2010年05月

林田力「北芝健ドメインでサイバースクワッティング(上)」

【PJニュース 2010年5月31日】元刑事で作家の北芝健氏の名前を表すドメイン名を使い、「北芝健公式ウェブサイト」と題するウェブサイトが2010年5月24日付でサイト閉鎖の案内を掲示した。これは現代的なサイバースクワッティング問題の複雑さを物語るものである。

サイバースクワッティングは不正な目的で著名な企業やブランド・個人の名前のドメイン名を登録・使用する行為である。典型的な動機は真の権利者への高値での売りつけである。それ以外にもドメイン名が表す企業やブランド・個人の公式なウェブサイトと誤認した訪問者を集め、広告サイトへの誘導や個人情報収集などに悪用される。
http://news.livedoor.com/article/detail/4798896/
http://www.pjnews.net/news/794/20100530_4
問題のウェブサイトは北芝氏の様々な写真と共に、北芝氏の活動(トークイベントなど)の告知や著書の案内などが掲載されており、文字通り本人の公式サイトのような外観を呈していた。これに対して北芝氏側はサイバースクワッティング被害を主張する。記者(=林田)は北芝氏ともサイト開設者とも面識があり、双方に取材して話を聞いた。

北芝氏は『まるごし刑事』などの漫画原作や犯罪学者の立場での講演、バラエティ番組出演など多方面に活躍している。サイト開設者は北芝氏のトークイベントを司会し、北芝氏との関係が悪化する前は北芝氏の仕事(編集者などとの打ち合わせなど)に同席し、北芝氏の主宰する空手道場・修道館の宴会に出席するなどしていた。

北芝氏はサイト開設者をIT専門家と名乗り、修道館に出入りした人物と説明する。様々な悪評を聞いていたが、更正の最後のチャンスと考え、仲間として待遇した。温情から食事をおごり、食品や衣料を買い与えた。様々なアルバイトを紹介したが、サイト開設者は時間にルーズで遅刻して、長続きしなかった。これに対し、サイト開設者は北芝氏のマネジャーだったと主張する。

「北芝健公式ウェブサイト」は2008年12月頃、サイト開設者の知人であるライターA氏のサーバーを間借りして開設された。この頃に北芝氏はサイト開設者とA氏にホテルのディナーバイキングをおごっている。その後の2009年4月頃に独自ドメインを取得した。

「公式サイト」について北芝氏は依頼もしていないのに勝手に開設されたと説明する。その目的を、サイトで北芝氏への仕事のオファーを受け、サイト開設者が北芝氏の仕事をコントロールすることを狙ったものと推測する。

これに対し、サイト開設者は北芝氏に「ウェブサイトを開設すれば仕事が取れる」とアドバイスしたところ、仕事が欲しいとの回答だったために作成したと反論する。定額の報酬とウェブサイト経由で仕事が入った場合のコミッションをもらえるという話であった。しかし、北芝氏からは経費の一部と物品による報酬しかもらえなかったという。

北芝氏はサイト開設を依頼していないと主張しており、そもそも報酬支払い義務はないというスタンスである。但し、「公式サイト」は作りがチープで、安いサーバーを使用しているため、温情からサイト開設者に渡した金銭や物品でお釣りが来るレベルであるとも主張する。これに対し、サイト開設者はサーバーが最安価であるというのは風評であると反論する。【つづく】

林田力「宇宙開発の徹底的な事業仕分けを」

【PJニュース 2010年5月30日】事業仕分け第2弾では、日本の宇宙事業を担う宇宙航空研究開発機構(JAXA)も対象とされ、JAXA運営の広報施設「ジャクサアイ」が廃止に決まった。仕分け人からは「日本の宇宙戦略は誰が決めているか不明確」と宇宙開発自体への疑問が提起され、「ジャクサアイ」は「費用対効果が不明」と結論付けられた。

日本の宇宙開発は麻生政権時代の宇宙開発戦略本部(本部長=麻生太郎首相)がまとめた「宇宙基本計画」によって従来の方針から大きく転換された。そこでは有人宇宙計画や防衛分野での利用などが盛り込まれた。この基本計画策定当時のパブリックコメント募集(2009年5月18日締め切り)で、記者(=林田)は宇宙開発廃止の立場からパブコメを提出した。その考えは現在でも通用する。

