいる地元団体の会長さんから竪川や荒川のお話を伺います。男性スタッフからこの日早朝から仕掛けた袋網(地獄網)で得られた魚、子供たちがこの日じゃぶじゃぶ川体験でゲットした魚などについて分かりやすく解説に。ボラ、ウグイ、スミウキゴリ、ヌマチチブ、モツゴ(クチボソ)、クロベンケイガニ、コイ、ナマズ、ミッシピーアカミミガメなどがいました。子供たちの中には熱心にノートにメモを取っている子もいました。

体験と交流を共にしたひとときに別れを惜しみながら、一足先に蕨市の公民館子供講座の探検隊の子たちが公民館に戻ります。その後に芝地区の子たちも散会となりました。温度は高かったですが、川風が適度にあり、無事に終了しました。川口っ子と蕨っ子の笑顔が竪川の川面にはじけていました
(みえこ)

 民放のテレビ局で池の水を抜いて外来種を退治する特集番組を時々行っていて、それなりの視聴率を上げているようです。かく言う筆者もけっこう楽しませてもらってきました。全体進行はお笑いタレントさん、池に実際に入って司令塔の役割を果たしているワイルド系の男性俳優さん、指導協力の大学の先生、その教え子の学生さんたち、地元の市民ボランティアさんたちが絡まって進行します。全国からうちの地元の池に大型の危険な外来種がいるようだから何とかしてとテレビ局に依頼があることからスタートします。

早い話が、外来種のうちでもカミツキガメ、ワニガメ、アリゲーターガなど大型危険生物が池に生息しているようであり、調査とともに駆除の依頼内容となっているようです。池も農業用のため池もあれば、公園の池であったり、寺社の池であったり、山あいの池であったりします。いずれも長年、何十年といわゆるかい掘りをしていない池が対象となってきました。かい掘りとは堀や池などの水をくみほして魚などを捕ることを一般に言っています。この番組でもこのかい掘りの手法を使って調査や駆除を行っているようです。つい最近の番組では由緒ある神社さんのご依頼で境内の池を60年ぶりで水抜きして調査と駆除が取り組まれました。

番組を見ていると、自然環境系エンタメ(エンターテインメント)、自然環境系ショータイムのような雰囲気が色濃いです。例えてみれば、池が中央ステージであり、3日ぐらいかけて水抜きのスペシャリストである民間会社の協力で池の水を抜くと、池の底の泥が露出します。そこに例のワイルド系男性俳優、大学の先生、その教え子の学生さんたち、地元の市民ボランティアさんたちが胸まである胴長を着用して集合し、池の泥の中で生き物たち相手に格闘します。池の周りには地元の皆さんがギャラリーとなり、熱い応援コールを送るとともに、在来種の生き物、外来種の生き物が捕まるごとにやんやの喝采が。そのようすはコンサートのアイドルグループの演奏やお芝居の俳優の演技に拍手喝采するホールのお客様さながらです。

こうした自然環境をテーマとした番組のエンタメ化に批判もあるようです。人間の生存を支える厳かな自然環境をおもしろおかしく取り扱うのはいかがなものかなというご批判です。確かに一面あたっていないでもないかもしれません。しかし、この番組が皆さんの自然環境への関心を呼び起こし、外来種に脅かされる日本の在来種の危うい現状を市民目線で浮き彫りにしてくれたのは一つの功績とも言えそうです。

番組の劇場型自然環境系ショータイムは見出したらけっこう夢中になり、はまってしまいそうです。全体司会進行役のお笑いタレントさんが嫌いだという方々まで意外と見ていたりして、日本の自然環境についての広報的番組という感じにもなっているようです。

 (みえこ)

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