八千代市政を考えるブログ

千葉県八千代市では、今どんなことが問題になっているのでしょうか?
身近な疑問、改善できそうなこと、千葉県から見た八千代市など、さまざまな角度から考えてみました。

八千代市長(2017.5月就任)のはっとり友則です。
現在取り組んでいる政策、進捗状況なども併せてご報告していきます。

カテゴリ: 子育て支援

今回は、西八千代地区中学校対策について、補足を兼ねて皆さんにお話いたします。

令和6年5月7日、「西八千代地区小中学校等対策検討委員会」で絞り込んだ「対策の方向性」を皆さんへ市ホームページにてお知らせしました。

詳しくは上記リンク先をご覧いただきたいのですが、大まかな内容としては

1.新設のための土地の取得について
新設のための候補地としてピックアップしていた3カ所の土地の取得は、運用開始までに相当の期間を要すること、地権者の意向が得られないことなどから中学校対策として活用することが困難であったため、「学校新設での対応」を選択肢から外すこととした。

2.次善策の対応について
そこで、次善の策として次の3点を踏まえた対応を検討していくこととする。
既存施設の活用(当該地区の市立小中学校、又は県立高校等)を基本とする。
当該地区の生徒数等の状況に応じて、既存施設に対し必要な改修、増改築を実施する。
通学区域の変更は、子供・保護者・地域への影響に配慮し、必要最小限とする。
この3点を基に令和6年度末には方針を決定するよう努める。

というものです。


この内容をご覧になった方から、
「既存施設=高津中や睦中学校であるならば、距離の問題は解決しないのではないか?」
「小学校を新設することで対応を留め、このまま西八千代地区の中学校対策をあきらめたり、様子見をしてやり過ごしたりするつもりではないか?」
といった不安の声が届きました。


まず、はっきり申し上げておきたいこととして、私はこの問題に対応しないということは絶対にあり得ず、西八千代地区の中学校対策について解決に向けて力を尽くしますのでご安心ください。

その思いを踏まえて、今回は現在の状況をもう少しかみ砕いて皆さんへご報告したいと思います。
なお、本件については現在調整中であることから、具体的に申し上げられないことがある旨ご理解いただければ幸いです。


今回、5月に皆さんへお伝えした方向性は、既存施設を活用することで新たに中学校を用意するというものです。
ちなみに、想定している既存施設は、当該地区の小中学校または県立高校等としております。

まず、小中学校については、昨年度の3月に行われた八千代市学校適正配置検討委員会において、「当該地区の一部地域で児童生徒数の減少が見られ、市の適正規模の基準の下限を下回っている学校や子供たちの豊かな教育活動の確保に課題が見えはじめた学校があることから、今後を検討すべき時期を迎えている」といった話がなされたことを受けております。

また、県立高校等については、現在、千葉県で「県立高校改革推進プラン」が進められており、今後、県内全域の県立高校の統合等を含めた再編が議論されることを踏まえると、八千代市内にある県立高校も含められる可能性があるとのことを受けております。
こちらの今後については、本市が主体ではないことから今後の展開を注視していくこととしています。


今回、小学校を新設するにあたり多額の費用がかかりますが、中学校については新規で土地を準備することなく、既存の施設を改修し活用することで費用も抑えることができるのではないかと考えております。

SDGSの推進に取り組む本市としましても、新たな土地に新たな建物という形でなく、既存施設を活用していくといった方向性は、持続可能な社会づくりといった点でも望ましい形ではないかと考えます。

現時点においてあらゆる可能性を踏まえた検討を進めているところですが、今年度末の方針決定に向けて全力で取り組んでおりますので、もうしばらくお待ちいただければと思います。
八千代市のより良い未来のために、引き続き注力してまいります。

(ご参考)
・「県立高校改革推進プラン」について(令和4年~令和13年)
・2024/05/07「西八千代地区における中学校対策の方向性について」

今回は、来年4月に開設予定の「こども送迎センター」についてお話します。
八千代市でこの取り組みを導入する理由は、待機児童解消に向けた施策の一環です。

昨年4月時点で、本市における国基準の待機児童数が119人となり、前年の同時期と比べて71人の増加となりました。これに対応するため、特に待機児童の多かった1・2歳児の受け皿として、令和5年4月1日に「2歳児までを保育する小規模保育事業所7か所」を新たに整備しました。
これにより、定員が133人増となりました。