宇宙は地に足付いた健全な生活を送る人々の生活とは無関係な頭上はるか彼方にある。そのような宇宙に挑む資金と時間があるなら、この人類の生活圏を豊かにすることに目を向けた方が有益である。現実から目をそらして宇宙で夢想するよりも、地球上での義務を果たすべきである。人類が足を置いている地球には解決しなければならない問題が山積みしている。
http://news.livedoor.com/article/detail/4797894/
http://www.pjnews.net/news/794/20100529_6
地球環境も守れないのに、宇宙開発を進めるのは浪費であり、無意味である。現実に地球環境は悪化しており、大気汚染や大規模自然災害で苦しんでいる人々が沢山いる。その人々を置き去りにして、莫大な国民の血税を浪費し、国威発揚や科学者の名誉心・道楽を追求するのは欺瞞である。人類及び地球上に生息する生命の平和的共存ができてからでも遅くはない。自分たちの身が立つ開発を優先させるべきである。目先の問題を処理できていないのに、未来の夢を語るのは現実逃避である。

宇宙ステーションや宇宙基地を建設したところで、地球上で生活を送る何10億の人類のほんの一部でも養えるわけではない。そもそも先祖代々生活し、住み慣れた母なる地球を捨てて、生存環境を構築するだけでも高価な装置が必要な宇宙で生活することは幸福を意味しない。膨大な国民の税金と、一つ違えば人命まで犠牲にして、競ってロケットを打ち上げたとしても人類が豊かになるわけではない。1986年1月のスペースシャトル「チャレンジャー」の爆発事故は記憶に新しい。

日本の経済的繁栄の一因は宇宙を舞台にした軍拡競争に参加しなかった点にある。宇宙開発が繁栄を約束するならばソ連は崩壊しなかった。米国が双子の赤字に苦しむこともなかった。現実はその逆で、経済性を無視した宇宙開発競争が米ソ超大国の経済を疲弊させた。宇宙開発は経済にとってお荷物である。地球上で生活する人類に恩恵を与えないものが経済発展をもたらすというのは幻想に過ぎない。

何の戦略もないまま先端技術というだけで飛びつくことは昔からの日本人の悪癖である。結局は膨大な資金、時間、更には人命までも費やし、徒労に終わるだけである。しかし残念ながら、現実を直視できる人はいつも少数派である。

不況で自分に自信が持てず、ナショナリズムでしか自尊心を維持ない保守・右傾化した層は、「日本」「国産」「自主開発技術」「世界一」などの言葉が出るとROIも検証せずに酔いしれてしまう。日本は経済大国と自惚れているが、経済の規模こそ大きいものの借金の規模はそれより遥かに大きい。

宇宙開発は夢や感動を与えてくれるから、縮小すべきではないとの見解がある。無駄な公共事業に費やす資金があるなら、新しい分野である宇宙開発に投資すべきと主張する。しかし夢や感動を与えてくれるのは宇宙開発に限らない。科学技術には他にも沢山の分野があるし、文芸やスポーツも大きな夢や感動を与えてくれる。それら他の分野の人の夢を否定する一方で、他の分野の方に宇宙開発に対してのみ夢や感動を抱けと強制することは不公正である。以上より、国策としての宇宙開発を廃止して人々の生活を豊かにすることを目指すべきである。【了】

林田力(『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』著者)
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市民メディアHAYARIKI
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銀魂 かぶき町大戦争終結

銀魂 かぶき町大戦争終結
どのようなまとめ方をするか先が読めなかった、かぶき町大戦争も、空知さんらしい感動的な大団円になった。銀魂の中でも有数の感動長編となった、この話も最初は好きでなかった。無邪気に他人をヤクザの戦いに巻き込む平子が不気味だったが、お花畑も綺麗に伏線になっていた。

林田力「『歌舞伎町のシャブ女王』薬物依存の怖さ」

本書(石原伸司『歌舞伎町のシャブ女王 覚醒剤に堕ちたアスカの青春』バジリコ、2007年12月22日)は「夜回り組長」の異名を持つ著者(石原伸司)と「歌舞伎町のシャブ女王」と呼ばれた太田アスカの壮絶な交流記録である。著者は暴力団組長を引退後に作家となった。

現在は作家として活動しながら、繁華街を夜回りし、非行少年少女の更生に尽力する。その活動はNHK「ゆうどきネットワーク」(2008年10月31日放送)で「夜回り組長 再出発の応援歌」と特集されるなど、広く認知されるようになった。
http://www.janjanblog.com/archives/3953
暴力団組長という経歴を持ち、大勢の非行少年少女と向き合ってきた著者にとっても、アスカは衝撃的であった。著者をして「こんな女、見たことがない」と言わしめるほどであった。何しろ13歳からの筋金入りのシャブ(覚せい剤)&セックス中毒者である。自分を裏切ったヤクザの組長を警察に売る一方、刑事をシャブ漬けで破滅させるという荒業を行っていた。

