さて、先日の土曜日。首位を走る我らが広島カープと、その時点で2位の巨人との差が、12.5ゲームに広がりました。
 これでひとつの目安をクリアした感があります。というのも、私の脳ミソには1996年のいわゆる「メークドラマ」が刷り込まれているからです。当時の1位広島・2位巨人の最大ゲーム差は11.5。これをひっくり返された悪夢。ようやくこれを上まわったわけです。これはよっぽどのことがないかぎり逆転されないぞ! たぶんな!
 しかし、巨人ってば2008年には13ゲーム差を逆転した前科があります。また、プロ野球史上、逆転優勝した最大ゲーム差は1963年の西鉄ライオンズだそうです。この年はなんと14.5ゲーム差を逆転。……12.5ゲーム差なんてぜんぜん油断できないじゃん!
 そもそもですね。私、この3年間で、いちばんヒィヒィゆうとるのです。毎試合マジで悲鳴を上げています。というのも、今年優勝できなかったら、次はいつになるかわかんないからです。だってオフには丸佳浩と松山竜平がFAじゃん。来年オフには菊池涼介・會澤翼・野村祐輔・今村猛がFA権取得です。巨人と阪神の足音が聞こえるぜ! あいつら絶対獲りにくるんだぜ!
 だから今年優勝しとかないとダメなんですよ。来年から暗黒時代、とはいわないけど、力は絶対落ちるんだから。ほんと頼むぞ! イケるうちに優勝しとくんや! そんで今年こそは日本シリーズに行くんや! できたら――できたらでいいんだけど、日本一を達成しとくんや! 

 そんな気分でヒィヒィしてる今シーズン。痛感したことがあります。それは、「オレ、カープの監督でけへんわ」ということです。
 ……いや、なにをゆうとんねんとお思いでしょう。でも、愛するチームの暗黒時代を知る野球ファンならわかっていただけるはずです。贔屓チームの戦いぶりを見てて、「自分が監督やったほうがマシちゃうか?」って思ったことあるでしょ? カープ暗黒の四半世紀は、私もずーっとそう思ってたわけですよ。正直、去年まではそう思ってました。オレが監督やったほうがマシやわ! 
 しかし! 今年は考えをあらためました。私、監督は無理です。テレビで見てるだけでヒィヒィゆうとるのに、これ、監督としてベンチに入ってたら、オレ、即でキレちゃうぜ!
 名前を挙げるのも悪いんですが、たとえば岡田明丈とかジャクソンとかね。なんでそこでフォアボール出すねん! 次はクリーンナップやんけ! 打たれてランナー出すのはしゃあないけど、フォアボールだけはあかん場面やろ? 黙って真ん中にストレート放れや!
 なのに彼らは簡単にフォアボールを出しちゃうわけです。なんでやねん! まっすぐを真ん中に投げるコントロールもないんかい!
 これね。私が監督なら、即で交代させます。で、ベンチ裏に呼び出してヘッドコーチにシメてもらう。もうね。暴力反対ですけども、一発いっとかんと気が済まん! あいつらはどつかなわからへんのじゃ!
 ……いや、ほんと暴力反対なんですよ。選手を殴るコーチは即でクビにすべきだと思ってます。でも、そんな癇癪を起こしちゃうくらい入れ込んでるんですよ。オレが監督だったら絶対にガマンできないね! 選手の半分くらい顔パンパンになって、ペナントレースどころじゃなくなっとるわ。監督じゃなくてよかった! 

 あとね。勝負ごとだからフェアにやらなきゃいけないとは思ってます。思ってるんだけどさ。山田哲人と筒香嘉智だけはなんとかならんかなぁ! あのふたりは反則やん!
 バレンティンとかはいいんですよ。あんなのフォアボールで歩かせればよろしい。塁に出してしまえばお地蔵さんです。守備で足を引っぱってくれるしね。でも山田と筒香はあかん。山田を歩かせたら2塁までフリーパスだし、筒香のあの迫力よ。カープのピッチャー全員チキッとるやん。あかん! 勝てる気せえへん!
 このふたりを抑えるにはもうインチキしかありません。私、いろいろ考えました。ボクシングファンとして思いついたのは、毒入りオレンジを仕込んどくことです。ケータリングに忍び込ませて、ちょっと下痢してもらおう。おなかピーピーなら打席で力が入らんでしょう。カープ球団に電話して教えてやろうかと思いました。
 でもね。勝負ごとだからフェアにやらなきゃいけません。毒入りオレンジだとヤクルト・横浜の全員が下痢ピーになっちゃいます。それはさすがにアンフェアでしょう。山田と筒香だけでええんや。問題はあのふたりなんや。
 で、さんざん考えたあげく、いい手をひとつ思いつきました。それは、バッターボックスに電極を埋め込むこと。山田と筒香だけでいいから、打ちに行った瞬間、遠隔操作でビリビリっとやるわけです。低周波治療器みたいな感じでね。どや! これなら打てんやろ! おおむねフェアやしな! カープこれパクっていいぞ!

 そんな感じで胃が締め付けられるようなシーズンを送っとるんですが、最後にちょっぴりデータを上げておきましょう。あまり楽観的にはなれない数字です。

チーム成績・投手部門
防御率 3位
失点 3位
与四球 (ワースト)2位
被本塁打 2位

チーム成績・打撃部門
打率 1位
安打数 3位
得点 1位
出塁率 1位
長打率 1位

 まるっきり打撃のチームですよね。消化試合数が少なめなのに、失点や与四球はかなりの低水準です。打てなくなると沈没するパターンですよね。
 しかし投手陣の力は今さら上がりません。みんな疲れてヘロヘロですもん。だから優勝のためには打ち勝つしかないんや! 頼むぞ! オレが監督じゃないことに感謝しながらがんばってくれよ!