◆WBOフライ級タイトルマッチ(9/11@アリゾナ)
 中谷潤人(王者;M.T.)×アンヘル・アコスタ(同級1位;プエルトリコ)

 はい。もう明日です。最近、「もう明日かよ!」が多いなぁ。
 たぶん、コロナもあって、試合中止がめっちゃ多いからだと思います。直前になってコロナ感染とかで中止やら延期やら相手変更やら。予定どおり開催されるかわからないので、ギリギリまで試合プレビューに意識が向きません。
 この試合もですね。コロナではありませんが、メインを務めるWBC S. フェザー級王者のオスカル・バルデス(メキシコ)がドーピング検査に引っかかりまして、興行自体が危うかったのです。メインが消えると興行自体がフッ飛ぶ可能性大なのでね。
 それでもまあ、予定どおり開催されるようです。バルデスがなんとイイワケしたのか、興味ないので調べてませんが、要するに興行の論理が通っちゃったってことでしょう。そんなことばっかりしてるからドーピングが蔓延すんだぞ? オレ、メキシコ産牛肉はひとりボイコットしてるんだ。ドーピング検査に引っかかるかもしれないからな!

 そのバルデスのアンダーでおこなわれるこのカード。中谷にとっては大チャンスです。トップランク社の興行ですから、いい勝ちかたをすれば同社と長期契約が結ばれるかもしれません。それはアコスタにもいえることですがね。
 中谷の戦績は21戦全勝16KO。けっこうガチなキャリアを積み、前戦でジーメル・マグラモ(フィリピン)を破って初戴冠にこぎつけました。長身サウスポーでアウトボックスからインファイトまでこなす万能型です。
 対するアコスタは24戦22勝(21KO)2敗。スピードとパワーに恵まれたプエルトリカンのオーソドックスで、田中恒成に負けた一戦が日本では知られているでしょう。再起後にWBO L. フライ級タイトルを獲得しています。
 世間の予想は中谷有利。オッズも3:1くらいで中谷なのかな? まあ、中谷の前戦は非常にいい勝ちかたでしたし、あれだけの長身でインファイトもこなせるので、わからぬでもありません。
 ただし個人的にはちょっと甘い予想な気がしています。田中恒成に敗れて評価を落としたとはいえ、アコスタやっぱ強いと思いますぜ。前戦を貼っときますと。

Angel Acosta vs Gilberto Mendoza | Full Fight | Pelea Completa | HD

 黄色パンツがアコスタです。まずスピードがある。そして中間距離でのフック系が強い。以前はもっとルーズガードだったような記憶がありますが、現在はそうでもないですね。敗戦を通じて強くなっとるんじゃないかなぁ。
  中谷もそうとう速いボクサーですが、スピード勝負ならアコスタだろうと思います。アウトボックスを貫くことができれば、そりゃもう中谷の勝ちでしょうけど、絶対にそうはならない。序盤から入られると思ったほうがいいでしょうね。
 中谷は基本的には距離をキープし、入られたらアッパー系を突き刺してふたたび突き放そうとするはず。そこで突き放せず、中~近距離での攻防が中心になるとアコスタ有利。とくに前半はそんなシーンが多くなるような気がします。そのくらいの力があるボクサーだと思うからです。
 というわけで、勝負は後半かな。アコスタの耐久力はもともと疑問視されているので、元気に突っこんでくる前半を乗りきれば、中谷のボディアッパーで身体を折り曲げる姿が目に浮かびます。そうなれば上も当たるようになるでしょう。
 個人的な予想は五分。前半しのいで後半勝負に持ち込めれば中谷、前半から打ち合いに巻きこまれて強いパンチをもらう展開ならアコスタって感じかな。うん。想像するだにスリリングな試合ですね。大チャンスなのでここは勝ちきってほしいものです。
 そんな試合は朝10時からWOWOWにて生中継。リアルタイムでは見れないので録画しとかなくっちゃ!

 それにしても、海外の興行に呼ばれる国内ボクサーが最近は増えましたね。日本のボクシングについて当ブログでは「いつまでたっても内弁慶」みたいなことを書き続けてきましたが、ここ数年でずいぶん変わりました。もちろん井上尚弥の活躍に触発されている部分は大きいのでしょうが、国内ボクシング市場の縮小やジム移籍の自由化など、いろんな要素が絡んでるとも思います。いいことばかりじゃないにせよ、悪いことばかりでもない。もともと「世界」をめざすスポーツなので、チャンスがあればガンガン世界に打って出てほしいもんですな。


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