次に、3歳児以降への対応ですが、市全体の乳幼児の人口はほぼ横ばいの傾向にあり、今後も大幅な増加は現時点で予想されておりません。
また、平成31年に行った保護者への調査では、「保育園と同じ時間、幼稚園に預けられるとした場合、どちらに預けたいか?」との設問に対して「幼稚園」を選択した割合が65.2%でした。
このことから、新たな保育施設ではなく、ご自宅から離れている市内にある既存の幼稚園等に通園できる環境づくりとして、こども送迎センターを令和5年度中に整備することとしました。

八千代市に設置するこども送迎センターでは、0~2歳児までを受け入れ対象としている小規模保育事業所の卒園児等が、ご自宅から距離のある幼稚園等に通うことができるよう朝にお子様をお預かりし、幼稚園等のバスが迎えにきます。
昼間の時間帯は、お子様はそれぞれの幼稚園や認定こども園で過ごします。
そして夕方には、こども送迎センターまで再び幼稚園等のバスで戻り、お子様をお返しします。

従来、フルタイムで働く保護者の方には幼稚園等が提供する保育の時間では足りない状況にありましたが、こども送迎センターをご活用いただくことにより、保育園だけではなく幼稚園等も選択肢に加えることができるようになることも目的のひとつです。

今後は、令和6年4月の開所に向けて、利用や運営に関することなど検討を進めてまいります。

八千代市少年自然の家(以下、「少年自然の家」)が、令和4年11月に開催された八千代市議会定例会において廃止が決定されました。
今回はその経緯と、その後の子ども達の体験活動についてお話します。


これまでの経緯
少年自然の家は、「自然の探求を行いつつ協力、規律、奉仕の精神を培い豊かな人間関係を深めること」を目的として、昭和49年8月に開所しました。

長年にわたり多くの子ども達に親しまれてきた施設でしたが、建物の老朽化に伴い雨漏り等が生じていたほか、耐震診断の結果、耐震性が不足していることが判明しました。

このため、今後の少年自然の家の運営について、公共施設再配置等推進委員会において協議・検討を行った結果、子どもたちの安全と安心の確保を最優先に考え、令和2年4月1日から少年自然の家を休止とし、宿泊体験学習については他の施設で対応することが決定されました。

なお、その後の検討過程において、施設の改修費と耐震補強費について概算で約16億4千万円の費用が見込まれたほか、休止の間も土地の賃借料などで年に約9百万円の維持費がかかるなど、本市の厳しい財政状況の中では大きな負担となることが判明したことや、県立施設で宿泊体験学習を実施できるめどが立ったことから、同委員会において廃止の方向性が示されました。

千葉県立手賀の丘青少年自然の家を宿泊体験学習の場に
新型コロナウイルス感染症による影響で令和2~3年度は宿泊体験学習を中止していましたが、令和4年5月から再開されました。 場所は、千葉県柏市にある千葉県立手賀の丘青少年自然の家(以下、「手賀の丘青少年自然の家」)です。

この施設は、社会教育、宿泊学習等を目的とした青少年教育のための宿泊研修施設です。
近隣には他にも施設はありますが、八千代市内の小学校からバスで約1時間程度とアクセスが良いことや、設備内容の充実度、少年自然の家と同等以上の活動が同程度の費用で行えることなどの理由から、校長会とも協議したうえで決定しました。

好評だった手賀の丘青少年自然の家での体験学習
手賀の丘青少年自然の家では、自然体験・創作体験・スポーツ体験といった3つの体験を軸に様々な活動を行うことができる環境が整っているほか、手賀沼周辺自然散策や手賀の丘公園でのアスレチックなどでも活動することができます。 

自然体験:
プラネタリウム鑑賞、ウォークラリー、野外炊事、キャンプファイヤー、星空観察、史跡巡りほか

創作体験:
勾玉、焼き板、七宝焼き、はんこ作り、創作うちわ、ピクチャーパズル、プラバンほか

スポーツ体験:
【体育館】綱引き、インディアカ、ドッジビー、長縄、ラート体験※ など
【屋外】グラウンドゴルフ、ディスクゴルフなど

※少年自然の家でラート体験ができるのは、国内で手賀の丘青少年自然の家だけです。日本ラート協会の指導のもと、シーソー遊びや基本的な回転技などを体験することができます。

