2012年06月

二子玉川ライズは民意に反する

東京都世田谷区の再開発・二子玉川ライズには「住環境破壊」「税金の無駄遣い」など広汎な住民反対運動が起きている(林田力『二子玉川ライズ反対運動』)。二子玉川ライズはバブル経済期に生まれた計画で、その政策前提は現在では合理性が欠けている。

東急グループの開発優先姿勢は住民と消費者の信頼を損ねている。ビル風の風害防止策をめぐる二子玉川東地区市街地再開発組合の最近の動きを見ても、東急不動産だまし売り裁判を教訓としているのか疑問が生じる。東急グループは不利益事実を隠して新築マンションをだまし売りし、売買代金返還を余儀なくされた東急不動産だまし売り裁判から学習しなければならない(林田力『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』ロゴス社)。

二子玉川ライズ2期事業(二子玉川東第二地区再開発事業)は東京都から認可されているが、多数の住民の反対を無視してなされたものである。世田谷区のパブリックコメントでは二子玉川ライズへの世田谷区の補助に賛成意見は皆無である。時間の経過によって再開発に反対した住民の正しさが次々と明らかになっている。以下では二子玉川ライズがダメな理由を説明する。

第一に二子玉川ライズは民意に反する。2011年4月の世田谷区長選挙では「大型開発の見直し」を掲げた保坂展人氏が区長に当選した。二子玉川ライズへの住民反対運動は世田谷区民の民意を先取りしたものであった。保坂区長は「行政の継続性」を口にするが、それは妥当な政策に対するものである。反対住民は妥当性の検証がなされないまま強行された二子玉川ライズの再検証を求めている。
http://www.hayariki.net/2/faqindex.htm
二子玉川ライズが世田谷区玉川の街づくりの課題解決に相応しい計画が否かをチェックする必要がある。そこからは二子玉川ライズこそが世田谷区玉川の問題の元凶になっている事実が浮かび上がる。現時点で求められているものは長期的な視点からの二子玉川ライズなど開発政策の見直しである。

二子玉川ライズのような硬直化した事業にメスを入れるためには、政治による方針転換も必要である。民主主義社会である以上、民意が変われば事業の必要性が変わることは当然である。「大型開発の見直し」を掲げた保坂展人氏が世田谷区長に当選した以上、二子玉川ライズも住民無視の開発優先姿勢を改めなければならない。

ゼロゼロ物件業者の名前変更に注意v林田力Wiki記者

反社会的なゼロゼロ物件業者の名前変更に注意しよう。宅建業法違反など悪質なゼロゼロ物件業者が名前を変えて営業を続けている例が確認された。宅地建物取引業法の免許を新規に取得して、免許番号も変えるという手の込みようである。
宅地建物取引業者の行政処分歴は公開されている。このために消費者は行政処分歴を確認して不動産業者選びに役立てることができる。しかし、名前や免許番号を変えれば前科と結び付かなくなる。消費者を欺く悪徳不動産業者の姑息な手法である。
このため、消費者にとって契約しようとしている不動産業者の社名や免許番号を検索して、過去に行政処分歴があったかを調べるだけでは十分ではない。契約しようとしている不動産業者が新しい業者の場合、社名や免許番号、事務所住所の検索結果を丹念に調査し、仮に形式的には新規設立であっても宅建業法違反業者を継承していないか注意する必要がある。林田力
http://www.hayariki.net/

二子玉川ライズや中野のビル風被害の深刻化

再開発により次々と高層ビルが建設された東京都世田谷区の二子玉川ライズ周辺や中野区の中野駅周辺ではビル風被害が深刻化している。二子玉川ライズ周辺ではビル風にあおられて転倒して骨折した老婦人がいる。中野では2012年6月の台風で中野セントラルパークの複数の大木が倒れてしまった。

二子玉川ライズではビル風対策として植樹しているが、現状はビル風の抑制になっていない。樹木が成長する数年後はビル風の抑制になるとの意見もあるが、大木が倒れた中野の状況を踏まえるならば期待薄である。

高層ビルのビル風被害は高層ビルが建設された当初から確認できることである。超高層ビルが林立する都心部などでもビル風被害は起きている。実際、都心部に出かける数多くの人々はビル風によって財産的被害を受けている。雨の日にビル風によって傘の骨が折れてしまう被害に遭った人々は多い。駅のそばに折れた傘が大量に放置されている事実が証拠である。

これをピントの外れたマスメディアは現代人のモラルの低下と報道したが、表層的な分析である。むしろビル風被害を放置する街づくりに対する暗黙的な異議申し立てという側面がある。理不尽なビル風被害に対する、やり場のない怒りが折れた傘を道端に捨てるという反道徳的な行動になったと説明できる。これは建設的な行動ではないが、理不尽な現実に不満を持たず、従順に徹するプロ奴隷根性よりはまともである(林田力「反原発団体の情報発信で不安鎮静」PJニュース2011年6月8日)。

