『BLOODY MONDAY Season 2』第6巻、ハッカーと工作員がラブラブに
 龍門諒原作、恵広史作画で『週刊少年マガジン』に連載中のサスペンス漫画『BLOODY MONDAY Season 2 絶望ノ匣(パンドラノハコ)』第6巻が、1月17日に発売された。『BLOODY MONDAY』は、ファルコンの異名を持つ天才的ハッカーの主人公・高木藤丸がテロリストに立ち向かう物語である。三浦春馬主演でテレビドラマにもなった。

 「目眩く頭脳戦!」「予測不能の展開から目を離すな!」「少年漫画史を変えるショッキングサスペンス連載」という触れ込みで連載開始された作品であるが、最近は衝撃が弱まった感がある。その一因はテロを防止する側のレベルの低さである。日本の対テロ組織THIRD-iは、テロリストらを「外国からの作業員」「ハイカー風の女性」と認識して、逃げられてしまう。

 極めつけは米軍である。来日した大統領を警備するが、完全に無能な存在になっている。主人公の藤丸を活躍させるためには、テロリストが米軍を出し抜く必要がある。しかし、無能な米軍を藤丸がフォローしたから破局を回避できたという展開は、藤丸の凄さを示すことにはならない。優秀な米軍を上回るテロリスト、その裏をかいて藤丸がテロリストを追い詰めるという展開こそ、「目眩く頭脳戦」にふさわしい。

 テロとの戦いの失速に代わって、最近の見どころは藤丸と水沢響のラブラブ展開である。響はファルコンを監視するために送り込まれた某国の工作員であったが、自分の存在を認めた藤丸のために生きるようになった。

 『BLOODY MONDAY』のヒロインには幼馴染みの朝田あおいがいるが、最近はまったく登場しなくなった。朝田はテレビドラマ『ブラッディ・マンデイ-シーズン2-』では序盤でテロリストにあっけなく殺害されたが、存在そのものが忘れられた原作の方が、キャラとしての扱いは酷い。
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 朝田は空手全国大会の女子最年少チャンピオンという設定で、初期は空手でテロリストと戦うこともあった。頭脳派のヒーローを肉体派のヒロインが支援するという組み合わせは面白いパターンであるが、空手少女が傭兵経験もあるテロリストと戦い続けるという設定はリアリティに欠ける。その意味で響へのヒロイン交代は、話の本筋にとっては好都合である。
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 工作員として高い能力を持ちながらも、周囲を唖然とさせるほど藤丸への気持ちをストレートに表現する響は魅力的である。ツンデレのような変化球を加えなくても、単純なデレデレでもキャラクターが成り立っている。一方で裏切りや主要人物の死が相次ぐ『BLOODY MONDAY』の傾向を踏まえると、藤丸と響がハッピーエンドを迎える確率は低い。ラブラブ展開の行方からも目が離せない。
(『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』著者 林田力)