(体育館でのラート体験)
手賀の丘-4

(野外炊事の様子)
手賀の丘-2

(手賀の丘公園でのアスレチック)
手賀の丘-3

(キャンプファイヤー)
手賀の丘-1

宿泊体験学習を実施した後に行ったアンケートによると、参加した児童からは「アスレチックがたくさんあって楽しかった」、「キャンドルファイヤーでの活動を通して学年の仲が深まった」などの声があり、ほとんどの子どもたちが充実した宿泊体験学習ができたと回答しています。

また、参加した職員からも充実感や学習面、設備面などに関して、ほとんどの項目で肯定的な回答が得られたとともに、保護者からも「子どもがとても楽しい体験学習だったと言って、満足して帰ってきた」、「手賀の丘青少年自然の家は遠くにある印象だったが、子どもがあっという間に着いたと言っていたので、それほど遠くないとわかった」など、概ね好意的な評価をいただきました。

今後に向けて
今回、八千代市少年自然の家は廃止することが決定されましたが、令和4年5月からは千葉県立手賀の丘青少年自然の家を活用することにより、子どもたちにとってより充実した宿泊体験学習が実施できるようになっております。

さらに、少年自然の家を廃止したことにより節減できた財源は、校舎のバリアフリー化や大規模改修などに活用されることにより、教育環境の一層の充実に役立てられます。

今後も、保護者の皆様をはじめ関係者の方々のご協力とご理解を得ながら、子どもたちの豊かな教育環境の整備に向け、さまざまな取り組みを進めてまいります。

(ご参考)
少年自然の家の経緯20230125

2022年7月のブログでは、西八千代地区の児童生徒増に対応する方針を定めるため、全庁横断的な組織である「対策検討委員会」を指示して立ち上げ、そこで検討が進められていることをお伝えしました。
このたび、対策検討委員会による議論の結果がまとまり、西八千代地区の小中学校等に係る当面の基本的な方針を定めましたのでご報告します。

今回の「西八千代地区における児童生徒の大幅な増加」への対応を考えることは、周辺の学校にも影響を与えることになります。そのため、地区全体の課題として捉えて検討を進めてきたところです。
議論するにあたり、考えられる対応策についてあらゆる可能性を排除することがないようにしました。

さて、具体的な対応策として検討した案は、次のア~エの4点です。
ア.学区変更での対応
イ.学校増築での対応
ウ.学校新設での対応
エ.既存施設活用での対応

これら4つを軸に、案を組み合わせることも含めて検討しました。
検討結果の詳細については、10月19日に八千代市及び市教育委員会のホームページで公開しましたのでご覧いただければと思います。

2022年10月19日
「西八千代地区小中学校等対策の対応方針が定まりました」(市教育委員会ホームページ)
西八千代小中学校報告書表紙


検討を進める中で、児童数のピークを迎える時期が早く、対策が急がれる「小学校」の検討を優先にしました。「中学校」については、今後の状況変化等も踏まえながら柔軟な対応が可能となるように配慮することとし、より適切な結果を導き出せるよう今後も検討を継続するという形に落ち着いたところです。
詳細については公開した「報告書」をお読みいただければと思いますが、ここでは、最終的に定まった当面の対応方針の部分のみ抜粋してご紹介します。


(当面の方針)
● 小学校について
現段階では、地権者の協力が見込める旧遊技施設跡地(大和田新田1100-1付近、約6,700㎡)に校舎を建設することとする。
土地や施設の規模等を踏まえ、より良い教育環境を保障する視点に立ち、新設の小学校として設置するほか、新木戸小学校と一体的な運営(分校)とすることなども含めた検討をする。
また、施設の新築に際しては、将来的な児童数の減少等も見据えた検討を行い、今後、短期間のうちに当該用地の隣接地の地権者など、関係者の協力が得られる見通しが立った場合には、グラウンド面積や校舎の配置等、敷地を最大限に活用するよう検討することとする。
なお、本対応によって生じる学区変更については、地区内の児童の通学に係る負担ができる限り小さくなるように検討することとする。