もっとも傘の骨が折られたというだけではビル風被害は深刻な社会問題になりにくい。二子玉川ライズや中野で被害が深刻化したことには別次元の問題である。

第一に二子玉川ライズ周辺や中野が住宅地であり、生活の場であることである。都心部の高層ビル街はオフィスや商業施設が中心であった。高層ビル街は労働者や買い物客などが利用する場であって、生活の場所ではなかった。
http://hayariki.net/2/21.htm
これに対して二子玉川ライズ周辺や中野は古くからの住宅地である。労働の場や買い物の場という通過点としては我慢できることも生活の場では耐え難くなる。老人や障害者、子どもなどの交通弱者の生活の場では尚更である。

第二に二子玉川ライズや中野は超高層ビル群が建設されたことである。複数の超高層ビルによってビル風被害は複合的な問題になる。住宅地でも超高層マンション建設でビル風被害が指摘される。しかし、マンション建設反対運動が起きるような優良な住宅地であればあるほど、周囲は低層建築が広がっているためにビル風被害は局所化される。

これに対して二子玉川ライズは再開発によって容積率がボーナス的に加算され、高層ビルが林立している。二子玉川ライズや中野は住宅地に超高層ビル街という新しい問題を突き付けている。ビル風被害が深刻な問題として受け止められることは当然である。

二子玉川ライズと中野駅周辺再開発はビル風以外にも再開発の問題を共有する。第一に防災上の脆弱性である。二子玉川ライズでは大量の帰宅難民が生じる可能性が保坂展人・世田谷区長によって指摘された(林田力「保坂展人・世田谷区長と語る車座集会が等々力で開催」PJニュース2011年9月28日)。

中野では避難場所の中野区役所一帯が再開発ビルの倒壊建物や炎に囲まれる魔の避難場所になると指摘された(「東京の「魔の避難場所」」AERA 2012年3月5日号)。周囲で大規模火災が発生し、避難場所自体が火災に巻き込まれる可能性がある。「中野区は最悪で、環七沿いや早稲田通り沿いで、大規模火災が発生する可能性が高く、中野区役所はまさにその真ん中にある」(「東京「震災避難マップ」で我が身を守る」FRYDAY 2012年2月24日号)。

二子玉川東地区再開発でも二子玉川公園を防災公園にすると発表されたが、住民にとってはビル風に注意しながら防災公園に避難するという危険がある。

第二に再開発事業の経済的失敗である。東京建物は2011年12月12日に東京都中野区での再開発中の物件などで大幅な評価損が発生し、約650億円の特別損失を計上すると発表した(「東京建物、過去最大720億円の赤字転落へ 畑中社長は引責辞任」2011年12月13日)。

二子玉川ライズも経済性が疑問視されている。「二子玉川ライズ オフィス」のテナント・NPO法人ディジタル・コンテンツ・インスティテュート(DCIn)は補助金の不正取得で撤退した(林田力「世田谷区議会でデジタル・コンテンツ問題が追及」PJニュース2011年10月25日)。二子玉川ライズ2期事業のオフィスビルでは世田谷区が税金でテナントとして入居する案が出ている。
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林田力『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』
http://hayariki.net/
http://hayariki.zero-yen.com/
アクティビア・プロパティーズ投資法人は公募割れ
http://hayariki.zero-yen.com/1/32.htm
林田力 太平洋クラブと東急不動産だまし売り裁判
http://www.hayariki.net/1/19.htm

東急不動産とゼロゼロ物件の不利益事実隠し

東急リバブル東急不動産とゼロゼロ物件業者は都合の悪い事実を隠す点で共通する。上場企業の東急リバブル東急不動産と貧困ビジネスのゼロゼロ物件業者では企業規模に雲泥の差があるが、企業体質が共通する点は興味深い。
東急リバブル東急不動産は隣地建て替えという不利益事実を隠して新築マンションをだまし売りした(林田力『東急不動産だまし売り裁判こうして勝った』)。また、東急不動産や東急電鉄は地元住民の反対を無視して超高層マンション・ブランズシティ守谷を建設した。ネット上でブランズシティ守谷への批判が広がると、ハッピー守谷という愛称を作り、姑息にも「ハッピー守谷で検索してください」と宣伝広告するようになった。
これは貧困ビジネスのゼロゼロ物件業者と共通する手法である。宅建業法違反で東京都から業務停止処分を受けたゼロゼロ物件業者も名前を変えて営業を続けている。不都合な事実と向き合わない悪徳不動産業者とは契約してはならない。
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東急不動産だまし売り裁判と液状化被害

