林田力 だまし売りのない世界へ

書籍や漫画の書評、マンション問題や消費者問題、警察不祥事など。書籍『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』著者。マンションだまし売り被害者。東急不動産消費者契約法違反訴訟原告。みんなの未来(あした)を守る会代表。江東住まい研究所長。マンションだまし売りや迷惑勧誘電話、貧困ビジネス、危険ドラッグのない世界を目指します。

 林田力『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』(ロゴス社)は東急不動産(販売代理・東急リバブル)から不利益事実を隠して問題物件をだまし売りされた消費者(=原告)が消費者契約法に基づき売買契約を取り消し、裁判(東急不動産消費者契約法違反訴訟、東京地裁平成18年8月30日判決、平成17年(ワ)3018号)で売買代金を取り戻した闘いの記録。

FJネクスト・ガーラ・グランディ木場問題
http://hayariki.x10.mx/
東急不動産で買ってはいけない 被害者が語る「騙し売り」の手口
http://www.mynewsjapan.com/reports/1101

大東建託の内幕

三宅勝久『大東建託の内幕 “アパート経営商法”の闇を追う”』(同時代社、2018年)は賃貸アパート経営の大東建託の問題を明らかにした書籍である。消費者には安定した家賃収入を謳った詐欺的商法、従業員にはパワハラ体質と真っ黒である。契約を取るために犯罪に手を染める社員まで存在する。

根本的には不動産投資、賃貸経営というビジネスモデルに欠陥があると感じた。真っ当なビジネスは売り手が何らかの価値を提供し、買い手は対価を払う。ところが、不動産投資勧誘会社が提供するものは賃貸住宅であるが、買い手は賃貸住宅を求めていない。家賃収入という言葉に惹かれただけである。賃貸住宅は賃借人に価値を提供するものであるが、この取引では賃借人は出てこない。需要に応じた価値ではない。

賃借人を考えない賃貸住宅が賃借人から選ばれ続けることはあり得ず、家賃収入は行き詰まる。不動産投資勧誘会社の口車に乗って不動産投資をすると借金ばかり残ることになる。不動産投資勧誘会社が価値を提供せず、オーナーにリスクとコストを押し付けている。強引な営業など無理をしなければ販売できないビジネスである。これはワンルームマンション投資やシェアハウス投資も同じである。

個人的な経験になるが、このリスクとコストを相手に押し付ける体質は私にも思い当たるところがある。私はある政治塾で大東建託出身の都議会議員選挙への立候補希望者に会ったことがある。意気投合した後で彼女は私に供託金を出すことを求めてきた。供託金分の金額の借用を求めるどころか、私自身が供託に行くことを求めた。自分は全くリスクを負わず、相手に押し付けるだけであった。

著者はジャーナリストであり、埼玉県警の機動隊員溺死事件なども取り上げている(三宅勝久「裁かれる埼玉県警機動隊の“殺人訓練”――何度もプールに沈め溺死に」週刊金曜日2015年7月24日号)。私は循環型メディア「目覚めるラジオ」が2012年2月4日に開催した主催の「ジャーナリスト講座 全てを疑え!」で著者と一緒になったことがある。

マンション投資の融資引き締め

マンション投資の融資は引き締められるでしょう。金融庁は金融機関の収益性不動産向け融資の実態把握に乗り出す。融資の実行に当たり、顧客の返済能力を十分考慮しているか、融資実行後の管理を適正に行っているか、抱き合わせ販売の防止策が打ち出されているかなどについてアンケート調査や立ち入り検査を行う(「金融機関の収益性不動産向け融資、実態調査へ=金融庁方針」ロイター2018年9月26日)。
マンション投資勧誘は詐欺的商法です。「どちらかにとって明らかに悪いものであれば、それは交渉ではなく騙しになる」(おゆ『疲れも知らず』「第九十九話 488年11月 運命の糸」)
区分所有者が非居住の投資家ばかりでは管理組合運営も不十分になりがちです。管理会社依存が高まり、管理費や修繕積立金も割高になりがちです。ワンルームマンションは消費者や住民の幸福を顧みることなく、投資家からできる限りのものを持ち出すことばかりに力を入れています。

