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保育園を考える親の会『小1のカベに勝つ』は小1のカベの対策をまとめた書籍である。待機児童問題など保育が大きな問題になっているが、保育園を出た後の小学一年生の子育ても大きな課題になっている。保育という点では保育園よりも小学校や学童保育の方がサービスレベルが低く、その分、子ども本人や保護者の負担になっている。これが小1のカベである。本書は保護者の体験談という形で、様々な小1のカベについて乗り越え方を書いている。体験談のため、唯一絶対の解決法というような独善的な押し付けがましさはない。肩肘張らずに読み進めることができる。
本書では現在の仕組みの下でどのように課題を解決したかが書かれている。その意味で現に困っている人々にとって実践的な内容である。一方で現行制度の問題点を明らかにし、制度を変えようという視点は乏しい。どちらがいいかは議論があるだろうが、保育運動的な問題意識とのギャップを感じた。
本書には実践的な工夫が体験として書かれているか、それ以前に、共働き家庭の子育てが大変であると再確認させられる。昔は、それほど子育てに苦労はなかった気もするが、今の現実を見据えることが保育問題を捉える大前提になる。小学生へのアンケートで危険ドラッグを個人の嗜好と回答した人が一定数いると報道された。社会からの子育てのサポートは不十分であるが、社会の中の悪意には容赦なく晒される。今の時代は大変である。