● 中学校について
現段階では、課題解決に時間を要する選択肢や、状況により結果が左右される選択肢を排除せず、あらゆる可能性について引き続き検討することとする。 
なお、睦中学校の通学区域内にある「高津中学校許可学区」の今後の扱いについては、子供たちの豊かな教育環境を第一に考え、「高津中学校許可学区」の延長も含めて検討するものとする。

● その他
本方針に基づき建設する小学校に在籍の児童を対象とした学童保育及び放課後子ども教室については、実施場所を含めて検討を進めるものとする。


なお、小学校の校舎を建設する位置は、新木戸小学校通学区域内にある以下の場所になります。
西八千代小中_小学校新設場所
(平成30年3月作成 八千代都市計画基本図 一部分利用)

ところで、小学校の校舎の建設については、土地の規模や周辺の小学校の保有教室数等によって建設する校舎の大きさが変わります。また、新設の小学校として設置するのか、新木戸小学校と一体的な運営をする分校とするのか等についても未定であり、詳細については今後も検討が必要となります。
これらについては、八千代市教育委員会内において「庁内検討委員会」を立ち上げるとともに、八千代市通学区域審議会で急ぎ検討を進める予定となっております。

また、先ほども述べましたが、中学校の対応(案)については、今後も「西八千代地区小中学校等対策検討委員会」において検討が継続されることとなっています。

子どもたちの豊かな教育環境を整備する視点に立ち、関係部局で連携させながら今後も引き続き対応してまいります。

今年の3月、東葉高速鉄道の経営状況に関するニュースが流れ、ドキッとされた方が多かったと思います。今回はコロナの影響による見通しと併せて、私の市長2期目に入ってからの取り組み状況について報告したいと思います。


◆長期収支推計のローリング結果について

(2022年3月8日/千葉日報)
「東葉高速鉄道、資金ショートの可能性も 長期債務にコロナ拍車…2028年度にも 千葉県、国や沿線市と支援協議へ」 


上のようなネットニュースや新聞記事をご覧になって、大変動揺された市民の方も多かったと思います。この内容は、令和3(2021)年11月9日に報告されていた「東葉高速自立支援委員会の開催結果について」と同様のものとなっています。
「東葉高速自立支援委員会」は、国交省、千葉県、船橋市、八千代市、鉄道・運輸機構、東京メトロが関係者として2007年に設立されました。東葉高速鉄道の経営改善計画や長期経営計画に係る検証・ローリング、需要拡大策、今後の支援のあり方等について協議を重ね、会社の自立を目指しています。

さて、今回の報告書では、新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえて『運輸収入が感染拡大前の水準に対して令和4年度中に100%、95%、90%まで回復する3ケースを、金利動向(高金利・基本・低金利)ごとに推計した結果』が示されています。ちなみに、令和2年度もコロナの状況を踏まえた長期収支推計のローリング結果が報告されましたが、1年前と比べてリモートワークの定着等によって働き方が変化してきたことから、今回は「通勤定期は回復水準が他券種より下回る(5%減)」という想定を加えて推計されています。

その結果、新型コロナウイルス感染症の影響などにより、運輸収支の見通しについては未だ不透明ながらも、運輸収入の回復状況や金利動向等によっては、将来、資金ショートに陥る可能性があることが改めて確認されました。
最も厳しい想定条件である「高金利となり、且つ90%までの回復(通勤定期は85%)」となった場合、令和10(2028)年度に資金ショートするという見通しが示されました。仮に現在のような低金利の状況が続いたとしても、95%までの回復(通勤定期は90%)に留まった場合は令和15(2033)年度で資金ショートする見通しです。
なお、この長期収支推計は、(二次支援策として実施している利子補給以外は)自治体の出資等の支援や繰上償還、運賃改定などを含めて、今後、支援がないものとして推計されています。

この報告を受けて、「東葉高速自立支援委員会」では会社の経営状況や取組状況を注視しながら引き続き検証を重ね、仮に早期に資金ショートの可能性があると見込まれた場合には速やかに支援策の実施に移行できるように、今後の支援のあり方について協議を継続していくこととなりました。