中野相続裁判さいたま地裁

中野相続裁判は平成19年9月8日に亡くなった母親(東京都中野区)の生前贈与や遺贈が無効であるとして長女が長男と配偶者を訴えた訴訟です(平成20年(ワ)第23964号 土地共有持分確認等請求事件)。中野相続裁判は母が亡くなった一年後に始まりました。この裁判によって長男が入院中の母親の経鼻経管栄養の流入速度を勝手に速めたことや治療を拒否したことが明らかになり、立正佼成病院附属佼成病院事件につながりました。
中野相続裁判さいたま地裁事件は、長男夫婦が平成30年1月30日付で遺産(共有物)の分割を求めて提訴したものです。長女は長男夫婦に相続人や受遺者を主張する資格があるか訴えます。
長男は「時間がかかりすぎる。リハビリに行くのがおそくなる」との理由から入院中の母親の経鼻経管栄養を速めました。これは健康を害し得る行為です。佼成病院裁判の東京地裁平成28年11月17日判決は長男の行為が違法と断じました(平成26年(ワ)第25447号 損害賠償請求事件、17頁)。
***
経管栄養は医療行為であり、嘔気、嘔吐、腹部膨満や腹痛などの副作用や誤嚥性肺炎の危険もあるため、医師の指示に基づいて行う必要があり、病院では看護師が行うこととされており、患者の家族が行うのは自宅での例外的な場合に限られているのであるから、患者の家族であっても、医師の指示に基づかずに患者の経鼻経管栄養の注入速度を変更することは違法であるといわざるを得ない。
したがって、被告長男が8月15日に医師の許可なく母親の経鼻経管栄養の注入速度を変更することは違法であるといわざるを得ない。
***
長男の代理人弁護士は「長男が母親の点滴を早めたなどの主張をしておりますが、それは点滴ではなく流動食であり、何ら問題ないものです」と開き直りました。しかし、経管栄養は医療行為であり、ミスをすれば患者を死に至らしめる危険のあるものです。医者が定めた流入速度を「時間がかかりすぎる」という理由で勝手に速めて良いものではありません。流入速度を勝手に速めることを問題ないとする長男の代理人の主張は、中世を通じて科学を押さえ込んでいた風潮に非常によく似ています。
長男が経管栄養の流入速度を速めた後に母親は嘔吐して誤嚥性肺炎になりました。嘔吐が速めた直後でないことは流入速度を速めたことが問題ないことを意味しません。人体には遅れて影響が出ることがあります。
以下は小説における医師の台詞です。「明日あたりに具合が悪くなった気がしても、慌てないでちょうだいね。遅延型反応というものだから」(ジェームズ・ロバートソン著、田内志文訳『ギデオン・マック牧師の数奇な生涯』東京創元社、336頁)
さらに長男は具合の悪くなった母親の延命につながる全ての治療を拒否しました。医師記録の平成19年8月20日に「family (son)は延命につながる治療を全て拒否。現在Div.(注:点滴Drip Infusion into Vein)で維持しているのも好ましく思っていないようである」と、被告(son=息子)が母親の生命維持を好ましく思っていないと指摘しています。
また、長男夫婦はリフォームによって同居の母親の部屋を納戸にしました。部屋には物が一杯積まれて天井まで届いていました。その中には、長男の嫁の私物まで置かれました。

中野相続裁判さいたま地裁第4回口頭弁論傍聴・取材のお願い
http://blog.livedoor.jp/hayariki2/archives/2089229.html

ドラゴンボール超

とよたろう著、鳥山明原案『ドラゴンボール超』(集英社)は大人気漫画『ドラゴンボール』の続編である。破壊神ビルスが来襲する。映画作品を下敷きにしている。
バトル物の漫画はバトルの連続になってしまうという落とし穴がある。『ドラゴンボール』の連載終了には、その要素があった。本作品もバトル中心であるが、孫悟空の理解力の低さなどの笑いがある。孫悟飯の活躍がない点は、常識があって強いというスーパーマン過ぎて面白くないからだろうか。
また、破壊神ビルスなどの新キャラクターは単に倒すべき敵ではない。別次元の存在であり、物語の奥行きを広げる。巨大なドラゴンボールという謎も出てきた。タイトルの『ドラゴンボール超』も続編として超を付けたという以上の意味を持つ。
後半は天下一武道会のような展開である。『ドラゴンボール』は、本来はドラゴンボールを探す冒険漫画であり、天下一武道会は幕間と言ってもよいものであった。しかし、読者にはドラゴンボールと言えば天下一武道会と言えるほど印象が強い。ピッコロ大魔王との決着を天下一武道会で行うなど重要な舞台になっている。天下一武道会風の展開は『ドラゴンボール』の精神を継承している。

