包丁のお手入れにお悩みの、全国数千万人の奥さま!

 本日はヘタの横好き・服部堂がズバッと参上し、包丁のお手入れについてズバッと解決いたしますですよ! このブログを読んでいる「奥さま」はたぶんひとりもいないでしょうが、そこはホラ、まあ、その、アレで。

 研ぎ方の項で何度も書いたとおり、鋼の和包丁は非常にサビやすいものです。
 どのくらいサビやすいのか。中砥でざっくりと研いだばかりの包丁なら、酸性の強いレモンなどの柑橘類をスライスすると、そうですね、ものの5分でサビが浮いてきます。

 それほど極端な例を想定しなくとも、ふつうに使っているだけで、鋼の包丁はサビるものです。だからこそ、グウタラな私でも週に一回程度は研いでいるわけですが……。

  ま、それでもサビるときはサビますよね。うっかりしていると、いつのまにか強めのサビが浮いています。包丁の峰やマチ(刃身の付け根あたり)の部分など、ふだん研がない部分はとくにサビやすいものです。また、包丁の裏すきがサビたりすると、砥石を当てにくい部分なのでたいへんですね。

 こんなサビがあっさりとれる優れモノがあります。それは「サビとり消しゴム」です。
 たとえばこんなの。

サビトール 中目
サビトール 中目

 商品名は「サビトール」。その「中目」ですね。似たようなものがいくつかありますので探してみてください。
 さわった感じは「砂消し」みたいなもんです。指の力でも曲がるくらいの硬さです。サビた部分をこれでゴシゴシやるわけです。

 実際にやってみましょう。
 まず、これがサビた部分です。

サビ1


 包丁の刃身と柄のつなぎ目のとこがちょっとサビてますね。

 ここは水分を拭き残しやすい部分なのです。しかも柄に水分がしみこむので、手入れが悪いと深くサビが入ります。こういうピンポイントに砥石を当てるのは難しいものです。

 が、消しゴム砥石なら簡単。下のようにゴシゴシ。

さびとり


 すると……。

サビ2


 ほら。きれいに取れました。簡単ですね。

 これ、釣り場に包丁を持っていくときにも重宝します。私は沖縄旅行のときなんかに出刃包丁を一本持っていくのですが、海辺で魚をさばいたりすると、真水で洗えないのですぐにサビます。ホテルに砥石なんかないので、そのままほっておくと刃身全体が赤サビで包まれてしまいます。
 そんなときにサビ取り消しゴムがあると超便利。ホテルの洗面所あたりで包丁をゴシゴシこすってやれば、一日分のサビくらいすぐに落ちます。オススメの一品です。

 スーパーや小さな金物屋さんには置いてないかもしれません。が、ホームセンターにはわりと置いてます。ま、現代はネット通販もありますので簡単に入手できるでしょう。持っとくと便利ですぜ!

 さてもうひとつ小ネタを。

 「サビ」とまではいきませんが、刃身がくすんでしまうことがあります。とくに脂の多い魚を切るとすぐにくすむので、これは脂汚れではないかと思っています。検証したことはありませんが。

 たとえば下の包丁。

くすみ


 切っ先から数㎝くらいの部分が青っぽい色になってますね。これがくすみです。
 ちょっとした汚れの皮膜なので、サビトールも必要ありません。この程度ならクレンザーでじゅうぶんです。

 しかしクレンザーでどうやって磨くかが大問題。スポンジじゃ研磨力が弱いのです。もう少し硬いものがほしい。プロは布巾を丸めてタコ糸でガチガチに縛ってかため、それで磨いているそうです。が、それをつくるのもめんどくさいですね。

 そんなオサボリ奥さまでも簡単に磨けるスグレモノがあります。それがこれ。

クレンザー


 いや、クリームクレンザーではありません。クレンザーの銘柄は何でもよろしい。
 注目していただきたいのは、クレンザーの右にひっそりと鎮座している木材です。これ、お酒好きの奥さまなら一見しておわかりでしょう。そうです。ワインのコルク栓です。

 これがほんとうにスグレモノなのです。適度に軟らかいので、力を入れて磨いても包丁を傷つけません。下のようにゴシゴシ磨いてやりましょう。


クレンザー2

 そうすると、ほら。

みがき


 青いくすみがきれいに取れましたね。簡単です。

 包丁だけではありません。クレンザーで磨くなら、コルク栓は万能です。頼りないスポンジを使っていた奥さま。キッチンまわりのステンレス材をコルク栓で磨いてみてください。スポンジの3倍の速度でピカピカになっていきますよ!

 ……という感じで、「ためしてガッテン」なら45分かかるネタを、1分で読めるようにまとめてみました。