令和4年3月末時点での経営状況について
これまでの取締役会では、次のような説明がありました。

● 令和2年度から続く新型コロナウイルス感染症の影響は令和3年度も収まらず、運輸収入については前年度と比較すると回復傾向であったものの、コロナ前に比べ80%を下回る状況であった。
● このような状況ではあったが、経費節減に努めるとともに増収のための取り組みを進め、令和3年度の収支は前年度と比較すると運輸収入は7.9%増、当期純利益は116.5%増と、増収・増益となった。
● 鉄道の利用を促進するとともに、鉄道以外の収入源を確保するために様々な企画や取り組みを進めている。年末年始の利用促進を目的とした「年末年始おでかけ1日乗車券」や、利用が低調な土休日の需要を掘り起こすため、土休日に利用できる企画乗車券「春の東葉ホリデーパス」を発売した。
● 高架下や駅構内の不動産貸付についても積極的に取り組んでおり、八千代緑が丘駅においては令和4年度から2区画において新たなテナントが入居する予定である。


◆ 東京メトロとの合併に向けた働きかけについて
私は市長に就任する以前から、「東葉高速鉄道の運賃値下げについては、東京地下鉄株式会社との合併が必要である」という結論に至り合併実現を公約として掲げており、2期目就任後も、東京地下鉄株式会社とは意見交換を続けてきました。
具体的には、令和3年7月12日、さらに令和4年2月1日に意見交換を行っています。

本年2月の意見交換では、東京地下鉄株式会社から
● ポストコロナにおける経営の見通しは極めて不透明な状況である
● 有楽町線と南北線の延伸の費用は数千億円にも上ることが見込まれている
● 工事期間の延長やさらなる費用の発生といったリスクも考えると、過度にリスクは負えない
という意向を受けました。

これまでに何度も東京地下鉄株式会社との意見交換を繰り返してまいりましたが、経営統合による運賃の引き下げの実現は、コロナを経て以前と大きく見通しが変わってしまった状況下において困難であるという認識に至り、合併の働きかけをこれ以上は断念せざるを得なくなってしまいました。
長年の取り組み方針が断たれ無念ではありますが、運賃値下げへの思いを取り下げるつもりはありません。今後は、子育て世帯の多く求めている経済的負担の軽減や、東葉高速線の利用促進を図るため、通学定期の割引率の引き上げの実現に全力を挙げていくべく、会社に働きかけを続けてまいります。


◆ 通学定期の値下げについて
通学定期の値下げについては、以前より取締役会など機会を捉えて会社に働きかけを行っています。
令和3年12月に八千代市議会において早期の割引拡大に向けた積極的な働きかけを求める決議がなされたことを受け、令和3年12月20日や令和4年3月30日の取締役会では『通学定期割引率引き上げについては、私一人の意見のみならず、八千代市議会の総意である』旨を伝えた上で、通学定期の割引率拡大のタイミングについて意見を述べました。
市議会だより写真
「やちよ市議会だより」令和4年2月 99号より
https://www.city.yachiyo.chiba.jp/351000/page100010.html


<2021年12月20日 取締役会にて>
服部:
『今まで度々申し上げてきたことだが、確かに新型コロナウイルスの影響があって、乗客、営業収入が減になっている中にあっても、会社の努力もあるかと思うが、前期も今期も経常利益を計上することができている。私は、飯田社長時代から、通学定期の割引率拡大を主張してきた。通勤定期はある程度会社持ちで、一定部分以上は自分で出しなさいということになっているが、通学定期は100%家計を直撃する。自治体にとってみれば、子育て支援ということで家計にやさしくするため、例えば教育費の無償化など、国を含めて努力してくれてはいるが、通学定期の家計への直撃が大きいので、是非これを下げていただきたいという話をしてきた。
 実は今回の市議会で、議会の総意という形で、会社に対し通学定期の割引率拡大を働きかけるべきだという決議をいただいた。乗客が減っている中でダイヤを減らさなくていいのかなど厳しいご意見が出ている中ではあるが、これまでは私一人で言っていたが、議会の決議という形で上がってきたので、市長としては重く受け止めさせていただき、私一人の意見のみならず、八千代市議会の総意ということも敢えて言わせていただき、会社のご努力を待ちたいと思う。八千代市にとっては、東葉高速鉄道は市の発展のためには欠くことのできない交通ツールであると思っており、まちづくりを進める上で少しでも東葉高速鉄道を使っていただける乗客が増えるよう市としても努力していきたいと考えている。会社の方でも市民還元という観点もあるので、是非ともご検討いただければありがたい。』