大阪府警元警部補が娘と殴り合いで逮捕

大阪府警の元警部補で交番相談員の父親(60)と同居する会社員の長女(28)が2018年9月23日に暴行の疑いで兵庫県警網干署に逮捕された。午後8時半頃、自宅で父親が長女の顔を平手で1、2回殴り、長女が父親の肩などを複数回拳で殴った疑いがある。

父娘は以前から風呂の湯量などを巡って口論になっていたが、長女の「今日は湯量を増やしてやったぞ」という言い方に父親が腹を立て、殴り合いに発展したという。長女が「DV(ドメスティックバイオレンス)をされた」と110番通報した。同署は2人がさらなる暴行に及ぶ可能性があるとして逮捕したが、長女は24日未明に釈放した。

父親は大阪府警の警部補だった2017年4月、JR網干駅で駅員の制服を引っ張ったとして、暴行の疑いで現行犯逮捕され、その後、起訴猶予処分となっていた(「「今日は増やしてやったぞ」に父立腹 風呂の湯量巡り娘と殴り合い 元警察官逮捕」神戸新聞2018年9月24日)。定年退職後の2018年4月からは曽根崎署の交番相談員として勤務していた(「父娘お風呂バトル 元警部補の父は暴行で現行犯逮捕」日刊スポーツ2018年9月25日)。逮捕歴があっても交番相談員になれる警察の人事はどうなっているのか。

警察不祥事では不祥事そのものに加え、身内にだけ甘い処分が批判される。身内に甘い処分が悪い結果をもたらした事件である。交番相談員という形で退職後の面倒を見ることも甘い。警察不祥事では再就職先の情報公開も必要である。

神奈川県警でパワハラ拳銃自殺か
https://blogs.yahoo.co.jp/shouhishahogo/66008175.html
三重県警巡査がストーカー行為とスマホ窃盗
http://blog.livedoor.jp/hayariki2/archives/2088399.html

茨城県警巡査部長がパワハラで停職

茨城県警の男性巡査部長(27)は、同僚の女性警察官と女性職員の2人にパワハラやセクハラを繰り返していたとして、2018年9月21日付で停職1カ月の懲戒処分を受けた。監督不行き届きで、当時の署長や副署長ら上司6人も口頭厳重注意や所属長注意とした。茨城県警監察室が同日に発表した。

巡査部長は3月、同じ交番に勤務する部下の20代女性警察官に対し、「言われたことができないなら辞めろ」「おまえは警察官に向いていない」などの暴言を吐いたり、頭や頬を平手で叩いたりなどの暴力を日常的に繰り返していた。別の女性職員に対しても4月から6月にかけ、みだらな言動を繰り返したりスマートフォンの無料通信アプリで同様の文言を送り付けていた。

巡査部長は事実関係を認め、パワハラについて「自分の思い通りに動かないことにイライラした」、セクハラについて「冗談やふざけたつもりで言動を繰り返してしまった」などと話しているという。巡査部長が女性職員にセクハラを行っているとの情報提供が7月にあり、同室の調査でパワハラも発覚した(「同僚にハラスメント 茨城県警、巡査部長を停職1カ月」茨城新聞クロスアイ2018年9月22日)。

停職1ヶ月は軽過ぎる。他人に警察官に向いていないと言う前に巡査部長が一番警察官に向いていない。警察官の幼稚な行動が増えている。民間企業はどんどんコンプライアンスの対応が厳しくなるばかりなのに、警察は穴だらけである。これだけ世間で叩かれてるのに、まだハラスメントを続けるのか。再発防止を唱えるだけで、何度も繰り返されている。

勁草の人 戦後日本を築いた財界人

高杉良『勁草の人 戦後日本を築いた財界人』は日本興業銀行頭取で「財界の鞍馬天狗」と呼ばれた中山素平を描く。人間を描くというよりも、戦後昭和の経済案件がメインである。戦後の重大な経済事件が描かれる。当事者として関わったというよりも、ご意見番として関わったものが多い。そのため、戦後経済史に関心のある向きには面白い。

