2007年02月07日

なぜ僕は株をやらないのか

" The Devil Wears Prada "のopeningを見つけました。すごくきれいに取れているだけでなく、KT Tunstallの"Suddenly I See"がすごくよいです。必見です。

http://www.youtube.com/watch?v=AYxSMwG3dx0&mode=related&search=

さて、今日は、僕が「なぜ株をやらないのか」について話そうと思います。なぜこういったことを書くかというと、実は就職活動でのエントリーシートでこんなことを聞いてくる企業があったのです。

If you could buy any stocks in Japan, which stock would you like to buy and why?

そのくせ英語で「A4一枚書け」と要求してくるのですから大変です。英語で書くこと自体に何の問題もないわけですが、問題はこの問題にどういって答えたらよいのだろう。そういった疑問は依然として残ります。

知っている人もいるはずですが、僕の専門はかなり株に関連性があります。経済学という学問自体が、「モノの価格」を追及する学問だといえることもできるのですが、株価というものは、株式の市場における「価格」のことです。よって、経済学を専門にしたうえで、financialな側面が強いことを学べば、自然と株価みたいなものの「理論的」な勉強もすることになります。数学科出身で、「金融工学をばりばりにやっています」という人にはかないませんが、そこらの人よりは知っているはずです。少なくとも、ファイナンスの理論という点においてはよく勉強したし、しているといってもよいと思います。

結論から言っておきますが、株は儲かりません。これは、どこまで声を大にしても言い過ぎることはないので、太字にしておきましたw 念のため、もう一度いっておきます。株は儲かりませんからやめておきなさい、と。

誤解のないように書いておきますが、これは「株をやって儲かった人がいない」などとはいっているわけではありません。世間が思っているような幻想、まやかし、つまり、「あなたがもし賢いのなら株で儲けられる」というものは誤りだといっているのです。競馬やパチンコ、宝くじを買えば儲かる可能性はありますよね。そういったものと同じレベルでは、「儲けられる」かもしれない。あれは、賢いと儲かるのですかね?

厄介なのはパチンコで勝ち続ける奴がいるのと同じで、株でも勝ち続ける奴がいるわけです。でも、そいつが何かすばらしい考え、アイディアを持っているかというと、ほとんどないわけです(すくなくとも僕の知っている限りでは)。もっといえば、「勘」で買っているだけ。もっとも、その「勘」が大切だといわれれば、言い返しようがないのですがね。

株というものは、基本的に、「安い」時に買って、「高い」時に売る、というゲームです(その逆もあるのだが、個人には無理)。もし、あなたがsonyの株を1000円で買ったとして、一年後に1500円で売れるとすれば、その間の差額「500円」を利益としてえられるわけです。

ですから、もしあなたが株を買って「儲けたい」のであれば、「今の価格から何らかの理由で上昇する」という理由、あるいは、「今の価格が何らかの理由で割安になっている」という理由を見つけ出してくる必要があります。もっといえば、「株価がどのようなメカニズムで決まってくるか」という事柄に関心を寄せる必要がある。

実は、株価というものは理論上はかなり簡単な方程式から決まってきます。

株価=将来キャッシュフローの割引現在価値

この方程式。見たことがある人はなんともないのですが、はじめてみる人はビビッているかもしれない。ファイナンスのテキストをのぞくと、この単純な方程式がΣみたいな記号で描かれていたり、ベクトルを用いて表現されているので、それだけで強そうな感じを抱くかもしれません。

ただ、この方程式のもっているメッセージというものはすごく簡単です。実は、この方程式は、「株価というものは、その企業が生み出す将来の利益の合計で決まってくるのですよ」といっているのに過ぎない。

たとえば、sonyが毎年、利益を1000万円ずつ生み出すとすれば、

sonyの株価=1000万+1000万+1000万+…=Σ1000万

そういう形で決まってくるのです。本当にこれだけです。簡単でしょう?

(sonyが永遠に存続するとすれば、sonyの株価は無限になることになりますが、実はそうならない「からくり」があります。そこを理解するには「割引」という概念を理解しなければいけないのですが、別にそんなことを知る必要はありませんし、この議論の中では重要ではありません。)

さて、皆さんは、すでに株価というものがどういったメカニズムにより決まってくることがわかったわけです。そして、皆さんは少なくとも「二つ」の大切な事実に気づく必要があるのですね。

1.過去のデータは株価には影響はしない

これは、知らない人は驚かれる事実でしょう。しかし、上記の式をみれば、株価というのは「将来」のデータから決まってくるものなのです。ですから、過去のデータはまるで意味がない。具体的には新聞や雑誌、企業が発表した内容は、株価を測定する上で「全て無駄」ということになります。

