第9 結論

以上の通り、原判決は、都市計画制度の運用を、行政が大企業の資金的提供を条件に、住民の住環境破壊につながる爆発的な容積率増加を容認して「都内最大の民間再開発事業」として、強行している事実について行政の裁量の範囲内であると認定した。

都市計画基準に定める他の諸計画との矛盾を容認し、再開発要求発生時(S58年)の上位計画になかった「世田谷区広域生活拠点」を事後的に創設して、つぎつぎに容積率緩和率を増大して、東急電鉄等にその開発利益を独占さえた構図は、他に類例を見ない超巨大再開発事業を、風致地区のど真ん中の都市計画公園予定地に出現させるという、都市計画制度の根幹を揺るがす無秩序、無計画の人権侵害事業を可能にし、住民の貴重な血税を投入することを許しているのである。

かかる都市計画行政にはみじんも公共性も認められない。これを乱開発と言わずに何をもって乱開発というかという、典型的な制度濫用事例である。

司法は,毅然として原判決を取消すべきである。今や、地球環境保護の観点から、地域の自然環境の保全は、私たち住民だけでなく地球全体に住む人々にとって、死活問題である。
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まちづくりの方向も、自然を破壊して開発を進めるのではなく、高い建物を低くする、高速道路を川にもどす、コンクリートで固めた河川を野原に囲まれた自然豊かな流れにもどすなどの、自然回帰、保護の方向へと大転換している。そしてそのようなまちづくりを担っているのは、まさに、行政が住民と共にその意見を実現するべき努力しているのである。時代の流れに逆行する本件再開発事業の違法性はもはやだれの目にも明らかである。裁判所の勇断を強く望むものである。
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