しかし、人間関係が全てで、需要と供給やコスト、ROIなどの経済人らしい話は乏しい。20世紀の話であって21世紀には通用しないだろう。それでも重厚長大産業に融資していた日本興業銀行を東京ディズニーランドに融資させるなど経済のサービス化、ソフト化を見越した先見性はある。

冒頭から総理大臣との関わりが描かれるように政治家や官僚との関わりが濃い。中山が関わった訳ではないが、ロッキード事件やリクルート事件など政治と金の問題も登場する。昭和の官僚主導経済の中で活躍したとの印象を強くする。山一証券を日本銀行に救済させたことが手柄話のようになっているが、その後の破綻を知っている現在から振り返ると護送船団方式のドグマに囚われていないか。

本書を読む前に同じ著者の『不撓不屈』を読んでいた。国家権力の弾圧と断固戦った税理士の物語である。普段から公務員と付き合わなかった彼の清廉な印象が残っているため、落差を感じる。

中山は頭取を退任後は相談役や特別顧問になった。本書は頭取退任後の話が中心である。地位ではなく、人物に人が集まると見れば素晴らしい。しかし、悪く見れば老害のドン支配、ボス支配となる。日本では少し前の都議会自民党や最近の日本大学のようなドン支配の弊害が大きな問題となっている。この点でも20世紀に通用した話との印象を強くする。

最後は、みずほ銀行への統合である。この辺りではご意見番でもなく、傍観者である。ある種のNHK大河ドラマのように無理矢理主人公を絡ませて活躍させるよりは好感が持てる。

みずほ銀行の統合はシステム障害でミソをつけた。IT社会を反映している。都合の悪い情報を出さない閉鎖的な恐怖政治が原因と描かれる。情報共有、情報公開が重要である。主人公はアングロサクソン型新自由主義に批判的であるが、情報公開の点で昭和の日本的経営は劣っている。この点の克服なしに新自由主義を批判しても届かないだろう。

和歌山県警巡査が盗撮を注意され傷害

和歌山県警巡査は女性のスカートを盗撮し、盗撮を注意した人に怪我を負わせて傷害容疑で逮捕された。巡査は2018年9月9日、大阪メトロ日本橋駅の階段で女性のスカート内にスマートフォンを差し入れているのを男性に注意され、逃げようとしてもみ合いになった(「駅で盗撮の巡査、注意された男性に路上で馬乗り」読売新聞2018年9月22日)。
午後5時45分頃に大阪市中央区日本橋の路上で注意した男性を転倒させ、馬乗りになり右ひざ打撲など負傷させた疑いがある。殴られた男性は、右ひじや右膝などに全治9日の打撲を負ったという。「男性同士が言い合いをしていて『こらぁ』『お前、やっただろう』などとすごい剣幕だった。そして、殴り合いになり、背格好の大きな男が別の男を転倒させて馬乗りになって、何発か殴って、今度はビルに体を押し付けて殴りかかり、逃走」(「「樋田容疑者逮捕」大阪・繁華街での大捕物に色めき立つも犯人は警官」AERA dot. 2018年9月23日)
巡査は2018年9月22日、大阪府警南署に逮捕された。同署は府迷惑防止条例違反容疑でも調べる(「男性に馬乗り、警官を傷害容疑で逮捕「盗撮がばれた」」朝日新聞2018年9月22日)。重陽の節句にスカートの中を盗撮とはどうしようもない。巡査は2018年4月に県警察学校に入校し、10月1日に配属予定だった。
最初から不純な動機で警察官を志望したのか、それとも警察学校のパワハラ・セクハラ体質の中で壊れたのか。警察学校自体が正義感とは縁遠い人間を養成するシステムと化している。内部でのパワハラやセクハラも多い。上司のご機嫌をとらないと昇任試験の推薦がされないという問題もある。
巡査が盗撮犯を捕まえようとした話ではなく、巡査が盗撮犯の話である。盗撮の警察不祥事は珍しくない。埼玉県警蕨警察署の巡査部長はプールで盗撮したとして、東京都迷惑防止条例違反容疑で逮捕された。埼玉県警の公安2課課長補佐の男性警部はプールで女子高生を盗撮し、書類送検された。数知れない警察不祥事が積み重なり、腐ったごみ溜めのような臭いを放っている。
この事件は和歌山県警の巡査が大阪府という他所の都道府県で盗撮していることも特徴である。埼玉県警蕨警察署の巡査部長は東京都のプールで盗撮した容疑で逮捕された。岐阜県警の巡査長は大阪府のプールで痴漢した容疑で逮捕された。警察不祥事は他所の都道府県で行うようにしているのか。それとも所属する都道府県の警察不祥事は隠蔽されるため、他所の都道府県で起こした警察不祥事が報道される傾向になるのか。
千葉県警教養課の男性巡査部長(29)が栃木県内で露天風呂をのぞき見た容疑もある。巡査部長は2018年9月14日から15日、栃木県日光市湯西川にある温泉旅館の貸し切り露天風呂で、のぞき見した疑いが持たれている。女性客と一緒に風呂を利用していた男性客が気付いて巡査部長を取り押さえ、旅館を通じて栃木県警に通報した(「千葉県警巡査部長をのぞき容疑で聴取 栃木の温泉旅館」千葉日報オンライン2018年9月19日)。
栃木県警今市署は軽犯罪法違反の疑いで巡査部長を任意聴取している。民間人ならば逮捕されている案件ではないか。身内に甘い体質は警察不祥事が続発する要因である。処分が軽過ぎることは、警察不祥事が続発する理由になる。連日のように警察官不祥事が発生している。これが警察官の実態である。

