2006年10月13日

恐怖の耳鼻科

前々から聞こえづらくてヤバイと思いつつも放置気味だった右耳だが、数日前から完全に音を拾わなくなった。これはいよいよヤバイということで、ようやく昨日になって耳鼻科の戸を叩いた。

診察室で待っていたのは禿げ上がった怪しいおっさん。別に外見で良し悪しを言うつもりは無いが、漫画の世界では間違いなく悪役の医者だぞこれは。看護婦(今は看護師って言わないと「女性差別だ!」って某狂ったおばさんに怒られるんだっけ)さんに椅子へと促され、兢々と腰を下ろした。

「どうしたんですか?」
「右耳が聞こえなくて」

と軽い事情聴取。早速右の耳に変な器具を突っ込まれ内部を探られる。

「あー耳垢が固まってますね」
「ああ、そうですか」

ここまでは予想通りである。以前から鼓膜に薄幕が張ってあるような聞こえ方だったので、色々調べたら塞栓とやら何とやら。とりあえずこれを取っちゃえば良いらしいので、耳鼻科に行けばすぐに取ってくれるのだろうと思ったわけだ。

だが。

「じゃあ薬出すので一日四回耳に注して、明日また来てください」
「へぁ?」
「固まってて取れないので」
「ああ、そうですか……」

曰く、耳垢を柔らかくする薬だとか。ピンセットで取っちゃえば終わるような気がしたけど案外面倒なものなんだなぁと思いつつ、この日は帰宅。言われたとおり目薬みたく薬を注して、万全の体制を期して翌日の除去へと望んだ。

そして今日、再び怪しいおっさんの耳鼻科へと訪問。

名前を呼ばれ診察室に行くと、ドリルみたいに禍々しい器具が台の上に横たわっていた。
いやまさかアレ使うわけないよなぁ……と立ち尽くしていると看護婦さんが席へと促す。

椅子へ近づいたとき、昨日は感じなかった椅子の作りが気になりだす。鉄製の骨組み。そこから触手のように物騒な機器が頭上まで腕を伸ばす。丈夫そうな革のベルトは一切の抵抗を封じ込めんとばかりに背もたれに張り付き、手術室にあるようなライトが座るものの苦悶の表情を照らし出すかのように配置されている。
これは純然たる拷問器具だ。

そしてその前に愉悦の表情で待ち構える怪しいおっさん。
「はい座ってぇ」
と猫なで声で正面へと誘う。これはヤバイ。

椅子に座ると看護婦が後ろにぴったりと付く。
昨日使った耳の中を見る器具を耳の穴に挿しこみ「うーん、あまり柔らかくなってないねぇ」とポツリと漏らす。これはますますヤバイ。

「じゃあとりあえず除去しますねぇ」
そう言って持ち上げたのは、さっきのドリル。
「え、ちょっ、まっ……」と呻く様に上げた声を無視して、おっさんは頑強な剛直を耳の穴へと突っ込んだ。ゴリゴリガリガリと肉を食い潰すように掘削して進んでくる器具。いだだだだだだだ

が小さいな……」と言いながらも微塵の容赦もなく奥へ奥へ捏ね繰り回し続ける。
「あ゛が……がっ、はっ……」と痛みに耐えるも声が漏れた。脳に棒を突き入れて掻き回されればこんな痛みになるのではないのか。痛みでまともに喋れない。喋れても「入らない!入らないってば!」と喚いたのは間違いない。

一瞬だけ動きが止まり終わったのかと思いきや、なにやら手元のスイッチオン。瞬間、穴の中の異物が凶悪なモーター音を発し、変な汁を漏出させながら回転を始めた。「いぎぃ!」とかそんな感じの小さな悲鳴を上げたが、おっさんに止める気配は無い。

しかも「取れないなぁ」とかぬかす始末。
もはや痛みで勝手に涙が出た。抜いてー!抜いてー!と体を後ろへずらそうとすると、邪悪な笑みを湛えた看護婦に阻まれ、それでも僅かながら後退したらその分の距離をおっさんがにじり寄ってくる。

穴の中はすでに変な汁でぐちょぐちょだ。これ出血してるんじゃないのか、と朦朧としつつ頭の中で思ったとき、舌が鉄の味をキャッチした。うっわ、歯を食いしばりすぎて出血した。

モーターの咆哮が止みタオルを押し付けられ、先程の耳の穴を見る器具を突っ込まれて中を確認。
「取れてないわぁ、もう一回だ」
「ひっ……!」

凶暴なマシンが穴を求めて再び目を覚ます。戦慄が体の自由を奪い、拘束器具が肢体へと喰らい付き、その場に逃げる選択肢はありえなかった。
おっさんはついさっき貫通させた穴にもう一度先端を力任せに捻じ込み、貪るように肉壁を裂いていった。その所業、まさに鬼畜。

「ぅぐ……が……はっ……」
本当にこんな声を出していた。この痛みは尋常じゃない。可能ならば「らめぇええ!」とか騒いでやりたかったが、呼吸ができないのでは叫べもしない。

再び変な汁をドピュドピュ生成しながら、限界まで突き入れた穴の中で高速回転。
奥のほうで三半規管までが捻転しているかのような錯覚。昇天してしまいそうな痛み。勝手に流れる涙。すべてが非日常。

耳穴を犯し尽くして満足したのか、おっさんはマシンを抜きこう言った。
「取れないからまた明日来てね」

ここ数年で夜を明かすのがこれほど怖いと思ったことは無い。
明日は耳の穴だけで済むのだろうか。そんな気さえする。

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この記事へのコメント
はっちカワイソス
てかそもそももっと早く逝ってればすぐ終わったのにね。
ちゃんと耳掃除しなよ(´・ω・)
Posted by (´・ω・`) at 2006年10月13日 22:29
つぅか前耳詰まったじゃんw
学ばないやつだなwwww
Posted by わら。 at 2006年10月13日 23:05
麻酔ぐらいかけてもらえばいいのに、ドイツならすぐに麻酔だよ。たぶん(いやどこに麻酔を入れるんだ・・・)
私なら、すぐに号泣きしちゃうよ。うん
可哀想、はっちがんばったね はい チョコレート。
Posted by Ko百合 at 2006年10月14日 01:35
はっちはそういう体質なのかな
多分しにはしないからがんばw
Posted by らりす at 2006年10月14日 09:00
耳垢栓ですか。。。前耳の聞こえが悪くなったときからだいぶ経ってますが?
やっぱり放置だったのね(汗汗
自業自得だけど、ちょっと可哀想かも^^;;
次回はちゃんととれるといいデスね…頑張って下さい…
Posted by レモン at 2006年10月15日 09:48
耳掃除してやるから
ココに寝な〜〜

( ´艸`)
Posted by つきちん at 2006年10月25日 10:36