ただ、ここの理屈にはちょっとしたトリックがあります。なぜならば、「将来の利益」というものは、過去のデータから決定されてくる側面があるからです。たとえば、二年前、sonyが工場を作ったことが、来期になって操業をし、利益になるかもしれない。そういった意味では、過去の情報は有益であるかのように思われます。

ただ、ここがトリッキーなのですが、「そういった情報はすでに株価に反映されてしまっている」という側面があるのです。こういった側面をよくテレビなどでは、「株価はその情報を織り込み済みだ」という言い方をします。

株価が厄介なことは、こういった「人々の予測」がかかわってくるということです。そもそも、将来の利益など、そこに勤める社長でさえわからないものなので、私たちが勝手に予測するしかありません。ポイントは、もし将来時点で利益が上がると今わかったとすれば、現在株価が上がるということなのです。

たとえば、現在の市場の予想が

企業の利益構造(株価)=1000万+1000万+1000万+…

となっていたのが、次の瞬間、何らかの原因で、

企業の利益構造(株価)=1000万+2000万+1000万+…

というものに「予測が変わった」とすれば、もし仮に「将来の利益」が変わったとしても、「今期の株価」が動くということになるということです。そういった形で、瞬間瞬間、全ての情報を株価は「織り込み」価格は形成されている。上記の方程式が完璧に成立するように毎時価格形成されているのです。

もし、あなたが、「sonyのプレステ3が今後は伸びる」とおもってsonyの株価があがると予測したとしても、そういった情報はほかの人も予想しているわけで、結論的には、すべて価格に織り込まれてしまっている。もっといえば、「それでもあがる」という確信をもてるとすれば、プレステ3に対して、ほかの誰もが知らないような「取って置きの情報」を持っていない限り、みんなを出し抜くことなどできないのです。

そういった意味では、「過去の情報はすでに現在の株価に繁栄されてしまっている。その意味において、過去の情報を用いて、株式で儲けることはできない」といったこと、この章の題を変更したほうがよいかも知れません。結論的には、同じで、「過去の情報は使えない」のです。

2.将来の利益の予測の困難さ

二点目に重要なことは、そもそも将来の利益の予測などできないということです。そもそも、将来の予測をして、当ててやろうといった発想は、神々に対する反逆とも言える行為です。

将来の利益というものは本当にいろいろな要素から決まってきます。たとえば、天候などからも決まってくる。ビール会社などは夏が以下に暑いかで利益が上下しますし、また、電力会社もエアコンの使用量などから天候の影響をうけます。厄介なことは、ビール会社の利益は他産業の利益構造にも影響してくる可能性があるため、ある企業の利益を本当に知りたかったらビール会社の利益構造まで知らないといけなかったりする。はっきりいって、天候などを現時点で予測することは完全に不可能であるため、企業の利益を見積もることなどほぼ不可能ということになってしまう。

もっといえば、統計的にいえば、株価というものは非常にランダムに動きます。それこそ、サイコロを振って、1〜3が出れば上昇、4〜6が出れば下落、といった「でたらめさ」をもっているのです。たとえある株式にある種のトレンドがあるとしても、将来のトレンドも今の株価が吸収してしまうため、そのトレンド自体が消滅してしまい、「よくわからない状況」(ランダム)に戻ってしまう。そもそも、株価がランダムに動くとすれば、「儲かる」という発想自体に無理があるということに気づかれるでしょう。


さて、今日はかなり長い文章になりましたし、堅い話になりました。僕のいいたいことは、最初に書いたことと同様です。株は儲からない、ということです。ですから、僕はやらないのですね。

景気がよくなるにつれて、株で儲ける人が回りに散見し始めました。僕の周りで言えば、マンションを買った奴もいれば、3000万円儲かったという話もきいたことがあります。あるいは、本屋に行けば「株は儲かる」的な本でにぎわっています。

僕が言いたいことは、世の中には確実に「宝くじ」に儲かるやつはいるということです。ラスベガスで大勝する人もいるでしょう。そういった意味でしか、「株は儲かる」といえない、ということ。また、「株をやれ」といっている人は、証券会社に勤めている人が多かったりする。そういう人はそもそも株の取引の手数料で儲けているのですから、「やれ」というのは当然です。

今日の文章は、株をやっている人に対してケンカをうる形となりました。ただ、僕はパチンコや競馬をやっている人に何の文句もないわけで、そういった意味では、「楽しむ」という一点を忘れなければ株をやってもいいかもしれない、と思います。

このあたりで筆を下ろそうと思います。どう思われたでしょうか?

hattori0819 at 07:00│Comments(0)TrackBack(0)clip!

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