八千代市少年自然の家(以下、「少年自然の家」)が、令和4年11月に開催された八千代市議会定例会において廃止が決定されました。
今回はその経緯と、その後の子ども達の体験活動についてお話します。
今回はその経緯と、その後の子ども達の体験活動についてお話します。
これまでの経緯
少年自然の家は、「自然の探求を行いつつ協力、規律、奉仕の精神を培い豊かな人間関係を深めること」を目的として、昭和49年8月に開所しました。
長年にわたり多くの子ども達に親しまれてきた施設でしたが、建物の老朽化に伴い雨漏り等が生じていたほか、耐震診断の結果、耐震性が不足していることが判明しました。
このため、今後の少年自然の家の運営について、公共施設再配置等推進委員会において協議・検討を行った結果、子どもたちの安全と安心の確保を最優先に考え、令和2年4月1日から少年自然の家を休止とし、宿泊体験学習については他の施設で対応することが決定されました。
このため、今後の少年自然の家の運営について、公共施設再配置等推進委員会において協議・検討を行った結果、子どもたちの安全と安心の確保を最優先に考え、令和2年4月1日から少年自然の家を休止とし、宿泊体験学習については他の施設で対応することが決定されました。
なお、その後の検討過程において、施設の改修費と耐震補強費について概算で約16億4千万円の費用が見込まれたほか、休止の間も土地の賃借料などで年に約9百万円の維持費がかかるなど、本市の厳しい財政状況の中では大きな負担となることが判明したことや、県立施設で宿泊体験学習を実施できるめどが立ったことから、同委員会において廃止の方向性が示されました。
千葉県立手賀の丘青少年自然の家を宿泊体験学習の場に
新型コロナウイルス感染症による影響で令和2~3年度は宿泊体験学習を中止していましたが、令和4年5月から再開されました。 場所は、千葉県柏市にある千葉県立手賀の丘青少年自然の家(以下、「手賀の丘青少年自然の家」)です。
この施設は、社会教育、宿泊学習等を目的とした青少年教育のための宿泊研修施設です。
近隣には他にも施設はありますが、八千代市内の小学校からバスで約1時間程度とアクセスが良いことや、設備内容の充実度、少年自然の家と同等以上の活動が同程度の費用で行えることなどの理由から、校長会とも協議したうえで決定しました。
近隣には他にも施設はありますが、八千代市内の小学校からバスで約1時間程度とアクセスが良いことや、設備内容の充実度、少年自然の家と同等以上の活動が同程度の費用で行えることなどの理由から、校長会とも協議したうえで決定しました。
好評だった手賀の丘青少年自然の家での体験学習
手賀の丘青少年自然の家では、自然体験・創作体験・スポーツ体験といった3つの体験を軸に様々な活動を行うことができる環境が整っているほか、手賀沼周辺自然散策や手賀の丘公園でのアスレチックなどでも活動することができます。
自然体験:
プラネタリウム鑑賞、ウォークラリー、野外炊事、キャンプファイヤー、星空観察、史跡巡りほか
創作体験:
勾玉、焼き板、七宝焼き、はんこ作り、創作うちわ、ピクチャーパズル、プラバンほか
スポーツ体験:
【体育館】綱引き、インディアカ、ドッジビー、長縄、ラート体験※ など
【屋外】グラウンドゴルフ、ディスクゴルフなど
(野外炊事の様子)
宿泊体験学習を実施した後に行ったアンケートによると、参加した児童からは「アスレチックがたくさんあって楽しかった」、「キャンドルファイヤーでの活動を通して学年の仲が深まった」などの声があり、ほとんどの子どもたちが充実した宿泊体験学習ができたと回答しています。
また、参加した職員からも充実感や学習面、設備面などに関して、ほとんどの項目で肯定的な回答が得られたとともに、保護者からも「子どもがとても楽しい体験学習だったと言って、満足して帰ってきた」、「手賀の丘青少年自然の家は遠くにある印象だったが、子どもがあっという間に着いたと言っていたので、それほど遠くないとわかった」など、概ね好意的な評価をいただきました。
今後に向けて
今回、八千代市少年自然の家は廃止することが決定されましたが、令和4年5月からは千葉県立手賀の丘青少年自然の家を活用することにより、子どもたちにとってより充実した宿泊体験学習が実施できるようになっております。
さらに、少年自然の家を廃止したことにより節減できた財源は、校舎のバリアフリー化や大規模改修などに活用されることにより、教育環境の一層の充実に役立てられます。