2007年06月26日

退社

私を含め、今年の新人社員は七人。
四月末、悪夢のような研修が終わり七人で打ち上げしたときに「一年は頑張ろうな」と固く誓い合った。血の色の地獄に降り注ぐ苦難を乗り越えた我々は、それこそ死地を潜り抜けた戦友であったのだ。

だが昨日、戦友の一人が、脱落した。

そのことを知ったのは私が一番最初であった。会議中に店長が「新人が一人辞めたぞ……それに釣られてお前も辞めるなよ」と漏らしたのだ。

あえて言おう。同期の新人で、私よりも根性が無く、コミュニケーションが出来ない奴は一人もいなかった。さり気無くヲタ話に持っていこうとしても全然通じず「ああ……みんな正常な人間なんだなぁ」と人知れず打ちのめされていたことも幾度と無くあった。今思えばなんでヲタ話に持っていきたかったのかも謎だ。

一番最初に辞めるのは私だろう、というのが他の先輩社員の予想であったはずだ。それがどうしたことだ、他の新人が辞めてしまったではないか。
しかも誰にも言わずひっそりと。その晩に連絡をしてみると完全に心が折れていた。いや折られていた

「今時の若者は根性が無いからすぐ辞める」とか言っている奴がいれば、彼の名誉のためにも拳を振り抜くだろう。もはや根性とか気力とかそういう類のものでは、この会社で続けることはできない。
「生活」というものを人質として取られなければ仕事はやっていけないと思う。例えば昨日は、朝の七時から夜の二十三時まで仕事をし、当たり前のようにサービス残業であった。平均すれば一日十五時間、これが週六日。無論サビ残。

辞めた彼は実家暮らしであったため、衣食住には困らない。それゆえの英断だ。
しかし誰にも相談せずにいきなり辞めるとは、どれだけ切羽詰っていたのか。相談しないなんて薄情、無責任、などの自己本位とも取れる思いは無く、むしろ誰にも相談できないというのに納得してしまう。相談したところで「頑張ろうぜ」という帰結は見えているし。むしろ欲しいのは辞めるための後押しだっただろう。

ということでメールを送っておいた。


「てめぇ!勝手に辞めるなボケカス!うんこ!羨ましいぞ!」


今の彼は、きっと他のどんな会社に入っても楽に感じることだろう。
そういう意味ではこの会社、修行場所としてはうってつけであるかもしれない。界王拳百倍くらいの実力がつく。

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この記事へのコメント
ほんとに大変なとこいっちまったんだな・・・( ´Д`)
もう小説家になろうよ(笑
Posted by わら。 at 2007年06月27日 01:26
のりちゃん、転職考えたら?^^;

きっと他のどんな会社に入っても楽に感じることだろう。
↑なんでしょ・・・ともかくサービス残業が多すぎるし。。身体が心配です。
Posted by レモン at 2007年06月27日 08:23
修行僧よりすごいかもしれん・・・
Posted by みょん at 2007年06月30日 02:51
修行を続けてるうちにやり直しが利かなくなるかもしれんという罠。
疲れてるだろうけどよく考えてみてね。
Posted by めいきょう at 2007年07月01日 05:18
お盆休み明けが人生の分かれ道ですね@@
Posted by うっカリー at 2007年07月09日 15:01