そのアスカは著者と出会うことで更生を決意する。しかし、荒んだ生活が身についてしまっているアスカは一筋縄ではいかない。商業的には非行少女の更生物語として感動的にまとめたいところである。著者自身、本書の企画時点ではアスカの更生物語とするつもりであったと書いている。急死した飯島愛さんを目標としてタレントとして売り出す構想まであったという。

ところが、アスカが失踪するなど現実は期待通りに進まなかった。本書ではアスカに裏切られた著者の困惑と落胆を率直に記している。予定調和の展開にならず、話の座りは悪いものの、ありのままに記録した著者を始めとする出版関係者の誠実さは高く評価したい。

更生物語としては中途半端になってしまった本書であるが、それ故にこそ薬物中毒の怖さが印象に残る。一度中毒になってしまうと抜け出すことは容易ではない。止めた後も何年にも渡って心身を損なう。本書のアスカも幻覚に苦しめられており、それが不可解な行動になっている。

本書出版後の2008年は有名大学の大学生への大麻汚染が社会に衝撃を与えた。その背景として薬物依存症への認識の甘さが指摘されている。大麻の吸引がファッション感覚になっているという。その意味で当初の企画からすると不本意な内容になったとしても、本書の出版は非常にタイムリーであった。期せずして社会の問題意識に適合した内容になった。多くの人が本書を読み、薬物依存の怖さを認識して欲しいと感じた。
http://news.livedoor.com/article/detail/4796858/
http://www.pjnews.net/news/794/20100528_12

警察の暗部も正直に『スマン!刑事でごめんなさい。』

林田力「警察の暗部も正直に『スマン!刑事でごめんなさい。』」JanJanBlog 2010年5月29日
本書(北芝健『スマン!刑事(デカ)でごめんなさい。』宝島社、2005年)は著者の自伝的な作品である。著者は警視庁元刑事にして、マンガ原作者もしているという異色の人物である。警察時代も交番勤務から刑事、公安警察まで勤めたという。

その幅広い職務経験に基づき、著者は多くの著作を世に出してきたが、その中でも本書は体系だった自伝的要素の強い作品である。警察に入る前の喧嘩に明け暮れた愚連隊の日々やロンドン留学でのロマンスについても語られており、北芝健という人間を知ることができる好著である。
http://www.janjanblog.com/archives/3914
本書において著者は実にメチャクチャなことをしている。タイトルの『ごめんなさい』には好き勝手に暴走してきたことへの懺悔の念があるが、本文では著者の「活躍」が武勇伝的に語られている。脚色された自慢話の羅列に辟易する向きもあるだろう。それでも痛快に読ませるだけのテンポと表現力が本書にはある。

本書に書かれた内容の、どこまでが真実かは分からない。現実に起きたならば大問題になる内容もある。たとえば刑事が被疑者を暴行し、怪我をさせても「暴れて自ら転倒。机のカドで胸部を強打」と報告書に記して責任逃れをするエピソードがある(169頁)。警察の不当な取調べや冤罪の経験がある人にとっては警察に対する怒りを増幅させかねない内容である。

しかも、被疑者への暴行を「良民を泣かす犯罪者には屈辱を与えるのがいちばんだ」と正当化する(168頁)。ここには犯罪者と被疑者を同視するという根本的な誤りがある。上記エピソードは日本の警察の遵法精神と人権意識の希薄さを示すものであり、近代国家の司法警察職員として失格である。

また、数々の警察不祥事で激しく批判された身内に甘い警察の体質を実証するエピソードもある。右翼団体に買収された公安捜査員を糾弾せず、匿い続けたという。その理由は「彼を挙げることで、ひとりふたりと同じようなことをしているヤツが出てきて内部で叩きあいが始まることを恐れた」からとする(52頁)。

このように本書は警察批判に活用することも可能な内容になっている。それは「警察絶対擁護派」という著者のスタンスとは対極に位置する。つまり本書は著者とは正反対の立場の人でさえ、得るものがある。それは脚色を加えていても芯の部分では著者がストレートで正直だからである。それ故に本書は単なる自己肯定・組織正当化で終わらず、警察に好感を抱く人も反感を抱く人も一読の価値がある一冊になっている。
http://news.livedoor.com/article/detail/4794627/
http://www.pjnews.net/news/794/20100528_1/
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