しばらく滞っておりましたが、久しぶりの更新です。

先週の10月7日(水)から8日(木)にかけて日本列島を縦断した台風18号について書いてみたいと思います。

この台風18号は日本に到達する前までは中心気圧が940hPa、最大風速が約47メートル(85ノット)、風速15m以上の強風域は500km以上の大型で非常に強い台風でした。
この時期では最大級の台風ではないかと言われたのも記憶に新しい所です。

そしてこの台風は当初は約時速22km(12ノット)と比較的ゆっくりと北進していたのですが、日本列島に近づくにつれて速度を上げ、更に進路も北東に変化して進行しました。

どうして台風はこのように強い勢力になったのでしょうか?
どうして日本列島に近づくにつれて台風は速度を上げ、また進路が変化したのでしょうか?
天気図で見てみたいと思います。

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まずは左上より10月6日21時の地上天気図、右上は10月7日9時の地上天気図、左下は10月7日21時の地上天気図です。

10月6日では台風18号は8日の早朝に上陸すると予想されていました。
それが7日の21時の天気図ではもう本州付近まで来ています。
6日の予想よりもはるかに早く来ました。
そして勢力はほぼ維持して北上してきました。
(画像をクリックすると拡大した画像へリンクします。)

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次に左上より10月6日21時の500hPa天気図、右上は10月7日9時の500hPa天気図、左下は10月7日21時の500hPa天気図です。

10月6日21時の天気図を御覧ください。
地上天気図とほぼ同位置にある同士円状の等圧線が台風です。
その東側には高気圧帯があり、台風の北側の等圧線が集中している所が偏西風帯(ジェット気流)です。
台風は高気圧の北辺をゆっくりと北進するものと見られていました。
しかし7日の9時の天気図では同士円状の台風に5820mの等圧線が覆われています。
これは台風が偏西風に流されていることを示しています。
21時の天気図では更に多くの等圧線に覆われてしまいました。
そのため台風の速度は上がり、進路も偏西風帯に乗ったことから北東に進路を変えたのです。
(画像をクリックすると拡大した画像へリンクします。拡大画像の図は下の画像です。)

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最後に左図が10月6日の平均海面水温図、右図が10月7日の海面水温図です。
両図とも共通しているのは台風がいた場所、または台風が通った場所の海面水温が27℃〜28℃以上とかなり高いことです。
台風というのは海面水温が27℃の所で発生します。
ここはまさにその水温だったのです。
海面水温の高い海面から多くの水蒸気の補給を受け、その水蒸気が水滴になる際に放出される潜熱が台風を発達させるメカニズムなのですが、この西日本の南海上はこのような発達メカニズムがされていたと想像されます。
この時期はもう少し海面水温が低いために、日本列島に近づくにつれ台風の勢力は弱くなるのですが、この台風18号は勢力を発達・維持させながら接近してきたと考えられます。
(画像をクリックすると拡大した画像へリンクします。)

この後10月8日にかけて台風は愛知県の知多半島付近に上陸し、日本列島を縦断しました。
速度が速くなったため、幸い1日位で日本列島を通過したのは被害面では不幸中の幸いでした。

しかし、上空の偏西風によって台風の速度・進路が急激に変化することから予想は難しいです。
また海面水温も台風の強さを探る上では欠かせない要素であります。