プレミアムフライデーは非常識

プレミアムフライデーは、今や有害かつ非常識なものになった。民間に通用しない公務員感覚の押し付けは不幸を生む。わざわざ月末の忙しい時期を早く帰れる日にしようとする公務員感覚が非常識である。プレミアムフライデーが流行らないことは当然である。

プレミアムフライデーは最終週の金曜日という設定であるが、月の最終営業日になることもある。この日に早く帰るようにすることは嫌がらせ以外の何物でもない。しかも2018年9月28日は四半期の〆日である。四半期の毎の情報開示は、より短期的な視点で経営実態を把握することに役立つ。日本企業が国際競争力を持ち、海外の投資家から選ばれるために必要である。この四半期決算の視点は民間感覚を持たない公務員の抜けている要素だろう。

そもそも皆で早く帰るというプレミアムフライデーの発想は、個人の自由で多様な働き方を目指す働き方改革に逆行する。帰りたい時に帰ることが自由である。早く帰ることを強制されることは苦痛である。皆が一緒に帰るように国が指図することは自由な働き方ではない。画一的に管理する公務員の発想である。個々人の需要に応じた柔軟な仕組みが求められている。

新規&リピーターがどんどん増える 治療院「ウェブ集客」の成功法則

杉原智之『新規&リピーターがどんどん増える 治療院「ウェブ集客」の成功法則』(日本実業出版社、2018年)はWebを中心に整体院を繁盛させる秘訣をまとめた書籍である。著者は母親の整体院のホームページ作成を手がけ、そこから他の整体院のコンサルもするようになった。その経験に基づく書籍であり、説得力がある。

本書は一般的な宣伝文句よりも、例えば腰痛などに特化して、狭い分野でもナンバーワンを目指すことが良いとする。選択と集中である。本書は整体院や接骨院を念頭に置いているが、他の業種も学ぶ価値がある。

また、本書はWeb戦略が中心であるが、ビジネス全般の指針も提示する。借金をしない、固定費をかけないことは基本である。今は右肩上がりの経済成長の時代ではない。過大な設備投資をして、日本経済の景気拡大に貢献してしまうだけではつまらない。

本書はリピート客を重視する。これはビジネスの基本中の基本である。一生に一度あるかないかの買い物でリピート客を期待しにくい不動産取引でサービス業精神に欠けた問題業者が出やすいことは筋が通る。

本書は以下の指摘もしている。「販売側がセールスをすればするほど、今の時代はお客様が逃げてしまうリスクもあります」(210頁)。これはマンション投資などの迷惑勧誘電話に聞かせたい言葉である。このように本書はビジネス全般に役に立つ。むしろ、このインターネット時代において、ビジネスを発展させようとすればWeb戦略が中心にくるということになるだろう。