林田力『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』(ロゴス社)は東日本大震災前に出版された書籍であるが、東日本大震災で大規模な液状化が生じた千葉県浦安市で住民が次々に住宅販売会社を訴えている状況に重なる。

三陸沖を震源地として2011年3月11日14時46分に発生した東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)は広範な液状化被害をもたらした。地盤工学会の現地調査によると、東京湾沿岸で液状化現象が確認された面積は少なくとも約42平方キロと世界最大規模になる。

長周期地震動やエレベータ停止による高層難民化などの問題と共に震災前から指摘されていた湾岸埋め立て地域の超高層マンションの危険性が再確認された格好である。しかし、湾岸埋め立て地が液状化しやすいとの結論は早計である。

第一に液状化被害は湾岸部の埋め立て地に限定されない。液状化被害を恐れて湾岸部を敬遠し、武蔵野地域の人気が上昇していると報道されているが、短絡的である。東日本大震災の液状化被害は茨城県や埼玉県など沿岸部以外の場所でも起きている。

古くは1185年の元暦の大地震で京都(山城国)の鴨長明が「方丈記」で「土裂けて水湧き出で」と液状化被害を報告している。仮に埋め立て地を避けるべきとしても、埋め立て地には河川や湖沼もある。埋め立て地を避けるならば細かい地区レベルの古地図を参照しなければならない。

第二に埋め立て地においても液状化被害の発生有無・状況は一様ではない。たとえば千葉県浦安市の液状化被害は甚大であるが、それでも場所によって被害状況に差がある。道路一本隔てて天国と地獄に分かれるような場所も少なくない。実際、東京ディズニーリゾートの被害は軽微であった。駐車場の一部で液状化現象が発生したものの、テーマパーク内では液状化現象が発生せず、建物の被害もなかった。

街中が津波に流された東北地方の被災地に比べて、液状化被害は関心が低く、報道量が少ない。前者が被害の悲惨さや重大性で勝ることが主要因であるが、日本人の異なる層への共感力の乏しさも影響している。単一民族幻想に浸る同一性の強い日本人は皆が平等に被災した津波被害には大きく同情するが、一部の人々だけが被災した液状化被害については他人事感覚になりがちである(林田力「石原慎太郎支持層に届かなかった石原批判」PJニュース2011年5月9日)。

http://www.pjnews.net/news/794/20110508_5/

場所によって液状化被害に明暗が生じた理由は、埋め立て土の材料や地盤改良の有無など工法の違いである。たとえば東京ディズニーリゾートはサンドコンパクション・パイル工法を採用した。締め固めた砂の柱を地中に多数埋め込むことで地中の密度を高めている。手間暇かけて対策した土地は液状化被害を受けないという童話「三匹の子豚」と同じ教訓が導き出される。

反対に地区全体が埋立地の東京都江東区豊洲では築地市場移転地がピンポイントで液状化した。この市場移転地では土壌や地下水の汚染が問題提起されている。液状化によって汚染土壌や地下水が地表に移動し、危険性が高まったと批判が強まっている。液状化の観点では土壌汚染を放置するような土地だから、土地造成にも手間暇をかけておらず、液状化したと考えることができる。

第三に軟弱地盤だから液状化したとの結論も誤りである。相対的に液状化に強い粘性土や硬さを備えた砂質土でも液状化は発生した。

手間暇をかけて対策を採れば液状化しないという結論は自己責任論を名目に被害者を切り捨てたい新自由主義者に好都合なものとして悪用される危険がある。しかし、幕張メッセや羽田空港など事業用地の被害は少ない一方で、新興住宅地に被害が集中する傾向を考慮しなければならない。
http://hayariki.net/1/26.htm
液状化の被害者を自己責任論で切り捨てることが正当化されるならば、液状化対策が十分になされておらず杜撰な造成をしたという説明を受け、それを承知して物件を購入した場合である。「埋め立て地だから、液状化リスクを考慮しなければならない」との主張は成立しない。適切な対策を採れば防止や被害の軽減が可能だからである。液状化被害は杜撰な土地造成の問題であり、欠陥住宅と同根の問題である(林田力「東日本大震災の液状化被害は土地造成の問題」PJニュース2011年5 月24日)。
http://hayariki.zero-yen.com/1/9.htm

液状化被害では不適切な修正工事による二次被害の危険性も指摘されている。ここでも『東急不動産だまし売り裁判』が重なる。東急不動産のリフォーム子会社・東急アメニックス(現:東急ホームズ)は東急不動産だまし売り被害者にリフォーム用品などを売りつけてきた(林田力『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』80頁以下)。東急グループは問題物件をだまし売りしただけでは飽き足らず、被害者に次々と商品を売りつける悪質リフォーム業者と同種の業者であった。
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