先々週あたりにはもう梅雨明けかと思っていた所に、先週には一転して梅雨模様と悪天候が戻った先週。

そしてここ数日でも西日本を中心に梅雨前線に伴った大雨が降り続いています。
今回はその中ででも4日前の7月19日(日)夜(18:00〜21:00位)の天気を検証してみたいと思います。

この日の大阪は夕方はまだ雨が降っていませんでした。
そして徐々に曇が厚くなり、20時位から降り始め、その後数時間にかけて集中的に強い雨が降りました。
気象庁7月19日「大阪」の1時間ごとの数値

そして、その大阪に強雨をもたらす前には西日本各地で大雨が降り、岡山県では竜巻も観測され、被害も出ました。


7・19_17sekigai-gazou7・19_19sekigai-gazou






7・19_21sekigai-gazou

上の衛星画像は7月19日の赤外画像です。
左上から17時、19時、左図は21時と2時間ごとに並べています。

ここでポイントが17時に岡山県〜兵庫県付近にある白く塊状の雲が19時、21時にほぼ同位置にあり、雲塊も大きくなり、東南方向に移動しています。
また21時では17時よりも西側に雲塊があることから、さらに西側でも発生したと思われます。
この雲は発達した積乱雲であると考えられます。
岡山県の竜巻も、大阪の大雨もこの雲塊が引き起こしたと考えられます。

071921-chijou_tenkizu







上図は19日21時の地上天気図です。
日本付近は日本海の高気圧と日本の南海上の太平洋高気圧に間にあり、梅雨前線がこの2つの高気圧の間を通っています。
梅雨前線が北海道東岸から関東地方東岸に南西に通り、更に東海地方南部〜近畿地方南部から中国地方とほぼ東西〜西北西に通っています。
上記の衛星画像と合わせてみますと、先程の大きな雲塊はこの梅雨前線の北側であり、梅雨前線と対応している雲塊であることが分かります。

071921-850pha_tenkizu071921-500pha_tenkizu






左図が19日21時の850pha天気図、500pha天気図です。
850pha天気図を見ると、地上の梅雨前線と850phaの1500m等高線が良い対応を見せています。
特に東海地方以西の梅雨前線の位置と1500m等高線の位置がほぼ同じ位置にあります。
そしてこの1500m等高線の北側では1500m等高線に沿った形で南よりの風となっていて、暖かく湿った大気が流れています。
一方500pha天気図では日本の東部に気圧の谷があることから、東日本より西側では北西よりの風が吹いています。
この2つの天気図より南から暖かく湿った大気が中国東部から黄海付近に流入し、そして上昇しながら北西の風によって日本付近に流入している大気の流れが分かります。

071921_soutouoni&wind-zu071921_soutouoni&wind-zu2








上の左図も右図も19日21時の数値予報初期値の相当温位図と風の流れの図です。
右図は左図の342K相当温位線を赤線、345k以上の相当温位線を紫線で囲いました。
この図より、瀬戸内地方から近畿地方にかけては345k以上の相当温位線で囲まれていて大気が非常に不安定であったことが良く分かります。
そして日本付近は北西よりの風が吹いていたことから瀬戸内地方〜近畿地方はこのような暖かく湿った大気が常に流れていて、大気の状態が不安定な状態が続いていたことと考えられます。
このような不安定な大気の流れと梅雨前線による大気の上昇効果も加わったために、大雨や竜巻が形成されるほどの強い積乱雲が発達したのだと考えられます。

この日のこの時間の天気は典型的な梅雨時の天気に局地的な要素がミックスして、相乗的に影響しあって悪天になりました。
このような天気がまだしばらくは続くと考えられますので、最新の気象情報に十分注意を払う必要がありそうです。