#マンガ #劇画 #漫画 #書評
『ドンケツ』はヤクザ漫画である。現実においてヤクザは反社会的勢力である。それでもヤクザを主人公とした漫画が成り立つ理由は、主人公のヤクザが悪玉ヤクザを叩きのめしてくれるからである。もはやヤクザとも言えない半グレ集団が現実社会にのさばっている。そのような外道を叩きのめせる存在はアウトローくらいではないか。ここにヤクザ漫画のリアリティーが成立する。
最新刊では対立組織の外道ぶりが明らかになる。形式的にはヤクザ組織であるが、実態は半グレに近い。多くのヤクザ漫画では主人公ヤクザと悪玉ヤクザを分ける要素は薬物である。主人公側は薬物を御法度とするが、悪玉ヤクザは薬物で儲けている。薬物関係は悪玉という図式が成り立つ。『白龍』などと同じく、この図式は本書にも該当する。
主人公側にも薬物をシノギとすることへの誘惑に囚われる人物が出てくる。その手法は病院の処方箋を悪用したもので、危険ドラッグに重なる。ドラッグに関わることは悪という価値観の徹底を期待する。