和歌山県警巡査を犯人隠避容疑で事情聴取

和歌山県警の和歌山北警察署の20代の男性巡査は知人の男が起こした交通事故を把握しながら「黙っていてほしい」と頼まれ、見逃したとして事情聴取を受けている。
男性巡査は非番だった2018年8月30日の夜に車で偶然通りかかった和歌山市内の路上でバンパーなどが破損した車を発見した。しかし、運転手が知人の男とわかり「黙っていてほしい」と頼まれ、警察に通報せずに現場から立ち去った。男は無免許で、直前に民家のブロック塀などに衝突する事故を起こしそのまま逃走した。警察は男を道路交通法違反の疑いで逮捕し、巡査についても犯人隠避の疑いで近く書類送検する方針(「「黙っていて」知人の無免許事故見逃し 和歌山県警巡査を犯人隠避容疑で書類送検へ」2018年9月21日)。
この身内や知人には甘い不公正さは体質的な問題として考える必要があるだろう。警視庁交通機動隊の白バイ隊員が警察官の交通違反を見逃していた疑いも報道された。白バイ隊員が2018年1月、東京都立川市の路上で取り締まりをしている際、車線変更が禁止されている場所で違反をした乗用車を確認し、停車させた。
その際、白バイ隊員が運転していた男性に対して、交通違反の切符の交付など必要な手続きを怠った。乗用車を運転していた男性は警視庁の別の交通機動隊に所属する警察官で、取り締まりを受けた際、白バイ隊員に対し、「自分は警察官だ」と伝えたと言う。白バイ隊員には犯人隠避などの疑いがある(「白バイ隊員が同僚の違反見逃しか、犯人隠避の可能性も」TBS 2018年4月4日)。

警察庁セクハラに公務災害

警察庁に勤務する40歳代の女性警視が、元同僚の男性警視のセクハラを受けて精神疾患になったとして、同庁から2017年3月に国家公務員災害補償法に基づく公務災害として認定された。女性警視は認定後の2018年4月、精神的苦痛を受けたとして男性警視に損害賠償を求めて東京地裁に提訴し、現在、審理が行われている。

この訴訟に証拠提出された同庁や人事院の内部文書によると、男性警視は2014年、関西地方の県警から同庁に転任し、女性警視と同じ部署に配置された。その後、女性警視が2015年1月、「セクハラを受けている」と上司に申告。男性警視が女性警視を「ちゃん」付けで呼んだり、酒席や職場で卑わいな言動を繰り返したりしたと主張した。

同庁は調査の結果、同年2月に男性警視によるセクハラがあったと認定。女性警視は同年3月以降、極度のストレスで目まいをおこし、抑うつ状態などと診断されたが、同庁はこれについても「長期間のセクハラで強度の精神的負荷を受けたことが原因」と判断し、人事院と協議の上、公務災害と認めた。

この事件を報道した新聞記事のタイトルは女性を「ちゃん」付けで呼んだことが強調されている(「同僚が女性警視に「ちゃん」付け…公務災害認定」読売新聞2018年9月23日)。これでは「ちゃん」付けで呼ぶとセクハラになるかとの話になるが、それは本質ではない。「酒席や職場で卑わいな言動を繰り返したりした」点が重要である。公務災害認定でも「長期間のセクハラ」としている。

それならば記事の見出しを「同僚が女性警視に「ちゃん」付け」と書くことはミスリーディングになる。ここには報道側の事情が感じられる。「ちゃん」付けしたことは男性警視も認めているが、損害賠償請求訴訟ではセクハラを否定している。ここから、「ちゃん」付けが重要ということではなく、双方が認めていて問題にならないということで、「ちゃん」付けの見出しになったのだろう。

一方で「ちゃん」付けは一般社会ならば問題にならなくても、警察組織では問題という論理は成り立つ。警察は古い日本の縦社会であり、性別、年齢、役職などによる区別が五月蝿い。それが呼称にも反映しており、一般では問題にならない「ちゃん」付けが深刻な嫌がらせになり得る。警察も「さん」に統一すれば差し障りが無くて良い。

警察組織のパワハラ・セクハラ体質は深刻である。大阪府警四條畷署の男性巡査部長のパワハラ自殺でも公務災害が認定された。神奈川県警泉署の男性巡査の拳銃自殺はパワハラが原因として提訴された。人間を塵のように扱う組織である。
お問い合わせ
月別アーカイブ
記事検索
QRコード
QRコード
  • ライブドアブログ