(回答要旨)
● 12月の八千代市議会で「東葉高速鉄道の通学定期の割引率引上げの早期実現を求める決議」が決議されたことは、八千代市からお聞きしている。その中で、「通学定期は通勤定期と異なり、その費用の多くが家計の負担となることから、更なる割引率引上げを望む市民の声は切実である」とされているが、まさしく社会的に皆さんが思っていることであり、その意味で、通学定期の割引率が各社とも通勤定期より相当割り引いているというところもあるのだろうと思っている。
● 割引率の拡大によって、沿線の定住の促進や需要の拡大に対して一定の効果があるだろうと思われるが、一方でそれによる減収の影響も小さいものではないと考えている。
● 当社の構造的要因として、未だに2,400億円を超える有利子負債を抱え、その返済が非常に経営を圧迫している中で、減収施策については慎重な検討をする必要がある。
● 自立支援委員会という自立的な経営についてご議論いただいている委員会があるので、その御意見もうかがっていきたいと考えている。
● コロナ禍の状況については、若干明るい兆しが見えていながらも、まだまだ不安要素があるので、今はまずそれを注視して、経費節減、収入の増加策に全力で取り組むべき時期だと考えているので、どうかご理解いただきたい。

服部:
『補足になるが、東葉高速鉄道に対しては、私は市長でありながら取締役の一員でもあるので、市民の思いを会社に伝えるのが一つだが、あまりにも言い過ぎてしまって、会社がおかしくなってしまってはしょうがないので、非常に難しい立場にある。以前も話したと思うが、八千代市における駅勢圏人口もだいぶ頭打ちになってきて、今までは順調に乗客が増えてきたので、収入も増えてきたと思うが、これからだんだんそのカーブも緩やかになっていくので、会社としても積極的な増収策を考えていただきたい。確かに通学定期の割引率を拡大すると、目先の売上は落ちてしまうかもしれないが、長い目で見たとき、通学定期を使った以降は通勤定期を使ってもらえるような形にもなると思うので、八千代市としても定住人口を増やしていくためにも、東葉高速鉄道とは共存共栄をしていきたいと思う。八千代市としてもできる限り協力させてもらうので、これからもよろしくお願いしたい。』


<2022年3月30日 取締役会にて>
服部:
『前回の取締役会で市議会の総意という形で通学定期の割引率拡大を働きかけるべきとの決議をいただいたと話したが、通学定期の割引率拡大実施のタイミングとしては債務超過が解消したタイミングが会社としてもいいのではないかと思う。資料3を見ると今年度の見込みとして約13億円の債務超過額の減少がみられるが、このままのペースで行けば債務超過が解消されるのはどのくらいと見ているか。』

(回答要旨)
● コロナ禍からの回復状況にもよるが、純利益は昨年度決算では約7億円強、今年度の収支見込では約13から14億円程度となる見込みであり来年度は約20億円弱を見込んでいるため、このままのペースでいけば債務超過の解消はあと2年程度だとは考えている。
● コロナ禍前はもう少し早い段階で債務超過の解消があるだろうとされていたが、若干先延ばしになった経緯もあり、今後も債務超過の解消やその先に向けて頑張っていきたい。

服部:
『債務超過が解消された段階で通学定期の割引率拡大に向けた動きが出ると考えてもいいか。』

(回答要旨)
● 課題であった債務超過の解消はひとつのタイミングではあると思うが、それでも累積損失として620億円を超える額が残っている。経営に影響を与える機構への債務返済等をこの先も続けていく中で、現時点で具体的にいつ実施するということを述べることは難しい。
● タイミングについては、今後、自立支援委員会等の関係者の意見も聞きながら議論をしていくことになると思う。


◆ 経営安定化に向けた取り組み
東葉高速鉄道の経営安定化に向けた取り組みについては、本年8月に行われました千葉県知事との意見交換において支援を要望したところです。
今後も、国へ鉄道・運輸機構に対する多額の長期債務の縮減や、利払いの軽減などについて働きかけを進める方針です。
twitter20220926-2

東葉高速鉄道が置かれている経営状況を注視しながらも、一日もはやく実現に結び付くよう働きかけを続けてまいります。

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