二子玉川東第二地区市街地再開発組合は東京高等裁判所第一民事部(福田剛久裁判長)からの調査嘱託に拒否した。二子玉川ライズ行政訴訟(平成24年(行コ)第306号 設立認可処分取消請求控訴事件)では2013年5月22日付の調査嘱託書で再開発組合にビル風の風速データの開示を求めた。

この経緯を二子玉川の環境を守る会は以下のように説明する。「裁判所は、ビル風のデータを事業者から出させる手はずをとりました。私たちは、専門家の科学的検討結果を反映させ、裁判所で審理するよう求めています」(二子玉川の環境を守る会NEWS No.39 2013年5月)。

ところが再開発組合は2013年6月4日付回答書で開示を拒否した。回答書は拒否理由を4点挙げる。第一の理由は「測定結果の精度は必ずしも高くないこと」である。しかし、これは測定結果の信頼性についての議論の余地を生じさせるものであっても開示しない理由にはならない。また、本当に精度の低い測定しかしていないとすれば、再開発の事業者として問題がある。二子玉川ライズは風害などの住環境破壊について、いい加減な調査しかしていないと自認していることも同じである。東急電鉄・東急不動産の住民無視の体質が丸出しである。

第二に「証拠としての必要性・相当性に関する疑義」を挙げる。しかし、これも理由にならない。裁判所は裁判に関係あると判断したために調査嘱託を実施した。再開発組合が必要ないと判断すれば出さなくていいならば調査嘱託の意味がない。自分が問題ないと判断すれば、どれほど二子玉川ライズによって住環境が破壊されようと問題ないということになる。

まさにこれが東急電鉄・東急不動産の住民無視の姿勢である。これは東急不動産だまし売り裁判とも共通する。東急不動産は不利益事実を隠して新築分譲マンションをだまし売りしたが、自らが問題ないと判断したという理由で正当化した(林田力『東急不動産だまし売り裁判4渋谷東急プラザの協議』「東急不動産の判断」)。

第三に控訴人が独自に風速計を調達して測定することは可能であると主張する。しかし、これも理由にならない。事業主体者である再開発組合が二子玉川ライズの風害について、どのように認識していたかも問題である。それ故に再開発組合のデータを開示することに意味がある。

また、物理的にも二子玉川ライズの敷地内での測定は事業者でなければできないものである。住民が公道などで測定した風速データは、再開発組合が敷地内で測定した風速データを代替できない。
http://www.hayariki.net/10/27.htm
しかも、第三の拒否理由は第一の拒否理由と矛盾する。第一の拒否理由では自己の測定結果は精度が低いとしながら、住民には数万円程度の価格で市販されている風速計で測定すればいいと主張する。

第四に「これまで一貫して風量等の測定結果に関する資料提供には応じられないと回答していたこと」とする。しかし、これも理由にならない。第二の理由で批判したように裁判所が調査嘱託で求めたという事実を無視し、自己が応じないと判断すれば応じなくていいとする反社会的な姿勢である。数百億円の補助金(税金)を受領していながら、公共的姿勢は皆無である。説明責任を果たすという発想がない。

住民側は二子玉川ライズのビル風が当初の想定よりも大きいという事実を隠蔽するために、再開発組合が回答を拒否したと批判する。「再開発組合は、風速データを開示すれば、ランク2、ランク3を示す多数のデータが明白となるために、本件調査嘱託への回答を拒否したことは明白である」(2013年6月18日付準備書面3頁)
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