ハト豆エッセイ

 今年も11月上旬、秋ヶ瀬キノコツアーが秋ヶ瀬公園で開催されました。当日は快晴のおだやかなキノコツアー日和で、主催は埼玉県の老舗のキノコ団体さん。所属する団体関連で大人7名に加え、顧問の先生と美術部の中高校生たち10名が参加に。浦和駅西口からバスに乗車し、秋ヶ瀬橋手前のバス停さくらそう公園で下車します。徒歩で秋ヶ瀬公園へ入り、主催団体さんの集合場所の三ツ池駐車場まで徒歩で移動します。

この駐車場を起点に各グループに分かれ、キノコ探索です。所属する団体関連の皆さんも、大人組、中高校生組と2手に分かれて、キノコ目線で探索にチャレンジします。

大人組は草地でヒトヨタケの群落を見つけたのを皮切りに、並木、竹林、池のほとりや樹林地などを探索して回ります。カワラタケ、ヒイロタケはじめ巨大なオオミノコフキタケ(コフキサルノコシカケ)など見つけ、うれしくなります。

正午近くに再集合し、ランチとなります。主催団体さんが2つの大きなずんどう鍋にキノコ汁を用意くださっていました。皆さん、おいしいキノコ汁に舌鼓を打ちます。お代わりの人たちが続出です。この日のキノコ汁には主催団体の会員さんが栽培したり、特別ルートで購入したりしたキノコで、ヒラタケ、シイタケ、ヌメリスギタケ、ムキタケ、ハナビラタケなど9種類が入っていました。

キノコ汁を堪能した後は、参加者の皆さんが本日採集したキノコについてキノコの専門家の先生が解説くださいました。テレビにもしばしば登場される先生や日本でもトップクラスの方々です。マンネンタケ、クジラタケ、キララタケ、ホウロクタケ、ムジナタケ、ハタケシメジ、ヒラタケ、ノウタケ、キイロウラベニガサなどのキノコが。中には死者も出ている毒キノコのニガクリタケがあったり、地球温暖化の象徴とも言える南方系のキノコであるオオミノコフキタケ(コフキサルノコシカケ)も出てびっくりするやら複雑な感がありました。南方系のキノコはここ数年来、秋ヶ瀬キノコツアーで見受けられます。

主催団体さんはキノコ愛好ファンの高齢化が進捗しているだけに、中高生たちや若い層の参加を喜んでおられました。キノコの専門家の先生方の解説後、この日のキノコ探索会は終了に。所属する団体関連の参加者は帰路、秋ヶ瀬のカツラやイチョウの紅葉を楽しみながら徒歩で支倉橋に回ります。支倉橋のたもとの草地で大きな真っ白いオオシロカラカサタケを5本見つけます。おいしそうに見えますが、これは食すると嘔吐や下痢を伴う毒キノコで皆さん、「ありゃー」でした。

支倉橋近いバス停からバスに乗車し、浦和駅西口へ。浦和駅西口で解散となりました。

残れる大人たちで浦和レッズファン御用達の居酒屋で一献傾けました。この日、ホームの地元浦和レッズはアウエーの立場のガンバ大阪と戦います。店内にいたレッズファンのお客さんたちが壁面の大型スクリーンで展開される試合に声援を送る中、ツアー参加者は赤紫蘇風味のレッズサワーでキノコ談義に花を咲かせました。
(みえこ)

 10月上旬の3連休に思い立って川口市のひとり芝地区神社仏閣ツアーに。緑川の前川部分に観音橋、愛宕橋が。観音橋は前川観音(観福寺)に近いことの命名だし、一つ下流の愛宕橋のネーミングは橋近くの前川第一公園の一角に「愛宕さま」の祠(ほこら)があるからのようです。「愛宕さま」は伝承によると、平維盛の息子六代禅師平高清が首をはねられ、その首を平家の残党が塚を築いて供養した首塚だと言われています。

この愛宕橋から前川観音(観福寺)に歩を進めます。平高清は源頼朝に許されて一旦出家(妙覚上人)しましたが、鎌倉幕府に捕らえられ、斬首されたとも。逃げ延び、前川観音(観福寺)の前身のお寺を開基し、当地で亡くなったとも。上人が数々の難を逃れたことから、厄除けの観音様と地域に親しまれています。境内には六地蔵尊、白象堂や庚申塔があります。昨今は縁結びの観音様としても知られているようです。

前川観音から産業道路に出ると、芝宮根交差点近くで徳川将軍家から朱印状をいただいていた由緒ある羽盡(はぞろ)神社に詣でます。旧芝村の鎮守としても格式ある神社です。そうして、長徳寺へと向かいます。途中、道に迷ったら、散歩中の人、通りかかった方、ゴミを出そうとしていた人などが親切に教えてくれました。

長徳寺は僧秀田が開基となった臨済宗建長寺派のお寺です。樹木多く庭が掃き清められたすがすがしい境内の中で、中興の祖・龍派禅珠(号・寒松)の扁額を掲げた本堂、龍派禅珠により隠れキリシタンの娘を助命嘆願された代官・熊沢忠勝のお墓などを見て回りました。江戸期、将軍家光の頃に元和キリシタン殉教事件が起こった際に、幕府に掛け合って忠勝の娘を救った龍派禅珠の話は娘のクリスチャンネーム「るひいな」とともに今に語り継がれています。墓地を抜けると、スギ、ナラ、シラカシ、アカシデ、スダジイなどが茂る長徳寺裏の丘陵地の保存緑地に行き着きます。

長徳寺から芝銀座商店街通りを経て、猫橋に。猫橋からさらに蕨市の塚越稲荷神社へ。塚越稲荷社に寄り、社殿とともに、機神(はたがみ)を祭る高橋新五郎設立の機神社、神仏習合の正観世音堂も稲荷社の境内で見ました。機神社は2代目高橋新五郎、その妻いせの機にかける情熱とともに、蕨の重要産業であった織物の隆盛がしのばれます。蕨隣接の芝地区も同時期、織物産業が盛んでした。正観世音堂は定正寺とも言い、足立坂東三十三箇所霊場、33番札所となっています。定正寺では毎月1日、15日には白蛇石の展示があり、なでると福運が授かるそうな。神社の境内には江戸期以前に力自慢に使われたという力石もあり、その奥にハート形の石があって縁結びのパワースポットにもなっているようです。

ひとり芝地区神社仏閣ツアーを終え、竪川沿いのとあるカフェでひと休み。ジャスミンティーと桃の饅頭をいただき、一息つきます。ケータイの万歩計の機能をチェックしたら、一万五千歩を越えていました。鎌倉時代から近現代までの芝地区の歴史、伝承、地元の皆さんの温かさに触れたツアーとなりました
(みえこ)

お盆休みにシンガポールと台湾の友達が久しぶりに来日し、いっしょに都内の樹木豊かな風情ある公園や商店街などを回りました。最寄りの駅から滝のある公園を探して住宅街を歩きます。途中、通りがかりの人からコンビニの店員さん、戸建ての住宅前をたまたま清掃している高齢の女性まで、皆さん、公園までの行き方を丁寧に教えてくれます。中にはしばらくついて行ってくださって、公園に向かう曲がり角までご案内くださる方々までいました。

 シンガポールの友人は「日本の人たちはみんな親切よね。アメリカだったら、人にもよるけど、行き先を知っていても知らないふりをして教えてくれない人もいたり、意地悪な人ならわざわざ間違った行き先を教える人までいたりするから、日本とはえらい違いだわ」と言います。確かに、日本人は親切だと国際的にも定評があるようです。この日も目的地の公園への道案内は親切な人たちがかなり多かったです。

 公園に着くと、入り口は中国か韓国のお寺の門のようです。門から中に入れば、池があり、池の水面に枝先が垂れ下らんばかりにサクラやモミジ、ケヤキなどがうっそうと茂っています。公園の奥に曲がりくねった水の流れと滝があるようです。散歩中の高齢のご夫婦、シオカラトンボを補虫網で捕まえようとしている親子が滝に進む道を教えてくれます。滝のほうに行き着き、滝の水しぶき、滝の風情、滝の音を堪能できました。

シンガポールと台湾の友人も大いに喜び、涼やかさを楽しんでいました。

 池に戻ったら、バズーカのような望遠を備えたカメラを抱えた熟年の男性たちが5人ほどいました。「何かいるんですか。何か写真に撮るんですか」とそーっと男性の1人に尋ねました。その男性は「何もいないよ。何もいない」と言います。「もしかしてこの池にカワセミなどがいるんですか」と突っ込むと、手を振ってあっちへさっさと行けと言わんばかりの表情です。

 おそらく状況から察すると、この池はカワセミが出現するヒットポイントだろうし、この男性たちはカワセミの飛翔のシャッターチャンスをとらえようと望遠のカメラを構えているのは想像できます。別に撮影を邪魔するわけではないし、「そうそう、カワセミがいますよ」ぐらい答えてくれてもいいのではないかと思いました。しかし、その男性は突然現れたヘンなおばさんたちが自分たちのシマを荒らす存在にしか思えなかったのでしょうか。それにしても、他の男性たちも何も言ってくれません。

 シンガポールの友人は「このポンド、キングフィッシャーが来るんですね。皆さんにとって楽しいことだし、癒しになるんじゃないですか。写真に収めるのもホビーでしょうけれども・・・・」と口にすれば、台湾の友人は「ヘンなおばさんたちにカワセミのいいシーンを撮るのを妨げられたくないのかも。カワセミは地域の皆さんのアイドルでしょうけどねえ」と。日本人は親切なのか、親切でないのか、果たして・・・・。

(みえこ)

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